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2014年10月 1日 (水)

巨大噴火の前には何が?

火山噴火の規模と被害との関連についての、補足的な記事です。

管理人は、過日アップした富士山噴火に関連する記事の中で、『静かな山がいきなりドカンは無い』と書きました。しかし、今回の御嶽山噴火は、事実上事前の兆候がほとんど無い状態で噴火しましたので、言っていることが違うじゃないかと思われた方もあるかと思います。

それは、今回の噴火が中規模の水蒸気爆発だったからです。人的被害は多くなってしまいましたが、噴火としての規模はそれほど大きくありません。

水蒸気爆発の場合は、火山性地震・微動、山体膨張、地温上昇などの前兆が無いまま噴火することもあります。マグマにあまり動きが無くても、マグマと地下水脈が触れてしまえばいつでも起きる可能性があり、前兆がごく小さいこともあるわけです。

但し、富士山噴火を始めとして、巨大被害が懸念されている噴火は、基本的に地表近くまでマグマが上昇する『マグマ噴火』です。その場合は大火砕流、溶岩流、山体崩壊が発生する確率が高まりますが、高温高圧のマグマが岩盤を押し広げて上昇して来る段階で、ほぼ確実に前兆が観測されるのです。

前兆から噴火までの時間の長短や前兆の程度は一概には言えませんが、マグマの上昇量が多い、つまり噴火の規模が大きいほど、その前兆は明確になるのが普通です。例えば、1707年の富士山宝永噴火の前には、大規模な直下型地震や激しい地鳴りが繰り返し発生したことが、当時の古文書に記録されています。もっとも、当時はそれが富士山噴火に繋がるとは理解されていなかったのですが。

一方で、水蒸気爆発でも山体崩壊などの巨大被害をもたらすこともあります。顕著な例としては、1888年(明治21年)の会津磐梯山噴火があります。これは巨大な水蒸気爆発で、山頂部が大規模に吹き飛ばされる山体崩壊が発生し、現在見られるえぐれたような山容となりました。(下画像参照)
Bandaisan

そして大規模な崩落(岩屑なだれ)が発生し、山麓の川をせき止めて、五色沼など多くの湖が形成された巨大噴火だったのです。岩屑なだれは麓の村も襲い、犠牲者の数は、477人に上っています。

この噴火の場合は、一週間ほど前から地鳴りや遠雷のような音が聞こえ、それがだんだん激しくなって噴火に至ったとのことですが、やはりそれが噴火の前兆と理解されていなかったため避難は行われず、犠牲者が多くなりました。

このことからも、噴火のタイプに関わらず、山麓まで被害を及ぼす程の巨大噴火の前には、それなりの前兆が観測される言って良いでしょう。それは恐らく、観測機器に捉えられるというレベルを超えて、誰もが感じることができるはずです。

管理人の表現を少し訂正させていただければ、『静かな山がいきなり大きくドカンは無い』という感じでしょうか。それにつけても、今回の御嶽山噴火の前に何らかの前兆が観測され、せめて火口周辺だけでも入山規制がされていたらと思うのは、管理人だけではないでしょう。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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コメント

御嶽山周辺は 群発地震がおこっていたのは確認できているのですから なぜそこで少しおかしいと思ったところで規制をかけないのか疑問はあります
自然災害っておこってからでは遅いのですよね
事前に危険を察知するのが 気象庁などの仕事だと思うのですが こんなこともできないなら いらないよね
以前北海道の有珠山が噴火したときは事前に北大の教授が噴火するかもしれないということを住民に通達して 噴火2日前に一万人が避難することができました
今回の事は国の機関が機能していないことのあらわれ 気象庁の怠慢が生んだ人災だと思います

>だんごさん

確かに9月10日と11日に平常時の5倍くらい起きているのですが、その後すぐに平常値に戻っているんですね。あの状態で規制をかけるという発想は出てこないかと。予知委をかばうわけじゃないですが。

良くも悪くも、現代科学ではあの程度が限界なのでしょう。予知委の「こんなもんだ」発言は問題ですが、科学者として限界を感じているのでしょうね。仮に予算を5倍突っ込んでも、中小噴火までの完全予知は現時点では無理でしょう。ただし、大噴火ならばかなりの確率でわかるとは思います。

有珠山は周期的に噴火してますし、結構兆候がはっきり出るので、まだわかりやすい方かと思います。なんと言っても一ヶ月で昭和新山が出来てしまった場所ですし。

>だんごさん

追記です。震災の発生で霞んでしまいましたが、霧島の新燃岳では、前兆はつかんでいたものの、噴火には至らないと判断されていました。それでもいきなり噴いたので、あの時点で火山学者は大慌てだったのです。過去のデータと経験則が通用しなかったのですから。

でも、過去と違う現象が立て続けに起きるのは、やはり全地球的な何かの動きがあるのでしょうね。火山の時間スパンで言えば、数年の違いなど同時と一緒ですから。

今回の阿蘇周辺の直下型地震はかなりやばいのではと思います。

>コメント主様

コメントありがとうございます。

とりあえず、現在の地震は九州の地質的構造に由来する断層帯で起きており、阿蘇山の火山活動とは別ものと考えて良さそうです。

地震の後、阿蘇山は小規模な噴火をしましたが、その後は落ち着いています。

ただし、地震が長期化したり、さらに大きな地震が起きたりすると、阿蘇山に影響する可能性もありますね。でも、マグマ自体の圧力が高まっているわけではないので、巨大噴火になる可能性は低いと考えられます。

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