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2014年8月 7日 (木)

エボラ出血熱アウトブレイク!

西アフリカ地域で、エボラ出血熱が過去最悪レベルのアウトブレイク(感染爆発)に発展しつつあり、死者数は既に約900人に上っています。

エボラ出血熱とは、ジャングル内の小動物と考えられているウイルス宿主(しゅくしゅ)から人間に感染するとされるウイルス感染症で、感染すると体内外から出血して衰弱し、高い確率で死亡に至る最悪レベルの感染症です。

現時点では、死亡率は過去最悪のレベルまで達していませんが、今後アウトブレイクが終息に向かうにつれて、最悪の場合80%程度まで上昇することが懸念されています。

エボラ出血熱には効果的な治療方法は見つかっておらず、あくまで対症療法を行うのみです。現地では十分な防疫・治療体制が取られていないケースも多く、医療関係者への感染、死亡も起きはじめている、極めて深刻な事態となっています。

現実的な対応策としては、患者の血液、体液、便などへの接触防止と感染者の移動禁止しかありません。ウイルスは細菌と違って生体の中でしか生きられません。ですから感染者の回復または死亡によってウイルスが死滅するのを待つしかないのです。

その間、新たな感染者を出さないようにしないとなりませんが、現地では医療関係者の数や体制が不十分で、住民への対策も徹底されておらず、現時点では封じ込めに成功しているとは言えない状態です。

一部地域から現地への航空路が運休するなどの対応が取られ始めていますが、中東地域へ感染者が移動して死亡した事例も発生しており、他地域への感染拡大が懸念されています。

アジア地域は、西アフリカ地域との直接交流は少ないものの、感染者が他地域を経由して飛び石的に移動して来る可能性は捨てきれず、決して対岸の火事と安心できる状況ではありません。

感染から発病までの潜伏期間は3〜4日程度とされ、初期症状は風邪に似ているそうです。その間に、感染に気づかずに移動してしまう場合もあります。

今後は、感染地域の完全封鎖、国境封鎖などより厳重な対策が行われると思われますが、徹底されない可能性もありますから、全地球的な危機と認識しなければならない状況です。現在認識されているうちで最悪と言える感染症が、その猛威を振るいはじめているのです。


エボラ出血熱の恐怖については、米国の作家トム・クランシーの長編国際サスペンス小説『合衆国崩壊』に詳しく描かれています。米国が中東某国による同時多発的なエボラ出血熱テロに遭うというフィクションですが、ウイルスの威力、感染する状況、症状、そして封じ込めへの対策などについて詳細なリサーチを基に描かれていますので、興味のある方はご一読をお勧めします。

アウトブレイクが大規模化してしまった場合の恐怖が、非常にリアルに描かれています。エボラウイルスとの戦いは目に見えない敵と人類の壮絶な戦争であり、決して絵空事ではないのです。

その戦いは“地域紛争”から”内戦”のレベルに入りつつあります。今後の推移と情報に注目したいと思います。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。



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コメント

てばさん

遠いアフリカの地にあることで、つい他人事になってしまっているエボラ出血熱ですが、今後犠牲者がますます増えると予想されるとの事。
一刻も早い事態の終息を願うばかりです。


潜伏期間について少しだけ補足を。
残念な事に、もう少し巾が有るようです。2日から21日とのこと(国立感染症研究所のホームページより)。
何だってこんなに巾がと思い調べた範囲では、


注射針や点滴針の共有による感染は発症が早く、接触による感染は比較的ゆっくり。(上記の国立感染症研究所のHPより)


ウィルス株により潜伏期間が違う。ザイール株は比較的発症が早く、ギニア株は発症が遅い。今回の流行はどちらの株も発生(こちらは裏付けの取れていないネットからの情報です)


などでした。
勝手に未確認情報まで載せてごめんなさい。
新たな情報や裏付けがとれ次第、またコメントさせていただきます。

てばさん

すみません、まさかこんなに早くお詫びのコメントをする破目になるとは

先のコメントの未確認情報の元の出所が、匿名で書き込みできる2ちゃんねるという掲示板であると確認しました。本当である可能性も0ではありませんが、少なくとも情報源として信頼できるものではありません。お詫びとご報告を。


また、株についてですが、ザイール株の亜種であることは遺伝子検査で確認されています。現時点で確実なのはここまででした。


あー、毎回、非常時にはデマが飛ぶよと、このブログで忠告されているのになぁ。


お恥ずかしい

>ぼたもちさん

早速の情報をありがとうございます。裏を取るために国立感染症研究所のサイトを見てきましたところ、ぼたもちさんの情報の通りの記述を確認しました。

つまり血中に直接大量のウイルスが入ると発病が早く、皮膚や粘膜からの侵入の場合は比較的遅いということだと思います。感染細胞内での爆発的増殖から放出に至るまでの時間の違いでしょう。

まあ、これはデマの類ではないですよ。発病が数日のうちというのは正しく、あとは疫学的、経験的な幅ということです。

デマと言えば、現地で活動した米国人医療関係者が感染し、厳重な防護下で帰国、搬送されたアトランタでは、エボラウイルスが国内に入ったということで住民が感染を恐れ、ちょっと体調不良だとエボラじゃないかと病院に押しかけているそうです。

そういうのこそ、デマの本質ですよね。

〉てばさん

「ギニア株が発症が遅い」のくだりが完全デマだったんです。ギニア株なるエボラウィルスはありませんでした
確認されているエボラウィルスは5種類、出血熱としての症状が出るのが内3種類、ザイール、スーダン、ブンディギョだそうです。


ネットって便利ですが、専門家を装った投稿もあるから怖いですね

>ぼたもちさん

そうなんですよね。ちょっと詳しい人が書いたりすると、悪意は無くても出所がはっきりしている情報に、うろ覚えの不確かな情報がくっついて、それが同レベルで書かれるからみんな本当に見えてしまう。

しかも、悪意を持って本当っぽく書く人も少なくないですからね。ネット上でそれを厳密にえり分けるのは、事実上不可能かと。

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