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2014年10月

2014年10月31日 (金)

【徹底的に防水・防寒を考える11】街中でずぶ濡れ!【応用編3】

今回からは、災害下における【防水・防寒】の、街中での具体的な応用を考えます。タイトルも変更しました。

ここまで山中でのサバイバルシミュレーションで述べたポイントは、『水分の蒸散による体熱の放射と伝導を抑えること』でした。

でもそれ以前に大切なことは、まず『濡れないこと』なのですが、ここではまずずぶ濡れになってしまったという状況から考えます。

状況を設定しましょう。最も危険なのは、やはり徒歩での移動中です。現実問題としては、津波や洪水よりも、寒い時期の災害時に、雨や雪に遭ってしまうことかと思います。

もちろん、水に浸かってずぶ濡れになってしまう方がずっと危険なのですが、より可能性の高い状況で考えます。

【状況設定】
冬の午後、仕事で移動中に市街地で大地震に遭遇。広範囲で停電し、交通機関はすべて止まった。服装はスーツにコート。コートに防水性は無い。靴は革靴またはパンプス。

屋外の一時避難場所に入ったが、天候が急変して強い雨が降り始めた。雨具は何も持っていない。日が暮れる前に少しでも雨が凌げる場所に移動したい。

避難場所のぬかるみで靴は既に泥だらけでずぶ濡れ。強い雨が続き、服はどんどん濡れる。街中に入っても、雨宿りできる場所は人が集まっていて、もう入れない。

日が暮れはじめて気温がさらに下がる中、雨が凌げる場所を探して移動を決意。最も近い帰宅困難者支援施設までは、徒歩で2時間以上かかりそう。

営業しているコンビニを見つけたが、飲料、食品、雨具はすべて売り切れ。避難所となっている学校は既に満杯の上、さらに帰宅困難者が押し掛けて大混乱になっている。

雨宿りできる場所はしばらく見つかりそうにない。

・・・という状況を設定します。これはリアリティを増すための設定ですが、ポイントは冷たい雨の中で雨宿りもできず、防水のための一般的な品が手に入らず、食べ物、飲み物が無く、気温がさらに下がる中を移動しなければならないということです。

このままでは身体がどんどん冷え、動けなくなる可能性が高くなります。何か対策をしなければなりません。

あなたなら、どうしますか?


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

2014年10月27日 (月)

【徹底的に防水・防寒を考える10】ずぶ濡れ!その時あなたは?【応用編2】

街中で寒い季節に全身ずぶ濡れになってしまうことは、地震後の津波、豪雨、洪水が考えられます。それだけでなく、寒い中で汗を大量にかいたままにしていると、低体温症に陥ることもあります。

【屈強な人でも例外ではない】
御嶽山噴火の捜索に出動した自衛隊員の一部が、高山病に加えて低体温症に陥ってしまったことが報道されました。山頂はかなり寒かったとはいえ、当時は酷寒というほどでもありません。しかし、体力に優れた自衛隊員でさえ低体温症に陥ったのは、何故なのでしょうか。

捜索時の装備をご覧ください。
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噴石の飛来に備えて、重量のある戦闘用ヘルメットに分厚い防弾ベストを着用した、“実戦”装備に近い重装備です。

この格好で、空気が薄く寒い山頂においてぬかるみの中を長時間活動したのです。そのため大量の汗をかき、気化熱を奪われて身体が冷えることで低体温症に陥ったと思われます。服の中は汗で『ずぶ濡れ』だったのですが、山頂では暖を取ることも服を着替えることもできず、ずっと身体が冷え続けてしまったのでしょう。

このように、悪い条件が揃えば鍛えた人でさえ意外に簡単に低体温症に陥ってしまう危険があります。寒い中で服が濡れているということは、それほど恐ろしいことだと認識しなければなりません。

しかもそれが災害時ならば、暖が取れず、着替えもできず、食事もできず、治療も受けられない可能性が大きいのです。もしそれが夏場でも、身体が冷えることによって体調を崩すことは十分に考えられます。

服が濡れていることを、決して甘く見てはいけません。できるだけ水分を取り除くことが最優先なのです。

それ以前に、濡れない対策があればなお良いのは言うまでもありません。


【水の問題についての補足】
ここで、当テーマの街中での応用編に行く前に、今までの記事にひとつ補足をさせていただきます。

読者の方からのご指摘もいただいたのですが、寒い山中でのサバイバルにおいて、飲み水の問題を敢えて無視していました。

今回の設定では、川に落ちたものの荷物は失っておらず、最低限の飲み水は確保しているという前提でした。もしそれが無くても、近くに山の中を流れる川があるので、生存のために必要な飲み水はなんとかなるものとして、対策の中では触れていなかったのです。

しかし、脱水症状が進めばより低体温症になりやすくなることもあり、最低限の水分を採る必要は当然あります。

とはいえ、川の水をそのまま飲むと、下痢を起こして体内の水分を大量に失うだけでなく、体力も大きく損なってしまう危険があります。

そうでなくても、野生動物の糞などが水に溶け込んでいる可能性もあり、寄生虫や細菌感染症の危険もありますから、もし川の水をそのまま飲まなければならない場合には、出来る限りろ過してから最低限の量だけ飲むようにする必要があります。

もし火が起こせて、金属製の容器などが手に入るのならば、ろ過した後に10分程度煮沸してから飲めば、問題はほぼ解決できます。もっとも、それは山の中のきれいな川の場合であり、都市部の川では化学物質による危険もあります。


それでは、次回から街中での応用編に入ります。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。


2014年10月25日 (土)

エボラはそこまで来ている?

エボラ出血熱のアウトブレイクが止まりません。

先日は、中国でエボラ陽性43人が確認されたというニュースが一瞬ネット上に流れ、すぐに『誤報』として消去されました。

その真偽はともかく、世界各地へじわじわと拡大しつつある状況です。現時点では、西アフリカ地域以外での封じ込めには成功しているようですが、その包囲網が破られる可能性はいつでもあります。

エボラウイルスは、空気感染はしません。空気中を浮遊する少量のウイルスを人が吸い込んでも、肺から感染する可能性はほぼありません。

エボラは、ウイルスに汚染された体液との接触または飛沫によって感染するのです。感染者の体液にウイルスが排出され、それが他者の粘膜を通じて侵入して感染します。

感染者の体液に直接触れなくても、例えば感染者がセキやクシャミをして、テーブル上に飛び散った唾液を他者が触り、その手で目などの粘膜をこするなどして感染する可能性があります。 なお、エボラ出血熱の症状にはセキやクシャミは無いとされますが、他の理由で起こらないとは言えません。

そのように二次・三次感染した患者が世界のどこで発生するかわからず、潜伏期間のうちに他の場所へ移動することで、気づかないで感染を拡大させる可能性があります。

エボラ出血熱の潜伏期間は通常3~5日程度とされますが、最長21日という例も確認されています。潜伏期間中には感染力はほとんど無いとされますが、発病してもエボラとわからないうちに、各地でウイルスを”ばらまく”かもしれません。

日本政府は『水際阻止』の方針を発表しましたが、自覚症状の無い患者が世界のどこから入って来るかわかりません。アフリカ方面からの到着者だけを監視すれば済むわけではないのです。感染者が監視をすり抜ける可能性が高いと言わざるを得ません。

発病すると初期症状は風邪に似ていて、発熱、頭痛、関節や筋肉の痛み、倦怠感などから始まり、下痢や嘔吐も起きます。ただの風邪だと思って放置しているうちに、感染を拡大させてしまう可能性があるのです。

現時点では、感染者が我が国に入って来る可能性はあまり高くないものの、その可能性はいつでもあり、今後しばらくの間は危険な状況が続くと考えなければなりません。


【個人でできる対策は?】
エボラウイルスは感染者の体液を通じて感染しますが、体液が皮膚についただけでも、少量の飛沫を吸い込んだくらいでも感染しません。

それが粘膜に接触し、細胞内に侵入した段階で感染するのです。

ですから、最大の対策は感染者が触ったり、体液が付着した可能性のある場所に触れた後、そのまま目をこするなどして粘膜に触れず、その前に流水で良く手を洗うことです。エボラウイルスには、石鹸やアルコールの使用で消毒効果があります。

指の間、しわの中まで、良くこすり洗いするのがポイントです。ブラシを使うとなお良いでしょう。

その他、もし”感染者がどこにいるかわからない”ような状況になった場合には、抗ウイルスマスクも効果が見込めます。エボラは空気感染はしませんが、何らかの理由で飛散した体液の飛沫をを吸い込む可能性を大きく減らせます。

それ以前に、最も有効な対策は流水での十分な手洗いが基本であると覚えておきましょう。

【ウイルス消毒に効くのは?】
まず、手を洗う際に石鹸やアルコール系ジェル(アルコール60%以上含有のもの)の使用で、消毒効果が見込めます。アルコール消毒が効かないウイルスもありますが、エボラには石鹸もアルコールも効果があるのです。

さらに、他のウイルスと同じく『次亜塩素酸ナトリウム』が効きます。

次亜塩素酸ナトリウムを十分に水で希釈し、噴霧したり拭き取ることでウイルスを消毒する効果があります。

ただし、原液はもちろん希釈液でも絶対に皮膚や粘膜に使用してはいけません。刺激性、毒性があります。有毒の塩素ガスも発生しますし、金属を腐食させたり色物を漂白する効果がありますから、大量に使用してもいけません。

あくまで、感染者が触れた可能性のある場所の消毒に限定し、十分な通気を確保した上で使う必要があります。

つまり、感染者が多数出るような状況でなければ、必要は無いということです。あくまで”最後の手段”ということで、覚えておくくらいで良いでしょう。

なお、塩素系台所用漂白剤(商品名キッチンハイター等)も、主成分は次亜塩素酸ナトリウムなので代用できますが、台所用には界面活性剤などの添加物が含まれているので、できればケンミックス4など専用の薬剤を使うことをお勧めします。


【消毒液の作り方】
この方法は、ノロウイルスやインフルエンザウイルスに効果のある方法として紹介されているものです。エボラ出血熱ウイルスにも効果が見込めるのは確かですが、完全に消毒できるとは断言できません。

ここでは、食品添加物として認可されている次亜塩素酸ナトリウム剤(商品名ケンミックス4)での消毒液の作り方を示します。この消毒液は、ノロウイルスなど他のウイルスの消毒にも有効です。(ケンミックス4は、文末にAmazon の販売ページをリンクします)

塩素成分が4%のケンミックス4では、500ミリリットルのペットボトルに入れた水道水に、そのペットボトルのキャップ半分強(約2.5ミリリットル)を混ぜることで、約250倍の希釈液ができます。これは、ドアノブやトイレの便座などの消毒に使います。

感染者の便や吐しゃ物がついた場所の消毒には、5倍の濃度にします。500ミリリットルの水に対し、キャップ2杯半くらいとなります。

なお、次亜塩素酸ナトリウムはプールの消毒に使う薬品で、使用すると“プールの匂い”がします。これは有毒の塩素ガスの匂いで、大量に吸い込むと頭痛などが起こることがありますので、使用する際には十分な換気が必要です。


【気にし過ぎないように】
こういう記事を書いておいてなんですが、現時点では我が国だけでなく西アフリカ地域を除く世界のどこでも、すぐに市民レベルの対策が必要な場所はありません。

あくまで可能性の問題なのですが、仮に我が国で感染者が出た場合に、対策がわからずに右往左往しないための知識として覚えておくくらいで良いでしょう。

もしマスメディアで対策が流されるような事態になったら、次亜塩素酸ナトリウム剤や抗ウイルスマスクは一瞬で売り切れますよw


【管理人はアオりが大嫌いです】
最後に、これは決して”アオり”ととっていただきたく無いのですが、今起きていることを正確に理解していただきたいために付記します。

エボラウイルスは、人類が知っているうちで“最凶”のウイルスで、感染すると致死率は最大で80%にもなります。

バイオハザード(ゲームじゃないですよ)の最高レベルP4という最厳重管理されるべきウイルスであり、有効な治療法もまだ発見されていません。

そして現在、人類史上最大のアウトブレイクが起きており、現時点では拡大こそすれ、収束の見込みは立っていません。

かつて西アフリカ地域で何度かアウトブレイクが起きましたが、感染者がその地域から外に出ることはありませんでした。

今回、医療関係者など濃密接触者が主とはいえ、史上初めてエボラ感染者が西アフリカ以外に出たのです。

現代における世界の濃密な人的交流を考えれば、他の地域に感染が拡がり、広範囲でのパンデミック(感染爆発)が “起こるかもしれない”状況が続いています。

決して”対岸の火事ではない”ということを正しく認識しし、いざ危険が迫った場合には、自分でできる有効な対策を覚えておくことが必要です。


【10/25追記】
既に、一部週刊誌などでエボラの危機をアオる記事が出始めています。近いうちにもっと扱いが大きくなり、あちこちで騒ぎになるでしょう。でも、あくまで『正しく怖れる』ことが必要なのですが、どうなることやら。

【10/27追記】
ついにというか、リベリアから帰国した男性が機内で発熱と体調不良を訴え、羽田空港で隔離されて現在検査中です。仮にエボラウイルス陽性だった場合、我が国における第一号感染者となります。しかし、発熱程度の症状の間に機内で感染が広まった可能性は非常に小さいでしょう。

この方は感染地域である西アフリカのリベリアから帰国したので、現地で感染した可能性がありますが、疫学の専門家によると、例えば米国で三次感染者(現在発生している二次感染者からの感染)が出るレベルになると、米国をはじめ他の地域からも我が国へ感染者が移動して来る可能性が高まるとのことです。

状況は危急を告げつつ、なお流動的です。今後の情報に留意しましょう。

■Amazon抗ウイルスマスク販売ページへのリンク
抗ウイルスマスク

■Amazon消毒用エタノール(アルコール)販売ページへのリンク
消毒用アルコール

■ケンミックス4販売ページへのリンク(スマホ・携帯用)
ケンミックス4

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2014年10月23日 (木)

【徹底的に防水・防寒を考える09】ずぶ濡れ!その時あなたは?【応用編1】

このシリーズでは、冬の山中で川に落ちてずぶ濡れになった状況を想定し、その対策を考えて来ました。

ある意味で、あまり現実的ではない想定です。こんな目に遭いたくなければ、ひとりで山に行かなければ良いのですから。

しかし前述の通り、同じ様な状況は街中でも起き得るのです。津波や洪水でずぶ濡れになり、不自由な場所に孤立するようなことは、実際に起きています。

さらにあり得るのは、例えば災害後に徒歩で帰宅中に、強い雨や雪に見舞われるようこと。十分な雨具が無ければ、かなり似た状況になります。

いずれも山の中よりは選択肢が増える一方で、街中ならではの困難さもあります。


身体がずぶ濡れでなくても、暖が取れず食事もできない中では、体温の低下によって動けなくなることは、街中でも十分にあり得ます。

そんな場合でも、生き残るという以前に、体力を維持して行動を続けられる状態でいなければなりません。

被災者が膨大な数に上る巨大災害下では、動けなくなったくらいでは救助の手が差し伸べられないこともあるはずです。

自分でなんとかしなければならないのです。

【正しい対応が導いた生還】
覚えていらっしゃるでしょうか。2004年(平成16年)10月、台風23号の影響で京都府舞鶴市内が洪水に見舞われ、その中でお年寄り37人が乗った観光バスが孤立しました。

水位はどんどん上昇し、バスは水没しました。そこで豪雨の中、全員がバスの窓から屋根の上に避難しましたが、一時は屋根上でも腰まで水に浸かったそうです。

携帯電話で救助は呼んだものの、すぐに日が暮れました。ゴムボートでの救出は、流れが速すぎて断念されました。結局、翌朝天候が回復してヘリに救出されるまでの約9時間以上を、全員が屋根の上で耐え抜いたのです。

豪雨、暗闇、ずぶ濡れ。バスの周囲は轟々と流れる濁流。いつ来るかわからない救助。そこで幸運だったのは、乗客の中に元看護師がいたこと。その方は、やるべきことがわかっていました。

低体温症の影響を防ぐために、全員で『結んで開いて』を続けたそうです。指を動かして血流を確保させたのです。

さらに、全員で声を合わせて歌を歌いながら、朝まで耐え抜きました。

その時歌っていたのは、『上を向いて歩こう』だったそうです。
Maizuru

そして皆が低体温症に陥りながらも、全員が無事生還したのです。報道にはありませんが、運動と歌だけでなく、きっといろいろな言葉をかけて、気力を維持させたのでしょう。

もしその方の正しい指導が無かったら、全員の生還はおそらく無かったのではないかと思われます。

このように知識と技術があれば、自分だけでなく他人を救うこともできるのです。

では、次回から街中での応用編をお送りします。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

2014年10月21日 (火)

【徹底的に防水・防寒を考える08】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編4】

今回は、サバイバル状況において何より最も大切なことを考えます。

今回の設定では、前回までにやれることはすべてやりました。あとはひたすら朝を待つだけです。あとは残った体力がどこまで持つかの勝負です。

でも、人が生き残れるかどうかは、体力や残されたエネルギーだけの問題ではありません。それどころか、人間は生理的なエネルギーの限界を超えることさえできるのです。

そのために何より必要なことは、『気持ちの力』です。これは決して精神論ではありませんが、それに近いものでもあります。

【戦場で生死を分けるのは】
これから述べるのは、多くの実例に裏付けられたことです。

戦場で兵士が重傷を負った時、普通は助からない程の傷でも生き残ったり、逆にそれほどの傷では無いのに死んでしまうということもあるそうです。

その違いは何かというと、気の持ちようなのだそうです。

最も危険なのは、過去に思いを馳せたりすること。
「あの頃は良かった、あの頃に戻りたい、自分はなんでこんな目に遭ってしまったのだろう」
などと、後ろ向きの考えを始めた負傷者は、それほどの傷でなくても死んでしまうことが多かったそうです。

それに対し、奇跡的な生命力を見せた者は、先のことを考えていたそうなのです。
「必ず帰って誰かに会うんだ、美味いものを食うんだ、楽しく暮らすんだ」
という、理屈抜きで前向きの考えをしていた兵士は、生き残る確率が高かったとのこと。

何も楽しいことだけで無くても良いのです。
「このまま死ねない。必ず生きて還って憎らしいあいつをぶん殴ってやる」
というような、怒りや憎しみでも同じだそうです。

とにかく、生きて還って”次のこと”をやってやろうという気持ちが強いほど生命力が漲るのは間違いなく、それが生理的な限界を超えさせることもあるのです。

【酷寒の山中で】
先の見えないサバイバル状況の中でも、どんな物理的対策よりも『絶対に生き残る』という強い意志こそが、最も必要なことです。

でも、人はつい弱気になります。でもそんな時、意識して「帰ったらあれをやろう、あれをやらなければならない」と、”次のこと”を考えるようにするのです。

本当にできるのかなどと考えてはいけません。具体的なことを考えるのです。子供がいれば「自分が死んだら子供はどうなる?」という思いが、力を与えてくれるはずです。

【生きる力を生む究極の実例】
”自殺の名所”と呼ばれてしまう場所があります。そんな場所には、最後に思いとどまらせようとする看板があったりします。

そこに立てられた看板に、こんなものが実際にありました。

【ハードディスクの中身は大丈夫か?】

ハードの中には、何かと“恥ずかしい”ものがあったりしますよね。自分が死んだら、それが晒されてしまう。それは恥ずかしい、耐えられないと思えば、とりあえず消しに帰ろうという思いになるかもしれません。

そんな恥ずかしささえも、あと一歩で死を選ぼうとした人に生きる力と意味を与えることもあるのです。一旦考えが変われば、また何か違うものが見えてくるかもしれません。

自殺を考えていなくても、酷寒の山中で
「ハードの中身を見られたらヤバい!絶対に帰らなきゃ」
と慌てるだけでも、あなたに強い生命力を呼び起こすのです。

そんな恥ずかしいものは無いよという方には関係無い話ですが。管理人は・・・コメントを控えますw

【徹底的に楽観的に】
帰ったら何をやろうと考える時は、それが絶対にできるんだと信じるのです。もう無理だと思ったら、そこで終わりかもしれません。

人それぞれの性格で、ひたすら楽観的になれないこともあるでしょう。でも、それでも「きっと大丈夫」と楽観するのです。

どうしようもなく不安になったら、声に出して何度も繰り返しましょう。
「大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫」と。


これはサバイバル状況だけでなく、普段の暮らしでも有効です。不安に押しつぶされそうになった時、声に出して「大丈夫」と繰り返すのです。

声に出すことで、脳に別の刺激を与えて不安を逸らすのと同時に、自分の声を自分で聞くことで、他人に大丈夫と言ってもらう以上に、落ち着く効果が確実にあります。

何しろ、状況を一番良くわかっている自分が「大丈夫」と言っているのですから。これは騙されたと思ってやってみてください。もちろん、管理人もやって効果を実感しています。


言うまでもなく、楽観するということは、根拠なく状況をナメてかかるということではありません。徹底的に考え、やれることをすべてやり、それでも不安になったら、ひたすら「大丈夫」と唱えるのです。

災害下はもちろん、普段の生活でも是非やってみてください。そんな習慣が、サバイバル状況でより力を与えてくれるでしょう。


次回からは、ここまで述べたことを街中で応用する方法を考えます。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。


2014年10月20日 (月)

ありがとう!(実は)80万PV

本日、PC版に表示されるアクセスカウンターが、70万PVを突破しました。

でも、現在の集計システムに移行する前にカウントされていなかった、携帯電話からのアクセスが約10万1000PVほどありますので、実は累計80万PVに到達しています。

2012年1月のスタートから、約2年と9ヶ月でここまで育てていただきました。

皆様の変わらぬご愛読に感謝いたします。


この記事は通算882号で、間もなく900号に到達します。

なお、現在新ブログへの移行準備中で、可能であれば10月中の移行を予定しています。

新ブログでも現在のスタイルは変わりませんが、独自ドメインを取得してWordpressでお送りする予定ですので、より表現の幅が広がるかと思います。

スマホからのコメントやメールもいただけるようになります。


移行は新しい記事からで、過去ログは当面ココログに残す予定です。ちょっと面倒になって申し訳ありませんが、詳細が決まり次第、記事でお知らせいたします。


これからも“本当に役に立つ”防災情報の充実に努めて参りますので、『生き残れ。Annex』をどうぞよろしくお願いいたします。


管理人 てば拝

【徹底的に防水・防寒を考える07】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編3】

今回は、氷点下の山中での夜の過ごし方をお送りします。

それなりの防寒装備をしているものの、まだ服には水気が残っています。過酷な夜になります。

最大の敵は、言うまでも無く寒さです。低体温症との戦いになります。前回、できる限りの耐寒シェルターを作りましたが、その効果はあくまで体温の低下をできるだけ防ぐものに過ぎず、快適な暖かさとは無縁です。

その中で、これから夜が明けるまでの10時間以上を耐え抜き、自力で下山できる体力を残しておかなければなりません。

では、シェルターに入りましょう。服の中にできるだけ落ち葉を詰め込み、落ち葉のベッドに寝て、さらに身体の上にできるだけ大量の落ち葉や木の葉をかけます。身体の周りに動かない空気の層を作るためです。落ち葉は、服から染み出す水分も吸い取ってくれます。

【低体温症とは】
ここで、低体温症の症状について知っておきましょう。

まず、身体が震え出します。これは体温の低下を察知した脳が、筋肉を動かすことで発熱させ、体温を上げようとする生理的反応です。

それでも体温の低下が続くと、手足がだんだん重くなって来ます。これも生理的反応で、脳は残った栄養分を効率的に使ってできるだけ生存の確率を上げるために、手足など末端への血流を絞り、脳と主要臓器へ優先的に血液を流すようになるためです。

それを放置すると、どんどん手足が冷えて動かなくなり、最悪の場合は末端から凍傷になることもあります。

そしてさらに体温が低下すると、寒さを感じなくなります。場合によってはとても暑く感じ、耐えられなくなって服を脱ぎたくなることもあります。

最後にはとても幸せで快適な感覚に陥りますが、その段階では既に脳の機能も低下しており、いわゆる凍死の一歩手前の状態です。そこまで行ったら、おそらく助かりません。

少なくとも、寒さを感じて身体が震えているうちは、まだ当分大丈夫なのです。

なお、このような状況で『眠ってはいけない』と言われるのは、眠ると皮膚の緊張がゆるみ、毛穴が開いて身体からの放熱量が増えてしまうためです。

ふとんをかけずにうたた寝をすると、身体が冷えて風邪をひきやすいのと同じ事です。

【長い夜を耐え抜くために】
ここまで、身体の冷えをできるだけ防ぐために服の水分を減らし、地面や外気から断熱するためのシェルターを作りました。

これらの効果を体感はできないかもしれませんが、何も対策しないよりは何倍も体温を保つ効果があり、栄養分の無駄遣いも抑えているのは間違いありません。その効果を信じることです。

理屈はどうでも良いのです。これだけやったのだから、絶対に大丈夫だと、まず信じるのです。

では、シェルターの中ではどう過ごせば良いのでしょうか。

前述のように、体温の低下が進むと手足への血流が絞られ、動けなくなります。それを防ぐ方法は、ひたすら指先、足先を動かし続けるのです。

手足の先を動かすことで、心臓から最も遠い末端部で血液を”必要としている”状態を作ると、それが脳にフィードバックされることで末端へも血液を流せという指令が出て、手足への血流が確保されるのです。

同時に、身体の動きは脳を活性化させ、眠気を遠ざけて思考をしやすくします。

ひたすら歌を歌い続けるのも効果的です。あまり大きな声ではエネルギーを無駄遣いしますが、声を出すことで脳を活性化させるのです。

同時に、暗闇の中でも自分の声を聞くことで、心細さを緩和する効果もあります。もしかしたら、その声を誰かが聞きつけてくれるかもしれません。なにより、自分の好きな歌はきっと力を与えてくれます。

ここでは野生動物の危険を考えていませんが、もし晩秋などで熊が出るような状況でも、声を出していれば熊は近づいて来ないはずです。

そうやってひたすら手足先を動かし、歌でも歌いながら、ただ時間が過ぎるのを、再び日が上るのを待つのです。

何時間か過ぎれば、服の水分もかなり蒸発して、体感的な冷たさもかなり減って来るでしょう。

そんなちょっとした改善も、心から喜びましょう。少し楽になった、風が止まった、雨が降らない、きれいな月が見える、なんでも良いのです。それを喜ぶ気持ちが、あなたの生命力を奮い立たせます。

それが、生還へまた一歩近づくことなのです。

次回は、このようなサバイバル状況における最も大切なことに触れたいと思います。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

2014年10月18日 (土)

☆再掲載☆マスコミもセンセイも暴走中

当ブログでは、とりあえず“専門家”だの“ジャーナリスト”だの名乗る人々でも、決して頭から信用はできないというスタンスです。本当は、無条件で信じたいのです。でも、信じられないことがあまりに多いので、こういうスタンスを取らざるを得ません。

肩書きは、決して信頼の証ではないのです。残念ながら。信じられるかどうかは、あくまでそれぞれの個人に依存します。つまり、信じられる人と大ウソつきを、自分で選別しなければなりません。

ひとつ、過去記事を再掲載します。2012年2月4日の記事で、あの『首都圏直下型地震の確率が4年以内に70%』という騒動の頃の記事です。

(以下、再掲載記事本文)

恐怖は、カネになります。

あの「4年以内70%」記事以来、ひたすら恐怖を煽るようなメディア報道が目立ちます。それでも最後に防災の心得をつけておけば、なんでも良心的な防災情報の仲間になっているようです。

あの「4年以内70%」は、首都圏直下型地震の確率とされたものでした。でも、その後富士五湖地震が起きたので、すっかり東海・東南海・南海地震の連鎖と富士山の噴火ネタに「旬」が移っています。特に富士山ですね。何故なら、一番ビジュアル的な恐怖を煽りやすいからでしょう。

学者の方々もマスコミに乗せられてか、ついつい過激なコメントになるようですね。こんなのとか(引用元:女性セブン)なお、個人攻撃が目的ではありませんので、固有名詞は伏せます。
■以下引用------------
○○○大学歴史都市防災研究センターの○○○教授は語る。

「日本の大動脈である東海道の主要な道路や鉄道は全て崩壊してしまうでしょう。大地震の後に噴火してしまったら、救援物資も届かなくなってしまう。火山灰に弱い飛行機は飛ぶことができず、食料の輸入も難しくなってしまうでしょう。稲作は0.5cm、畑作や畜産は2cm以上の火山灰で1年間収穫が望めない。輸入が絶たれた状況では飢饉が訪れてもおかしくありません」
----------引用終了■

「飢饉」だそうです。地震、噴火の規模も、建築、交通に関わる根拠も示さず(そちらの専門では無いでしょうし)、「全て崩壊」などと安易に表現しています。もちろん重大なダメージを受けるでしょうが、復旧不能にまで完全破壊されるわけでは無いでしょう。

それに飛行機が飛ばないと、なんで食料の輸入が絶たれるのでしょうか。日本全国の空港が閉鎖されるわけもでなし。それ以前に、食料の輸入は大半が船便だと思いますが。これなど素人の思いつきレベルとどう違うのでしょうか。

船にしても、太平洋側の港が被害を受けたとしても、東北も日本海側の港もあります。道路の復旧力は、我が国が世界一であることが、東日本大震災で証明されました。降灰地の農業は大きなダメージを受けるでしょうが、日本全土に及ぶわけでもありません。

要は、ご自分の“専門”である「飢饉」という言葉を引き出すために、いいように被害を想定しているようにしか見えません。

他の“教授”の発言で、こんなのもあります(引用元:女性セブン)
■以下引用------------
「噴火の際に、山の半分から3分の1ほどが崩れる山体崩壊が起きてしまう可能性を政府はまったく想定していません。もし崩れるようなことがあれば、土砂の速さは最大時速100kmを超えることもあります。
川に沿って土砂は流れ、海まで達するでしょう。1792年に雲仙普賢岳が噴火し、山体崩壊が起きたときには1万5000人もの人が亡くなりました。現在の山梨・静岡の人口を考えれば、最低でも15万人、10万世帯にものぼる被害となるでしょう」
----------引用終了■

3000メートル超の巨大火山の三分の一が吹っ飛ぶ大噴火を想定している政府など、世界のどこにも存在しません。被害想定をするということは、税金を使ってその対策をしなければならないということですから、人類史上に記録が無いような規模の噴火など、想定するわけがありません。

学者のように、論文出して終わりじゃないんです。それに大規模な山体崩落を起こすのなら、問題は土石流の速度ではなくて崩落量でしょうに。でも近年の超巨大噴火として知られる、大規模な山体崩落を起こした1980年のアメリカ、セントへレンズ火山噴火でさえ、そんな規模に達してはいませんし、先史時代から今まで、富士山がそのレベルの噴火をしているわけでもありません。

さらに、被害「想定」を18世紀との人口と街の集積度の比較でしか考えていません。現代では、火山噴火はほぼ完全に予知できますし(というか、そちらの世界の方の発言なんですけどね・笑)、避難体制もそれなりに整えられています。

それを、何の観測網も連絡網も避難体制も無かった時代と、被災面積だけで単純比較するなど、学究の徒がすることなのでしょうか。知らないで間違った発言をするのとは、問題が根本的に違います。そんな薄弱な根拠で、15万人を“殺し”ますか?

一応、もっと長い発言をマスコミ的なインパクト優先の端折り方をされたために、発言の真意が歪曲されている可能性も考えられます。「4年以内70%」報道も、まさにそうでした。

いずれにしても、「防災意識を高める」という美名の下に、こんな“報道”が堂々と垂れ流されているわけです。否定する知識が無ければ、「平成の大飢饉」も、俄然現実めいたニュアンスを帯びてしまいます。マスコミの姿勢は毎度のことながら、科学者たる人々が、こんな素人以下の発言をしていることに、暗澹たる気持ちになりますよ。いかがですか?皆様。

富士五湖地震の後、「あの地震は東海地震と富士山噴火の引き金に“ならないわけがない”」くらいの発言をされていた“教授”もいましたが、ほぼ同一震源で1931年9月16日にマグニチュード6.3、1983年8月8日にはマグニチュード6.0の地震が発生(公式記録による管理人調べ)し、その後特に大きな変化が無いことは、どのように説明されるのでしょうか。

「今回は違う」という、整合性のある理論なり発見なりを期待したいですが、少なくとも新しい話は出てきていませんね。強いて言えば、東日本大震災による大地殻変動の最中だ、ということくらいでしょうか。

言うまでも無く、三震源連鎖地震や富士山噴火が、絶対に起きないとは誰にも断言できません。いや、いつかは起きるでしょう。しかしそれを語る時、専門家の名を借りて、あまりにも稚拙な「怖い話」にすりかえられてはいないでしょうか。

私も好き好んで批判をしているわけではありませんが、あまりにも目に余るので、今回はひとつの雑誌からの引用だけで、好き放題言わせていただきました。こんな報道でも、防災意識を高めて自己防衛を始めるきっかけになれば良いという考え方もありますし、確かにその効果はあるでしょう。

でも、思うのです。「その程度でいいのか?」と


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2014年10月17日 (金)

また酷いウソを

ネットニュースで、火山に関する記事を見つけました。

コメントしているのは、当ブログで良く引き合いに出させていただいている、”危機管理ジャーナリスト”のW氏(防災ジャーナリストを名乗る時もあるようで)。

あの、『大災害後はランドマークが崩壊して帰宅方向かわからなくなるので、コンパス(方位磁針)を常時持ち歩け』と主張されている御仁です。『北斗の拳』みたいな世界を想定されているんでしょうねw

下記に、氏のコメントを『NEWSポストセブン』から一部引用させていただきます。

21世紀に入ってからM9クラスの地震は5回起きていますが、そのいずれも、数十時間から数年間の間に近隣の火山が噴火している。(中略)2004年のスマトラ沖地震の翌年には、震源地の西方にあるタラン火山が噴火しています」

中略の部分は、各地の地震と噴火を列挙しています。

ツッコミどころを、太字にしました。最初の部分は、まあケアレスミスなんでしょうね。でも“ジャーナリスト”ですから。

マグニチュード9クラスの地震が5回起きたのは、20世紀なんですが。本文には1960年の地震とかを引き合いに出しているのに、気がつかなかったのですかね。

21世紀に起きたM9クラスは、2004年のスマトラ沖と2011年の東日本大震災の2回だけです。


20世紀に起きたM9クラスの後に、震源近隣の火山が100%噴火しているのは事実です。しかし『数時間から数年間の間に』というのは完全な間違い。20世紀のM9クラス後の噴火と、2004年のスマトラ沖後の噴火は、すべて約1年以内に起きています。数年もかかった例はありません。

これは、東日本大震災から3年半も経ってから起きた御嶽山噴火と絡めて”アオる”ための方便でしょう。これは震災の影響だ、だからこれから震源にもっと近い場所がどんどん噴く。恐ろしい事が起こるぞというアオるために。そんなことで事実をネジ曲げるのが“ジャーナリスト”だと。

なんたって、この記事のサブタイトルが『東日本の火山一斉噴火準備』ですからwメディアは今まで富士山ネタでアオって来たけど、今度は東日本全域のアオりですか。おまけに、この記事には無いのですが、震災の震源に近い蔵王で火山性微動が増加というネタも、アオりには絶好ですね。もちろん、本当に噴くかもしれませんけど。


でもこの御仁だけでなく、すっかり忘れられていることがあります。御嶽山噴火以前に、凄まじい噴火が起きているじゃないですか。

小笠原諸島の西之島です。遠い海上で無人島だから誰も気にしていませんが、2013年11月に噴火し、未だに活発な火山活動が続いています。噴出物で島がどんどん広くなるくらいの大噴火ですから、もしあれが陸上ならば、巨大被害を生む規模のはずです。

管理人としては、あれこそが震災の影響による噴火だと考えています。もちろん、これで終わりでは無いかもしれません。


今回の御嶽山噴火は、人的被害が甚大になってしまったので注目度が非常に高いのですが、噴火の規模としては1979年の噴火と同程度、中規模の噴火です。もし人がいなかったら、近隣の人以外は「ああ、噴いたか」くらいにしか感じないレベルでしょう。

しかも、マグマの上昇をほとんど伴わない(前兆がほとんど観測されなかった)水蒸気爆発です。大地震の後に主に起きるのは、地表近くまでマグマの上昇を伴う『マグマ噴火』であり、西之島はまさにそれです。

御嶽山は、震災後に初めて陸上で起きた噴火のため(桜島や新燃岳は震災前からの噴火)、巨大地震と火山の関係の“わかりやすい”例として引っ張り出されてしまったかのようです。もちろん、広い意味では震災の影響もあるでしょう。しかし、メカニズムを考えればそれほど直接的な影響とは思えません。


過去のM9クラス後の噴火が起きた場所は、すべて震源近くのプレート境界域付近です(御嶽山は当てはまりません)。ですから、東日本各地、特に太平洋側の富士山、小笠原諸島くらいまでが、最も可能性が高い場所なのです。でも、噴火どころか3年も兆候らしい兆候も無いのは、人類の観測史上初のことです。日本列島周辺の複雑なプレート構成が、この“特殊な”状態を生んでいるのかもしれません。

そして震災から3年近く経って“やっと”西之島が噴いたのですが、だれも気にしていない。西之島は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界域付近であり、メカニズム的に十分に影響を受けている場所なのです。

この後、他の火山が噴くのかどうかは神のみぞ知るということかもしれませんが、何しろ山麓にまで影響を及ぼすような大噴火の前には、何らかの明確な兆候が観測されるはずです。何もないうちから騒ぐべきではありません。少なくとも“専門家”や”良心的なジャーナリスト”ならば。

メディアが恐怖をアオるのはお仕事ですが、それに乗っかって適当な事を言う輩を、ジャーナリストとは呼びたくないですね。しかし良くネタを提供してくれる御仁だw


ちなみに、20世紀のM9クラス5回は、なんと100年のうちの18年間に集中しているのです。それが前回の“活動期”だったと思われます。そして最後のアラスカ地震(1965年M9.2)から約40年の時を経て2004年のスマトラ沖(M9.1)が起き、7年後後の2011年に東日本大震災(M9.0)が起きたことから、地球は再び“活動期”に入ったという説があります。

実際に、世界各地で中~大規模地震が確実に増えていて、決して偶然とは言えないレベルです。

なお、当ブログでは巨大地震と火山との関係について過去何度も記事にしていますが、あちこちに書いているので管理人にもどの記事かわからなくなっていますw見つかりましたら当記事の文末にリンク貼りますね。

■お詫びと訂正■
本文中で、当初「1965年のチリ地震」と表記してしまいましたが、1965年はアラスカ地震(M9.2)でした。チリ地震(M9.5)は1960年です。お詫びして訂正いたします。


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【徹底的に防水・防寒を考える06】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編2】

前回は、すぐに服を脱いで水分を搾り取りました。今回はその次の行動に移ります。

状況は、あと1時間程で日が暮れ、すでに太陽は山の陰に隠れて、森の中は暗くなりはじめています。気温は氷点下を割り、風もあります。

このまま夜道を下山するのは無理と判断し、山中で夜を明かすことにしました。火を焚く道具はありません。

【シェルターを設営せよ】
次にやるべきは、夜を明かすシェルターの設営です。急がないと暗くなり、身動きができなくなります。暗い山中を動き回ると、滑落の危険が大きくなりますので、明かりがあるうちに完了しなければなりません。

まず最初は、場所の決定です。北風が吹いているので、できるだけ南側斜面で、風が当たらない場所を探します。

風が当たると、想像以上に体温を失います。風速が1m上がると体感温度が1℃下がると言われ、体感的にも辛さが増して気力がそがれます。

洞穴でもあれば理想的ですが、そうは無いでしょう。他には大きな木の根本、大きな岩の陰、崖の下、窪地などで、とにかく風が当たらない場所を探します。

できれば、二方向が岩や崖に囲まれたような場所を見つけたいものです。

なお、雪がある場合には、窪地の中は冷気が溜まるので、避けなければなりません。深い雪の中ならば雪洞が作れますが、ここでは想定していません。

さて、なんとか風が当たらない場所が見つかりました。次の行動に移ります。

【ベッドを作れ】
具体的な行動に移る前に、ちょっと理科のおさらいを。

物体から熱が失われる過程には二種類あります。放射と伝導です。ですから、体温を保つためには、このふたつをできるだけ遮断しなければなりません。

放射を防ぐには、なるべく肌の露出と通気を少なくして、熱を服の中に閉じこめます。

伝導を防ぐためには、ベッド作りが欠かせません。体温よりはるかに低温の地面に直接触れると、どんどん体温が奪われるのです。服が濡れていると、さらに伝導が加速されます。

そこで、理想的なのは落ち葉です。落ち葉を大量に集め、寝床に敷き詰めます。厚さ30cmは欲しいところ。落ち葉が無ければ、葉がついた小枝などを集めて、できるだけ厚く敷き詰めます。

苔も効果的です。苔が大量に手に入れば、まず地面に敷き詰め、その上に落ち葉を敷くと断熱効果がアップします。

これは地面と身体の間に空気の層を作るためです。空気は究極のな断熱材なのです。ここで風があると暖まった空気が吹き払われ、どんどん冷たい空気と入れ替わってしまうので、その意味からも風が当たらない場所であることが必要です。

さて、ベッドができました。まだやることがあります。

これは山の状況にもよりますが、針葉樹の大きな枝や木の葉がついた大きな枝がたくさん手に入るならば、ベッドの前にびっしりと立てかけます。

枯れ枝しかなければ、それを立てかけて草や小枝をひっかけます。

これは風が直接当たるのを防ぎ、雨や雪が降ってきた場合のテント代わりになるものです。水が下へ滴り落ちるように、枝先を下に向けて立てかけるのがポイントです。

次は身体の対策です。

とにかく落ち葉や木の葉を大量に集めてください。今度はそれを上着の中に詰め込みます。これもベッドと同じく、服の中に動かない空気の層(static air)をできるだけたくさん作るためです。

そして、襟元や袖口などをできるだけ絞って、体温で暖められた空気が逃げないようにします。

さらに、前述のように熱が逃げやすい頭部はできるだけ布やフードで覆い、熱の放射を抑えます。

【いよいよ日が暮れる】
ここまでで、氷点下の夜を明かすためにできることはすべてやったはずです。

ポイントをまとめましょう。
・服と身体の水分をできるだけ減らす
・風の当たらない場所を探す
・地面に落ち葉などを敷いて断熱する
・枝を立てかけて代用テントを作る
・服に落ち葉などを詰め込んで断熱する
・特に頭部の保温をする

そして、いよいよ日が暮れます。これから夜が明けるまで、何時間も耐えなければなりません。

次回は、夜の過ごし方です。


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2014年10月15日 (水)

【徹底的に防水・防寒を考える05】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編1】

前回記事の回答編です。前回記事はこちらから

これから、あのような場合の対策を徹底的に考えて行きますので、何度かに分けてお送りします。

今回は、まず最優先でしなければならないこと。実は管理人、読者の方のコメントでばっちり正解をいただきまして、感動と共に少し慌てていますw

【とりあえず全部脱ぐ!】
では対策です。まず最初にやらねばならないことは、服の水分を搾り取ることです。

でもその前に、とりあえず近くでなるべく風が当たらない場所へ移動したいのですが、開けた場所などでそれが見当たらなければ、その場ですぐにやらなければなりません。

具体的には、衣類を全部脱いで(下着も靴下もです)、徹底的に水分を絞るのです。当然、すさまじく寒いのですが、その後長時間寒さの中にいなければならないのならば、一番体力がある最初の段階でやるのです。

服を脱いでいる間は、全身を動かす体操をしたり、指先や足先を動かしながら、体温をなるべく上げながら末端への血流を確保します。

身体の水分は、タオルやTシャツなどを絞ってよく拭き取ります。近くに乾いた砂や落ち葉などがあれば、裸で転がって身体の水分を吸い取らせる方法もあります。雪にも同様の効果があり、粉雪ならばさらに効果的です。髪の毛の水分は特にしっかりと除去します(理由は後述)。

冷たい雪だと当然ながらかなりの苦痛を伴いますが、水分をできるだけ減らすことがその後の生存率に大きく影響しますので、ためらわずやることです。

もちろん、服を脱いでいる時間はできるだけ短時間でなければなりません。とにかく衣類と身体の水を徹底的に取り除いたら、すぐに衣類を身につけます。

なお、緊急事態に直面してアドレナリンが分泌されているうちならば、心拍数が上がって裸でも体温維持がしやすい状態ですし、急激な冷えに対しては皮膚が収縮して体温の放散を押さえますので、その状態の間に一気に行う必要があります。

その状態で裸になる場合の身体の冷えなど、後から長時間に渡って体温を奪われ続けることに比べれば、ものの数ではないのです。

というわけで、まず服を全部脱いで水分を絞り、身体の水分もふき取るというのが最優先行動です。

これは寒冷地サバイバルのプロの教えなのですが、一般化はしていませんね。寒い中で裸になるということはかなりの勇気が必要ですが、『生き残る』可能性を上げるためには必要なことです。

【水分量で、生存率が変わる】
次の行動に移る前に、上記の行動の理由を解説します。

水分を減らす理由は、おわかりいただけると思います。水は蒸発する時に周囲から気化熱を奪いますので、体温で水が蒸発を続ける間、ずっと体温を奪い続けます。

ですから水分を減らすことは、奪われる体温を減らすこととイコールなのです。

身体が冷えて体温が低下すると、人体は体内の栄養分を使って体温の維持をしようとしますから、身体が冷えれば冷えるほど栄養分を無駄遣いする、すなわち行動や生存できる時間がどんどん減って行くことになります。

ちなみに、寒いときに身体が震えるのは、体温の低下を察知した脳が、筋肉を動かして発熱させて体温を維持しようとしている生理的反応です。もちろん、震えるためにも栄養分を使っているわけです。

【頭は人体のラジエーター】
髪の毛の水分を良くふき取るのは、頭を冷やさないためです。頭皮のすぐ下には毛細血管が集中しており、非常に冷えやすいのです。その放熱量は、体表全体から放散される熱量の40~50%にも及ぶと言われます。

普段は頭、つまり脳がオーバーヒートしないためのラジエーターの働きをしているのですが、体温が維持しづらい状況では、そこが弱点になります。

ですからまず髪の毛の水分を取り除き、さらに水を絞ったタオルを巻いたりフードをかぶったりして、できるだけ頭部を保温することが、寒い中での体力維持にとても効果があるわけです。

もちろん、これは普段の生活でも同様です。寒い時に帽子、ニットキャップ、スカーフなどで頭部を保温する、すなわち頭皮の毛細血管を流れる血液をなるべく冷やさないようにすることで、身体全体を暖かく保つ効果があります。


さて、衣類と身体の水分を減らすことで、第一段階が終了しました。もちろん、氷点下の山の中ではこれだけでは不十分です。

この状況では、明日の朝明るくなって下山できるまでの体力を維持しなければなりません。もし、ケガをして動けない状態ならば、これから何日も救助を待たなければならないかもしれません。

これからが、本当のサバイバルの始まりです。


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2014年10月14日 (火)

地震関連二題

今回はふたつのネタをまとめます。まずは、おなじみのこちらから。

【宏観現象による地震警戒情報】
10月13日朝、千葉県北部の井戸水に、強い匂いが出ているとの連絡をいただきました。この井戸に変化が出てから一週間以内、大抵は4~5日目くらいに下記の震源域もしくはその周辺で、高い確率で地震が発生します。

該当する震源域は、下記の通り。
・茨城県南部(埼玉県境寄り) 震源深さ50~80km程度
・茨城県南部(千葉県境寄り) 震源深さ40~60km程度
・千葉県北西部 震源深さ60~90km程度
・千葉県北東部 震源深さ40~70km程度

今回は水の強い匂いということで、過去の経験則によれば震度3~5弱程度の地震の可能性が考えられますが、もちろんその限りではありません。あくまで経験側による予想です。

なお、当記事は被害の発生を警告するものではなく、情報の蓄積によって井戸水の変化と地震との相関をより詳しく見出すための記録としてアップしております。

このような現象の有無に関わらず、大きな地震は『いつどこで起きてもおかしくない』ということを常に忘れず、日頃からの備えをしておいてください。


次は、妙な地震が連続しているという話。

【青森県東方沖に注目】
青森県東方沖で、ちょっと妙な動きがあります。

10月11日、青森県東方沖の深さ10kmを震源とする、かなり大きめの地震が3回発生しました。後の2回は、1回目の余震と考えて良いでしょう。

マグニチュード値は6.1、5.6、4.5で、地上の震度はそれぞれ4、3、1でした。最初の地震はM6.1もありましたから、陸地の直下10kmで起きたら震度5強以上になる、かなり大きな地震です。

震央は陸地からかなり離れた北海道のえりも岬のほぼ真南に当たる場所で、アウターライズ地震ほど沖ではない場所です。あの震央で深さ10km程度というのは、かなり珍しいタイプでした。


続いて本日10月14日、また青森県東方沖で、マグニチュード4.1の地震が1時間の間をおいて2回連続しています。ところが、11日の地震とは全く別モノなのです。

14日の地震は11日の震源よりかなり陸地寄りですが、ごく近い震央で1回目が深さ50km、2回目が深さ80kmと異なっている『スラブ内地震』でした。震源深さが異なるので、本震と余震という関係でもありません。

これらの地震だけで何かがわかる訳ではありませんが、ごく短期間のうちに、比較的静かだった震源域で異なるタイプの地震が集中したということは事実ですので、今後しばらく注視すべきかと思います。


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2014年10月12日 (日)

【台風19号】勢力やや弱まるも、間もなく上陸

台風19号が、いよいよ九州地方に接近してきました。10月13日の昼ごろには熊本県付近に上陸し、その後は四国をかすめてほとんど本州縦断コースを進みそうです。

ひとつ幸運なことは、台風の速度がかなり遅く、海水温が比較的低い地域に長く留まったために、接近時の勢力が当初の予想よりかなり弱まっていることです。

それでも大型の強い台風には変わりありませんから、くれぐれも『弱まっているから多分大丈夫』などとはお思いになりませんように。

特に豪雨による土砂災害は、台風の数値上の勢力とは関係なく、あくまで雨の量で可能性が高まります。内陸部では地形の影響による局地的な突風や、竜巻が発生する危険が高まるでしょう。

また、東寄りに針路を変えた後も、当初の予想ほど速度が上がらない可能性も出てきています。その場合、暴風雨の時間がより長く続くことになりますので、被害が拡大する可能性があります。


これから予想されるコースは、人口の多い地域の直上を通過して行くのです。豪雨はもとより、暴風による被害の多発も懸念されます。

一旦上陸すれば、海面からの水蒸気の供給が絶たれるので勢力が強まることはありませんが、ある程度の勢力を維持したまま移動することは考えられます。

ここで米国のNRL(Naval Resarch Laboratory)発表の予想針路図をお借りして掲載します。図中の時間表記は世界標準時で、9時間を足すと日本時間になります。
T19
まさに“本州縦断”コースとなりそうです。

台風の勢力が弱まるにつれて、なんとなく関心が薄れかけているような気もしますが、これからが“本番”です。

まず、あなたの周りでどんな災害が起きやすいのかを考え、可能性が高いものから、対処方法を考えてください。最も致命的な被害となる土砂災害から確実に安全を確保するためには、“起こる前に避難する”以外に方法は無いということもお忘れなきように。


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2014年10月 9日 (木)

【気象災害】そして台風19号が接近

台風18号に続き、『猛烈な』台風19号が接近しています。

現在、九州南部に向けて北進するコースを取っていますが、九州接近もしくは上陸後は東寄りに針路を変え、本州縦断コースに乗る可能性が高くなっています。

気象庁からのリリースでは、九州南部に接近する10月12日までの予想針路しかありませんが、米国のNRL(Naval Research Laboratory)からのリリースでは、10月13日の午前9時頃には九州東岸の宮崎県付近、10月14日の午前9時頃に本州中央部、長野県付近に到達する予想針路になっています。

NRLの予想針路図をお借りして掲載します。図中の日付、時間表記は世界標準時で、9時間足すと日本時間になります。
T19

台風19号は18号よりかなり勢力が強く、上陸している時間もはるかに長くなるのは確実です。語弊を恐れずに言えば、18号は“予行演習”で、19号が“本番”でしょう。何の本番かというと、我々の防災力を試される試練の本番です。

災害の危険がある場所では、確実に発生するという前提での対処が必要になります。この期に及んで、被害に遭った後に『こんなことになるとは思っても見なかった』という人は、愚か者以外の何者でもありません。

行政の避難勧告や指示がどうのという議論をしている場合でもありません。セルフディフェンス力が試される時です。


自分と大切な人の命は自分の判断と行動で守る。そして、できるだけ財産も守る。そのためには何ができるか、何が必要かを、今から考えて実践する人の“成功率”が上がるだけのことです。

気象災害危険地帯にいて今まで無事だった人も、それはあくまで“幸運”の結果に過ぎず、将来の安全を保証するものではありません。そして、災害発生の確率は、過去より確実に上がっているのです。


豪雨や暴風雨になったらあなたの周りでは何が危険か、まず考えてください。土砂崩れ、土石流、地すべり、河川の氾濫、堤防の決壊、樹木や構造物の倒壊(工事用足場はかなりヤバイのは毎度のこと)、飛来物など。暴風雨の中で、竜巻が発生する可能性もあります。

そして、それに対してどうするか。何も避難所へ行くだけが避難ではありませんし、避難勧告が出されなければ、避難所は開設されません。自分の居場所が大荒れになる日時によっても、避難すべき場所は変わります。

でも、なんだかんだと言って危険地帯でも実際に移動しない人が大半なのでしょうね。もちろん避難しなくても大丈夫な人の方がはるかに多いのですが、危険地帯の人も同じ感覚というか、危険に気づいてさえいないことも多いのが現実なのでしょう。

比較的安全な場所にいる方でも、あなたのご実家やご親戚の家は大丈夫ですか?お友達に危険地帯の住人はいませんか?そんな方には、いまのうちに声をかけておきましょう。もしかしたら、危険に気づいていないかもしれません。

暴風雨の中を移動しなければならない方は、傘以外の防水装備が必須です。しっかりしたレインコート類、長靴などの防水靴もしくは濡れても滑らないスニーカー、停電に備えたライト、カロリーメイトなど非常食料もあると良いでしょう。

今回は、各地でいよいよ“シャレになっていない”レベルになることが予想されます。『厳重な警戒を』などと言う言葉遊びをしている場合ではありません。具体的な行動が求められる時です。


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2014年10月 8日 (水)

【徹底的に防水・防寒を考える04】ずぶ濡れ!そのときあなたは?

今回は、かなりシビアな状況を考えてみます。

突然ですが、皆様に質問です。以下の状況になったとき、あなたはどう行動するでしょうか。

【条件設定】
あなたは冬の山の中をひとりで歩いています。気温は0℃を割り、冷たい風も吹いています。そこで、あなたは足を滑らせて川に落ちてしまいました。なんとか這い上がれたものの、服も荷物もずぶ濡れです。

辺りに人家は無く、人の姿も見えません。あと1時間もすれば日が暮れ、気温はますます下がります。

すぐに暖を取らなければ低体温症になるのは間違いなく、凍死する危険もあります。でも暗くなる山道を人里まで下りるのも困難で、あまり移動できません。

すぐにたき火をしたいところですが、火をつける道具も持っていません。携帯電話は圏外で、助けも呼べません。この辺りで夜を明かすしかなさそうです。もちろん、キャンプ道具など持っていません。

そんな状況で生き残るために、あなたはまず何をして、どんな対策をしますか?

先に申し上げておきますが、ここでは山の中という設定にしているものの、同じような状況は、東日本大震災の津波被災地で多発したのです。

雪が降る寒さの中でずぶ濡れになり、火も焚けずほとんど移動もできず、助けも呼べない。すぐに日が暮れてさらに寒くなるという状況で、実際に多くの方が低体温症で亡くなったのです。決して絵空事ではありません。

この設定で震災時より少し条件が良いのは、あなたは山の中を多少は移動できるという点です。

そんな中、あなたはまず何から始め、何をしますか?何もしなければ短時間で動けなくなり、凍死してしまうのです。

ちょっとヒントを言っておくと、まず最初にやらなければならないことは、ほとんど一般化していません。でも、それが一番重要なことなのです。

その答えは、次回以降に。


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2014年10月 3日 (金)

【徹底的に防水・防寒を考える03】足を濡らすな!

今回は、足の【防水・防寒】について考えます。

当ブログ読者の方はご存じかと思いますが、管理人は常に水害避難時は長靴を履くなという“指導”に反論して来ました。

一般に、長靴を履くなと言われる理由は、たったひとつ。長靴より深い水に入ると、中に水が入って重くなる上に脱げやすいから、ということ。実際に、深い水中で長靴が脱げて履き物を失ったという事例も、多少はあるのでしょう。しかし、それほど多い訳でもないはずです。

ならば水が入らない、もしくは入りにくくすれば、脱げやすいという問題は解決できるわけです。

【長靴はなぜ必要か】
管理人がなぜ長靴に拘るかというと、避難中と避難後に是非ともその機能が必要と考えるからです。

想像してみてください。防水性の無い靴で水や泥の中を歩けば、当然ながら濡れてドロドロです。避難所に着いて靴を脱いでも、中までドロドロ。乾かす場所も普通は無く、せいぜい翌日には、またその靴を履かなければならないでしょう。冬場だったらその冷たさは相当なものですし、濡れているうちはどんどん体温を奪って行きます。

冬場に足が濡れていることの辛さ、ご存じですか?寒冷地ならば、凍傷の危険もあります。

そして、浸水して泥が積もった家の後片づけなどをする時に、長靴でなければまたドロドロになって冷えまくる。長靴ならば、暖房のある場所で逆さまにしておけば、中はすぐ乾きますし、履いているだけでも中の水分は蒸発します。しかも防水・防風性と保温性に優れたゴムですから、冷え続けることはありません。

それ以前に、街中で普段履く運動靴やスニーカーは靴底のパターンが細かくて、水中や泥の中ではとても滑りやすいのです。その点長靴は、泥地を歩く前提のギザギザのソールになっています。泥でも脱げない、滑りにくいという点で理想的なのは紐で編み上げるコンバットブーツやハイカットのキャラバンシューズでしょうが、中まで濡れて乾きにくいという欠点もあります。それに、そんな靴は持っていない人の方が多いでしょう。

その点長靴は、対策をすれば濡れにくい、脱げにくい、滑りにくい、冷えにくい、乾きやすい、そして手に入りやすいのです。 それでも、平気で“紐をきつく締められる運動靴”とかを奨める”防災の専門家”が結構います。そんな輩に一言言いたい。「まず自分でやってみろ」と。

ちなみに、管理人は北海道で雪の中を普通のゴム長靴で歩き回っていましたし、過去記事でも書いた通り、深い泥の中に入った経験も多いので、その機能を実感した上でお奨めしています。

【長靴の浸水対策とは】
なにしろ、水害避難時に長靴を履くなと言われる理由は、その機能を一切無視して、ただ”水が入ったら脱げやすいから”だけなのです。それをどう考えるかは皆様次第ですが、以下、管理人流の長靴使用法を紹介します。この内容は、過去記事でも紹介したものです。

避難が必要な時にそんなことをやっている暇は無いとお考えの方もあるかもしれませんが、少なくとも普段緩めている靴紐を締め上げるよりは、ずっと短時間でできることです。それに、水害避難時は地震のようにいきなり飛び出すわけでもありません。

先に申し上げておきますが、以下の方法が現実的、一般的ではないなどとお考えの方は、是非ほかの“防災の専門家”の指導を取り入れてください。確実に足はずぶ濡れですが。ちなみに下記の方法は、広島土砂災害の現場で、一部の捜索部隊も実際にやっていました。これは別に管理人のアイデアではなく、必要な方々は普通にやっていることなのです。“防災の専門家”が知らないだけですね。

さてその方法ですが、何のことはありません。ガムテープで巻いてズボンと密着させるだけです。
Annex_046

カッパのズボンの裾を上に出して巻けば、さらに防水性は上がります。
Annex_054

たったこれだけです。これで、少なくとも水の重さで脱げることはありませんし、泥の中でもかなり脱げづらくなります。 ポイントは、足を深く曲げた状態でガムテープを巻くこと。そうしないと、ズボンやカッパが突っ張ってしゃがめなくなります。

なお、ガムテープは粘着面が水に濡れるとはがれますので、少なくとも三重以上にぐるぐると巻き付けてください。もし素足の場合でも、長時間水中にいるわけでもなし、ぐるぐる巻いてしまいましょう。剥がす時が辛そうですがw

また、上画像二枚目のように、足首の部分に少しキツめに巻くことで、深い泥の中でもさらに脱げづらくなります。

なお、長靴の問題のひとつに、流水の中では抵抗が大きくて足を取られやすいというものがあります。この点は長靴否定派の“防災の専門家”も無視してますが、川釣りなどをやる方は良くご存じでしょう。

もっとも、足を取られるような激しい流れの中を避難する時点で、長靴以前に危険極まり無い状況です。そうなったら、もうどの靴なら安全というレベルではありませんので、とりあえず頭の隅にでも入れておいてください。

■10/4追記
御嶽山頂の捜索をする陸自隊員の足元に注目。
Ontake
半長靴(はんちょうか)と迷彩作業服の裾をガムテープで巻いています。半長靴自体には完全な防水性はありませんが、雨でぬかるんだ火山灰泥の侵入・付着対策です。これが考え抜かれたプロのやり方です。長靴(ながぐつ)を履くななどと言うトリビア披露ごっこなどに関わらずに、我々も真似すれば良いだけのことです。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

2014年10月 2日 (木)

【台風18号】日本列島直撃コースに乗る

大型で非常に強い台風18号が接近しています。予想される針路のうち西寄りのコースを取った場合には、西日本から東日本を直撃する可能性が高くなってきています。

10月2日15時45分時点での中心付近の気圧は935ヘクトパスカルで、今後日本の南海上を進みながらさらに勢力を増す可能性があります。九州接近時には、超大型クラスになっているかもしれません。

台風の接近に伴い、北海道も含めた日本列島全域で豪雨となる可能性も高く、暴風雨災害だけでなく水害、土砂災害が多発するレベルとなるでしょう。竜巻の発生も懸念されます。

台風18号の予想針路は、巨大被害をもたらした1959年(昭和34年)の伊勢湾台風の進路に近くなっています。過去、伊勢湾台風に近い進路を進んだ台風では、何度も大きな被害が出ています。

伊勢湾台風の最低気圧は895ヘクトパスカル(当時はミリバール)でしたが、台風18号も同程度の勢力になってもおかしくありません。甚大な被害が予想される台風です。

気象庁と米国のNRL(Naval Reserch Laboratory)発表による、10月2日午後6時時点で最新予想針路図をお借りして掲載します。
NRLの日付・時刻表示は世界標準時で、日本時間マイナス9時間です
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台風18号は、敢えてくだけた言い方をすれば、日本各地に“シャレにならない”レベルの影響と被害を与える可能性があります。水害、土砂災害が起きる可能性がある場所では、今回は災害が起きるものとして、早い段階での対策と避難が必要です。“様子見”している余裕は無いものと考えなければなりません。

まさに、伊豆大島や広島の教訓を生かすべき時です。あなたの周囲では、暴風雨、竜巻、豪雨が来たら何がおきますか?まずそこから考えてください。さらに、停電や交通機関への影響もあるものとして考えてください。そして手遅れにならないうちに、対策や避難をしてください。

台風が自分の居場所を直撃するのを見極めてからでは遅すぎます。この段階で“来るもの”と考えて、今から対策を始める必要があります。

当ブログでは、カテゴリ【気象災害】の過去記事で、各種の気象災害への対処方法をまとめています。下記リンクから是非ご覧ください。

カテゴリ【気象災害】過去記事


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2014年10月 1日 (水)

巨大噴火の前には何が?

火山噴火の規模と被害との関連についての、補足的な記事です。

管理人は、過日アップした富士山噴火に関連する記事の中で、『静かな山がいきなりドカンは無い』と書きました。しかし、今回の御嶽山噴火は、事実上事前の兆候がほとんど無い状態で噴火しましたので、言っていることが違うじゃないかと思われた方もあるかと思います。

それは、今回の噴火が中規模の水蒸気爆発だったからです。人的被害は多くなってしまいましたが、噴火としての規模はそれほど大きくありません。

水蒸気爆発の場合は、火山性地震・微動、山体膨張、地温上昇などの前兆が無いまま噴火することもあります。マグマにあまり動きが無くても、マグマと地下水脈が触れてしまえばいつでも起きる可能性があり、前兆がごく小さいこともあるわけです。

但し、富士山噴火を始めとして、巨大被害が懸念されている噴火は、基本的に地表近くまでマグマが上昇する『マグマ噴火』です。その場合は大火砕流、溶岩流、山体崩壊が発生する確率が高まりますが、高温高圧のマグマが岩盤を押し広げて上昇して来る段階で、ほぼ確実に前兆が観測されるのです。

前兆から噴火までの時間の長短や前兆の程度は一概には言えませんが、マグマの上昇量が多い、つまり噴火の規模が大きいほど、その前兆は明確になるのが普通です。例えば、1707年の富士山宝永噴火の前には、大規模な直下型地震や激しい地鳴りが繰り返し発生したことが、当時の古文書に記録されています。もっとも、当時はそれが富士山噴火に繋がるとは理解されていなかったのですが。

一方で、水蒸気爆発でも山体崩壊などの巨大被害をもたらすこともあります。顕著な例としては、1888年(明治21年)の会津磐梯山噴火があります。これは巨大な水蒸気爆発で、山頂部が大規模に吹き飛ばされる山体崩壊が発生し、現在見られるえぐれたような山容となりました。(下画像参照)
Bandaisan

そして大規模な崩落(岩屑なだれ)が発生し、山麓の川をせき止めて、五色沼など多くの湖が形成された巨大噴火だったのです。岩屑なだれは麓の村も襲い、犠牲者の数は、477人に上っています。

この噴火の場合は、一週間ほど前から地鳴りや遠雷のような音が聞こえ、それがだんだん激しくなって噴火に至ったとのことですが、やはりそれが噴火の前兆と理解されていなかったため避難は行われず、犠牲者が多くなりました。

このことからも、噴火のタイプに関わらず、山麓まで被害を及ぼす程の巨大噴火の前には、それなりの前兆が観測される言って良いでしょう。それは恐らく、観測機器に捉えられるというレベルを超えて、誰もが感じることができるはずです。

管理人の表現を少し訂正させていただければ、『静かな山がいきなり大きくドカンは無い』という感じでしょうか。それにつけても、今回の御嶽山噴火の前に何らかの前兆が観測され、せめて火口周辺だけでも入山規制がされていたらと思うのは、管理人だけではないでしょう。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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