【パリでテロ事件】もしあなたがそこにいたら?
フランス、パリでテロ事件が発生しました。
その背景には様々な問題が存在しますが、ひとつ確かなことは、現在そしてこの先、我々も海外渡航先でこのような事態に巻き込まれる可能性が高まっているということです。
テロ事件以外にも、滞在先で暴動やクーデターに遭遇する可能性もあります。
当ブログでは、ひとつの現実的問題として、このような危険に対処する方法を考えたいと思います。
【想定される事態】
滞在先で遭遇する可能性がある事態として、主に下記3つが考えられます。
・大規模デモ・暴動・クーデター
・爆弾テロ
・銃撃・戦闘状態
これらについて、遭遇してしまった場合の基本的な対処方法を考えます。
【大規模デモ・暴動・クーデター】
これが最も遭遇する可能性が高いものです。最良の対処方は、このような事態が予想される国や地域への渡航を避けることではあります。
不運にも実際に遭遇してしまった場合の基本は、絶対に近づかないこと。ホテルにいる場合は外に出ず、スタッフの指示に従います。
屋外で遭遇してしまった場合は、すぐにその場を離れなければなりません。騒乱に近寄って写真や動画を撮るなどもっての外。敵対勢力と見なされて攻撃されたり、参加者と誤認されて身柄を拘束される可能性もあります。
暴徒化した参加者に金品を強奪されたり、身体的攻撃を受けるかもしれません。
現場から離れたら、すぐにホテルに戻るのが基本です。ホテルでは窓から外を覗くようなことはせず(理由は後述)、窓から離れ、厚いカーテンを閉めて待機します。武器が使用されるような状況では、部屋の明かりも消します。
騒乱状態になったら、観光客だから日本人だから大丈夫というような考えは一切通用しないと考えなければなりません。興奮した群衆にそんな区別は期待できず、『裕福な』外国人観光客やビジネスマンは、どさくさに紛れて意図的にターゲットにされる可能性もあります。
特にクーデターなど政治的・軍事的騒乱の場合には、状況によっては日本大使館などに駆け込んで保護を求めることも必要です。海外に渡航する場合には、現地の日本大使館・領事館などの場所、連絡先を事前に確認しておくのは基本です。
政情不安などが無い安全と思われる場所でも、パスポート盗難や事件に巻き込まれるような事態に備えて、必ず確認しておかなければなりません。
状況によっては、速やかに出国・脱出するという選択肢も考えなければなりません。特に政治的・軍事的騒乱の場合、外出禁止令や空港・国境の閉鎖などで、身動きが出来なくなることも考えられるのです。
状況が緊迫して来たら、動けるうちに脱出しないと大変なことになるかもしれません。そこで起こることを考えたら、金銭的損失などものの数ではないのです。
【爆弾テロ】
これも、どこにいても決して絵空事でないことは、ニュースを見ていればわかります。パリのテロにしても、爆弾が使用されても全く不思議ではなかったのです。
屋内にいる時に近隣で爆発があった場合は、もちろん外に出てはいけませんし、窓から外を見たり、写真を撮ったりしてもいけません。窓と厚いカーテンを閉めて、部屋で待機します。
屋外で遭遇した場合は、とにかく現場から離れなければなりません。
テロリストの戦術として、まず爆弾を起爆し、野次馬や救護者が集まって来た段階で二発目を起爆して被害を拡大させたり、同時または短時間のうちに複数箇所で起爆させて、混乱を拡大させるというものがあります。
ですから、下手に現場に近づいたり周辺をうろついていたりすると、二次攻撃に巻き込まれることもあるのです。
爆弾は時限式のこともありますが、携帯電話などを使用した遠隔操作式や、場合によっては自爆攻撃もあります。
ですから、現場周囲で携帯電話を操作したり(言うまでもなく撮影など厳禁)、様子を見るような不審な動きをした場合、テロリスト一味と誤認されないとは限りません。
それで身柄を拘束されたりした場合、事情を話せばすぐに帰れるなどと思わないことです。相手が警察や軍隊でも、場所によっては信用できるとは限りませんし、相手が怒れる群衆ならば、何が起こるか想像できません。
ホテルから出たり周辺を移動するのは、発生からしばらく時間が経ち、警察や軍隊が状況を掌握して、安全が確認されてからとなります。
【銃撃・戦闘状態】
パリでのテロもそうですが、この状況が一番厄介です。実行犯が制圧されたり戦闘が終結するまでは、状況は非常に流動的です。
まず、ホテルにいる時に銃撃音を聞いたら、すぐに窓から離れて厚いカーテンを閉め、部屋の明かりを消します。これは部屋の中の動きを外から見えないようにし、そこに人がいないと見せかけるためです。
なぜなら、銃撃戦では高い場所から狙撃する方が非常に有利になるので、低い場所の犯人や兵士は、高い場所からの視線を非常に警戒しているからです。
戦闘中に窓やベランダに人影が見えれば、それは敵側の狙撃手だと判断して反射的に攻撃するでしょう。大きなカメラなどを持っていれば、銃やロケットランチャーなどの武器だと判断されて当然ですし、携帯電話や小さなカメラでも、レンズの反射などは遠方からでも狙撃銃のスコープだと判断されるでしょう。
戦闘中に顔を出しているだけで攻撃対象とされる可能性が高いのに、何か“武器のようなもの”を持っていたら、間違いなく最優先攻撃対象となるのです。
しかも、攻撃して来るのは見える相手だけとは限りません。戦闘状態になれば、狙撃手がどこかに身を隠し、味方の脅威を排除しようとしているかもしれません。
大規模な戦闘やクーデターなどになれば、遠方から大砲や戦車などの重火器が狙っているかもしれません。遠方からは細かいことはわかりませんから、危険そうな目標があれば、とりあえず排除されるでしょう。
実際に、戦闘中にホテルのベランダから街中を撮影していたTVクルーが、はるか遠方から戦車砲を撃ち込まれて犠牲になるようなことも起きています。肩にかつぐTVカメラは、遠くから見れば対戦車ロケットランチャーにそっくりなのです。
とにかく、いかなる理由でも銃撃戦の最中に窓やベランダから顔を出していたり、何かを構えたりしていたら、狙ってくださいと言っているようなものだということは、覚えておかなければなりません。
長くなりましたので、次回に続きます。次回は、屋外で銃撃戦に遭遇した場合と、関連事項として外国で身柄を拘束された場合の対処方法について考えます。
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