2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

« 【徹底的に防水・防寒を考える06】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編2】 | トップページ | ☆再掲載☆マスコミもセンセイも暴走中 »

2014年10月17日 (金)

また酷いウソを

ネットニュースで、火山に関する記事を見つけました。

コメントしているのは、当ブログで良く引き合いに出させていただいている、”危機管理ジャーナリスト”のW氏(防災ジャーナリストを名乗る時もあるようで)。

あの、『大災害後はランドマークが崩壊して帰宅方向かわからなくなるので、コンパス(方位磁針)を常時持ち歩け』と主張されている御仁です。『北斗の拳』みたいな世界を想定されているんでしょうねw

下記に、氏のコメントを『NEWSポストセブン』から一部引用させていただきます。

21世紀に入ってからM9クラスの地震は5回起きていますが、そのいずれも、数十時間から数年間の間に近隣の火山が噴火している。(中略)2004年のスマトラ沖地震の翌年には、震源地の西方にあるタラン火山が噴火しています」

中略の部分は、各地の地震と噴火を列挙しています。

ツッコミどころを、太字にしました。最初の部分は、まあケアレスミスなんでしょうね。でも“ジャーナリスト”ですから。

マグニチュード9クラスの地震が5回起きたのは、20世紀なんですが。本文には1960年の地震とかを引き合いに出しているのに、気がつかなかったのですかね。

21世紀に起きたM9クラスは、2004年のスマトラ沖と2011年の東日本大震災の2回だけです。


20世紀に起きたM9クラスの後に、震源近隣の火山が100%噴火しているのは事実です。しかし『数時間から数年間の間に』というのは完全な間違い。20世紀のM9クラス後の噴火と、2004年のスマトラ沖後の噴火は、すべて約1年以内に起きています。数年もかかった例はありません。

これは、東日本大震災から3年半も経ってから起きた御嶽山噴火と絡めて”アオる”ための方便でしょう。これは震災の影響だ、だからこれから震源にもっと近い場所がどんどん噴く。恐ろしい事が起こるぞというアオるために。そんなことで事実をネジ曲げるのが“ジャーナリスト”だと。

なんたって、この記事のサブタイトルが『東日本の火山一斉噴火準備』ですからwメディアは今まで富士山ネタでアオって来たけど、今度は東日本全域のアオりですか。おまけに、この記事には無いのですが、震災の震源に近い蔵王で火山性微動が増加というネタも、アオりには絶好ですね。もちろん、本当に噴くかもしれませんけど。


でもこの御仁だけでなく、すっかり忘れられていることがあります。御嶽山噴火以前に、凄まじい噴火が起きているじゃないですか。

小笠原諸島の西之島です。遠い海上で無人島だから誰も気にしていませんが、2013年11月に噴火し、未だに活発な火山活動が続いています。噴出物で島がどんどん広くなるくらいの大噴火ですから、もしあれが陸上ならば、巨大被害を生む規模のはずです。

管理人としては、あれこそが震災の影響による噴火だと考えています。もちろん、これで終わりでは無いかもしれません。


今回の御嶽山噴火は、人的被害が甚大になってしまったので注目度が非常に高いのですが、噴火の規模としては1979年の噴火と同程度、中規模の噴火です。もし人がいなかったら、近隣の人以外は「ああ、噴いたか」くらいにしか感じないレベルでしょう。

しかも、マグマの上昇をほとんど伴わない(前兆がほとんど観測されなかった)水蒸気爆発です。大地震の後に主に起きるのは、地表近くまでマグマの上昇を伴う『マグマ噴火』であり、西之島はまさにそれです。

御嶽山は、震災後に初めて陸上で起きた噴火のため(桜島や新燃岳は震災前からの噴火)、巨大地震と火山の関係の“わかりやすい”例として引っ張り出されてしまったかのようです。もちろん、広い意味では震災の影響もあるでしょう。しかし、メカニズムを考えればそれほど直接的な影響とは思えません。


過去のM9クラス後の噴火が起きた場所は、すべて震源近くのプレート境界域付近です(御嶽山は当てはまりません)。ですから、東日本各地、特に太平洋側の富士山、小笠原諸島くらいまでが、最も可能性が高い場所なのです。でも、噴火どころか3年も兆候らしい兆候も無いのは、人類の観測史上初のことです。日本列島周辺の複雑なプレート構成が、この“特殊な”状態を生んでいるのかもしれません。

そして震災から3年近く経って“やっと”西之島が噴いたのですが、だれも気にしていない。西之島は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界域付近であり、メカニズム的に十分に影響を受けている場所なのです。

この後、他の火山が噴くのかどうかは神のみぞ知るということかもしれませんが、何しろ山麓にまで影響を及ぼすような大噴火の前には、何らかの明確な兆候が観測されるはずです。何もないうちから騒ぐべきではありません。少なくとも“専門家”や”良心的なジャーナリスト”ならば。

メディアが恐怖をアオるのはお仕事ですが、それに乗っかって適当な事を言う輩を、ジャーナリストとは呼びたくないですね。しかし良くネタを提供してくれる御仁だw


ちなみに、20世紀のM9クラス5回は、なんと100年のうちの18年間に集中しているのです。それが前回の“活動期”だったと思われます。そして最後のアラスカ地震(1965年M9.2)から約40年の時を経て2004年のスマトラ沖(M9.1)が起き、7年後後の2011年に東日本大震災(M9.0)が起きたことから、地球は再び“活動期”に入ったという説があります。

実際に、世界各地で中~大規模地震が確実に増えていて、決して偶然とは言えないレベルです。

なお、当ブログでは巨大地震と火山との関係について過去何度も記事にしていますが、あちこちに書いているので管理人にもどの記事かわからなくなっていますw見つかりましたら当記事の文末にリンク貼りますね。

■お詫びと訂正■
本文中で、当初「1965年のチリ地震」と表記してしまいましたが、1965年はアラスカ地震(M9.2)でした。チリ地震(M9.5)は1960年です。お詫びして訂正いたします。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

« 【徹底的に防水・防寒を考える06】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編2】 | トップページ | ☆再掲載☆マスコミもセンセイも暴走中 »

日記・コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543100/60493203

この記事へのトラックバック一覧です: また酷いウソを:

« 【徹底的に防水・防寒を考える06】ずぶ濡れ!その時あなたは?【解答編2】 | トップページ | ☆再掲載☆マスコミもセンセイも暴走中 »