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2014年8月23日 (土)

今まで何をやっていたんだ

Nikai
この画像は、8月22日付読売新聞の見出しです。でもたまたま見た読売新聞の記事を撮影しただけで、本文の内容とは直接の関係はありません。


広島市で発生した土砂災害の全貌が明らかになるにつれ、背筋が寒くなる思いを禁じ得ません。これは大地震でも巨大台風でもない、“普通の雨”の延長線上の豪雨でもたらされた事態です。しかも局地的な雨雲による、ちょっと乱暴な言い方をすれば『巨大な雷雨』だったのです。

今回特徴的だったのは、『バックビルディング現象』と呼ばれる、強い積乱雲が同じ場所で連続的に発達するという現象が起きたことですが、これは条件が揃えばどこでも起きる可能性があります。


なにしろ豪雨による山崩れ、土石流、地すべりによる犠牲者が出る頻度は台風や大地震とは比べ物にならず、毎年どこかで誰かが犠牲になっていると言っても過言ではありません。しかしほとんどの場合、犠牲者はごく少数です。

でもそんなニュースが流れるたび、私たちはいつもほとんど同じフレーズを聞いていたはずです。

『…建物の一階部分に流れ込んだ土砂に呑まれ…』

大規模な土石流でもない限り、多くの土砂災害で建物は致命的な破壊を受けず、一階部分に流れ込んだ土砂が、そこにいた人の命を奪っています。それはずっと昔から、何度も繰り返されて来ました。


ならば、危険な時は二階に上がればいい。それは頭で考えただけでわかることで、現場を検分すればさらに良くわかります。しかし、多くの行政やメディアは、長年に渡ってそのような防災指導をして来なかった。行政は、『二階に上がれ』と指導して、家ごと押し流された場合に責任問題になるとでも考えていたのでしょうか(一部自治体では、以前からそのような指導も行われています)

メディアは、トリビア的知識だけを垂れ流す、使いやすい“専門家”ばかり重用して、本質的な危険を直視する気が無かったのでしょうか。はっきり言って、自分ができもしない、頭で考えただけの理屈をしたり顔で語る“専門家”を見ると、虫酸が走ります。そんな連中をまだ使うのですか?メディアの方々。念のため付け加えると、ここで管理人が言う“専門家”とは、学術的方面や防災行政関係の方々ではありません(一部を除く)

まあ肩書きはともかく、“本当に役に立つ”ことを言うならば、誰でも良いのです。そうではない輩が、影響力のあるメディアを背景に大手を振っているのが問題で。


メディアにおいて、土砂災害の危険がある時にはその兆候は豪雨下や夜間では察知できないから、明るく静かなうちに早めの避難をせよ、その場に留まる場合には建物の二階以上の、崩れそうな斜面と反対側の部屋に行けというような『指導』が主流になってきたのは、2013年10月の台風26号による伊豆大島の土砂災害直前からでした。

それまでは、例の『土砂災害の兆候』を挙げて、それを察知したらすぐ避難しろという、完全な机上の空論がまかり通っていたのです。いつの間にか、『土砂災害の兆候』のようなことばかりを言っていた“専門家”も、宗旨替えをしていましたね。

結局、悲惨な大量死が起こるまで、命を守る行動を本気で考える姿勢は、あまりに希薄でした。“本当に役に立つ”事は伊豆大島の惨事で主流になりはじめ、今回の広島でやっと一般化するのでしょうか。

もちろん、安全な場所への避難が最優先であって、二階に上がるのは移動できない時の“最後の手段”でなければなりません。しかし今回の広島のように、知識があっても判断と行動が非常に難しい状況に直面するのが現実なのです。それでも、『最後には二階へ』だけが徹底されているだけでも、犠牲者が大幅に少なくなるのは確実です。

今回の広島でその効果がまた証明されたからこそ、画像のような記事が今更出るのでしょう。

しかしそんなことは、ずっとずっと前からわかっていたのです。じゃあお前はどうなんだという定番のツッコミもあると思いますが、管理人が『最後には二階へ』などを初めて記事にしたのは、当ブログスタートから半年後の2012年7月に起きた九州北部豪雨の時です。もちろん、それ以前からそのような考えを持っていましたが。

でも別に自慢したいわけでもありません。こんなにわかりやすいことなのに、今まで何度も繰り返されて来たことを見れば誰でもわかるのに、何故そんな机上の空論ばかりがまかり通って来たのか、無性に腹立たしいだけです。


文句ばかり言っていてもいけないので、最後に具体的な話を。

土石流の直撃を受けたら、頑丈な鉄筋コンクリート造りの建物でもなければ、高い確率で家ごと押し流されてしまいます。ただ、土石流は川や沢筋など、普段から水流がある場所で起きることが大半です。即ち、土石流が起こる場所は事前に知ることができるのです。ですから、自分の居場所が土石流の到達範囲かどうかを知っておかなければなりません。

主に普段は水流の無い場所で起こるのは山崩れや地すべりですが、その場合は建物が完全破壊される確率が土石流よりかなり低くなり、一階部分の被害に留まることが多いのです。ですから切り立った崖の直下などではない限り、危険を感じたら二階に上がるだけで、少なくとも人的被害のかなりの部分を防ぐことができるのは、今回の広島でも証明されたと言って良いでしょう。


今回はなんだかあまりにまとまりがない記事ですが、大惨事の発生に接し、一体今まで何をやっていたんだという憤りがあまりに強くて、少し冷静さを欠いていることをお詫びします。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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コメント

こんにちは。
土砂災害に見舞われた方々は大変なことだと思います。

災害(主に地震)から身を守る方法として家の中にシェルターを設置することが良いと私は考えておりました。
特にベッドや寝室をシェルター化が有効だと。
そうすると木造2階建だと1階部分に設置が構造上の制約になってきます。
崖下に住居をお持ちの方はどうしたらベストなのでしょうかね。
当然、崖下に住まないことが最善でしょうが。


いつも思うことは、自然災害も全て自分の責任として受け止めて、自分の糧として欲しいなと思います。
よく人の所為にして文句を垂れ流している人を見受けます。確かに、自然災害を自分一人で対処なんてできないでしょう。辛く苦しい処遇を受けることもあるでしょう。他に転嫁すれば楽になる気持ちもわかります。ただ、それだけだと前に進めません。
何が起こるか、何をすれば良いかとの気持ちを常に持ち続けて欲しいものですね。

と、取留めもないことをつらつらと書いてしまいました。

>whokiさん

前にも書いたのですが、自治体に「避難したいから避難勧告を早く出せ」とクレームが入ることがあるくらい、他力本願の人が少なくないのが確かです。

今回の広島でも、たまにインタビューに登場したりしますが、早い段階で自主避難したり、自己判断で二階に上がったりして難を逃れた人がたくさんいます。普段、メディアはそういう「上手くやった人」のコメントを使わないのですが、今回は被害があまりに大きいので、防災方面にネタ振りした方が良いと思ったのでしょう。結構そんなコメントが出ますね。それでも、インタビューできる被災者が少ないので、仕方ないからそんなコメント使ってるというニュアンスも感じますが。

でもそういう人はたくさんいますよ。今回のような新興住宅街ならば特に。でも、メディアはそういう人を出さない。基本は「こんなことになるとは思っても見なかった」というコメントしか欲しくないんですよ。メディアにとって、被災者は「着の身着のまま逃げ出して」、「恐怖の一夜を過ごす」、哀れな存在でなければならないのです。

崖下に住んでいる場合、可能ならば土砂が家を直撃しないような防護壁とか欲しいですよね。でも現実的じゃないし、崩落量が多ければ効果が薄れるし。崖下でも、鉄筋コンクリート造りなら基本骨格はかなり持ちこたえるでしょうけど、大規模土石流となるとどこまで持つか。

正直、地震対策の方がやりようがありますよ。結局、早めに逃げるしか確実な方法が無いのかなと。


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