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2014年8月18日 (月)

【防災の心理37】傍観の現実とは

今日8月18日、新聞に象徴的な記事を見つけましたので、それに関する記事をお送りします。


AEDの使用が一般市民にも解禁され、各地へ設置が始まってから今年で10年になるそうです。現在の設置数は全国で20万台を超えたとのこと。

では、AEDがどれくらい利用されているかというと、心肺停止状態で救急搬送された人に対する使用率は、2012年には3.7%でしかなかったそうです。これに対し、関係団体は「命の現場にかかわることをためらう人は多い。以前よりAEDの操作が簡単になったが、知られていない。周知徹底が必要だ」とコメントしてるそうです。

しかし管理人は、このコメントに違和感を感じざるを得ません。現実には”命の現場”どころか、小さな交通事故などでも、目の前の現場にすぐに駆け寄って自ら救護を始める人は滅多にいません。人が倒れていても、ましてや苦しんでいたり血が少しでも出ていたら、周りを取り囲んで眺めているだけが大半。

これは繁華街になるとより顕著で、まさに『傍観者効果』そのものの現場を、何度も経験しています。

AED使用率について少し注釈すれば、AEDを使用すべき状況は交通事故などによるものより、病気による心臓障害の方が圧倒的に多く、その現場の多くが一般家庭や職場です。2005年の統計によれば、心肺停止状態で救急搬送された患者の約7割が一般家庭からだったそうで、これは現在もあまり変わらないでしょう。

つまりたまたま居合わせた救護者、バイスタンダーがおらずAEDも手近な場所に無く、しかも一緒にいる人に高齢者が多いという状況が主ではあります。しかし、これは救うべき人が他人ではなく、家族の場合が多いということでもあります。


記事では、AED講習会参加者のコメントも紹介しています。「(講習を受けるまでは)一刻を争う現場に素人が立ち入っていいのかと思っていた」という声が多かったそうです。現実には一刻を争わなくても”傍観”することが多いのですが、AED講習受講者という救護意識が高い人々でさえ、そんな心理に囚われているということです。

そしてそんな心理が、誰かが救護を始めると「動かすな」という言葉になって表れるわけです。

当シリーズでは、今まで災害対策や非常時における『心理の壁』を、いくつも指摘して来ました。お化け屋敷の例では『群集心理からの遮断』、『情報の遮断』、『想定外』、『恐怖の伝播』などを、そして現在は『傍観者効果』です。

災害や交通事故などの現場は、そんな状況の”宝庫”なのです。群集の中から抜け出すことによる『群集心理からの遮断』、救護知識や技術の不足という『情報の遮断』、平穏だった街角で、いきなり人が苦しんでいるという『想定外』、そんな光景がもたらす『恐怖の伝播』そしてそれらが『傍観者効果』を加速する。まさにがんじがらめです。


しかしそんな中でも、業務や任務ではなく動き出す人々がいます。そんな人々とて、無論普通の市民。様々な『心理の壁』を感じています。でも、それを乗り越える。いやむしろ、乗り越えずにはいられない。その力の源は何なのでしょうか。

管理人が思うに、そんな人々は”別系統の思考”をしているのではないでしょうか。


■当記事は、カテゴリ【防災の心理】です。

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