福島県・吾妻山に噴火兆候
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2014年12月12日、福島県の吾妻山で火山性微動及び火山性地震が増加したため、噴火警戒レベルがレベル2(火口周辺規制)に引き上げられました。
吾妻山は1977年に小規模噴火が起きて以来噴火していませんが、2008年11月には吾妻山系を成す一切経山(いっさいきょうざん)の大穴火口で噴気が観測され、それ以来現在まで噴気が続いています。
今回はその大穴火口周辺への接近が規制されているもので、当分の間は噴火に対して十分な警戒が必要です。
過去、世界で発生したマグニチュード9クラスの巨大地震の後には、例外無く震源域近隣の火山の噴火が伴いました。しかし東日本大震災の後にだけ、それが起きていません。
管理人は、震災後約3年経って噴火を開始した、小笠原諸島の西ノ島噴火がそれに当たるものでは無いかとも考えていますが、過去の例ではすべてプレート境界線に沿った火山が噴火しており、西ノ島の位置はそれにぴったりと当てはまるわけではありません。
メカニズムや過去の例に当てはめて考えた場合、北海道の太平洋岸から関東付近にかけての、東日本の火山が“噴火してもおかしくない”状況なのです。
去る11月20日には、震災震源域に近い宮城県の蔵王で火山性微動の増加が観測されましたが、噴火警戒レベルが上げられる程ではなく、その後は平穏を保っています。
そして今回、福島県の吾妻山で噴火に繋がるかもしれない兆候が観測されました。蔵王も吾妻山も、北アメリカプレートと太平洋プレートの境界に沿って並んでいる火山群のひとつであり、震災の影響によって噴火する可能性が十分考えられるのです。
管理人は、震災後2ヶ月から何度も福島県に入ってボランティア活動を行っていましたが、その時撮影した吾妻山の画像があります。
撮影日時は震災から3ヶ月程後の2011年6月19日、午前7時50分頃です。福島市の郊外、庭坂付近を車で走っている時、吾妻山からあまりに大きな噴気が上がっていたので、思わず撮影したものです。震災の直後でまだ大きな余震が頻発している時期ですから、このまま大噴火が起きるのでは無いかと本気で思いました。
地元の方の話では、噴気は良く上がるものの、あれだけ上がるのは珍しいとのことでした。

↑遠景。大穴火口上の火口縁から、大量の噴気が上がっています。噴出時は白色なので水蒸気が主だと思われますが、灰色の煙がかなり遠くまでたなびいていますので、火山灰なども多少は含まれているようです。

↑噴気アップ。かなり大規模であることがわかります。
画像で噴気が上がっているのが一切経山で、噴気口下側に連なる崖の底に大穴火口があります。この位置関係を見ると、大穴火口から500m程度の接近規制で大丈夫なのかなと、ちょっと心配になるのは管理人だけでしょうか。もっとも、この状況で規制線まで無闇に近づく人はいないとは思いますが。
いずれにしろ、吾妻山は震災前から活発な活動が続いている活火山であり、震災の影響を受けて然るべき位置にありますから、今後の動きには十分な警戒が必要です。
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