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2014年10月15日 (水)

【徹底的に防水・防寒を考える05】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編1】

前回記事の回答編です。前回記事はこちらから

これから、あのような場合の対策を徹底的に考えて行きますので、何度かに分けてお送りします。

今回は、まず最優先でしなければならないこと。実は管理人、読者の方のコメントでばっちり正解をいただきまして、感動と共に少し慌てていますw

【とりあえず全部脱ぐ!】
では対策です。まず最初にやらねばならないことは、服の水分を搾り取ることです。

でもその前に、とりあえず近くでなるべく風が当たらない場所へ移動したいのですが、開けた場所などでそれが見当たらなければ、その場ですぐにやらなければなりません。

具体的には、衣類を全部脱いで(下着も靴下もです)、徹底的に水分を絞るのです。当然、すさまじく寒いのですが、その後長時間寒さの中にいなければならないのならば、一番体力がある最初の段階でやるのです。

服を脱いでいる間は、全身を動かす体操をしたり、指先や足先を動かしながら、体温をなるべく上げながら末端への血流を確保します。

身体の水分は、タオルやTシャツなどを絞ってよく拭き取ります。近くに乾いた砂や落ち葉などがあれば、裸で転がって身体の水分を吸い取らせる方法もあります。雪にも同様の効果があり、粉雪ならばさらに効果的です。髪の毛の水分は特にしっかりと除去します(理由は後述)。

冷たい雪だと当然ながらかなりの苦痛を伴いますが、水分をできるだけ減らすことがその後の生存率に大きく影響しますので、ためらわずやることです。

もちろん、服を脱いでいる時間はできるだけ短時間でなければなりません。とにかく衣類と身体の水を徹底的に取り除いたら、すぐに衣類を身につけます。

なお、緊急事態に直面してアドレナリンが分泌されているうちならば、心拍数が上がって裸でも体温維持がしやすい状態ですし、急激な冷えに対しては皮膚が収縮して体温の放散を押さえますので、その状態の間に一気に行う必要があります。

その状態で裸になる場合の身体の冷えなど、後から長時間に渡って体温を奪われ続けることに比べれば、ものの数ではないのです。

というわけで、まず服を全部脱いで水分を絞り、身体の水分もふき取るというのが最優先行動です。

これは寒冷地サバイバルのプロの教えなのですが、一般化はしていませんね。寒い中で裸になるということはかなりの勇気が必要ですが、『生き残る』可能性を上げるためには必要なことです。

【水分量で、生存率が変わる】
次の行動に移る前に、上記の行動の理由を解説します。

水分を減らす理由は、おわかりいただけると思います。水は蒸発する時に周囲から気化熱を奪いますので、体温で水が蒸発を続ける間、ずっと体温を奪い続けます。

ですから水分を減らすことは、奪われる体温を減らすこととイコールなのです。

身体が冷えて体温が低下すると、人体は体内の栄養分を使って体温の維持をしようとしますから、身体が冷えれば冷えるほど栄養分を無駄遣いする、すなわち行動や生存できる時間がどんどん減って行くことになります。

ちなみに、寒いときに身体が震えるのは、体温の低下を察知した脳が、筋肉を動かして発熱させて体温を維持しようとしている生理的反応です。もちろん、震えるためにも栄養分を使っているわけです。

【頭は人体のラジエーター】
髪の毛の水分を良くふき取るのは、頭を冷やさないためです。頭皮のすぐ下には毛細血管が集中しており、非常に冷えやすいのです。その放熱量は、体表全体から放散される熱量の40~50%にも及ぶと言われます。

普段は頭、つまり脳がオーバーヒートしないためのラジエーターの働きをしているのですが、体温が維持しづらい状況では、そこが弱点になります。

ですからまず髪の毛の水分を取り除き、さらに水を絞ったタオルを巻いたりフードをかぶったりして、できるだけ頭部を保温することが、寒い中での体力維持にとても効果があるわけです。

もちろん、これは普段の生活でも同様です。寒い時に帽子、ニットキャップ、スカーフなどで頭部を保温する、すなわち頭皮の毛細血管を流れる血液をなるべく冷やさないようにすることで、身体全体を暖かく保つ効果があります。


さて、衣類と身体の水分を減らすことで、第一段階が終了しました。もちろん、氷点下の山の中ではこれだけでは不十分です。

この状況では、明日の朝明るくなって下山できるまでの体力を維持しなければなりません。もし、ケガをして動けない状態ならば、これから何日も救助を待たなければならないかもしれません。

これからが、本当のサバイバルの始まりです。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

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コメント

すぐ服を脱ぐ行為は、近年それなりに周知されてきているようですね。
僕はてばさんのひっかけと思い、川下りとなりました。
しかし冬場に屋外で衣服を乾かすのは、それだけで体力を使い果たす可能性大でしょう。
綿やダウン製品は脱ぎ捨てるほかありません。
吸湿発熱素材の肌着であれば、多少の氷点下でも凍らないので、脱ぐまでしなくともよいかもしれません。いずれにせよ、これを実行に移そうと思う方々は、普段から乾布摩擦や風呂上がり前の冷水浴びを習慣化して、耐性ができている方々だけでしょう。いきなり本番!では、後日自殺か他殺体として扱われかねません。
余談ですが、例年だと12月に入ってから店の片隅に置かれ始める雪かき商品が、今年は2ヶ月早く店の目立つコーナーで売られ始めています。
皆さんの地域はいかがでしょうか?

>PAKAさん

そんなに周知されていますか?少なくとも防災系では見たことがありません。アウトドアスポーツ関連の情報はあまり見ていないのですが。

ポイントは、服を乾かすのではなくて、水を絞るだけということです。ですから裸でいる時間は3分もあれば十分でしょう。上半身と下半身別々にやってもいいですし。その間に寒さで動けなくなることは、普通ならありません。アドレナリン出ている状態ならばなおさら。

危険でもそれをやらなければならないのは、ずぶ濡れのまま氷点下の夜をすごしたら、死なないまでも動けなくなる可能性が高いからです。翌日、確実に救助が来るなら良いのですが、長期戦になった場合、最初の対応で生存時間がかなり変わるのです。

服が凍らないようにする意味もありますが、とにかく水の蒸発によって奪われる体温を最小にするのが目的です。

やるかやらないかは個人の自由ですが、できるだけ長時間持ちこたえるために、確実に効果があるのは確かです。


ホームセンターでは、昨冬の大雪で雪かき道具が無くて往生した人が、早めに準備するのを見込んでいるのでしょうね。私は最近ホームセンターに行っていないのですが、ちょっと覗いてみます。

こんな風に商売人はすぐに反応しますけど、防災グッズ業界はレスポンス悪すぎ。未だに手回しでスマホを充電できると思っているような。まあ、いろんな意味でその程度ですよね。

>てばさん
すぐに服を脱ぐ防寒対策は、単独のサバイバル術として紹介されることはほとんどないとは思います。
しかし救命法としては昔からごく基本的な蘇生術として知られております、はずです。
それを他人でなく自分自身に応用することを想定する方々も増えているであろうと思っています。

>PAKAさん

なるほど。救命法では、落水者は濡れた服を脱がして保温するのが基本ですね。でも、あれは毛布や乾いた衣服ががあることが前提なんですよね。誰か他にいればそれも可能なのですが、それができない状況ということで、山の中でひとりという状況を設定したわけです。

震災の時は周りの人全部がずぶ濡れで、建物にも入れず火も起こせずに屋外で夜を明かすという状況が多発したのですが、そんな状況にも応用できることを考えています。

ご自分で考えて応用できる方は問題ないのですが、濡れっぱなしであることの意味と恐怖を知らなければ、まずこんな行動はしないでしょう。

ですから、当ブログではその理由も含めて、これからの行動を解説して行きます。

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