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2014年8月20日 (水)

広島市で大規模土砂災害発生

広島県広島市の安佐北区、安佐南区を中心に大規模な土砂災害が発生し、本稿執筆時点で死亡27人、行方不明10人という大惨事に発展しています。しかし未だ被害の全貌が把握できていないため、今後さらに犠牲者数が増えるものと懸念されています。型通りではありますが、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りすると共に、行方不明者の一刻も早い救出を願っております。また、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。

この災害は深夜3時から4時頃という、人間の活動力が最も鈍る時間帯に発生しました。多くの方が、床についていたと思われます。一部の方は凄まじい豪雨と雷鳴、山鳴りなどに危険を感じて避難しようとしたそうですが、山の斜面に造成された住宅街の坂道が濁流となっており、家から出られなかったそうです。

現場近くの測候所では、発災時間帯に雨量計が1時間当たり130mmという信じられない程の雨量を記録しています。プラスの誤差が出やすいレーダー解析ではなく、実測値なのです。これは雨量だけ見れば完全に『特別警報』レベルのなのですが、局地的であったことと継続時間が短かったために、発表の基準には達しかなったようです。

しかし局地的に見れば、完全に『特別警報』の概念である“記憶に残るような大災害が起こる”状況で、“ただちに命を守る行動をしなければならない”レベルの豪雨であり、それが実際に起きてしまいました。


当ブログでも何度も指摘して来ましたが、気象による土砂災害の危険がある場合にできることは、『静かなうちに早めの避難』しかありません。しかし今回は未明に突然の豪雨となったため、就寝時に危険を感じることは無かったでしょうし、発災害時間帯に気象情報を見ていた方も少なかったはずです。仮に気象情報を見ていて、時間雨量100mm超の雨が降ることがわかっても、それがすぐに土砂災害に結びつくとは考えにくかったかもしれません。

ただ、山の斜面を造成した住宅街ですから、本来的に危険をはらんでいた場所ではあります。しかも山の土質は花崗岩が風化してできた『まさ土』(まさど)と呼ばれるもろい土質が主で、過去にも近くで大規模な土砂災害が発生していました。ハザードマップにも、土砂崩れ・地すべり危険地帯として指定されています。但し、背後に山がある住宅地のほとんど全てが危険指定されているので、ピンポイントで自宅の危険を把握できるものでもありません。

さらに悪いことに、今回はあまりの豪雨となったため、複数のタイプの土砂災害がほぼ同時に起きています。雨水が谷筋に集中し、土砂、岩石、立ち木を巻き込んで高速で流れ下る『土石流』、角度45度以上に切り立った斜面が、大規模に崩れ落ちる『山崩れ』、造成地の端部で、家のすぐ背後に迫った山体が滑り落ちる、『地すべり』が、ごく近い場所で何ヶ所も発生し、被害を大きくしています。

そんな状況ですから、いわゆる土砂災害の兆候はいろいろあったのでしょうが、未明、豪雨、冠水、停電(一部)という状況で、把握するのは事実上不可能だったでしょう。その段階でできることは、家の二階に上がることくらいしか残されていなかったはずです。

ただ、まだ正式にはわからないものの、犠牲者の半分以上が建物の1階で土砂に呑まれているものと思われます。家ごと押し流された例も多い様ですが、二階に上がっていさえすれば助かったという例も多いはずで、実際にそれで助かった方もいるはずです。土石流は壊滅的な破壊力で家ごと押し流すことが多いのですが、それ以外の場合は、高い崖の直下などでは無い限り被害は一階部分に限定され、建物も全壊に至らないことが多いのです。


このような土砂災害への対応方法については、当ブログでも何度も採り上げて来ましたので、今回は敢えて書きません。でも、覚えておかなければならないことが、ふたつあります。

まず、時間雨量100mmを超えるような豪雨が今後ますます増えて行き、どんどん“普通”になって行くということ。冬場は豪雪が増えるでしょう。そこで何が起きるか、何が危険かを知っていなければなりません。

もうひとつは、自分の居場所の危険をピンポイントで知っておき、危険が迫りそうな時は『自分で』判断して避難行動をしなければならないということです。無駄足は当然だと思って、予防的行動をしなければなりません。生命に関わらなくても、例えば自家用車を避難させることも大切な行動です。

当災害については、より詳しい状況がわかりましたら、また記事をアップしたいと思っています。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

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