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2015年1月19日 (月)

【パリでテロ事件】続・もしあなたがそこにいたら?

今回は、屋外で銃撃戦に遭遇した場合と、外国で身柄を拘束された場合について考えます。

【遠ければ逃げろ】
まず、比較的遠くで銃声が聞こえた場合です。

その場合の基本は、まず姿勢を低くして銃声と反対の方向に逃げることです。できるだけ建物の陰などを利用し、可能な限り距離を取ります。

大規模な戦闘が始まったとかでは無い限り、それで安全圏へ脱出できるでしょう。すぐに建物の中などに入ってしまうと、状況によっては脱出路を失うこともありますから、とにかく銃声から距離を取ることを優先すべきです。

百メートル以上も先からの銃撃など、自分が狙われているのでは無い限り、まず当たることはありません。では、近かったら。


【近ければ伏せろ】
ごく近くで、感覚的には20m以内で銃撃があったような場合、すぐ近くに遮蔽物が見つからなければ、とにかく伏せることです。

伏せる場合は、できれば銃声の方向に足を向けて、地面にべったりと伏せます。それは射手に対して自分の暴露面積を減らして“的を小さくする”ためで、それだけでも弾が当たる可能性が激減します。

さらに、銃弾は発射時の反動によって上に逸れる傾向があるので、腰から下、さらに膝から下の高さに身を伏せれば、流れ弾に当たる可能性が激減します。もちろん、自分が狙われているのでなければ。

車を遮蔽物に使う場合は、エンジンの裏へ。多くの場合で前のボンネット側です。拳銃ならともかく、ライフル銃クラスになると、銃弾はドア二枚など簡単に貫通します。でも、エンジンを貫通することはまず無いのです。

ですから、基本的には車のボンネット側の裏へ、さらにホイールの後ろに身を縮めれば射手からの目隠しにもなりますし、車体下に飛び込んだ弾の跳弾を防ぐ効果もります。


【そして、走れ?】
周囲の状況を確認し、射手が見えなかったり、無差別銃撃などでは無いと判断したら一気に距離を取るか、次の遮蔽物へ向かって移動する、というのは理屈で、実際には身動きできないことが多いでしょう。

実銃ではない、当たってもちょっと痛いだけのエアガンを使うサバイバルゲームでさえも、『敵に背を向ける』のはとても恐ろしいのです。


絶対に避けなければならないのは、開けた場所で棒立ちになってしまうことです。立っていると的が大きくて目立つということもありますが、射手にとっては、反撃して来るかもしれない対象に見えるということでもあります。

銃撃中の兵士や犯人の心理は『殺やれる前に殺れ』であり、冷静な判断などできません。危なそうに見える相手は、反射的に攻撃される可能性が高いのです。

伏せてじっといる人間は、とりあえず脅威では無いと見なされる可能性が高いでしょう。


実際には、銃声がしたらまずは走って逃げることになるでしょうが、もし自分の方向に弾が飛んで来て隠れる場所も無いようならば、とにかく伏せて小さくなるのが、最良の対処法だと言えるでしょう。

そのあとは、状況次第です。これを超える対処方法は、危険な場所へは行かないということに尽きますが、パリのテロ事件のように、平和な街が突然“戦場”になることもあるということです。


【身柄を拘束されたら】
外国において警察や軍隊に身柄を拘束されたら、どうしたら良いでしょうか。もちろん濡れ衣であることが前提です。

その場合、いろいろ尋問されることになるでしょうが、下手に答えるのは得策とは言えません。国や地域によっては、司法機関といえども信用できるとは限らないのです。

その場合は、ひたすら言葉がわからないで通すべきです。
実際には理解できたとしても、全くわからないフリをするのです。

そこで、日本語以外言うのはこれだけ。
「Please contact with Japanese embassy.」
(プリーズ コンタクト ウィズ ジャパニーズ エンバシー)

日本大使館に連絡してくださいと、ひたすら英語でたどたどしく(これが重要)繰り返すのです。

言葉がわかっていると思われたり、反抗的な態度を取ると、相手がどう出るかわかりません。場合によっては、犯人を仕立て上げようとしているのかもしれないのです。

英語ならかなりわかると思っていても、答えるべきではありません。例えば、同じ答えでも質問の文型によってYesとNoが逆になることがあります(学校で苦労しませんでしたか?)

わざとそのような複雑な問いかけをして、ひっかけて“自白”させるというようなことも、実際にあったのです。一旦“自白”してしまえば、もう帰れません。

ですから、とにかく日本大使館または領事館に連絡してくれ、日本語以外は全くわからないという態度で押し通すのが最良の方法でしょう。これは英語圏以外で、いわゆる発展途上国で特に有効な方法と言えます。

間違っても、大使館員が来たら日本語の尋問に応じるなどと英語で言わないようにw なお、領事館はconsulate(コンサレイト)ですが、そんな違いをわかっているだけでも怪しまれるかもしれません。とりあえずembassy(エンバシー)で押し通せば良いでしょう。


【日本の常識は世界の非常識】
外国では、日本の常識や対応など全く期待できない場所がいくらでもあるというか、それがほとんどです。仮に有名観光地でも、一旦トラブルに巻き込まれたら最後、突然全く違う顔を見せつけられるのを覚悟すべきです。

ここで挙げてきたような状況は、少なくとも過去に多くの外国人と少数の日本人が実際に遭遇して来たことでもあります。それが、海外に行ったあなたの身に起きないとは、誰にも言えません。

ここまで、パリでのテロ事件に関連して、かなり非現実的とも思われるかもしれない内容をお送りしました。これを絵空事だと断言できる世界であって欲しいものではあります。

しかし、残念ながらそうではありません。

■2015年1月23日追記
当記事では外国で身柄を拘束された場合の対処方法について述べています。しかし文中に明記している通り、警察や軍隊などの治安組織に、あらぬ疑いをかけられて拘束された場合の対処方法です。

つまり、曲がりなりにも法的に有罪にされないための方法ということです。

これに対し、あなたの身柄を拘束したのが犯罪者、テロリストなど法律の支配下にない相手の場合の対処方法は、ひとつしかありません。

その場合は一切ウソをつかず(聞かれないことを答える必要はありませんが)、相手の指示に従いながら、おとなしく救出を待つしかありません。

いきなり起きてしまった邦人の危機に鑑み、誤解無きように追記させていただきます。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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