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2014年9月19日 (金)

災害時にはこんなバイクがイイネ

9月10日にアップした記事に続いて、バイク関係をもう一本お送りします。

災害時の移動や輸送には、オフロードバイクが大活躍します。渋滞していても、多少道路が荒れていても走れますし、ライダーに技術があれば道路以外の場所もかなり走れますから、警察、消防、自治体や一部の企業では、災害対応のオフロードバイク部隊を運用しています。
Police
Fire

管理人は先日の記事の通り、かつては山野を相当走り込んでいましたが、今はバイクを持っていません。そこで、友人が作った災害対応バイクを紹介したいと思います。

それは、個人が装備する上で理想的とも言えるバイクでした。なお、記事中バイクに詳しい方向けの専門的な記述が多くなることをご了承ください。
Bike02
古いなあと思われた方、多いでしょうねwかなり昔のホンダシルクロードです。メカマニアの友人が古いバイクを再生したもので、外観はヤレていますが、エンジンも含めて中身は完全な状態です。

まず、何故シルクロードかということですが、曲がりなりにも現在入手できそうなバイクのうち、理想的な性能を持っているからなのです。荒れた場所をゆっくり走るために一番大切なのは、足周りの性能云々よりも”二輪二足”走行ができることが大切。その点シルクロードは、トライアル車並みの低シート高で両足がべったりと地面につけられますから、かなり無茶な地形でも、足で漕ぎながら前進できます。

さらに、1速よりさらに低い『スーパーローギア』を装備しているので、登り斜面などで超低速走行が最も楽なバイクなのです。しかも、サスペンションもそれなりにストロークと強度があるので、段差越えや階段の上り下りのようなことも、かなり対応できます。

似たようなバイクであるホンダFTR、カワサキ250TR、スズキグラストラッカーなどは、フレームやサスペンションがあくまでロードバイクのものですので、荒れた場所は大して走れません。ヤマハセローはかなり良いのですが(前画像で警察、消防が使っている奴です)、シルクロードの方が車高が低く、ツインショックなのでシートレール周りがより低く頑丈で、重い荷物の積載に向いています。 そして何より規制前の250cc、パワーが違います。

そんなシルクロードに全天候対応のプラコンテナを載せて、キャリア横にはワイヤーカッターを装備しています。
Bike05
ワイヤーカッターがあれば、垂れ下がった電線や金網フェンスなどを切って前進することができます。ちなみにこのバイクのオーナーは電気屋さんなので、感電するようなヘマはしないはずw

プラコンテナは20リットルポリタンク二個が収まる容量がありますから、燃料や水などの輸送に最適です。下画像は10リットルのジェリカンを入れた状態で、それでもこれだけの余裕がありますから、かなりの荷物を運べます。
Bike06

これが基本装備で、さらにタンク上にバッグを載せ、ライダーがリュックを背負えば、相当な量の物資を運ぶことができるのです。

と、言うわけで、オーナーのご厚意により、実際の災害時にバイクで出るならこういう格好というコスプレで撮影させていただきました。こんな風にブログに出るのは初めてですね。すいませんこんな奴が書いてます。でも、顔晒してがっかりされてもいけませんのでw、周囲の家も含めて加工させていただきました。
Bike01_2
Bike03
本当は防災士のジャケットを着ようと思っていたのですが、撮影日のあまりの暑さに断念しました。

装備を一応説明しますと、編み上げブーツに、様々な状況で膝を守るニーパッド、腰の弾帯には米軍の折りたたみスコップ。本番ではさらに水筒、ファーストエイドキットなどのバッグをつけることになります。背中にはプラボックスに干渉しない大きさの軍用MOLLEリュック、手袋は強度優先で厚手の革製です。

リュックの上には、綿製の大型スカーフ(シュマグ)を装備。これは防水・防寒・ホコリ対策の覆面、三角巾、包帯代わり、風呂敷などなんでも使える優れモノです。サングラスはホコリ対策。夜間用に透明レンズも用意しています。Tシャツは視認性の高いオレンジ色の防災士Tにしました。
Bike04

最後に、借りたバイクであまり無茶はできませんが、昔を思い出して、ちょっとだけこんなこともしてみました。
Bike07_2

オフロードバイクはこんな感じで道を選ばないので、災害時には最適なのです。河原など全く問題はなく、その気になれば歩道橋でも渡れますし、道路の崩落地点なども突破できる可能性がある、唯一のエンジン付き乗り物と言って良いでしょう。

実際、こんな格好で被災地を走ることが無いことを祈りますが、イザとなったらこういう感じです。バイクも含めてご参考までに。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

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コメント

ご無沙汰しております。記事は毎回拝見してますのでご安心?ください。

私はバイクはオンロードタイプしか乗ったことないんですよねー。レーシングレプリカのZXR250とZXR400とFX400R。20歳から30前の若い頃でしたのでバカみたいな長距離乗ったりもしましたが、前傾がキツイしあの手のはおそらくもうムリですね。

でもやっぱりいつかまた乗りたい!と血が騒ぐこともしばしば。弟がヤマハのロードスターに乗ってたことがあり、かなり楽チンだったのでアメリカンもイイかな?と思いましたが、今回の記事で考えが変わりました。

オフ車は跨ったことすらないんですが、足が届かないくらい座席が高いイメージがあります。おっしゃるように両足が着地出来る方が安定するはずですが、押し並べて足が届かない高さなのは何か理由があるのでしょうか?
それと、路面の状況によってサスの硬軟を調整できたりするもんですか?コースでジャンプしたりするのを見るとあの細っこいフレームが歪んだりしないのか不思議でもあります。

>tntさん

お久しぶりです。ご愛読ありがとうございます。今回初めてまともに登場してみましたw流石に顔出しはしませんが。

実は私、オフの走り過ぎで膝や腰を痛めてしまい、それで引退したのです。その後ロードバイクもいろいろ乗りました。tntさんはカワサキファンなんですね。私はスズキ以外いろいろですが、カワサキはゼファー400とKDX250Rに乗っていたことがあります。私も、もう前傾バイクは無理ですw

アメリカン系ではホンダのスティード400に乗りましたが、やはり振り回せないと面白くないと半年でゼファーへ行きましたwその後、一番でかいのはFJ1200でしたね。

オフ車は、とにかくその自由度が楽いし便利なわけです。大抵の場所は入って行けますから。この記事の画像で、警察や消防が使っているヤマハセローは普通に両足付きますからオススメです。“二輪二足”走行というのは、本来はあのバイクのコンセプトなんですよ。

背の高いのはオフロードのレーサレプリカで、要はモトクロッサーに近いわけです。飛んだり跳ねたりするためにはサスストロークを長く取らなければならないので、どうしても背が高くなります。ああいうのはハイスピードで走るためには最高ですが、荒れた場所をトコトコ行くには全く不向きですね。

最近のはよりレーサーに近くなって、シートも薄くて狭いし荷物も積みづらいので、こういう用途には向いていませんね。サスペンションの調整はできますが、工具を使ってセッティングを出すようなもので、走りながらちょこちょこいじれるようなものではありません。フレームは見かけによらず頑丈ですが、それ以上に最近はサス周りの剛性アップが凄いですね。

最近でも、数は少ないですがツーリング仕様で背があまり高くなく、荷物が積みやすいものはあります。ただ、排ガス規制で以前よりかなりパワーが落ちてますので、規制前の古いバイクはそれだけで魅力的です。

単純に、街乗りバイクとしてもオフ車は軽快で便利ですよ。オンロード車に比べてランニングコストがずっと安いのも魅力のひとつです。

はじめましてこんにちは。
こと日本に関しては、オートバイはアウトローと市民を取り締ま機関の乗り物という印象が強く、市民権を得られているとは言えません。
しかし、その機動性を見れば、古くは大戦の頃から偵察、通信の用途で、装輪車や履帯車が走れない場所に使われて来ました。
現在でも陸上自衛隊はホンダXLR系統のオートバイを偵察用途で調達しています。
記事中にもあるように、警察と消防は扱い易さを重視してヤマハセローを使用していますが、陸自は練度と部隊間の相互補完によって多少の扱い辛さはカバー出来るとして、より頑丈でパワーのあるXLR系を使用しているのです。
実は、阪神淡路大震災の時に、ホンダから大量のスーパーカブが被災地に寄贈されたのですが、有効に活かされず、報道にも乗りませんでした。
先見性のある人はいつの時代にもいるのてますが、

途中で送信してしまいました。
先見性のある人、過去の教訓を活かそうとする人はいつの時代にもいる訳ですが、実際には机上の空論、甚だしくは虚偽、捏造報道ばかり。吉田調書の捏造で朝日新聞が 謝罪したのは記憶に新しいですね。
さて、一般の方々が防災の為だけにオフロードバイクを用意するのは現実的ではありませんから、普段は趣味で使うわけですが、何か一台となったらセローをお勧めします。セローには譲りますが、FTRだって、グラストラッカーだって無いよりはずっとマシです。管理人のご友人のようなスキルがあれば、シルクロードのようなビンテージバイクでも良いのですが、現場に於てまず優勢されるのは、どんな時にも動く「信頼性」なのは、警察、消防、自衛隊での採用機種からわかりますから。

>グローヴァーMSさん

コメントありがとうございます。

おっしゃる通りですね。災害時にはどんなバイクでもあればマシですし、荒れた場所で二輪車に乗れる人など、ごく少数ですよね。この記事は、友人が製作したバイクの着眼点の良さを強調したいと思ったのです。説明しなければ、「シルクロード、古いな」で終わってしまいますから。

災害対応バイクを個人で作ることは現実的ではありませんが、災害現場から得られた教訓より、どんなものが有用なのかという方向性を示したいという意味もありました。現場で求められるのは、何よりあらゆるモノをできるだけたくさん運べる積載性であり、その点、このバイクのコンセプトは非常に優れているなと。

今ならば、やはりセローが一番というは確かです。ただ、フル装備の消防セローライダーに聞いたら、やはりもっとパワーが欲しいと言っておりました。

ちなみに、ここ数年、陸自の偵察隊はXLRからKLRにシフトしてますね。あのカワサキが、信頼性を認められたのですw

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