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2014年7月18日 (金)

ウクライナでマレーシア航空機撃墜

当ブログの趣旨とは異なりますが、やはり航空機のことは書いておきたいのでご容赦ください。

現地時間の7月17日、ウクライナ東部でマレーシア航空機が何者かによって撃墜され、乗員乗客298名が絶望と見られています。強い怒りを覚えるのは、これは戦闘行為ではなく、全く意味の無い殺戮であることが明白だからです。

マレーシア航空機は、ウクライナ上空を通過する航空路を、高度約1万1千メートルで巡航飛行していました。これは全く通常のオペレーションであり、他の機体も同じルートを飛んでいたのです。今回マレーシア航空機がターゲットになったのは、全くの偶然でしょう。今年3月のマレーシア航空370便不明事件に続き、なんという不幸の連続なのでしょうか。

使用されたミサイルですが、米軍の発表によれば、ロシア製の地対空ミサイルSA11「ガドフライ」とされています。このミサイルはセミアクティブレーダーホーミング方式、つまり地上から電波を発射し、目標からの反射をミサイルが受信することで、目標に向かって誘導される方式です。この段階で米軍がミサイルの型式まで特定したのは、おそらく何らかの方法(偵察機、無人機、衛星など)で誘導電波を傍受し、その周波数などの特徴を確認しているのでしょう。

兵士が肩に担いで撃つ簡易な地対空ミサイルは、赤外線誘導方式で高度6000メートルくらいが射程と言われていますから、それでは高度1万1千メートルを飛ぶ航空機は撃墜できません。

SA11地対空ミサイルは、ウクライナ軍が装備しています。現時点の情報では、親ロシア派の武装勢力が撃墜したとの説がありますが、本来、軍隊ではない武装勢力が装備しているはずのない重火器なのです。ロシアから供与されていた、ウクライナ軍の装備を奪ったなどと諸説も流れていますが、仮に装備が入手できたとしても、専門的な訓練を受けていない人間が操作することは全く不可能であるハイテク兵器です。それを考えると、ウクライナ軍による誤射の可能性も現時点では排除できません。

このようなミサイルは通常、発射前にIFF(敵味方識別装置)の質問電波を発射し、応答が無い、つまり敵であると判断された段階で発射します。しかし民間機が装備する同様の装置、ATCトランスポンダーとは周波数も通信コードも異なりますので、軍用IFFに対して民間機が応答することはありません。つまり、狙われたら自動的に敵だと判断されてしまうのです。通常、交戦空域を民間機が飛ぶことは無いのですが、ウクライナ国内紛争は地上のみの戦いであり、航空戦は行われていない(親ロシア派は航空戦力を持たない)ために、通過航空路は安全とされて、開放されていたわけです。

つまり高度1万メートルを通過するだけの大型機など、ウクライナ軍、親ロシア派両者にとって軍事的脅威では無く、攻撃する必要など全く無い状況だったということです。実際には、ロシア側や米国側の偵察機が高高度を飛んでいるのでしょうが、少なくとも地上兵力が攻撃する必要は無い状況だったと考えられます。つまり、今回の撃墜は敵側に責任をなすりつけるための工作か完全なミステイクだった可能性が高く、犠牲者は無駄死にそのものです。全くやりきれません。いずれにしろ、いかなる状況でも民間機が撃墜されることなどあってはならないのです。

実戦軍用機ならば、ミサイルのレーダー電波にロックオンされると警報を発する装置が搭載されており、回避機動をすることで命中の可能性を下げることもできますが、それが無い民間機の場合はミサイルが命中するまで誰も気づかなかったでしょう。突然の爆発に見舞われたマレーシア航空機の乗員乗客のことを想うと、心が痛みます。

今後、状況は明らかになって行くでしょうが、国際法上も人道的にも全く容赦され難い蛮行であることは疑いありません。それが仮に誤射であっても、非難を免れることは無いのです。しかし真実がどこにあろうとも、犠牲者は還らないのです。ありきたりながら、ご冥福をお祈りします。


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