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2014年8月 6日 (水)

【ニュース解説】高校生が雷撃受け重体

本日8月6日、非常に強い雷雨に見舞われた愛知県扶桑市で、野球の練習中だった高校生が落雷を受け、心配停止状態になっています。時事通信ニュースから記事を引用させていただきます。

(以下引用)--------------- 
【高2男子、落雷で重体=野球部の練習試合中-愛知・扶桑】
6日午後1時15分ごろ、愛知県扶桑町斎藤の私立誠信高校から「雷が落ち、負傷者がいる」と110番があった。グラウンドで練習試合中だった同校野球部2年の安藤翔輝さん(17)が意識不明の重体で、同県一宮市の病院に救急搬送された。他にけが人はいない。
 県警犬山署などによると、野球部は同0時40分ごろ練習試合を開始。大雨で中断したが、天気が良くなったと判断して再開した直後、マウンドにいたピッチャーの安藤さんに雷が落ちたという。直後は心肺停止状態で、その場で自動体外式除細動器(AED)による蘇生措置を受けた。
(引用終了)----------------

この事故当時、現地では強い雷雨が上がり、天候が回復していたと言い、報道によれば『ほとんど雷鳴も聞こえない』状態だったそうです。それでも落雷が発生しました。

このように、雷雲が非常に強力な場合、遠くでゴロゴロ聞こえている状態や、場合によっては雷鳴は全く聞こえず、上空も明るい状態で落雷するということもあります。

今日の愛知県地方は大気が非常に不安定で、名古屋市で時間雨量100mm(レーダー解析)を記録するなど、非常に強い雷雲が発生している中での事故でした。

開けたグラウンドの中で、マウンド上にいた(報道による)ピッチャーに落雷したのは、マウンド上がグラウンドの中で相対的にもっとも高い場所だったからということができます。雷は大抵の場合、その場所で一番背の高いものに落ちるのです。野球の場合、構えたバットも危険となります。


この事故のように、落雷の危険は雷鳴や上空の様子だけでは判断できないことがあります。発生している雷雲が非常に強力な場合、その周辺部の広い範囲でも落雷の危険があると判断しなければなりません。特に河川敷、グラウンド、田畑など開けた場所や、強い雷雲が発生しやすい山間部では特別な警戒が必要です。

それを周囲の様子だけから判断するのは困難なことも多いので、そのようなアウトドア活動をする前には、まずその日の気象情報を確認し、『大気が不安定』、つまり強い雷雲が発生しやすいかどうかを知っておく必要があります。

そして現地ではスマホや携帯電話で気象レーダー画像をこまめに確認し、強い雷雲が近づいている場合には、速めに避難すべきです。強い雷雲はひとつだけでなく、連なって移動してくることも多いので、常に“次”を警戒し続けなければなりません。

強い雷雲がまとまって、直系10km以上にも渡って強い降雨をもたらすような、『スーパーセル』と呼ばれるレベルになると、豪雨、落雷に加えて竜巻が発生する可能性も高くなります。

この先、このような過激な気象状況がますます増えて行くことは確実ですので、過去の経験則にとらわれず、最大限の情報収集と警戒をしていないと、突然生命の危機に晒される事も確実に増えて行くのです。

それが、あなたやあなたの大切な人に起きないという保証は、どこにもありません。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。


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