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2015年2月

2015年2月25日 (水)

【地震関連情報】三陸沖地震の誤報とその後(#947)

去る2月17日の午前8時6分頃、岩手県沖で発生して小規模の津波を発生させたマグニチュード6.9の地震の震源が、当初の発表よりずっと陸地に近かったという報道がありました。

【地震波の合成による誤解析】
当初は岩手県沖約210kmの海底とされましたが、実際には陸地から約134km沖の海底であり、陸地にずっと近かったのです。

原因としては、M6.9の地震の10秒程前に近くで小規模の地震が発生しており、ふたつの地震波が重なってひとつの地震として観測装置に捉えられたことにより、震源位置の解析に大きな誤差が生じたと説明されています。

気象庁のシステムによる震源位置の推定は非常に高い精度であり、かつて朝鮮半島で地下核実験が行われた際には、推定「震源」位置がピンポイントで核実験施設の場所を示していたほどです。

しかし、ハイテクにもこんな“想定外”の落とし穴もあるということがわかりました。今後、このような事態も想定した対策が進められるとのことです。

【津波到達時間の問題】
震源が海底の場合、震源までの距離を誤ることの最大の問題は、津波が発生した場合に、陸地への到達時間の予想が狂うことです。

今回も、予想到達時間より早く津波が到達した場所があったそうです。しかし、津波が小規模だったために事なきを得ました。

もっとも、津波の予想到達時間が発表されても、その時間までは安全という意味ではありません。大きな地震を感じ、津波警報や注意報が発表されたら、個人レベルでは最短時間で避難行動を始めるのが基本ではあります。

それに、大津波が発生するような大規模地震や、震源がもっと陸地に近ければ、今回のような条件による誤差はそれほど大きくならないはずです。

少なくとも、地震の規模、震源深さと方向は正確に解析されていますから、浅い海底で大きな地震が起きたら、とりあえず津波が起きるものと考えて、自分の判断で避難体制を取るべきです。

津波の危険がある時は、起きるかどうかの判断も含めて『津波てんでんこ』でなければならないと考えます。巨大地震になれば、避難行動を始めるまでのわずかな時間差が生死を分かつこともあるのですから。

今回の誤報は大きく報道されましたが、現実的にはそれほど大きな問題では無いのかなという気もします。ただし、行政などの対応には問題になりそうですが。

【アウターライズ地震だったのか?】
ところで、今回の地震は陸地から約134km沖の深さ13kmで発生した、『圧縮力による逆断層型地震』でした。

一般的アウターライズ地震ならば、プレート境界域より沖側(アウターライズ)で発生する、張力による正断層型地震のはずです。そこで、管理人は発表された震央と震源深さから、当初はそう予想して記事に書きました。

しかし実際は、約134km沖深さ10kmの逆断層型地震でした。少なくとも、かなり沖の浅い海底で発生した津波の起きやすい地震という意味では、アウターライズ地震と良く似た地震です。しかし、発生メカニズムと発生する場所が異なっています。

【比較的珍しいタイプの地震】
この地震は、当初の発表では日本海溝(プレート境界域)の沖側に当たる、太平洋プレートのアウターライズで起きたとされましたが、その場合には、張力による正断層型地震だったはずです。

しかし実際は、日本海溝より陸地側の、北アメリカプレート表層部で起きた、圧縮力による逆断層型地震でしたので、アウターライズ地震とは全くの別ものでした。三陸沖でのこのタイプの地震は、東日本大震災後にもそれほど多くはなく、小規模地震が散発的に起きている程度です。今回のマグニチュード6.9は、このタイプの地震としては震災後最大クラスかと思われます。

【今後どうなるか】
比較的珍しいタイプの地震がかなり大規模に発震し、その後も余震が続いています。かなり沖のために地上の揺れは大きくありませんが、マグニチュード6を超える余震も発生しています。

2月17日の本震後、余震の震源は本震震源から北へ移動しているように見えます。普通であれば、本震震源と同一かごく近くで余震が起きるものですが、この地震は明らかに異なっています。北アメリカプレートが日本海溝へ落ち込む、東向きの下り斜面の表層部に集中しているのです。

本震震央とその誤報の位置関係及び、2/24日までに発生した余震の震央を、簡単な図にまとめてみました。なお、余震の震源深さはすべて10kmと発表されており、発生メカニズムも本震と同一と思われます。
Photo
オレンジ色の点が、余震の震央です。

このことから、本震震源付近だけでなく、三陸沖の北アメリカプレート表層部には、比較的広範囲に圧縮ストレスがかかっていることが考えられます。

さらに、震源がだんだん北方へ移動するような傾向が見られることから、もし仮に今後このタイプの地震が大規模に発生するならば、岩手県北部から青森県の沖辺りで発生するかもしれません。もちろん、このまま収束していく可能性も大きいので、しばらくは推移を見守る必要があるでしょう。

なお、このタイプの地震はプレート境界型(海溝型)地震のような巨大地震となる可能性はありませんが、最大でマグニチュード7超クラスが発生する可能性はあり、何より海底の浅い場所で発生するので、マグニチュード6台後半以上の規模になると、津波が発生しやすくなります。

その場合、日本海溝より沖側で発生するアウターライズ地震よりもはるかに陸地に近くなるので、津波が陸地に到達するまでの時間が短くなります。

あまり多いタイプの地震ではありませんが、2月24日現在、余震はまだ収束していないようですので、しばらくの間は、特に津波警戒レベルを上げておく必要がありそうです。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年2月18日 (水)

読者の皆様へお願いです(#946)

最近、当ブログの過去記事を閲覧及び巡回取得していただける方が非常に増えておりまして、管理人としては非常にありがたく思っております。

お送りしている内容をお役立ていただけることが、管理人の何よりの喜びであり、モチベーションでもあります。


そこでひとつ、改めてお願いをさせていただきます。

当ブログトップに表示される『お知らせ掲示板』に明記の通り、当ブログはリンクフリーです。URLリンクはご自由にしていただいて結構です。

しかし、記事内容の全部または一部を他所へ引用・転載されたり、同様の内容をリライトなどして使用される場合には、引用・参考元として当ブログの名称『生き残れ。Annex』の明記と、ネット上の場合はURLリンクを設置していただくことをお願いしております。

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もちろん、個人の皆様が当ブログ記載の内容を利用・実践していただく場合は、基本的に制限はありません。記事内容に関する意匠権、アイデア権等の主張はいたしませんので、ぜひともご利用ください。

但し、特に商業的媒体及び場面(電波媒体及び講演等を含む)において、事前の管理人への通知及び参考元の明示が無い状態で記事内容が利用され、それが社会通念上許容できないレベルと判断される場合には、然るべき措置を取らせていただくことがあります。

このようなことをわざわざ書きますのも、実際にそのような例が散見されるからです。読者の方からメールをいただくこともあります。

管理人としては、商業目的以外で参考元を明示して利用していただく分には一向に構わないのですが、そうでないこともあるものですから。

管理人のスタンスを簡単に言えば、商売でなければどんどん使ってください。でもネタ元ははっきりとお願いします、ということと、商業ベースで『防災の専門家』とかを名乗る一部の皆様、素人のブログからネタ引いて商売に使わないでいただきたい、ということです。専門家が聞いて呆れる(怒)

まあ、電波媒体や講演などで喋る内容を著作権で縛るのは事実上難しいですし、こっちは素人だから文句も言われまいとナメてかかられているのでしょうけどね。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2015年2月17日 (火)

【地震関連情報】岩手県北部で震度5強(#945)

本日2月17日午後1時46分頃、岩手県沖の深さ50kmを震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、青森県階上町で最大震度5強を観測しました。

この地震は、本日午前8時6分に三陸沖で発生したマグニチュード6.9、最大震度4の地震とはタイプが異なる、スラブ内地震と思われます。マグニチュード値が5.7と中規模クラスで震源が深いため、津波は発生していません。

一般に、震源が海底で10kmより浅い地震の場合は、マグニチュード値が6台後半になると、海底の変形が起きやすいので、津波が発生する可能性が高くなります。

それより深い震源の場合はさらに大きな規模でないと津波は起きにくく、震源深さ50kmにもなれば、まず津波は起きません。


この地震の震源は海底で50kmと深めながら、陸地にかなり近かったために陸上の震度が大きくなりました。

岩手県から宮城県沖及び沿岸部では、東日本大震災後の地殻変動の影響による、震源深さ40~60km程度を中心とするスラブ内地震が頻発しています。

震災から時間の経過と共にその頻度は下がって来ていますが、震災前に比べてはるかに多発する状況が続いており、この地震はそのひとつです。

震災後に速度が上がった太平洋プレートの圧縮力による、東西に圧力軸を持つ逆断層地震の可能性が高いものですが、詳細については気象庁の発表後に追記します。


今朝のアウターライズ地震と短時間のうちに連続発生したのは、先の地震の比較的大きな揺れで誘発された可能性もありますが、発生メカニズム的には全く異なりますので、前震や余震という関係ではありません。

このタイプの地震も、付近の震源でさらに大きな地震が起こる前兆である可能性はあまりありませんが、周辺にある他の震源域での地震を誘発する可能性はあります。

今後しばらくの間は、余震も含めて警戒が必要です。

■2月17日午前4時20分追記
気象庁の発表によると、この地震の発震機構は『北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型』とのことで、東日本大震災の影響による、太平洋プレート岩盤内で発生したスラブ内地震であることが確認されました。

※この地震で最大震度を観測した階上町は青森県内ですが、震央に最も近いのは岩手県北部のため、タイトルは岩手県北部と表記しました。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

【地震関連情報】三陸沖でアウターライズ地震(#944)

本日2月17日午前8時6分頃、三陸沖の深さ10kmを震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、岩手県などの広い範囲で最大震度4を観測しました。

この地震により、三陸地方沿岸部に津波注意報が発表されています。

この地震は、三陸海岸からかなり離れた、プレート境界域の沖側が震央で、震源深さが10kmと浅いことから、東日本大震災の影響によるアウターライズ地震と思われます。

マグニチュード値は6.9とかなり大きく、このクラスが陸地直下10kmで発生した場合、地上の揺れは震度5強~6弱、震源直上付近では震度6強に達することもある規模です。

しかし震源が陸地からかなり離れているために、地上の揺れは震度4程度となりました。

アウターライズ地震は、このように地上の揺れの大きさの割には津波が発生しやすいのが特徴で、『津波地震』と言われる所以です。

なお、マグニチュード6.9という規模は、三陸沖のアウターライズ地震としては、東日本大震災本震の約15分後に発生したマグニチュード7.5に続く、震災後2番目の規模だと思われます。

以後、続報がありましたら追記します。

■2月17日午前10時40分追記
この地震は、気象庁の発表によると『東西方向に圧力軸を持つ逆断層型』とのことでした。

一般に、海溝の沖側に当たるアウターライズで発生する地震は張力による正断層型であることが多いのですが、この地震は逆の「押す力」によって発生しました。

地殻内部の複雑な力により、一般的なものと逆の力が発生することもあるということです。このため、記事本文の一部を訂正させていただきました。

それでも、東日本大震災による地殻変動の影響で発生したアウターライズ地震であることには変わりありませんので、タイトル等はそのままにさせていただきます。

なお、このタイプの地震がさらに大きな地震の前震である可能性はあまりありませんが、今後しばらくの間は余震も含めて警戒レベルを上げておくべきでしょう。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

もうすぐ1000号を迎えます (#943)

1000

当ブログは2012年1月12日にスタートしてから、約3年と1ヶ月が経ちました。

累計PVは、おかげさまでもうすぐ90万PVに到達します。皆様のご愛読に感謝します(PC画面に表示されるカウンター数に加え、システム未対応期の携帯電話PV未加算分が約10万PVあります)

記事数は当記事で943本目となり、いよいよ1000号記事も見えてきました。

そこで、当記事以降は記事タイトル末尾にシリアルナンバーを表記することにさせていただきます。まあ、これは管理人自身のテンションを上げる意味が大きいのですがw

管理人が当ブログを始めたのは、世間の防災情報に『本当は役に立たない』不良情報があまりにもはびこっていたからです。

大ウソ、間違い、机上の空論、オカルト、エセ科学、我田引水、キャッチーだけど不要な情報などが、防災情報の美名の下に堂々と拡散されており、それは現在でもあまり変わってはいないような気がします。

そんな中で、あくまで『本当に役に立つ』情報を伝えようと当ブログは始まり、ここまで来ました。


管理人の夢は、当ブログが存在することで、少しでも多くの方々に『本当に役に立つ』防災情報とは何かを知っていただき、それを実践していただくことです。そして、“間違いだらけの”防災情報の海を、少しでも浄化したいということです。

この3年間で、何かが変えられたでしょうか。管理人としてはほとんど実感はありませんが、それでも何かが変わったと信じたいと思います。そして、これからも変えて行ければと思っております。

本来ならば、こういうコメントは1000号を送り出してからかと思いますが、まあ勢いでw

ところで、間もなく迎える1000号記念企画は・・・特に考えておりませんw 強いて言えば、【ディザスターエンタテインメント】の新作、『小説・声無き声・第二部(仮)』の執筆を始めております。しかし、公開は当分先になりますので、記念企画とは言えません。

もし、「こんなことやれ」などとというご要望などありましたら、是非コメントかメールでお寄せください。 あまり大掛かりなことはできませんが、ご要望にはできるだけお応えして行きたいと考えております。

それでは、今後とも『生き残れ。Annex』をどうぞよろしくお願い致します。

『生き残れ。Annex』管理人 てば拝
mail: smc-dpl@mbr.nifty.com

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年2月16日 (月)

レスキューホイッスルトライアルを終えて

さて、6回に渡ってお送りした【レスキューホイッスルトライアル】、いかがでしたでしょうか。

数多いホイッスルのごく一部を試してみたに過ぎませんが、皆様がホイッスルを選ばれる際の参考にされてみてくください。

【なぜトライアルをしたのか】
このトライアルを行ったきっかけとなったのは、読者の方のご指摘からでした。

当ブログでお薦めしていた例の100円ホイッスルは、弱い息での音が小さすぎるのではないかというご指摘を、記事のコメントやメールで頂戴したのです。

管理人としてはあまりそのような印象を持っていなかったのですが、複数の方から同じようなご指摘がありましたので、ならばテストしてみようとと考えました。

結果は、やはり読者の方のご指摘に近いものでした。どうやら管理人は、以前は無意識のうちに強めに吹いてしまっていたようです。

今回意識して弱い息を試すことで、改めてちょっと性能不足気味であることがわかりました。ご指摘いただいた皆様に感謝します。ありがとうございました。

それでも、「100円だから」お薦めのひとつに残させていただきました。性能的には足りない部分があるものの、それがひとつあるだけで、事実上かなりのケースをカバーできるのです。

【笛は昔から非常アイテム】
夜の街を盗人が逃げている。後ろから御用提灯の群れが迫り、盗人の発見を知らせる呼子笛がピーピーと鳴り響く。時代劇でおなじみのシーンです。

このように、笛は非常事態を周囲に知らせて、音の方向でその場所を示すために、古くから使われてきました。もちろん、ずっと前から防災用としても装備が薦められています。別に、誰のアイデアというわけでもありません。

でも、ある”防災の専門家”は、阪神・淡路大震災の現場に立った時、閉じこめられた時の救助要請に笛が使えると「考えついた」そうですよ。

昔からあるものを自分のアイデアみたいに言い切ってしまうのも凄いのですが、ある笛を薦める団体の関係者でもあるんですよね。

実はその笛、今回のエントリー♯7、あのストームセーフティホイッスルなんです。でも、その”専門家”は独自ルートで販売されているようで、Amazonの扱いは並行輸入品ですが。

レポートにある通り、防災に限らずプロが非常時に頼るその性能は、実にすばらしいものでした。でもその”専門家”氏は、外出時にはあれを「ペンダントに」とおっしゃる。

当ブログのレポートでも触れている通り、大きな声が出せなかったり身体に機能障がいがある方には、あのサイズ、握りやすさと性能は大きなメリットです。でも健常者にはどうでしょうか。

そこはそれぞれの考え方次第ですが、あまり現実的とは言えないと思いますが。ちなみに管理人、トライアルでお薦めした小さい方をバッグの中にEDCしています。

管理人としては、防災のために普段の生活のクオリティを落としてはいけないというのを基本としていますが、もし自宅が倒壊したとしたら、家の中で寝る時も入浴時も、常時ホイッスルを身につけていないと役に立ちません。

しかし、阪神・淡路大震災で実際に生き埋めになった方など、ホイッスルを文字通り肌身離さず持っている方もいます。

大切なことは、有用なアイテムでも現実には使えないシーンなど限界があるということで、それを知った上で、自分はどのレベルまで対応するかということを、自分で考えて装備方法を決めなければならないということです。

【限界はどこに?】
レスキューホイッスルを持ち歩く場合、現実的にはバッグなどに付けたり、中に入れておくことが多いと思います。お子さんの場合はランドセルなどにつけることもあるでしょう。

その場合、残念ながら自宅が地震で倒壊したような場合に使える可能性はほどんとありません。これがお年寄りになると、それこそ常時ペンダントにでもしておかないと、さらに使えないのです。

使えるのは外出先での非常時、それも荷物が手元にあり、手がある程度動かせるという条件の下ということになります。そう考えると、災害時に実際に役立つシーンはかなり限られているということがわかります。

残念ながら、現実には”その程度”ということを、まず認識しなければなりません。ホイッスルを持っていることで命が救われる可能性が高まるシーンは、普段の生活の中では一生に一度あるか無いかくらいです。

などとずいぶんと悲観的な話になりましたが、ホイッスルに限らず防災グッズを持っていなかったら、そのわずかな可能性を広げるチャンスも失うということでもあります。

【せめてもの安心のために】
だから、多少の負担をしてでも備えは必要です。災害時に遭遇しうる状況の可能性を考え、その危険を少しでも減らす方法を考え、必要な行動と装備を考えること。

それはどんなにやっても「完璧」にたどり着けない、ある意味でやりがいの無い作業かもしれません。やればやるほど知れば知るほど、穴が見えてきたりもします。

でも、確実なことがひとつあります。災害対策は、進めた分だけ「なんとかなるかも」という安心感につながるのです。

災害は、誰にとっても不安の種です。でも不安ばかりつのっては、普段の生活のクオリティを落とすことになってしまいます。でもそこでひとつの知識、考え、行動、装備があれば、その不安を軽くしてくれるはずです。

災害対策に大切なのは、モノではありません。あくまで「何が起こるか」という知識(どうして起こるかなど不要)、考え方と行動であり、それをサポートするのがモノなのです。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。


2015年2月10日 (火)

【ホイッスルトライアル06】究極のレスキューホイッスルとは?

当シリーズの最後に、トライアル用に購入したものの、他とのあまりの性能差に別扱いとした、エントリー♯7のレポートです。

まずはその姿をご覧ください。
Sany0019
でかくて、妙な形です。これを我々が普段から装備するのはあまり現実的ではありませんね。この形状は、厚い手袋をした状態でもがっちりと握るためのデザインだそうで。やってみました。
Grab
もっと厚い手袋でも問題無さそうです。

しかもなんとこの笛、水中でも鳴ります。スキューバダイビングなどの緊急時にも対応しているので、ならば納得のデザインと言えます。 実際に水中で吹いてみましたが、空気が抜けるボコボコという音に混じって、ピュルピュルとかなり大きな音が鳴りました。

それなりに深い水中で水圧に抗して吹くのは結構大変そうですが、普通は水中で聞こえることのない高音ですから、注意喚起にはかなり効果がありそうです。なお、水中では空気中より音の伝導速度がはるかに速く(約1500m/秒)、伝導距離もはるかに長くなります。


このホイッスルはとにかく性能を最優先した、過酷な場所で活動する人向けのもので、米軍を始め警察、消防など様々な公的機関で採用されてるとのこと。その名も『ストームセーフティホイッスル』、“嵐笛”です。価格も1480円(Amazon調べ 税別)とかなりなもの。
Sany0010
これも動画でレポートします。文末にリンクしますので、是非ご覧ください。


その特徴は、とにかく音がでかいこと。スマホの騒音測定アプリによる測定結果は最大99デシベルだったものの、録音レベルを振り切って音が割れてしまいました。数値では計れない凄まじさです。

しかも、その音質は耳の奥に文字通り刺さるような感じで、吹いている本人も辛くなるほど。これ以上の性能のホイッスルは、おそらく無いでしょう。

実は管理人、かつてイベント業界にいた時には警察官が吹いているような笛をよく使っていたのですが、明らかにそれを超える音量と音質です。


しかも、弱い息にも十分に対応します。【ため息】でも【湯冷まし息】でも、他の小型ホイッスル以上の音量と聞こえやすい音質です。

特に【湯冷まし息】で、音が裏返るように高音が出ていますが(動画参照)、あれが実に聞こえやすい音なのです。もうすこしだけ強く吹ければ、弱い息でもかなりの実力となります。


音の波形もご覧いただきましょう。下図右側の【湯冷まし息】で、赤い矢印で示した鋭いピークが2ヶ所ありますが、そこが大きく甲高いピーっという音が出ている部分です。
Wave72
これを、トライアルの【湯冷まし息】で最良だった、『コクヨ 防災の達人』と比較してみましょう。
Wave6
ストームホイッスルが、弱い息でもいかに大きな音が出ているかがわかります。 中くらいの【ため息】でも、圧倒的な音量です。


このように、ストームホイッスルはあらゆる場面で究極とも言える性能を持っています。その名の通り暴風雨の中をはじめ、工場などの轟音の中でも最も聞こえやすい笛と言えるでしょう。

過酷な環境で仕事をしたり、ハードなアウトドア活動をする方には迷わずオススメできるものです。ひとりで山歩きする際の緊急用や熊避けにも良いでしょう。その大きさが気にならなければ、もちろん一般の防災用としても最高の性能と言えるでしょう。

では管理人は持ち歩くかというと、EDC用としてはさすがに大きすぎます。でも、アウトドア活動や災害現場など、特別な場所では是非持っていたいと感じるものです。

それから、これはパッケージに書いてあることで実際に試したわけではありませんが、この笛は2万ヘルツを超える人間の不可聴域の音も発していて、いわゆる『犬笛』としての機能もあるので、ハンターが猟犬のコントロールに使っているとのことです。

それでは最後に、動画をご覧ください。凄い実力です。
youtube動画 【音量注意】究極のホイッスルとは?
http://youtu.be/GsY3v8Ms9Vs

■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。


【ホイッスルトライアル05】ホイッスル選びのポイント

今回は、トライアルの結果わかった、ホイッスルを選ぶ際のポイントについて考えます。なお、これは管理人の個人的な印象と考えであることをお断りしておきます。


レスキューホイッスルに求められるのは、何よりまず聞こえやすい大きな音が出ること。次に、弱い息でもしっかり音が出ることです。

しかし購入前に吹いて試すわけにもいかないので、製品の仕様や外観から判断しなければなりません。

【筒型は息が無駄に?】
今回のトライアルでは、筒型、平型、箱型の3種類を試しました。その結果、ボディが細く笛も小さい筒型はどうしても吹き込める息の量が少なくなり、音が細めになりがちという印象でした。

笛を鳴らす息の他に、そのままシューっと漏れてしまう息がかなり多い感じです。 細い管に吹き込むので、吹き込む力も他のタイプに比べて少し力がいるようにも感じました。

それに対し、平型や箱型は息がより効率的に笛を鳴らしている印象です。これは笛部分の性能にもよりますが、筒型に対して、吹き込む息があまり無駄にならないようです。

もっともその差はわずかで、実用上で筒型が決定的に劣るというほどではありません。ただ、レスキューホイッスルを使う状況を考えると、より軽い息で音を出しやすい方が良いかなくらいの感じです。

【笛の数は重要】
今回のトライアルでは、単音階、2音階、3音階の笛を試しました。そこでわかったことは、複数音階の笛は音色を変えるためだけではなく、息の強弱に対応しているものもあるということです。

今回試したうち、♯4の3音階笛は息の強弱には対応していませんでしたが、♯5と♯6の2音階笛は対応していました。

つまり弱い息では片方の笛だけが鳴り、息が強くなると両方が鳴るわけです。そして、この2種類が弱い息における性能が飛び抜けていました。レスキューホイッスルの使われ方が、良く考えられた設計と言えるでしょう。

その点、筒型は単音階笛しかありませんから、やはり箱型や平型に分があるようです。

ただし、複数音階笛でも必ずしもそのような設計になっているとは限りません。

【どんな笛を選ぼうか】
これらのことから、最も重要な笛の鳴り方に関しては、平型や箱型などのボディで、弱い息と強い息で鳴り分ける複数音階笛がより良いという結論となりました。

今回のエントリー中で該当するのは♯5と♯6で、価格、入手しやすさ、デザイン、付属品などを考慮すると、♯6の『コクヨ防災用救助笛 防災の達人ツインウェーブ』(下画像)がベストバイということになりました。
Sany0007
コストパフォーマンスと付属品の性能の点で#6より劣るものの、#5の『救難・緊急用ホイッスル P/N:E-119』(下画像)は、要求性能の厳しいプロの基準をクリアして実際に使われているという点で、“気分”も含めてお薦めです。本体の堅牢さも含めて、『プロ仕様』は魅力的です。
Sany0002

他の笛を選ぶ際も、ひとつの目安として筒型より平型や箱型のようなボディで流通空気量が多く、息の強弱に対応した複数音階笛を、当ブログとしてはお薦めしたいと思います。

なお、当ブログ過去記事でもお薦めしている、100均ショップダイソーで販売している筒型単音階笛(下画像)は、笛としての性能は上記のようなものに劣るものの、最大音量や音質ではそれほど遜色なく、何より100円という最良のコストパフォーマンスから、引き続き当ブログのお薦めのひとつとさせていただきます。
Sany0022

なお、今回エントリーしたホイッスルのメーカー、販売者等と当ブログ及び管理人は、一切の関係はありません。

次回は、レスキューホイッスルトライアル最終回として、究極のレスキューホイッスルをレポートします。



■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。

2015年2月 8日 (日)

【ホイッスルトライアル04】総合評価です

今回と次回は、レスキューホイッスルの総合評価と、トライアルの結果わかった、レスキューホイッスル選ぶときのポイントについてです。「究極の」ホイッスルのレポートは、その後にお送りします。

■エントリー♯1 アルミ製筒型単音階笛
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本体が細く小さいせいか、最も高く鋭い音を出した。強い息では十分に実用になる。欲を言えば、もっと音の「厚み」が欲しい。弱い息ではひょろひょろとした頼りない音。

この笛に限らず、細い筒型単音階の笛は、箱型や複音階笛に比べて吹き込んだ息のかなりの部分が音にならずに吐き出されている印象が強い。

それでも、その小ささとアルミの外観は魅力で、サブ的にバッグなどにつけておくには良い。他にもこのタイプが市販されているが、価格が高いものはさらに良い音が出そう。

なお、金属製笛は画面や筐体に傷をつけやすいので、スマホや携帯のマスコットには向かない。

■エントリー♯2 プラ製箱型単音階笛
Sany0005
この製品はノベルティとして配られていたもので、性能的にはあまり突き詰められていない印象。強い息での音量は最も小さかった。弱い息での鳴りも良くない。

本体に組み込まれた付属の赤LEDランプは防水性が無いため実用レベルと言えないが、そこが改善されてもう少し照度アップすれば、コンセプト自体は悪くない。

角が丸められた箱型の本体はしっかりくわえやすくて良いが、やはり単音階のせいか、息がかなり無駄になっている印象。

なお、♯1と♯2は安価なノベルティということもあり、あくまでタイプ別の参考としてエントリーしたもの。

■エントリー♯3 プラ製筒型単音階笛(IDカプセル付)
Sany0022
このトライアルのきっかけとなった、100均ショップダイソーで販売している笛。コピー元が4000円クラスのコールマン社製品なので、形状やIDカプセルは高評価。カプセルの防水性も十分。吹き口は細いながら、ギザギザが唇の密着度を増し、空気漏れをかなり防いでいる。

強い息の音は甲高くて聞こえやすく、十分実用レベル。しかし弱めの息では♯1や♯2より良いものの、実用上十分とは言えない。しかし100円でこの機能ならば、最もコストパフォーマンスに優れる良品と言える。とりあえずの入門用やまとめ買いにお薦め。

付属のストラップは絡みやすく、プラ製のジョイントも外れやすいので、交換するかリングでどこかに取り付けておく方が良さそう。

■エントリー♯4 プラ製平型3音階笛
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これは防災用と言うより、アウトドアでの注意喚起や熊避け用と言えるもの。音はまさに、バスケットボールの審判が吹く笛のそれ。かなり柔らかい音で耳あたりは良いのだが、音量と聞こえやすさは劣る印象。

弱い息での鳴りはエントリー中最も悪く、防災用途には適するとは言えない。サバイバル用として販売されていても、こういうものもあるということ。

本体は平たくて収納時に邪魔になりにくいが、付属のボールチェーンでぶら下げておくと、引っかかった時などに切れる恐れがある。

■エントリー♯5 プラ製平型2音階笛
Sany0002
840円という価格が信じられない安っぽさwしかし米国沿岸警備隊、日本の海上保安庁など各種公的機関で採用されているものと同等品とのことで、本体には「MEETS USCG REQUIREMENTS」(米国沿岸警備隊要求性能適合)の刻印があるプロ仕様。

その性能はさすがで、強い息の音は音量、音質とも抜群。録音では後の♯6より聞こえにくい感じもするが、実際には高音成分が強く、耳の奥に刺さるような感じでエントリー中最良の印象。騒音下や海上でも聞こえやすいというか、それが主眼かも。

弱い息での鳴り、音量、音質も最良レベル。このタイプの2音階笛は二つの笛の片方が弱い息に対応しているようで、それは♯6も同じ。

シンプル、コンパクトで高性能と言うこと無しだが、その価格がネック。ストラップもただのナイロンひもなので、持ち歩きや取り付けにはアレンジが必要か。

■エントリー♯6 プラ製箱型2音階笛
Sany0007
文具メーカーコクヨが販売する笛。強い息、弱い息での鳴り、音質、音量は最良レベル。特に最弱の【湯冷まし息】での鳴りは最良。

吹き口にキャップがついていて衛生面への配慮もあるが、片手だと外すのに苦労する。外したキャップはプラ一体成形で本体に繋がっていて落ちないが、吹き口に重なりやすく邪魔。落ち着いた状況ならともかく、緊急時、片手操作、機能障害者などの操作性には不安が残る。

本体は角が立った直方体だが、角が丸められていればなお良かった。ただ、バッグの中や暗闇で手探りで形を認識しやすいメリットはある。 しかし、視界が無い中や慌てている時、キャップの構造を知らないと、すぐに外して吹くことができないこともありそう。笛としては非常に高性能だが、操作性には改善の余地ありか。

吹き口のキャップについたタブでネックストラップなどにも取り付けられるが、そのタブがキャップの操作性を落としている印象もある。

作りは良いのだが、健常者がある程度落ち着いた状況で使うことが前提となっている印象を受ける。ストラップは携帯ストラップと同様の細い樹脂ワイヤーで、どこにでも取り付けは簡単。

キャップを外すには両手で持って引っ張るか、歯で噛みながら片手で引っ張る必要があり、それが困難な場合は吹けない可能性も十分に考えられる。 子供、お年寄りや機能障害者が常備する場合には、本体からキャップを外してしまうのも良いかもしれない。基本的に良い製品だけに、苦言が多くなった。

【さてランキングです】
最後に、総合的なランキングをしてみたいと思います。評価項目は、笛としての性能、操作性、付属品、価格です。

笛としての性能は#5と#6が飛びぬけており、甲乙付け難い印象。すぐに吹ける操作性は#5に分がある。そこで付属品の性能、コストパフォーマンスと入手しやすさも考慮した結果、#6がエントリー製品中最良と判断した。もちろん次点は#5だがその差はわずか。でも安い方がいいw

それに肉薄するのが#3の100均笛。弱い息での鳴りに不安はあるものの、100円でIDカプセル付きのコストパフォーマンスは大きな魅力。なお、同タイプで300~400円の製品もあるが、単音階笛の鳴りが#5や#6を超えるとは思えない。

次は#1のアルミ筒型笛。強い息での鳴りはかなり高評価。弱い息の性能は不足だが、そのコンパクトさと外観は魅力。

次は#2のLED付き笛。最大音量、音質、弱い息での鳴りいずれも不満足。タダでもらえるならサブにどうぞ、という感じ。

最後は#4の平型笛。これは管理人のセレクトミスかもしれないが、災害時の救助要請用にはあまり向いていない製品。特に弱い息では全くダメで、あくまでアウトドアでの注意喚起や熊避け用か。笛の空気穴が大きいせいか、最大音量を出すにもかなりパワーが必要だった。

というわけで、最終ランキングは以下の通りです。

良い方から#6→#5→#3→#1→#2→#4
となりました。選ばれる場合は、上位3位までがお薦めとなります。

なお、いずれの製品も本体の堅牢さは十分で、#2のLEDライトの防水性能を別にすれば、バッグや携帯電話などに取り付けておいても破損しやすいようなものはありませんでした。

【他にもいろいろあります】
このトライアルは、管理人の手持ちと独断で選んだ製品をテストしたものですが、もちろんレスキューホイッスルは他にもいろいろあります。

ただ、このトライアルを通じてどのようなタイプがより良いのか見えて着た部分もあります。次回は、当ブログが考えるレスキューホイッスルの選び方についてお送りします。


■■以下、Amazonの販売ページへのリンクです。なお、#6の「コクヨ防災の達人 ツインウェーブ」はAmazon調べ価格540円税別として記事や動画に表示しましたが、さらに安価(378円税別)で販売されていることがわかりました。下記リンクは、安価な方の販売ページです。お詫びして訂正いたします。

ダイソーの100円笛は、通販では入手できません。各店舗へお問い合わせください。



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【続報】台湾で旅客機が墜落

Taiwan
【墜落直前の事故機。両プロペラの回転が遅く、プロペラブレードがはっきりと映っているのがわかる】

台湾で発生したトランスアジア航空のATR-72型機墜落事故は、回収されたデジタルフライトデータレコーダー(DFDR)とコクピットボイスレコーダー(CVR)、いわゆるブラックボックスの解析結果により、衝撃的な事実がわかってきました。

通常、ふたつのエンジンが同時に故障することは、バードストライクなど不運な外的要因を除けば、確率的に考えられません。しかし今回の事故では離陸上昇中にそれが発生したと思われていたので、その原因が何かということが注目されていました。

事故直後に公開された映像でも、両エンジンのプロペラの回転が明らかに遅く、ほぼエンジン停止状態で風圧で空回りしているような状態であったことが見て取れます。つまりほとんど推力ゼロだったのです。

【信じられないお粗末さ?】
DFDR解析の結果、離陸後1分くらいの上昇中に、右翼の第2エンジンにトラブルが発生しました。それでももうひとつのエンジンが正常ならば、少なくとも飛行を継続して緊急着陸することには全く問題無かったのです。

しかし、直後に不可解な操作が行われました。故障した第2エンジンではなく、正常だった左翼の第1エンジンの出力が、『人為的に下げられた』のです。なぜそのような操作が行われたのかはわかりません。でも最も可能性が高いのは、錯誤による操作ミスでしょう。

その後第1エンジンも停止したようで、再起動の操作が行われた記録があるものの、再起動できないまま失速、墜落に至ったようです。

【事前に防げた事故】
その後ビルをギリギリで超えて川に「落とした」操縦は、あの状況下では最良のものであった可能性が高いのは、前記事で述べた通りです。

しかしそれ以前に、致命的な判断、操作ミスが起きていたのです。操作ミスを未然に防ぐようなフェイルセイフ思想で設計されている航空機ですが、故障したエンジンではなく、正常なエンジンを止めてしまうような誤操作を防ぐようなことはできません。訓練されたパイロットが、そのような意味不明の行動をすることは想定されていないのです。

誤操作の理由はまだわからないものの、ひとつ確かなことは、トラブル発生後に正常な操作が行われていさえすれば、エンジン片発故障による空港への引き返しだけで終わったということです。

実に不可解で理不尽な事故ではありますが、こういうことも起きてしまうのが現実でもあります。ハイテク化によって人間の負担はどんどん軽くなり、確率的な安全性は向上して行きますが、ヒューマンエラーを防ぎ切ることはいまだできないのです。


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2015年2月 6日 (金)

【地震関連情報】徳島県南部で震度5強

本日2月6日午前10時25分頃、徳島県南部の陸地直下10kmを震源とするマグニチュード5.0の地震が発生し、徳島県牟岐町で最大震度5強を観測しました。

この地震は、震源深さが10km程度ということから、陸上の浅い断層が動いた直下型地震であり、南海トラフ地震とは発生メカニズムが異なります。南海トラフ地震ではありません。

いわゆる南海トラフ地震はプレートの滑り面付近が震源となりますので、震源深さは20~40km程度となることが予想されます。

徳島県南部は、今までにも非常に地震が少ない場所でした。東日本大震災後にも、特に変化は見られていません。

2004年の記録までさかのぼってみても、この付近では震度1~2クラスがごく散発的に起きているだけです。しかし今回は、マグニチュード5.0とかなり大きく発震しました。

今回動いた断層に蓄積されたエネルギーが何の動きに由来するものかはわかりませんが、広い意味においては東日本大震災後の地殻変動の影響を受けている可能性もあります。

一方で、東日本大震災や南海トラフ地震のようなプレート境界型大地震が起きる数年くらい前から、周辺での浅い直下型地震が増えるという傾向も明らかになっています。

この地震が、そのひとつである可能性は否定できません。いずれにしろ、このように動く浅い断層は日本列島のどこにでも存在します。


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2015年2月 5日 (木)

台湾で旅客機が墜落

昨日2月4日、台湾でトランスアジア航空のATR72型機が離陸直後に墜落し、多くの犠牲者が出ています。

【緊急事態宣言】
現時点では、離陸2分後にパイロットから無線でトラブル発生による緊急事態が宣言されていることから、エンジン故障による推力低下から失速、墜落に至ったと見られています。

この事故で特異なのは、墜落直前の機体の姿が高速道路を走っていた車のドライブレコーダーに記録されていたことです。

その映像によると、機体はビルをわずかな高度差で越えた直後大きく左にバンクし、左翼端を車や高速道路に接触させながら、川に墜落しているのがわかります。

機体の速度もかなり落ちており、推力不足による失速状態にあったことも見て取れます。

【最後の判断】
おそらくビルを超えるのが精一杯で、その後の飛行継続は全く不可能とパイロットが判断していたのでしょう。

通常ならば、あの状態からいきなり大きくバンクすることは無いはずです。しかし一気に降下して左バンクしたのは、パイロットの操縦によるものだと考えられます。

あのまま水平を維持すれば、川を飛び越えて対岸の住宅街に墜落してしまう、しかも離陸直後でたくさんの燃料を積んでいます。墜落すれば建物に衝突し、爆発炎上して地上の人も巻き込んだ大惨事になるのは間違いありません。

だからパイロットは、「川に落とした」のでしょう。飛行機は、大きくバンクすると翼の揚力が激減し、さらに空気抵抗が増えることで、重力で一気に沈み込むのです。

普通の飛行ならば、バンクする時には高度低下を補正する操作もするのですが、それをせずに一気に「落とした」と考えられます。もっとも、失速状態で高度を維持するのは、どうやっても不可能でもありますが。

ちなみにこれは、旧日本軍のパイロットが編み出したと言われる『木の葉落とし』そのものです。敵機が背後に迫った時、機銃を撃たれる寸前に垂直バンクに入れる事で一気に高度と速度を落とし、敵機の視界から消える技です。

【最良の結果?】
機体は、ほとんど裏返しになりながら川の水面に墜落しました。

それによって周囲の建物や人には被害を及ぼさず、落着時の衝撃が水によって緩和されました。しかも水のおかげで、爆発炎上も防がれたのです。

現時点の報道では15人が救助されて手当てを受けているとのことですが、もし住宅街に墜落して爆発炎上していたら、生存者がいなくてもおかしくなかっただけでなく、周囲にどれだけ被害が出たかもわかりません。

できることなら、パイロットは川と平行に、機体を水平にして下ろしたかったはずです。しかしビルを超えてわずかな距離で「落とす」ためには、ああするしかなかったのでしょう。

もっと早い段階で旋回を始めてしまえば、抵抗が増えて高度が落ち、ビルを越えることもできなかったはずです。そして、再上昇するのは不可能だったのです。

結果的に、水面に落とすことで落着の衝撃から生き残った乗客は多かったでしょう。しかし脱出できずに水に沈み、犠牲者が増えたことは否めません。

しかし、あの状況の中では最良に近い判断と結果だったと言えるのではないでしょうか。

【命の1秒】
結果的に多くの犠牲者が出てしまっていますが、それでもパイロットの瞬間的な判断が、乗客の一部と地上の人々の命を救ったと言うこともできます。

無理にこじつける訳ではありませんが、我々が大災害に見舞われた時、そこから生き残るために、瞬間的な判断に迫られることもあります。

その時、頭が真っ白になって固まってしまわないためには、事故機のパイロットがそうであったように、普段から知識を得て、訓練とシミュレーション繰り返しておくのが最も効果的なのです。

それが『命の1秒』を稼ぎ出す可能性を高めるのは、間違いありません。

この事故については、今後の詳細な調査を待ちたいと思います。最後になりましたが、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたします。

◼︎2月6日追記
台湾当局が公開した事故機の交信音声を聞きましたが、当初から緊急事態の宣言(declare emergency)ではなく救難要請(May Day)であることが、事態の深刻さを表しています。つまり緊急着陸の可能性は最初から考えられず、事故に直結すると判断される状況だったということです。

具体的には両エンジンの停止と思われますが、確率的には非常にレアな事態に陥ってしまったようです。そこに至った原因も含め、今後の調査を待ちたいと思います。


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2015年2月 4日 (水)

【ホイッスルトライアル03】音を聞いてください《動画つき》

Ookina
お待たせいたしました。レスキューホイッスルトライアル動画(実は画は動きませんw)が完成いたしました。youtubeのリンクを文末に掲載しますので、是非ご覧ください。

動画について、少し解説させていただきます。

トライアルでは、6種類のレスキューホイッスルを、3つの強さで吹いてみました。

まずフルパワーで吹いて最大音量を狙う【全力息】、 次に、大きなため息のように胸いっぱいに息を吸い、脱力して吐き出す【ため息】、スプーンの熱いお湯をフーフーと冷ますように弱い【湯冷まし息】の3つです。

特に【湯冷まし息】は、身体を圧迫されたりかなり衰弱した状態の息に近いかと思いますので重要です。

息の強さは厳密に統一できていませんが、実用レベルでの参考になるでしょう。


画面には、それぞれの音圧(デシベル値)を表示しています。スマホの騒音測定アプリを使い、約50センチ離した位置で測定しました。

しかし測定精度がそれほど高くないことに加え、実際の聞こえ方とデシベル値の大小は必ずしも一致しませんでしたので、これもあくまで参考としてご覧ください。

音が甲高いほど、デシベル値が大きく出る傾向がありました。

なお、当トライアルに使用したホイッスルは管理人所有のものと独断でセレクトして自費購入したものであり、ステマ的要素は一切ありません。

レスキューホイッスルは非常に種類が多く、他にも優れたものもたくさんあります。次回記事では各ホイッスルの総合評価と、トライアルの結果わかった選ぶ際のポイントをお送りします。

※トップ画像は、動画の一部です。これを見てニヤリとされる方もいらっしゃるかとw


それでは、ご覧ください。突然大きな音がしますので、再生音量には十分にご注意を。

youtube動画 レスキューホイッスルトライアル
http://youtu.be/1SLX7TwwVds


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2015年2月 2日 (月)

人為的攻撃から生き残る

中東地域における一連の事件で、邦人の命が失われました。

読者の方から、それについては書かないのかとのご意見を頂戴しましたが、当ブログでは政治的、宗教的、民族的な問題に関わることついては触れません。

ただ、今後邦人が海外及び国内で危機に晒される危険が大きくなっていることは、事実だと認めざるを得ません。


管理人は、あくまで『生き残る』という側面から、人為的な攻撃に直面する可能性を減らす方法も、受け売りながらも研究しております。

しかし、いまは記事とする段階ではないと考えておりますし、置かれた状況によって対処法も多岐に渡りますので、一概にこうすれば良いと言い切れるものでもありません。あくまで可能性を減らす手段に過ぎないのです。

そこで、当面はそのようなことに関するご質問などがありましたら、メールをいただければできるだけお答えしたいと思っております。

なお、ご質問にお答えする場合でも、一連の事件に関する直接的な意見等については、一切差し控えさせていただきます。


最後に、基本的なことを。

無差別攻撃の対象に最もなりやすいのは、人が密集する場所です。

特定の個人が狙われる場合に最も危険なのは移動中、特に通勤・通学などルーティンの経路上です。

メールは、PCからはブログ左サイドバーの一番下にある『メール送信』からお送りください。

その他の場合は下記アドレスへどうぞ。
smc-dpl@mbr.nifty.com

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