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2014年9月 9日 (火)

☆再掲載☆【対災害アクションマニュアル26】突っ込んでくる!

■当記事は過去記事の再掲載です。内容は加筆修正しています。


今回は、自動車運転中に大地震に遭遇した場合の、追突の危険について考えます。特に高速道路では、この危険が最も大きなものと言って良いでしょう。

前前回記事では管理人が高速道路上で緊急地震速報を受信した時のエピソードを記しましたが、その時は皆が申し合わせたような見事さで、一斉に減速しました。しかしあれは走っている車の8割方がプロドライバーで、しかも余震が頻発している震災被災地を走行中という特殊な状況でもありました。

実際には、そんな状況は滅多に無いでしょう。現実的な問題は、ほとんどの場合に『ドライバーそれぞれの判断と行動が異なる』ということです。走行中に緊急地震速報の受信や強い地震を感じた時、多くのドライバーの頭の中には、まず急ブレーキをかけずに減速し、ゆっくりと左路肩に停車するという『知識』が浮かぶはずです。

ところがそこで本当に停まるべきなのか、“ゆっくり”がどの程度なのかというだけでも、ドライバーごとに判断が分かれます。さらにパニック状態に陥って頭の中が真っ白になってしまったり、強い揺れや道路の変形などで車のコントロールを失ってしまうこともあり得ます。

そんな状況の中で安全に停止し、その後も完全に無事でいることはかなり困難であるということを、まず認識していなければなりません。『ゆっくりと左に寄せて停まる』とだけお考えだった方、それだけでは生き残れないかもしれませんよ。


ここでは高速道路や郊外の流れの速い道路の場合を中心に考えて行きますが、大地震発生時に安全に停止するための方法として、ふたつの段階に分けます。まず最初は、減速から停止までの段階です。

緊急地震速報を受信した段階ですぐに停止しようとするドライバーは、あまり多くは無いでしょう。まずは減速して“様子を見る”と思います。しかし、停まる人も皆無では無い。慌てて急ブレーキを踏むドライバーもいると考えなければなりません。最初の段階では、まず自分が前の車に追突するリスクを避けなければならないわけです。

最悪の場合は前方で事故が発生し、進路が塞がれるかもしれません。そこで最も大切になってくるのが、車間距離の確保です。まず直前での急減速を警戒し、それが無ければハザードランプを点灯して前の車より高い減速度を保ち、できるだけ車間を開けるのです。もちろん、バックミラーで後方を確認しながらです。

この“減速しながら後方を見る”という行動はベテランドライバーには当たり前なのですが、普段からやっていないといきなりできる事ではありません。これは高速道路に限らず市街地でも必要なことです。まだやっていない方は、今日から常に意識してください。特に高速道路や流れの速い道路では、停止・減速時には必ず後方確認しながら車間を開けるのです。


これは滅多に遭わない大地震時よりも、むしろ渋滞の後尾につく時にこそ必要な行動です。でも実際には、前方が渋滞している時にハザードランプをつけて減速はするものの、前車と一気に車間を詰めてしまうドライバーが大半ではないですか?後続車が突っ込んで来たら、逃げ場無いんですよ。うしろが大型トラックだったらどうしますか?

それ以前にバックミラーで後方を見ていなかったら、突っ込んで来る車にさえ気付きません。自分と同乗者の命を見ず知らずの後続ドライバーに委ねるなど、管理人はゴメンですね。


普段でも渋滞後尾への追突事故は絶えないのに、さらにそれが大地震時だったらどうなるでしょうか。判断の迷い、パニック状態、急ブレーキでのスピン、接触、道路の変形や陥没によるコントロール喪失など、後続車が突っ込んで来る理由には事欠きません。それでもあなたは、前だけ見ていられますか?

もちろん見ているだけではダメです。前車と十分な車間があってこそ、初めて能動的に危機から脱出できるのです。普段から、渋滞の後尾に付くときに上記のような行動をすることは、大地震時の予行演習と言っても過言ではありません。それが、追突から『生き残る』方法なのです。


では、どれくらい車間を取れれば良いのでしょうか。これは管理人の運転経験からの判断ですが、例えば前方が完全停止、路肩など本線上から逃げる場所が無い、後続車がいないかはるか後方という条件だったら、最低30mは開けていないと不安です。これはあくまで最低で、できれば50mは欲しいところ。常に最悪の条件を想定し、この場合は大型トラックがノーブレーキで突っ込んで来ても車線を移動して回避できる、場合によっては路外に飛び出してでも回避できる余地を残しておきます。

そしてバックミラーで後方を見ながらハザードランプはもちろん、管理人はブレーキペダルを断続的に軽く踏み込んでブレーキランプを点滅させ、後続車への注意をより強く促します。そして後続車が渋滞に気づき、ハザードランプをつけて十分に減速し、うしろに停まるまでを見届けるのです(その時、十分に車間を開けて停まる車は滅多に見たことありませんが)。

ではそれで安心かというと、まだなんですよ。その後の車が突っ込んで来たら、玉突き追突を食らいます。管理人は後方に10台程度の車が並ぶのを確認してから、ゆっくりと前進して前車との車間を詰めます。それでやっと一息です。

これは平常時の追突事故対策ですが、大地震発生時にはさらに“不測の事態”が起こる可能性もあります。例えば自車の直前で道路が陥没して、回避する場所が無くなるとか。その場合でも、管理人なら大型トラックに突っ込まれるよりは、道路の穴に落ちる方を選びます。その他にも考えればいくらでも”とんでもない”状況が考えられますが、あり得ないとか大袈裟すぎるというようなことが実際に起こるから、大災害なのです。


まとめますと、大地震で緊急停止する場合には、後方を十分に確認しながら減速し、できるだけ車間を確保すること。そのためには、普段から渋滞後尾で停まる際はもちろん、街中でも『停止・減速時には後方確認』の習慣をつけておく必要があるということです。繰り返しますが、普段やっていないと“本番”では絶対に無理ですよ。

この方法は大地震対策以前に、普段の運転でのリスクを大きく減らしてくれます。是非実践していただきたいと思います。

次回は、『停まってから』の危険について考えます。


■当記事は、カテゴリ【災害対策マニュアル】です。

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