2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

« 【御嶽山噴火】予知困難なレアケースだった | トップページ | 【告知】新ブログへ移行します »

2014年9月30日 (火)

【御嶽山噴火】何が起き、何ができたか。

御嶽山噴火の被害が拡大しています。未だ行方不明者の正確な数も把握できておらず、今後さらに犠牲者数が増えるものと予想されます。

当ブログとしましては、当記事をもって御岳山関係の記事を一旦終了します。ここで改めて、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、心と身体に傷を負われた皆様に、心からお見舞いを申し上げると共に、行方不明の方々が一刻も早く救出されることをお祈りさせていただきます。

現時点でわかっていることをまとめてみます。

■9月10日、11日に山頂付近での火山性地震が急増したが、その後平常値に戻り、マグマが上昇して噴出する噴火(マグマ噴火)の危険が上昇しているとは判断されなかった。

■地震以外に、火山性微動の増加、噴気の増加などの兆候は観測されていなかった。

■9月27日に、地下のマグマが地下水脈に触れ、水蒸気爆発が発生、山頂下南西斜面に複数の火口と噴気孔が出現した。マグマの噴出は無かったが、大量の噴石と噴煙が放出された。前回1979年の噴火と同様の水蒸気爆発で、規模もほぼ同程度と見なされている。

■山頂付近には大量の噴石が降り注ぎ、噴煙が南側斜面を中心に山腹を流れ下って火砕流(火砕サージ)となった。しかしマグマ噴火ではないために火山ガスの温度が低く、火口にごく近い場所を除いて、致命的な温度にはならなかった。

■紅葉見物のハイシーズンで、しかも登頂者が最も多い時間帯に噴火したため、犠牲者が多数に上った。犠牲者の多くは噴石の衝突によって致命的な傷を負ったか、動けなくなったものと思われる。火口のごく近くでは、まだ高温のガスを吸って呼吸器に熱傷を負い、動けなくなった可能性も指摘されている。


次に、このような場面に遭遇したらどうするかについて考えたいと思ったのですが、管理人は本格的な登山経験がありませんので、想像だけで語るのもどうかと思います。でも、敢えて一般論で考えてみます。

噴石に限らず、飛来物からの防護にはとにかく建物や遮蔽物の陰に入ることですが、突然の噴火や爆発ではその余裕が無いこともあります。できることは、わずかでも窪地や棚場の陰、少しでも大きな岩などの谷側に身体を伏せて暴露面積をできるだけ小さくし、荷物などで頭部と上半身の中心部(バイタルゾーン)をできる限り守ることだけです。

これは単に、小さな的には当たりづらいという確率の問題です。爆発ならば短時間で飛来物の危険は去りますが、噴火の場合は噴石の飛来が長時間続くので、あとは運を天に任せるしかありません。

火砕流が自分の方に迫って来きたら、最も優先されるべき行動は、流れから直角方向に移動して流域から外れることで、雪崩の場合と同じです。しかし火砕流ははるかに大規模で、居場所、地形など大きく運に左右されます。でも、最後まで諦めないことです。

火砕流の流域では、山麓方向に逃げても確実に追いつかれます。今回はガス主体の軽く低温の火砕サージで、速度もそれほど速くなかったようですが、映像を見ると時速30~50km程度はあったようです。さらに密度が高い火砕流の場合は時速100km以上、最高で時速160km程度にもなることもありますから、できる限り流域から外れることを最優先と考えなければなりません。

同時に、鼻と口をタオルや天然繊維のスカーフなどでできるだけ厚く覆い、熱と火山灰などの粉塵から呼吸器を守らなければなりません。運に恵まれれば生き残れる確率が、そしてその後も行動できる確率が上がります。

登山経験の無い者が語るべきことではないかもしれませんが、現実的な方法として考えてみました。もしより良い方法があれば、詳しい方のご意見もいただければと思います。


今回公表された、登山者が火砕サージに巻き込まれる映像を見て思ったのは、もし自分があの場にいたら、死を覚悟しただろうということです。目の前に迫る噴煙の壁は、数百度の温度の“はず”で、山小屋に逃げても助からないと考えたでしょう。

そして、一縷の望みに賭けて、ひたすら斜面を横切って逃げたと思います。もしかしたら、それが悪い結果に繋がったかもしれませんが、多分そうしたでしょう。

今回は火砕サージの温度が致命的なほどではなくて、本当に良かったとしか言えません。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


« 【御嶽山噴火】予知困難なレアケースだった | トップページ | 【告知】新ブログへ移行します »

日記・コラム」カテゴリの記事

コメント

結婚前(10年前)はあちこち山登りしてました。と言っても、なかなか連休が取れなかったこともあり八ヶ岳までしか行ったことないのですが。

群馬にいた頃は赤城山、榛名山、日光の白根山、草津の白根山に登りましたが、昨日気付いたのですが全部活火山なんですよね。日光の白根山なんかは頂上の拳みたいな岩が特徴的ですが、どうやらあれは溶岩ドームが冷え固まったもののようです。思えば頂上直下には沼がたくさんあって、噴火で分断されたとか立て札が立ってたような…活火山かどうかなんて噴煙上げてない限り、普通の山男にとっては行く行かないの基準にはならないのが実情だったりします。が、さすがにこんなことになってしまうとこれからは変わってくるのかもしれませんね。

>tntさん

昔は死火山とか休火山という概念がありましたけど、いつの間にか消えました。人間の時間軸で火山を殺すなんざおこがましいってことですねw何万年噴いていなくても、いつ噴いてもおかしく無いわけで。

私は子供の頃、浅間山の噴火を結構近くで目の当たりにして、ものすごい降灰も受けたことがあります。火山って怖いなと強烈な印象を植え付けられました。

水蒸気爆発の場合でも、大抵は噴気が増えるとかの兆候があるはずで、こんないきなりというのは記憶がありません。広い意味で、震災の影響かもしれません。細かく揺られ続けて、岩盤の割れ目が広がってマグマ溜まりに水が入ったとか、可能性としは考えられますね。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【御嶽山噴火】何が起き、何ができたか。:

« 【御嶽山噴火】予知困難なレアケースだった | トップページ | 【告知】新ブログへ移行します »