『津波防災の日』に寄せた独り言と告知
今日11月5日は、『津波防災の日』だそうです。などと他人事のように書いてしまいましたが、正直なところ、今日になってニュース見るまで忘れてました。
東日本大震災の巨大津波被害を受けて2011年6月に制定されて日も浅いことから、まだあまり認知度もありませんね。というか、震災の3ヶ月後にこんな日を制定していたことに改めてびっくり。他にいくらでもやることあったでしょうよあの頃は。
管理人は福島で駆け回ってましたよその頃。なんでこんな緊急性のない仕事ばかり速いんだ。普通、被害の全貌やメカニズムが十分に明らかになってから、その教訓を後世にってことで制定されるようなもんじゃないですかね。
まあ、震災の4日後に『この被害を教訓にすばらしい国を作って行こう』とのたまわった首相が鎮座されていた時期でもありますしね。政治的主張に関わらず、巨大危機に直面した一国の首長としてのこの発言が『最低』に類するものだということだけは、はっきりと主張したいと思います。なんか韻踏んでるww
ちなみに11月5日は、1854年にあの『稲むらの火』でお馴染みの安政南海地震が起きた日だそうです。刈り取った大切な稲に火を放って避難誘導した人の機転と勇気はすばらしいものでしたが、もしあれで津波が来なかったり小さかったりしたら、みんなの財産燃やした罪人ですからね。
「最悪の状況を想定した」と主張しても、財産失った人の怒りは収まらないでしょう。でも、現代の伊豆大島でも広島でもどこでも、財産に火を放つどころか避難勧告さえも出す出さないと迷うのが現実ですよ。「来なかったらだれが責任取るんだ?」という話になって。
そのリスクを誰が負うか、そこまで腹決めるためには何が必要か、誤報であった場合、それを許容する受け手のコンセンサスはできているかなどが、この問題の本質なのだと思います。そこを考えずに、ただ“結果論のヒーロー”の行動だけをもてはやすのは片手落ちもいいところで。
「私にはあんなことできないから凄い!」って感動してる場合じゃないんですよ。送り手も受け手も、誰もが同じ判断と行動ができるようにシステム化しておかなければ、どんな警報も実際には役に立たないのです。
ところで全くの余談ながら、東日本大震災4日後の日本経済新聞社会面の大見出しを覚えている方、いらっしゃいますか?確か震災4日後、3月15日だと思ったけど、1日くらいずれているかもしれない。何しろすごい見出しでした。どこかの避難所の写真と共に
『いつまで続く避難生活』
だもんな。あいた口が塞がらないとはこのこと。現地入りした記者からは、見える場所しか取材できずにピントがズレた記事が送られて来たとしても、あの状況でそれをOK出すデスクって一体なんだったのでしょうね。他にネタがなくても、あの見出しは異常でした。
ちなみに、『いつまで続く避難生活』というのは、災害で避難が長期化しそうな場合の定番ネタでもあります。発災害直後ネタの、避難者が『着の身着のまま』で『不安な一夜を過ごし』の後に来るパターン。
ほとんど電波メディアの時節ネタ『8月に入って最初の日曜日の今日・・・』のようなお約束。ちなみにその後は『行楽地は多くの人で賑わいました』か、『各地で水の事故が相次ぎました』のどちらかになりますw
とにかく、そんな記事があの巨大災害の4日後に出たという空前絶後の記録は残しておきたい。あの新聞を捨ててしまったのが悔やまれます。なんとか縮刷でも復刻でも手に入れたいと思ってます。お持ちの方がいらっしゃいましたら譲ってくださいw
そして津波防災の日。
ネットでいろいろ見ていたら、サンケイ新聞の『主張』が見つかりました。要旨は、学校を地域の防災拠点にということで、まあそれは正論というか、いまさら主張されなくても、災害危険地域ではどこでもやっているはずのことです。
でも、実際には津波をはじめ災害への脆弱性を持った学校も多いわけで、それをどうするかという部分を、一部引用させていただきます。
【以下引用】--------------
学校に求められる防災上の役割は、地理的な条件や過去の災害事例によっても異なる。学校と地域住民が一体となって、防災拠点としての学校の機能を高める仕組みを構築してもらいたい。
【引用終了】--------------
ふーん、という感じ。で、結局どうしろって話ですか?言うのは楽ですよね。しかも「・・・もらいたい」なんて随分上から目線なww
せめて問題点を指摘して改善を促すくらいのこと主張してくださいよ。メディアが数字取りのために情報ゆがめるのはある意味仕方ないと諦め半分ですけど、数字とは切り離されたはずのこういう『主張』には、それなりのクオリティとメディアの“良心”を反映させていただきたいなぁ。素人のブログじゃないんだからww
そんなわけで、なんだか文句とぼやきばかりの『津波防災の日』でした。
気を取り直してw告知です。
先に、当ブログはWordpress使用の新装開店を10月中に行いますと告知しましたが、気が付けばもう11月。新装開店は、もうしばらく延期させていただくことにします。
実はWordpressのハードルが結構高く、思い通りのスタイルを構築するためには、まだ時間がかかりそうな状況だからです。
というわけで、もう少しお時間ください。詳細が決まりましたら、また告知させていただきます。
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コメント
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こんにちは。
うちの子供が通っている小学校にも備蓄倉庫はありました。
が、こちとら0m地帯の住民な割にはGL+1m位の高さしかありませんでしたし、校内の生徒に500mlのペットボトルを配ったら終わりのような量しかありませんでした。
自治体でできる予算は限られるのは分かりますがなかなか難しいのでは。
東京に在住で震災当日を語るのはおこがましいのですが…
小学校では地震発生時
①校庭に集団で避難
②1時間程度?経過後、避難時のまま(上履き、上着なし)で各個人に近い形で下校
※引き取りに来る親が入る場合には引き取り
こんなかんじでした。
学校が避難場所に指定されている割には引き取りもなく避難させるのもいかがなものかと思いますし、3月中旬で都内とはいえまだ寒い時期です。
それに上履きのような耐久性の低い靴で家に帰す神経も分かりません。
設備にお金をかけるのは難しくても指導者に教育を施すことが重要なのではないのかなと考えます。
閑話休題。
前回のコメントのコートに付いてですが、私もゴアテックスのフードが収納されているコートですね。
今の季節に着ると暑いので、ぺらっぺらのコンパクト収納できるの防雨・防風のジャケットを持ち歩いて寒い時はそれを着てます。もちろん使い捨てのレインコートも入れてありますが。
投稿: whoki | 2014年11月 6日 (木) 10時51分
>whokiさん
学校は地域の防災拠点になるのが自然で、あとは経費とマンパワーをどれだけ投入できるかということです。でも、現実は震災後に耐震補強が進んだくらいで、あまり変化はありません。特に、一部を除いた学校側の意識の低さはひどいものがあります。
ならば、なぜそのような状態なのかを分析も問題視もせず、「~してもらいたい」などと偉そうに言うのがメディアの仕事なのですかね。
なにしろ、災害対策の根幹は人の意識です。それなくして、どんなシステムも機能しないのは事実が証明しています。
でも、器以外は大して変わらないのだから、全体の底上げは期待しない方が良いってことですね。そこにエネルギー割くなら、セルフディフェンス力を増す方に注力した方が良いというものです。
ゴア無敵ですよねw
投稿: てば | 2014年11月 6日 (木) 18時30分