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2014年8月25日 (月)

【広島土砂災害】ほとんど重なっていた

広島の大土砂災害が未だ収束しないうちに列島各地は再び豪雨に見舞われ、北海道の礼文島では、がけ崩れによって二人の方が犠牲になってしまいました。家の裏手にある急ながけが豪雨によって表層崩壊を起こし、直下の家ごと押しつぶしてしまっています。

礼文島のケースでは、二階に上がっていても助からなかった可能性が高いと考えられます。それでも、二階部分には一階にいるよりは多少なりとも生存空間が残る可能性があります。一階部分は完全に土砂に埋められますが、二階部分には隙間ができる可能性があるからです。
Rebun
ニュースから現場画像をお借りしましたが、右に見える黒い建物のように、だるま落としのように二階部分が落ちて残ったり、崩壊しても内部に隙間、つまり生存空間が残る可能性が、一階よりはるかに高いことは間違いありません。土砂に呑まれたらほぼ助かりませんが、崩壊した家ならば、運に恵まれれば助かるのです。

しかしそれは運を天に任せるだけのことで、可能な限り安全な場所へ避難することを優先しなければなりません。必ずしも避難所などへ行かなくても、がけ下では無い建物に身を寄せるだけでも良いのです。土砂災害や水害の危険地帯にいる方は、普段から周囲のどこが安全なのかを知っておく必要があります。


一方広島ですが、報道の情報を総合すると、今回の惨事のメカニズムがわかってきました。それは、今後に大きく活かせる情報です。

残念ながらお借りできる画像が無かったのですが、今回広島で土石流や山崩れが53ヶ所も発生した場所は、北東から南西にかけて帯状に連なっています。周辺はほとんど同様の地形、地質なのですが、崩壊が発生した場所は、ごく狭い範囲に限定されているのです。

その理由は、やはり雨の降り方でした。気象庁発表の図表をお借りしました。
Hiroshima_dosyakei
この図の赤い部分が、『バックビルディング現象』によって強い積乱雲が連続的に発生し、豪雨に見舞われた地域です。特に中心近くでは時間雨量100mmを超え、8月20日未明の午前3時から4時過ぎにかけて、連続雨量200mmを超えました。

そして今回崩落が集中した帯状の地域は、上図の赤い部分の中心を通る連続雨量200mmを超えた地域と、ほぼ重なっているのです。

詳しいことは今後の調査を待つ必要がありますが、ほぼ間違いの無い事実は、少なくとも今回の被災地周辺で同様の地形や土質の場所は、時間雨量100mmに近い雨によって高い確率で崩落が発生しはじめ、連続雨量200mmレベルになると、今回のように大崩落が多発するはずです。地形と土質が、そのような雨に耐えられないということです。

ですから、周辺の場所がこのような雨に見舞われることが予想された場合には、雨が強くなる前に予防的に避難する必要があるということです。その段階では土砂災害警戒情報、記録的短時間大雨情報や避難勧告、指示は出ていないと思われます。しかし、同様の雨が降ればほぼ確実にどこかが崩れ、時間が長くなるほど崩壊が増えて行くと考えなければなりません。

もちろん、広島だけの問題ではありません。土質などに違いはあるものの、谷の出口、急な斜面のふもと、山の斜面を造成したような場所など背後に山がある場所では、すべて同様の危険があるのです。過去の例を見ても、時間雨量が80mmを超え、それが1時間以上続くような場合には、崩落が発生する可能性が非常に高くなっています。ましてやそれが2時間以上続いたら、大災害へ発展すると考えるべきです。

特に普段から流水がある小河川や沢筋が平地や造成地に出る場所では、最も破壊力が大きな土石流を警戒して『無駄足9割』くらいのつもりで、早めの避難をしなければなりません。とにかく、土石流の予想流域と到達予想範囲から外れた場所に行くのです。

一般に、土石流の最危険地帯(レッドゾーン)は、谷の出口から角度30度の範囲、イエローゾーンは60度の範囲と言われますが、周辺の地形によっても変わりますから、自分の居場所を実際に見分して、安全な場所を把握しておかなければなりません。

そのような目で見れば、テレビに映る被災地の実際の状況からも、自分の居場所に活かせるヒントがいくつもみつかるはずです。似た場所では、似たことが起こります。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

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コメント

先日、地元で防災アドバイザーの方の講演を受けました。印象的だったのは「避難勧告が出たから逃げる、警戒地域だから気を付けるのではなく自分の判断で避難や警戒を」とおっしゃっていました。
今回の土砂崩れが起きた地域では砂防ダムを作る、植林を進めるとか防護措置を取られていたのか気になります。
避難勧告を出すのが遅れたと報道されていますが、夜間避難は危険ですので別に責めるべき所ではないと思います。
むしろ、なぜあのような場所に家を作ったのでしょう。作らざるを得なかった原因を明らかにしない限り、同様の事が発生し続けるのではないでしょうか?
個人的には市のハザードマップと昔の地名を調べれば大体の危険は想像出来るのではないかと。因みに私の住んでる地域は江戸時代に開発された湿地帯なので地盤が緩く、液状化しやすいとのことで。

>由一さん

大規模土砂災害に対しては、どう考えても早く逃げるしか確実な方法が無いのです。過去の例を見ても、それしか方法が見えません。

記事で何度も書いていますが、避難勧告が出る頃には、ほぼ確実に大荒れなんですよね。その中を、しかも夜間に移動なんて危険すぎます。

豪雨の午前3時に避難勧告が出ても、それで動こうとする人は10%以下、いや1%いればいいんじゃないですか?そんなものですが、出さなければ批判したがるし。

広島の山は造成林ではなく、自然の広葉樹林です。針葉樹林より根が長くて崩落しづらいのです。むしろ条件は良かった。それ以上にもろい土質が問題だったわけで。

報道映像を見ると、土石流発生の斜面に排水溝があるなど、それなりの治水工事はしてあったようですね。砂防ダムはわかりませんが、あっても土石流を止める効果はほとんど効果は無いでしょう。

あんな場所に造成しなければならないのが、狭い日本の実情ですからね。都市近郊ならどこでもありますよね。問題は、住人がその危険を知らないことが多すぎる。地価が下がるから不動産屋は隠すし、土砂災害危険地帯への指定も妨害するし。

とにかく、セルフディフェンスしかないんですよ。

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