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2015年3月

2015年3月31日 (火)

政府が南海トラフ地震災害応援計画を発表(#960)

Yuriage
東日本大震災で仙台市閖上地区に集結した消防応援部隊

3月30日、政府から南海トラフ地震発生の際の応援計画が発表されました。

【72時間以内の展開を目指す】
それによると、南海トラフ地震が想定される最大規模で発生した場合、津波被害が予想される静岡から宮崎にかけての沿岸10県を、巨大地震の際に必ず応援を要する地域と定め、残る37都道府県から最優先で応援部隊を派遣するとのこと。

その規模は最大で警察が約1万6000人、消防が約1万6600人、自衛隊が被災10県の部隊も含めて約11万人を投入するそうで、まさに国を挙げた総力戦計画です。

それらの応援部隊を、負傷者の生存率が大幅に低下する72時間以内に被災地に展開することを最重点としています。

また、発災直後から全国規模で支援物資の調達を始め、2日目には緊急交通路や船舶による輸送を開始、3日目までに被災地近隣の支援拠点まで輸送して、『4日目には被災者に支援物資が届くようにする』計画になっています。

このような巨大作戦の遂行能力に関しては、我が国は世界最高レベルということができましょう。ただ、気になる部分もいくつかあります。

もちろん計画はされているのでしょうが、報道には国土交通省の名前が出てきません。いかに優秀な部隊も支援物資も、現場に到達できなければ意味がありません。


【どこまで行き届くか】
こと津波災害に関しては、沿岸部で内陸からの到達が最も困難な場所が主な被災地域となります。そこで何よりも重要なのが、そこまでの道路啓開及び端末輸送なのです。

東日本大震災では、国土交通省の道路啓開部隊が、内陸の国道4号線から沿岸の各被災地へ向かう各道路を、あたかもくしの歯のように啓開して行く『くしの歯作戦』を展開しました。

重機をトラックに積んで崩落した土砂や瓦礫を撤去しながら被災地までの道路を確保したことで、救援部隊が被災地に早い段階で到達できたのです。

しかし、最後の段階では瓦礫の中にご遺体が見つかって、重機での撤去ができなくなった場所もありました。その重機も、多くが近隣や地元の契約建設業者の協力でした。自らも被災しながら、作業に従事した方も多かったそうです。また、津波で浸水して使い物にならなくなった重機も多かったのです。

さらに広域の被害が予想される南海トラフ巨大地震の場合、果たして道路啓開や損傷個所の修復がどれだけ機能するか、機能しても『72時間以内』にどれだけ間に合うのかは、未知数の部分が多いと言わざるを得ないのではないでしょうか。

一方、支援物資を集積拠点までは運べても、そこから沿岸部に点在する各被災地へ届ける最後の輸送、端末輸送が最も困難となります。沿岸部の道路は、津波で寸断されている可能性が高いのです。

大きな町ならまだしも、沿岸部の小さな集落などが孤立する事態は、東日本大震災でも多発しました。町の中でも指定避難所だけではなく、自主的に作られた小さな避難所があちこちに点在し、そのような場所へは、早い段階で支援物資が届くことはほとんどありませんでした。

津波災害の場合、指定避難所へ支援物資を受け取りに行こうとしても、道路の寸断で身動きできないことも多いのです。


【やはり自助が最重点】
そのような状況を考えると、『4日目』までに支援物資が届く可能性が低い場所は、かなり多いと言わざるを得ません。状況によっては、大きな町でも困難になる可能性もあります。

そうなると、やはり最低でも1週間分程度の備蓄を自力で備えておかなければならないでしょう。しかし、津波災害の場合は、備蓄ごと家を流されてしまうことも多くなりますから、できることなら安全な場所に備蓄をまとめておくような対策も必要になります。集落や町内単位以上ならば可能でしょう。

特に重要な水分に関しては、雑用水や川の水なども飲めるようにする、『飲み水を作る』装備も必須です。


【災害対策は備蓄だけではない】
救助の目安とされる『72時間以内』とは、人間が水を飲まずに生存できるとされる期限から来ています。つまり、閉じこめられたり挟まれたりした状態での『最良の期限』であり、ケガをしたり寒さや暑さの中では、その時間はさらに短くなることもありますし、その人の気力・体力にも左右されます。

ですから我々が目指すべきは、発災後最初の72時間に救助隊の世話にならなくても良い状態でいること。そして、1週間程度は自力で生き延びられることです。

それには、まず発災時にケガをせず、動ける状態を保つことが何より大切です。そのために必要なことは、まず自分の居場所で何が起きるかを知り、その危険を避ける行動を知り、周りの危険要素をできるだけ取り除いておくことです。

その次に水分を確保し、寒さ、暑さや悪天候から身体を守り、栄養を採って救援を待つための備蓄が必要となります。

世界最高レベルの救援体制が期待できる我が国であっても、まず自助無くしては『生き残る』ことができないことも多いということを現実の問題として考えられるか、まずはそこからです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年3月30日 (月)

これからの航空業界が孕む問題とは(#959)

Memorial
アルプスの墜落現場を望む場所に建立された慰霊碑

3月24日にフランスアルプスで発生したジャーマンウイングス航空機墜落事故は、副操縦士による『自殺飛行』であったことが確実になりました。この事実に対して、何も言葉はありません。ただ、巻き込まれた犠牲者のご冥福をお祈りするまでです。


【避けられない事態なのか】
このような事故は、できれば考えたくありません。しかし2005年に発生したJR福知山線脱線事故もこの類ですし、1982年に発生した日本航空350便羽田沖墜落事故のように、決して完全に他人事では無いという現実もあります。

後者の事故は、若い方はご存知ないことも多いでしょうが、【逆噴射】、【心身症】、【機長何するんですか!】という言葉が流行語にまでなった、考えられないような事故でした。24人が死亡、149名が負傷しましたが、着陸寸前の機体を自ら墜落させた機長は生還しました。

そのような苦い経験を経て、乗務員の健康やメンタルのチェック体制はより厳格になり、乗務の形態も見直されました。そのせいもあり、かなり長きに渡って、このような異常事態は起きなかったのです。しかし、また起きてしまいました。


【LCCの問題なのか】
1990年代の米国では、航空の規制緩和によって多くの新興航空会社が誕生しました。まだLCC(Low Cost Carrer)という言葉も一般的でなかった時代ですが、それまでの概念を覆す、低運賃エアラインが台頭してきたのです。

その中で、悪い意味で記憶に残るのが、バリュージェット航空です。画期的な低運賃を実現するためにコスト削減を徹底し、使用機体はかなり使い込んだ中古機で、整備はほとんど外注の上、無資格者による検査などが横行し、その保安体制は非常に劣悪でした。

そのため、年間数十回もの異常飛行や異常着陸を引き起こして航空当局から警告を受けていましたが、1996年にはついに、貨物室に積んだ危険物(酸素ボンベ)からの出火により、110名が死亡する墜落事故を引き起こしました。この事故でも、危険物積載時や火災発生時における安全対策が無視されたことが、間接的な原因でした。

やはりこのような苦い経験を経て、LCCでもコスト最優先で安全軽視の経営ができないように様々な規制が行われ、それは実際に効力を発揮しています。しかし、避けられない問題も浮上しています。


【LCC台頭の影に】
先進諸国の航空業界では、今やLCCが花盛りです。その裏では様々な問題もありますが、最大の問題は、パイロットが慢性的に不足しているということです。

今回のジャーマンウイングス機事故と直接関係するものではありませんが、パイロットの不足は、望ましいレベルに達していないパイロットの採用に繋がりかねないという危険を孕んでいます。

さらに、コスト削減のためのフライト回数の増加や、空港でのターンアラウンド(折り返し)時間の短縮による心身への負担の増加も懸念されています。しかも、LCCの賃金は一般に大手エアラインよりも低いのです。

しかし、今後LCCへの需要はますます増大することは確実ですので、パイロット不足はさらに深刻になって行くでしょう。

そのような現実が、磐石でなければならない空の安全に、僅かずつでもほころびを作り始めているという指摘もありますし、近年の航空機事故や、事故(accident)にまで発展しなかった異常事態(incident)を見るにつけ、それは否定できない事実のような気がします。

なお、パイロットのスキル不足などは決してLCCだけの問題ではなく、大手エアラインでも皆無では無いのですが、どうしてもLCCにおける比率が高くなってしまっているようです。

言うまでもなく、ほとんどのパイロットと関係者は十分なスキルと高い意識を持って業務に当たっています。事故ばかりが目立ちますが、その裏で膨大な数のフライトが安全に完結しているという現実も、忘れるわけには行きません。確率的に言えば、旅客機は地球上で最も安全性が高い乗り物なのです。

ただ航空機の場合は、一旦事故となると致命的な結果になるので、ユーザーとしてはごく低い確率でも気にしないわけには行きません。


【ならばどうするか】
今回の事故のような異常事態を、乗客の立場から防ぐ手段はありません。

航空機を比較的多く利用される方には、LCCの低価格は特に大きな魅力です。ただ、ごく稀に航空機を利用する場合や長距離路線などの場合、LCCと大手エアラインが同じ路線を飛んでいるならば、確率論で考えれば大手を選ぶのもひとつの方法です。

これはあくまで個人的な意見だとお断りしておきますが、航空業界の中もヲタ的な視点で見てしまう管理人としては、コストはかかってもそうしたくなってしまうのです。


ジャーマンウイングス航空機事故に関する、航空関係の記事はこれで終了します。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2015年3月27日 (金)

【ヲタ目線地震教室01】『ドン!』が一番ヤバい(#958)

新シリーズを始めます。名付けて【ヲタ目線地震教室】

地震のメカニズムを基礎から詳しく解説します・・・というつもりはさらさら無くw、あくまで普段接する地震情報の気になる部分を、文字通りヲタ目線プラス斜め上から目線で解説して行きます。


【必殺震源推定法!】
いきなり手前味噌ではありますが、管理人の“特技”から。

管理人は地震を感じた際、揺れが収まった直後くらいに震源域と震源深さ、さらにマグニチュード値をある程度推定することができます。東日本大震災前の勤め人時代は、地震が起きると「いまのどこ?」と内線電話がかかって来たくらいでw その的中精度は、在住期間が長い関東南部ならば8~9割に上ります。

なぜわかるかというと、もちろん超能力でもオカルトでもありません。地震の揺れかたを、蓄積した知識と情報に照らし合わせることで推定します。その方法は、地震のメカニズムと深く関係していますので、まずはそのお話から。

管理人が震源域などを推定する際に照合する要素を、以下にまとめてみます。


■初期微動(P波=たて揺れ)を感じたか、その揺れかたと大きさはどうだったか。

■初期微動と主要動(S波=横揺れ)との時間差はどれだけあったか(反射的に秒数をカウントしてしまいますw)

■主要動の揺れ方はどうか。ポイントは以下の通り。
・強い揺れの立ち上がり方
・揺れの周期
・揺れの方向
・揺れの持続時間

■その地域における地震の経験則。不案内な土地では精度が落ちます。

以上の要素を総合的に判断し、揺れが収まったくらいで、例えば「千葉県北東部、深さ70から90km、マグニチュード4.5!」とか言い放ち、ドキドキしながら公式情報を待つわけです。きっちり読み切れたら、よっしゃぁとガッツポーズでしたね、震災前は。

時には、初期微動を感じた段階で「震度4くらい、来る!」とか言ったりして本当に来るので、周囲からは不思議がられるというより、むしろ変人扱いですねwでも、きちんと理屈に則って判断しているだけなんです。


【管理人のヲタ的頭の中】
地震を感じた際に管理人が考えることの一例を、文字にしてみます。

『お、地震だ。そんなに大きくない縦揺れだから、震源は遠くないけど規模は大したことないな。カウント開始1、2、3・・・横揺れ来た。時間差から距離は○○kmくらい、距離がそれほど無いのに立ち上がりが弱くて周期が長めの揺れだから、震源は深めだな。揺れの方向は東西が主成分だ。その方向で○○kmくらいならば○○震源域か。持続時間が長めだから、やはり深いぞ。○○震源域としてこの揺れならば、マグニチュード値は4台後半くらいだな。○○震源域では××kmくらいの地震が過去にも起きている。ならば○○震源域深さ××km、マグニチュード4.5から4.7くらいということで・・・』

・・・という風に考えているわけです。この中で、初期微動と主要動の時間差で、震源までの距離がある程度わかるということをご存知の方は多いと思いますが、揺れの方向で震源の方向を推定していることに疑問を感じられた方もあるかと思います。それについては、追々解説して行きます。


【実際に役に立ちます】
管理人がこんなことをするのは、防災ヲタだからではありません。これは、危険な地震をいち早く判断して対処したいという思いからのことです。

そんな思いと蓄積したヲタ知識が融合して、趣味半分でついでに震源当てをしているようなもの。もし被害が予想されるような揺れを感じたら、悠長に揺れを感じていないで、誰よりも早く動き出すでしょう。

そこで、今回のポイントを2点。こんな揺れを感じたら、すぐに避難・防護体制を取るべきだということについてです。関連するメカニズムなどについては、後記事で解説します。


【今回のポイント】
■下から突き上げるような『ドン!』という揺れを感じたら、最短時間で机やテーブルなどの下に入る、広い場所へ移動する、危険物から離れるなどの行動をせよ。

【理由】下から突き上げるような縦揺れは、震源が近くて浅い(5~15km程度)、規模が大きな直下型地震の特徴です。その直後には強烈で速い、破壊力が大きな横揺れが来ます。震源が本当に直下ならば、縦揺れと横揺れが混ざった振り回すような揺れが、ほぼ同時に来ることもあります。

横揺れが始まってしまうと、四つん這いにもなれないくらいの激しい揺れになることもある、最も危険な地震です。阪神・淡路大震災はこの典型でした。


■『ガタガタ、ビリビリ』というような縦揺れで、固定していない小物が動くような規模ならば、すぐに上記のような避難・防護体制を取れ。

【理由】これは震源が比較的離れている浅い地震のこともありますが、震源が深め(40~90km程度)で規模が大きな直下型地震や、東日本大震災のような震源が海底のプレート境界型(海溝型)大規模地震で感じられることが多い揺れです。

その後の横揺れは浅い直下型ほど強烈ではないものの、大きく振り回すような周期が長めの揺れに襲われる可能性が高く、震源が海底ならば、津波の危険があります。高層ビルを大きく揺らす、長周期地震動が発生することもあります。


理屈はともかく、今回のポイントはこの2点。最初に来る初期微動(たて揺れ)の段階で危険を察知できれば、身を守れる可能性が大きく膨らみます。重要なことは、強めのたて揺れを感じた段階で震源が近いか、遠くても規模がでかいかのどちらか、ということなのです。

もっとも、たて揺れか横揺れかはすぐに判断しづらいので、最初に『ドン!』や大きな『ガタガタ・ビリビリ』を感じたらすぐに動け、ということで良いでしょう。

なお、そのクラスの地震になると、ほぼ確実に緊急地震速報が発報されますが、震源が近い直下型の場合は、揺れの方が先に来ることも多いということも忘れてはなりません。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


2015年3月26日 (木)

アルプスで旅客機が不可解な墜落(#957)

German
上画像は事故機と同型のジャーマンウイングス航空A320型機


一体、最近の空では何が起きているのでしょうか。


【またもや不可解な事故】
3月24日、ドイツのジャーマンウイングス航空のエアバスA320型機が、フランスのアルプス山中に墜落しました。それも、またもや全く不可解な状況で。

事故機は高度1万1600mの巡航高度まで上昇した直後、8分間で9000mという異常な降下をして、そのまま山腹に激突したようです。本来、高度や針路の変更時には必ず管制の許可を受けなければなりませんが、事故発生まで一切の無線交信も非常信号の発信もなく、針路を一定に保ったまま山に突っ込んでしまいました。

中でも最も不可解なのが、急降下中にも降下率と速度がほぼ一定に保たれ、安定した降下をしている点です。まるでパイロットが意図的に行ったような、制御された降下だったのです。

2名のパイロットが正常な状態ならば、一切の無線交信も無いままにこのような降下をする理由は、全く考えられません。機体の飛行制御システムの異常という可能性が浮かび上がってきてはいますが、合理的な説明はまだありません。

この事故については、事故原因の解析を待って、また記事にしたいと思います。


【空で何が起きているのか】
2014年3月、マレーシア航空370便が、一切の交信も無いままに針路を大きく外れ、はるか洋上で消息を経ちました。

2014年12月には、インドネシアのエアアジア8501便が、積乱雲を避けるために上昇のリクエストをした後、その後何の交信も無いままに、洋上に墜落しました。

両事故の原因は、未だ特定されていません。そして両事故とも、過去の航空事故と照合しても専門家の解析によっても、合理的な説明が全くできないのです。

そしてまた、同じようにミステリアスな事故が起きてしまいました。専門家がお手上げの事故を素人があれこれ詮索することはしませんが、過去に例の無い事故が連続しているということを、偶然と切り捨てることはできません。そこには,
なんらかの理由が存在するはずです。


【専門家もいろいろ】
こういう事故があると、メディアには専門家が登場してコメントします。大抵は元パイロットなど十分な知識と経験を持つ方々で、そこらの『自称・防災の専門家』などとは比べ物にならないレベルではあります。

それでも、ろくでもないコメントもあるという一例を挙げましょう。3月25日のNHKニュースに出演していたのは、元日本航空のパイロット氏でした。元パイロットという肩書きならばまだしも、一応航空の専門家という肩書きでの出演です。

氏は、機体に穴があくなどして発生する機内の急減圧(rapid decompression)時に行う緊急降下(emergency desent)よりは、事故機の降下率が低いという理由だけで、急減圧は起きていないと断言しました。

パイロットや機体のシステムが正常だったか、全くわからない段階で断言できることでは無いはずですが。今言えることは、急減圧による通常の緊急降下とは違う、ということだけです。

高度を変更する際に管制へのリクエストが無かったことについては、パイロットは針路・高度の変更時には必ず管制の許可を受ける義務があると言う原則論を言い、交信が無かったのだからパイロットが意図した飛行ではない、つまりメカニカルトラブルもしくは外部的要素による事故と決め付けるようなニュアンスでした。

ならば一切の交信も無く針路を外れた、つい一年前に起きたマレーシア航空370便の事実はどう説明するのか。

キャスターの「機体のハイテクシステムにパイロットが対応できなかった可能性は?」という質問に対しては、パイロットは十分な訓練を受けているので、その可能性は無いと。

ならば、1994年に名古屋空港で発生した中華航空140便事故はどう説明するのか。あの事故は、機体が着陸復行(go around)モードに入って自動上昇しようとしている時に手動で降下を強行し、さらに着陸復行モードも解除できなかった(レバーひとつ引くだけなのに)ために、機体が急上昇して失速、墜落したのです。その機体は、エアバスの第一世代ハイテク機とも言える、A300-600R型でした。

さらに、今年の2月にも、台湾のトランスアジア航空のパイロットが、トラブルを起こしたエンジンではなく、正常なエンジンの出力を下げるという、考えられないミスによって墜落しました。

どちらも『訓練されたパイロット』によるヒューマンエラーなのです。人もメカも、想定通りに動いていれば事故は起きません。そこに何らかの破綻が生じるからこそ、事故となるのです。元パイロット氏のような原則論は、『地震に注意しましょう』と同レベルの、役に立たない情報に過ぎません。


【知っていること、知らないこと】
“専門家”がなぜそんな発言をしたのか、大体の理由はわかります。専門家と言っても、なんでも知っているわけでもなし。氏は『航空の専門家』としての第三者的な視点ではなく、あくまで『元パイロット』でした。

航空事故が起こると、メディアや関係者はまずパイロットのミスを疑います。機械は大抵正しい、しかし人間はミスをするという前提です。さらに心情的にも、機械より人間のせいにして断罪したいという意識が働くからです。

そのために、事故機のパイロットや関係者がいかに理不尽な扱いをされるかは、航空評論家としても著名な柳田邦男氏の著作などに記されています。

しかし、残念ながらヒューマンエラーが起きているのも事実です。“専門家”ならば、情報の蓄積に裏付けられた公平な評価をしなければなりません。でも、氏の発言には現段階でパイロットのせいにはできない、パイロットは並の人間じゃないんだという、パイロットを擁護する心情やプライドが先走っているように見えました。

それからもうひとつ。

氏は元日本航空のパイロットです。日本航空には、エアバス社製の機体はありません(かつては旧JAS機が存在したが、現在は全機退役)当然、事故機であるA320型機のような、エアバス社式デジタルフライバイワイヤ(コンピュータを介した電気信号による操縦装置)を採用した機体は無いのです。

つまり事故機と同様のハイテクシステムを持つ機体の操縦経験は無いので、機体システムについては決して最良の“専門家”ではなく、トラブルや対処方法については、詳しいコメントはできなかったはずです。早い話が、事故機のことは基本的なこと以外良くわからなかったはずです。

このため、勢いパイロットを擁護するような、心情的で原則的な発言に終始したものと思われます。

ついでに付け加えておくと、大事故になるほどメディアが“専門家”のコメントを取りたがるので、人気のある専門家は引っ張りだこです。しかし契約などの関係もあって、必ずしも人気のある人のコメントを取れるわけでもありません。でも絶対に必要なネタなので、「どうなの?」というレベルの人にマイクが向くこともあるわけです。

地震のコメントなどで、あまり聞いたことのない大学の、大して実績も無いような教授のコメントが散見されるのと同じようなことですね。しかも大抵、そういうのは内容が過激ww


【ツッコみどころ満載】
管理人は航空機ヲタで、しかも航空機事故関係に拘りを持つので、テレビを見ながらツッコみまくりでした。これは専門家というレベルじゃない、あくまで操縦経験が豊富な人に過ぎないと。

それでも、管理人のような変態ヲタでなければ、“専門家”の発言として、正しいものとして聞いてしまいますよね。

当ブログでは、いつも『自称・防災の専門家』のろくでもない発言にツッコんでいますが、それと同じことです。専門家を名乗るには、責任が伴うのです。

もっとも、航空の専門家が話す事故原因が間違っていても、我々の生命にはあまり関わりません。でも、防災の専門家の話が間違っていたら、我々の生命財産を失うことに直結してしまうのです。


【一体何が?】
と、ここまで書いたところで、衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。

コクピットボイスレコーダの解析によると、2人いるパイロットの一人がコクピットから閉め出されて、最後はひとりだけで操縦していたらしいと。

一体、空で何が起きているのでしょうか。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年3月19日 (木)

免震構造の弱点ついて知っておこう【2】(#956)

Iso
前回記事では、免震構造とはどういうものかということに触れました。今回は、免震構造建物は本当に安心か?ということについて。

結論から述べましょう。免震構造建物は、建物が倒壊したり大きく破壊されたりする可能性は、非常に小さくなります。しかし、“必ずしも揺れが小さくなるわけではない”のです。

これから述べることは、2012年3月8日に東京大学で行われた『首都圏直下型地震防災・減災プロジェクト最終成果報告会』で発表された内容に基づいています。

ご記憶の方も多いと思われますが、あの『南関東直下で震度7が起こる可能性ある』というレポートが発表され、結構な騒ぎになった時です。ちなみに、管理人もこの発表会に参加しています。


【免震構造の弱点とは?】
免震構造とは、前回記事のような装置によって、地面の揺れが建物本体に伝わりにくくするものです。しかし、どんな揺れも伝わりにくいかというとそうでもない、ということが、実物大模型を使った加震実験でわかってきたのです。

なお、いかなる揺れの場合でもその震動エネルギーを減殺する効果は大きく、建物の構造破壊を防ぐ効果は絶大であることは確かです。ただ、地震の場合は『建物が壊れなければ良い』というわけではありません。

ここで、発表会で配布された独立行政法人防災科学技術研究所のレポートから、関連部分を引用させていただきます。

【以下引用】------------
短周期地震動の加振では、高い免震効果が発揮され、床の最大応答加速度は十分に低減され、建物の構造的な被害もほとんど見られませんでした。
(中略)
一方、長周期地震動の加振では、免震構造でありながら、床の最大応答加速度が1.3倍に増幅してしまい250cm/s2程度となりました。これは、免震構造の固有周期と地震動が持っている最もパワーのある周期(卓越周期)とが近接しているため、免震建物が共振し応答が増幅してしまったものです。しかし共振しても応答加速度が250cm/s2程度であるため、建物の構造的な被害はほとんど見られませんでした。
【引用終了】------------

専門家向けの資料ですから、何やら難しいことが書いてありますが、おわかりでしょうか。

最も重要な部分は、

『免震構造に長周期地震動を加えた場合、共振現象によって揺れが増幅された』

ということです。長周期地震動とは、揺れの周期が2~5秒程度の“ゆらゆらとした揺れ”です。東日本大震災の時、関東付近から関西まで高層ビルを大きく揺らした、あの揺れです。

このような揺れは、大きな地震の震源から比較的距離が離れている場所や、平野部のような堆積地盤で発生しやすくなります。つまり、日本列島の平野部ならば、どこでも発生すると考えて良いでしょう。


【実例も確認しました】
実は、管理人も実際に見ています。東日本大震災の時、埼玉県南部の自宅、8階建て耐震構造マンションの2階では、キャスター付きワゴンが大きく動いた程度でした。

しかし、すぐ近くで地盤などの条件がほぼ同じの免震構造のマンション6階では、固定していない家具が倒れ、テーブルなども激しく移動していたのです。

当時は、2階と6階という違いだけでは説明がつかない大きな差の理由がわからなかったのですが、後に上記の説明会に参加して、それが免震構造の弱点だと得心したわけです。

でも恣意的なものなのでしょうか、この弱点はほとんど一般に公開されていませんね。建設会社や不動産会社からすれば、あまり知られたくない事実でしょう。


【弱点に対処するために】
では、その対処方法とは。

免震構造の弱点をわかりやすく言うと、免震構造建物がゆらゆらと大きく揺すられると、あたかも高層ビルの上階にいるかのように、速い速度で大きく振り回されることがあるということです。

ならば、もうおわかりかと思います。免震構造建物だからと言って、部屋の中の地震対策をしなかったり、簡単に済ませてはいけないということです。

それどころか、むしろ強化しておかなければなりません。大地震が起きた時、最初の危険は家具類が転倒したり、冷蔵庫やピアノなどの重量物が激しく動くことなのです。

免震構造建物に住まわれていたり、仕事をされている皆様、このことは是非覚えておいていただき、できるだけの対策を進めていただければと思います。

建設会社や不動産会社に文句を言っても始まりません。これは現在の、少なくとも実験で使用されたゴム製アイソレータ式免震構造にあまねく存在する、根本的な問題なのです。


※2015年3月26日 記事タイトルを一部変更しました。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2015年3月18日 (水)

免震構造の弱点について知っておこう【1】(#955)

過日、日本のゴム製品メーカーが、国の基準に満たない性能の免震装置を販売・納入していたことが発覚しました。その事件の詳細は当ブログの範疇では無いのでさておき、免震装置が注目を集めているこの時期に、改めて免震構造について知っておきましょう。連続2回に渡ってお送りします。

2回目の記事は、過去に一度だけ記事にしたことがある内容の再録ですが、免震構造のマンションなどにお住まいの方には、非常に重要な情報です。

【免震構造とは?】
まず、免震構造とは何かについて。

一般に、地震に強い建物は『耐震構造』です。これは骨組や壁の構造強度を上げることにより、地震の揺れによって構造にかかる力に耐えて、構造破壊を防ぐ方法です。

それに対して『免震構造』とは、建物の基礎部分に揺れを吸収する装置を組み込むことで、建物自体を揺らさないか、揺れを小さくして構造破壊を防ぐ方法です。

免震構造では、建物の基礎と上部構造の間に『アイソレータ』という装置を挟みます。下画像が、ゴムを使用した一般的なアイソレータです。
Isolator2
黒い円筒状の部分はクロロプレンゴムと鉄板が何重にも重ねられていて、左右へズレて変形することができます。このため、破壊力の大きな地震の横揺れ(S波=主要動)が上部構造へ大きく伝わるのを防ぎ、揺れを小さくして構造破壊を防ぎます。

今回の事件は、このゴム部分の強度や変形率などの性能が、国が定めた基準に達していなかったわけです。

参考までに、別のタイプのアイソレータも紹介します。
Isolator1
これはベアリング式と呼ばれるタイプの一例で、半球状の部品の上に柱が載ります。地震の際には、凹レンズ状になった丸い金属板の上を半球状の部品が滑ることで、上部構造に伝わる揺れを小さくするものです。

しかし、アイソレータだけでは揺れがなかかな収まりませんから、揺れのエネルギーを吸収する、ダンパ装置も併用します。ダンパには、太い鉛の棒が変形することでエネルギーを吸収する鉛ダンパ(下画像)
Damper1
鋼の棒の弾性力でエネルギーを吸収する鋼材ダンパ(下画像の緑色の部分)
Damper2
自動車のショックアブソーバーを大きくしたような構造と機能の油圧ダンパ(下画像)があります。
Damper3

【免震構造なら安心?】
さて、このような免震構造ならば、小さな地震ならば感じることも無いでしょうし、大きな地震でも揺れがほとんど吸収されて、建物は無事だし家の中も安心・・・と思いたいものですが、実はそうでも無いということがわかってきています。

もちろん、きちんと国の基準を満たした製品を使った免震構造でも、なのです。

次回へ続きます。


※2015年3月26日 記事タイトルを一部変更しました。


■当ブログは、カテゴリ【日記・コラム】です。


【告知】地震の正体に迫る新シリーズのおしらせ(#954)

このところ、更新ペースが落ちてしまっていて申し訳ありません。

管理人、決してやる気を失っていたり寝込んでいたりする訳ではありませんが、ちょっと書き物が増えてしまっておりまして、ペースダウン気味なのはご容赦ください。

その一方で、次のシリーズ記事は何にしようかといろいろ考えていたのですが、ここで一旦、基本的なことを確認しておこうかと思いました。

シリーズのタイトルは、ストレートに【地震教室】みたいな感じで行こうかなと。


【実はいらない知識】
そうは言うものの、当ブログの基本スタンスとしては、地震対策を進める上にあたって、地震のメカニズムだの発生確率だのは必要無いという立場を採っています。

そんなもの知っていても、災害から『生き残る』確率を上げるためには、何の役にも立たないからです。発生確率など、むしろ数値が低い場所の備えを甘くする弊害があるくらいで。でも管理人がそちら方面にそこそこ詳しいのは、あくまで趣味だからです。

それでも、大地震という巨大な敵の正体を、ここでもう一度おさらいしておくのもいいかな、くらいに考えました。しかし、敵を知り己を知れば~などとこじつけるつもりもありません。何故なら、我々に危害を及ぼすのは、地震そのものでは無いからです。

大平原の真ん中で巨大地震に遭っても、せいぜい転ぶくらいで危険などありません。我々を傷付け、生活を破壊するのは、あくまで地震によって引き起こされる副次的な事象である、建造物や地物などの崩壊、火災、津波などです。ですから、本来知らなければならない“敵”は、それなのです。当ブログで良く言う、『その時何が起きるか』ということです。

『その時何が起きるか』については、過去950本以上の記事の中で、随時触れてきました。ならばここで、その根本原因である部分に踏み込もうかなと。

報道でも、いろいろな用語が出てきます。直下型地震、プレート境界型地震、震源、震央、断層、震度、マグニチュード等々。当ブログではさらに正断層、逆断層、水平断層、スラブ内地震、アウターライズ地震など、いろいろ使います。その辺りの意味も改めて確認しながら、地震のメカニズムに迫りたいと思います。


【ななめ上を行きます】
もっとも、変態防災ヲタwの管理人がやるのですから、ただの地震教室ではありません。厳密で正確な知識を知りたい方は、各分野の専門家が監修とかしている資料をご覧ください。

管理人のスタンスは、あくまで生活者の視点です。普段の生活の中で触れる知識を中心に、あちこち脱線しながら進みたいと思います。例えば、よく耳にするエセ科学やオカルトネタを、メカニズム面からぶった斬ったりしながら。

そんなわけで、ななめ上から目線で地震のメカニズムに迫る【地震教室】(仮)、間もなくスタートします。新シリーズの記事カテゴリは、【地震関連】です。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


バヌアツのサイクロン災害に支援を(#953)

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バヌアツ共和国が、巨大サイクロン『パム』に直撃されて、大きな被害を受けました。

バヌアツはオーストラリアの東方約2000kmの太平洋上に位置し、83の島々に、約25万人が暮らしています。

現在被害の調査が進んでいますが、離島が多数あるために、その全貌は未だ把握されていません。3月18日現在の報道では死者11人となっているものの、今後調査が進むにつれて、さらに拡大することは確実です。

被災者の数は人口の半分以上になる13万人に達し、首都のポートビラでは80%以上の建物が壊滅したとの報道もあります。未曾有の巨大災害になっているのです。


【今こそ感謝をあらわそう】
バヌアツは観光と農業で成り立っており、日本からもダイビングツアーなどで年間600人ほどが訪れているそうです。このため、今回の被害が経済に与えるダメージは計り知れません。それ以前に、島々への救援が行き届くまでにも、長い時間と手間がかかります。

実は、東日本大震災の際、バヌアツの方々も赤十字を通じて募金活動をしてくださっています。今回の巨大災害に際し、せめてものお返しができればと思います。

文末に日本赤十字とyahooが共同で行っているネット募金及び、日本ユニセフ協会の自然災害緊急募金関連ページをリンクしますので、少しだけでも支援をお願いします。

なお、当ブログでは最も確実で手軽な募金方法として、赤十字+yahooのネット募金とユニセフを管理人独自の判断で選びました。他にも支援方法はいろいろありますが、中には怪しい呼びかけもあるようですから、確実に支援できる先を選んでください。


【他人事ではない事態】
バヌアツなどの南洋諸島は、サイクロン(インド洋や南太平洋における巨大低気圧の通称。日本の台風=タイフーンと同じ)によく襲われます。

しかし今回のサイクロン『パム』は、過去に例が無いほど強力なもので、未曾有の巨大災害を引き起こしました。その原因は明らかで、周辺海域の海水温が通常より2℃ほど高かったために、サイクロンが巨大化したものです。

低気圧は、海面から蒸発した水蒸気によって勢力を増しますので、海水温が高ければ蒸発量が増えて、より強力になるのです。海水温が高くなるのは、言うまでもなく地球高温化の影響です。(当ブログでは、地球「温暖化」ではなく「高温化」と表記しています)

海水の高温化は、もちろん日本近海でも起きています。例えば沖縄周辺の海水温は、2014年には30℃に達する過去最高レベルになっており、台風を確実に強力にしています。

当ブログでも何度も触れて来ましたが、この先日本を襲う台風もどんどん強力になって行くことは疑いなく、被害の発生も増えて行くでしょう。今回の被害は、決してはるか南洋の他人事では無いのです。


■日本赤十字・yahoo共同募金ページ(yahooウォレットへのカード登録及びログインが必要です)
http://donation.yahoo.co.jp/detail/1630015/

■日本ユニセフ協会 自然災害緊急募金ページ
http://www.unicef.or.jp/news/2015/0064.html


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2015年3月11日 (水)

ありがとう!(実は)90万PV(#952)

本日3月11日、当ブログの累計PV数が、90万PV超に到達しました。下画像は、PCに表示されるアクセスカウンターのスクリーンショットです。
80
なんだ80万じゃないかと突っ込まれそうですが、実は過去には携帯電話からのPVがシステム的理由でカウンターに反映されず、その未加算分が10万PV余りありますので、合計で90万PV超となります。なお、当ブログのスタートは、2012年1月12日です。

当記事は通算952本目ですから、1000号記事が早いか100万PV到達が早いかという感じになってきました。一応、両方を同日に達成するというのを狙ってみようかななどと考えていますが、きっと100万PVの方が先でしょう。


さらにもうひとつ、お知らせがあります。管理人は、youtubeではGainer0311のアカウントで動画を公開しておりますが、その中で最も多く閲覧していただいている動画、【石巻市大川小 悲劇の現場を検証する映像集】が、本日3月11日に1万再生を突破いたしました。
Ookawa

このように娯楽性が皆無の動画を、1万回以上も再生していただけたことに感謝します。この動画は管理人が石巻市の大川小学校跡を訪れ、そこで何が起きたか、何ができたかを検証する記事の一部として制作したものです。拙い編集ではありますが、悲劇の現場の状況をご理解いただけるかと思います。

大川小の悲劇からは、我々が災害対策を進める上での多くの教訓を得ることができます。極限状況での究極の判断を迫られたとき、大川小の悲劇から学べることが、必ず役に立つと信じます。記事と併せて、動画も是非ご覧ください。下記にリンクします。

■youtube動画【石巻市大川小 悲劇の現場を検証する映像集】
http://youtu.be/xHv6fV8kEvU
■関連記事
【大川小からの報告1】宮城・震災から1年8ヶ月【11】
【大川小からの報告2】宮城・震災から1年8ヶ月【12】
【大川小からの報告3】宮城・震災から1年8ヶ月【13】

このような節目が3月11日という日に訪れたことも、きっと何かの縁であると信じたいと思います。


震災から4年。被災地の復興は、物理的にも心理的にも、まだこれから長い時間がかかります。そして、巨大災害への我々の備えも、まだ道半ばということができるでしょう。

これからも被災地の復興に微力ながらお手伝いしつつ、必ずやってくる次の巨大災害で、少しでも被害と犠牲を少なくするために、このブログをお送りして行こうと思います。

今後とも、『生き残れ。Annex』を、よろしくお願いします。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

310/311 そして未来へ(#951)

昨日3月10日は、昭和20年の東京大空襲から70年目、そして今日3月11日は、東日本大震災から4年目です。

どちらにも共通することは、ごく普通の人々があまりにも
たくさん、あまりにも理不尽な形で命を落としたということです。

戦争でも自然災害でも、一旦起きてしまえば、多くの人々はその巨大な力に翻弄され、蹂躙されるしかありません。

だから我々が考え、行動しなければならないのは、どちらも「起きる前」なのです。

などと書くと、管理人は反戦主義者とか言われて政治的なレッテルも貼られてしまいそうですが、そういう意味合いは一切ありません。

ひとつの発言で規定されてしまうほど、人の思想は単純なものでもありません。

確かなことは、管理人は戦争も災害も、心の底から怖れているということです。自分でケンカしたり、転んだりしてケガをするならば、それはほぼ自分だけの問題です。しかし戦争や災害は、その巨大さこそが、底知れぬ恐怖の根源なのです。

戦争を起こさないようにするのも災害対策を進めるのも、突き詰めればひとつの理由に収束して行くのではないかと思います。

それは、誰も理不尽な死に方はしたくない、誰も死なせたくないという、根源的な祈りです。

どんな考えの人も、どんな立場の人も、死んでしまったら終わりなのですから。何があっても生き残り、生き延びなければなりません。

そのために何ができるかを考え、行動するのは、戦争も災害も起きていない、平和な時期です。

「起きてからでは遅い」のです。


一方、戦争や災害は生き残った人にも大きな傷を残し、復興のために大きな負担を強います。

そして今、「たった4年前」の巨大災害の傷に苦しみながら、そこから立ち直るために力を尽くしている人々がいます。

その人たちのために何ができるか、改めて考えたいと思います。

今更、「絆」なんて言わなくても良いのです。日々の生活の中で、それぞれの事情に合わせて、できることをする。例えば被災地の産物を選んで買い、機会があったら被災地を訪れ、10円でもいいから募金するなど。

それがたくさん集まれば、経済的にも精神的にも、被災地を応援する大きな力になります。


特に、これから社会の中心になって行く10代、20代の方々には、ぜひ一度被災地を見に行っていただければと思います。報道だけ見ているのでは、現実はほとんどわかりません。

現地へ行って、そこで何が起きたのか、どれくらいの規模で起きたのか、そこで何が求められているのか、そしてこれから何ができるのかを、肌で感じてください。言うまでもなく、被災地を訪れること自体が、支援にもなります。

そこではきっと、人が生を営むということの根元的な意味を問いかけられるでしょう。そしてその中で、それぞれの答えを出してください。

もっとも、これが正解というものなど存在しません。ただ、あの場所に立って感じ、考えていただければと思います。

その思いは、70年前に空襲の焼け野原に佇んでいた人々の思いに、きっと近いはずです。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年3月 9日 (月)

3/8青森沖地震についての補足(#950)

昨日3月8日の記事には、1500PV以上という凄い数のアクセスを頂戴しました。正直なところ、それほどの記事なのかなぁという感じだったのですが、検索ワードを見てわかりました。

どうやら、一部に3月8日に大地震が来るという噂というかデマが流れていたようで、3月8日の「警戒すべき地震」という内容が、たまたまヒットしてしまったようです。

【日付・時間入りはすべてデマ】
間もなく東日本大震災から4年。震災後だけでもこのようなデマがさんざん流され、そして当然、何も起きませんでした。一時ほどでは無くても、未だにこんなくだらないネタが騒ぎになるんですね。

現時点で、科学的方法によって地震の日付や時間を特定することは全く不可能です。何月何日に地震が来るとかいうネタは、すべてデマです。全く気にする必要はありません。

根拠の無いオカルトやエセ科学を信じたい方には何も申しませんが、当ブログをよくご覧いただく皆様には、そいうういう方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思っています。

【少し補足します】
そういう目で見られると、昨日の記事は少し説明不足だったかなという気もしますので、ちょっと補足させていただきます。

まず、3月8日に青森沖で発生した地震自体が、東日本大震災の影響で誘発されるかもしれない巨大地震の直接的な前兆である可能性は、それほど高くありません。

昨日の記事の主旨をまとめますと、以下のようになります。

■過去のプレート境界型巨大地震の後には、本震震源域に隣接するプレート境界部で、マグニチュード7~8クラスの地震が誘発されている例が多い(その理由は科学的に解明されています)

■東日本大震災の後には、それに該当する地震が起きていないので、今後発生する可能性が比較的高い。

■3月8日の青森沖地震は、危険とされる震源域で発生した震災と同じメカニズムの地震である。(巨大地震直前の前震は、必ず本震と同じメカニズムで起こる)

■今後同じ震源域(前記事に図示)でこのタイプの地震が増えたり続いたりしたら、それが誘発地震の前兆である可能性もあるので、推移を注視しつつ警戒する必要がある。

ということです。

さらに、誘発地震の可能性が高い震源域は、震災震源域の南側、千葉沖ー伊豆諸島付近にも存在し、特に千葉沖(現在地震が多発している地域のさらに沖)では、17世紀半ばにマグニチュード8級巨大地震が起きて、その後沈黙している場所があるので、今後そこの地震が誘発される可能性も考えられる、ということです。

さらに付け加えると、前記の北海道沖ー岩手沖震源域でも、過去に巨大地震が発生していた可能性があるが、時代的に被害の記録が残っていない。しかし海底や陸上の痕跡調査により、過去に巨大地震や大津波が起きていたらしい、ということもわかってきているのです。

【改めて、警戒すべき地震】
前記の通り、プレート境界型巨大地震の前震が観測される場合は、必ず本震と同じ、プレート境界型の中小規模の地震となります。

その特徴は、東日本の太平洋岸においては、以下の通り。

■陸地から50~150kmくらい離れた、プレート境界域の陸側、具体的には海溝の陸側で起きる。

■震源深さはプレートが接している部分の深さに近く、北海道から関東沖であれば、震源深さが20~30km程度となる。震源深さに関しては、南海トラフ地震でもほぼ同じくらいと考えて良い。

このような地震の発生が増えてきたら、その後に大きな本震が来る可能性を考え、自主的に地震・津波の警戒レベルを上げておくことをお勧めします。

仮に、地震学者が「この地震は前震かもしれない」と感じるような状況でも、それが公式に発表されることはありませんから。

なお、言わずもがなではありますが、前震が全く観測されないこともあります。しかし、少なくともプレート境界型巨大地震においては、内陸直下型地震よりは前震が観測される可能性が高いのです。

【その他のタイプの危険】
ここでは、最大でマグニチュード9クラスの可能性と、海底で発生することで大津波を発生させるプレート境界型地震について述べています。

しかし地震はそれだけではなく、もうひとつの大きな危険として、阪神・淡路大震災や新潟中越地震のような内陸直下型地震があります。

こちらが内陸で発生した場合は、津波の危険は無いものの、地震としての破壊力ははるかに大きくなる可能性が高いのです。

そして過去の例からもわかる通り、内陸直下型地震の場合は前震どころか前兆がほとんど観測されないことも多いのです。

一部に、長野県北部から岐阜県にかけての地域で内陸直下型地震のリスクが上がっているという研究報告もありますが、言うまでもなく、それは他の地域の安全性が高まるということでもありません。

つまるところ、『いつどこで起きてもおかしくない』としか言えないのが、日本列島の現実なのです。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年3月 8日 (日)

警戒しなければならない地震(#949)

3月8日午前8時16分頃、青森県東方沖の深さ30kmを震源とするマグニチュード4.2の地震が発生し、盛岡市で最大震度2を観測しました。

これ自体は大した地震ではありませんし、それほど珍しいタイプでもありません。しかし、今後このタイプの地震には、十分に警戒するべきでしょう。

【震災の誘発地震の可能性】
この地震自体が危険なのではありません。このタイプが危険なのです。この地震の震央は陸地から比較的陸地から遠く、震源深さは30kmということから、太平洋プレートと陸側の北アメリカプレートが接する部分の付近で発生したプレート境界型(海溝型)地震かと思われます。つまり、東日本大震災本震と同じメカニズムの可能性が高いのです。そして、起きた場所は震災震源域のすぐ北側に当たります。

過去、世界で起きたマグニチュード8台後半から9超の巨大地震の後には、本震震源域の隣に当たるプレート境界域で、マグニチュード7台後半から8超程度のプレート境界型地震が誘発されているケースが非常に多いのです。しかし東日本大震災後には、そのような地震は発生していません。

8日の青森沖地震は、まさに誘発地震が起きる可能性がある震源域で発生した震災本震と同タイプの地震でです。この震源域では、陸上に震度6弱以上の揺れをもたらし、3m以上の津波を発生させる地震が起きるかもしれない、過去の例に照らし合わせれば、起きる可能性はかなり高いということを忘れるわけには行きません。

今後、岩手県北部から北海道の太平洋沖周辺で同じタイプの地震が増えるような傾向が見られれば、より警戒を強める必要があるでしょう。プレート境界型地震は、浅い直下型地震に比べて前震などの兆候が見られる可能性が高いのです。しかし、それは巨大地震の前震かどうかは事前に判断できませんので、とりあえず回数が増える、震源が移動するような傾向が見られたら、大規模発震の前兆であるという前提で警戒する必要があります。

【北海道-岩手沖だけではない】
プレート境界型巨大地震で誘発される地震は、本震震源域の『隣』で発生しやすくなります。すなわち北隣だけでなく、南隣も危険性が高まっています。

東日本大震災後の地殻変動で誘発されやすい地震の震源域を図にしてみました。
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薄いオレンジ色で示したのが東日本大震災の震源域で、その南北の薄い赤で示した部分が、誘発地震の可能性がある震源域です。なお、この図は模式的なものであり、震源域を厳密に現しているものではありません。

特に千葉沖には、1677年に発生した延宝房総沖地震の震源域が存在し、それから350年以上も沈黙しているのです。延宝房総沖地震は、現代に残る痕跡の調査によってマグニチュード8以上と推定され、房総半島沿岸部は波高6~8mの津波に襲われたことがわかっています。

そのような巨大地震を実際に引き起こした震源域が存在し、それが350年以上も沈黙を保ってエネルギーを蓄積していて、そして東日本大震災の地殻変動によって大きな影響を受けているのは確実となれば、どれだけ危険度が高いかわかります。

さらに近年、伊豆諸島付近にも大規模な活断層が発見されています。伊豆諸島付近は、上図でもわかる通り太平洋プレート、北アメリカプレート、フィリピン海プレートの境界が集中するという、世界でも例の無い特殊な地域ですから、そこで何が起きるのかを、過去の例だけから予想することはできないと考えるべきでしょう。

なお、3月6日には伊豆大島沖で小規模地震が連続発生していますが、この震源は「ごく浅い」とされていますから、プレート境界型ではありません。むしろ火山性の可能性もあるもので、プレート境界型巨大地震の前震である可能性はほとんどありませんが、基本的に不安定な地域ですから、今後の動きを注視する必要はあるでしょう。

【多分起きるという前提で】
東日本大震災は、人類の観測史上5番目の規模という超巨大地震でした。そして、他の4回の後には、すべてマグニチュード8クラスの誘発地震が発生しているのです。それもほぼ1年程度の間に。

あれから4年が経ち、なぜ日本列島付近でそれが起きないのか、その理由はわかりません。でも過去の例から導かれる確率から考えれば、『起きて当然』なのです。

まず、震災後はそういう状況であるということをしっかり理解していただき、多分、いやいつか必ず、それも近いうちに起きるという前提で、行動のシミュレーションと備えを進めておなかければならないのです。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年3月 2日 (月)

これぞアオり記事というものを見つけました(#948)

当ブログでは、メディアの『アオり』というような表現を良く使うのですが、見事なまでに典型的なアオり記事を見つけました。その内容がこれまた「見事」なので、記事にさせていただきます。

【やはり出た連続地震絡み】
去る2月17日、東北沖で大きな地震が連続しました。朝方、まず三陸沖でマグニチュード6.9が発生し、津波注意報が発表されました。そして午後には岩手沖でマグニチュード5.7、最大震度5強が連続しました。

朝の地震が午後の地震のトリガーになった可能性はあるものの、連続発生した最大の理由は、気象庁の発表にもある通り「偶然」の可能性が最も高いものです。

しかし、小規模ながら津波と震度5強が同日に発生するという“おいしい”ネタに、やはり食いつきましたね。ここで採り上げる記事は、有名週刊誌『G』に掲載されていたものです。

【細かい印象操作も】
記事は3ページですが、見開きは半分近くが巨大見出しで埋められ、実質的には1ページ半程度の小記事です。
それでも表紙の一番上、つまりコンビニの棚で最初に目につく場所に記事見出しが入っています。やはりこういう記事、効果的に数字を稼ぐわけです。

タイトルは『これはこの国の宿命なのか?巨大地震がまた来るかもしれない』
サブタイトルは『311直前と似てきた』と。 まあ、巨大地震は疑問形にするまでもなく、この国の宿命ですけどね。

記事曰く、311直前にも連続地震があった。今回またあった。だからまたでかいのが来るかもという、付帯的条件を全部すっとばしたエセ科学的論法によるアオりです。

記事の一部を、要約の上引用させていただきます。

(以下引用)
『大地震が心配される理由は、2月17日に岩手沖で発生した2つの地震だ。(中略。以下2つの地震の詳細)

じつは、東日本大震災が起こる少し前にも、三陸沖で同じような地震が観測されている。

2011年3月9日、午前11時45分のことだった。M7.3、宮城県では震度5弱を観測した。(中略)気象庁の発表によると、2月17日の地震は「東日本大震災の余震と考えられる」というが、「余震だから心配ない」などと油断はできない』
(引用終了)

だそうです。なお、上記記事にはありませんが、後に震災本震の前震と考えられた地震は、3月8日にも震度4が起きています。前震が連続していたのです。何故かそれに触れないのは、日付が違うからか文字数の関係かw

ちなみに、気象庁は「余震だから心配ない」とは一言も言っておらず(何故か「」で囲んで気象庁発言のような印象ですね)、『・・・などと油断はできない』という文言は地の文、つまりこの週刊誌側の見解にすぎません。

【本当に311前に似ている?】
結論は明白。全く似ていません。東日本大震災の前震とされた地震は、震災本震震源の北側で発生した、プレート境界型(海溝型)地震でした。つまり、震災本震と同じメカニズムで発生した前兆地震です。震源域が大きく動く前に、イメージ的には「ミシミシ」と動き出したことによるものです。

それに対し2月17の地震ですが、まず津波を発生させた朝の地震は、太平洋プレートに押し込まれた陸側の北アメリカプレート表層部(震源深さ約13km)で起きた浅いスラブ内地震で、同日午後の地震は、同じく太平洋プレートに押し込まれた北アメリカプレート深部(震源深さ約50km)で起きたスラブ内地震です。

いずれも、東日本大震災後の地殻変動により、移動速度が上がった太平洋プレートの圧縮力によって発生したものであり、広い意味において震災の余震です。今回たまたま大きめに連続しただけで、震災後には何度も発生しているタイプの地震に過ぎません。

2つの地震とも震災の前震とは発生場所もメカニズムも全く別ものであり、さらにその2つも異なる場所とメカニズムというわけで、同日に連続したからと言ってプレート境界型(海溝型)地震と繋げる要素は全くありません。

【事実とアオりの見事なコラボ】
ところが、記事には『東日本大震災震源域のエネルギー蓄積量は、震災前レベルに戻っている可能性がある』とか『プレート境界型巨大地震震源域近隣で、M8クラスの余震が起こる可能性がある』というような学術的に裏付けのある情報を併記することで、すべて同列の信頼度があるような印象操作がなされています。

発言者として明記されている『○○教授』の発言と、根拠が無いアオりの見事なコラボです。地震のメカニズムなどわからない人には、実にもっともらしく見えてしまいます。

ついでに言えば、巨大地震震源域近隣で誘発地震が起きる可能性が高いという話は、この記事のテーマとは全く関係無い話なんですけどね。 他のM9クラス地震の後にはほとんど起きている現象であり、311前と似ているとかいう話ではありません。

【さらに追い打ちも】
加えて、311前には深海魚である「リュウグウノツカイ」が引き上げられたとか、昨年から日本海で「ダイオウイカ」の引き上げが増えたとか挙げた後に、生物学者の『電磁波の変化に敏感な魚介類が影響を受けている可能性がある』というコメントも。

「リュウグウノツカイ」は、震災前でなくても(記事には場所も時期も無し)結構上がってます。地震と絡めて報道された時だけが印象に残っているだけ。普段は地方ニュースの小ネタ程度にすぎません。

「ダイオウイカ」も、確かに捕獲は増えているものの、地殻内からの電磁波との関係を示す根拠は全く無し。それ以前に、海棲生物の分布変化は海流、海水温、塩分濃度の変化や補食行動の変化の影響の方がはるかに大きいという事実を無視して、いきなり地震だの電磁波だのというのはナンセンス。それ以前に地球高温化の影響を心配しろという話。

巨大地震の直前に魚介類など動物の異常行動が見られることがあるのは事実ですが、中長期的に地震と関連がありそうな異常を示すデータは皆無と言って良いでしょう。要は、いつもと違うからなんとなく不気味、というイメージのアオりに過ぎません。

記事の生物学者も、魚介類が地殻内からの電磁波の影響を受ける可能性はあると言っていますが、深海生物が上がるのがその影響だとは、一言も言っていないのです。

【ついに断言までした】
ここで、もう一度記事を引用させていただきます。

(以下引用)
『現在、日本列島に起きている様々な異変。これはまさに「311の直前と同じ状態にある」と言っていい。』
(引用終了)

と、「」つきで断言までしています。「○○教授」の見解の後ですから、まるでだれかの公式見解のような印象ですが、これも地の文、つまり週刊誌側の見解に過ぎません。じつにあざとい。誰かの発言、例えば前の発言者の言葉ならば「」の後に(同)などと表記するのが作法です。

【そして東京も巻き込む】
最後は、“巨大市場”である東京にも言及しています。

東日本大震災の誘発地震が千葉沖で発生する可能性が比較的高いという専門家の見解の後、そうなると東京も大被害を受ける、東京湾に5~6メートルの津波が来るかもという想定を挙げて、最も「お客様」の多い東京も他人事じゃないぞということで。

なお、震災の影響で誘発地震が起きる可能性があるのは、千葉沖だけでなく北海道の太平洋岸から岩手・青森沖も同じです。しかし千葉沖だけをピックアップするのも、“巨大市場”東京を意識したものでしょうね。東京を征する者は、商売を征すのですw

というわけで、典型的なアオり記事をネタにさせていただきました。ある意味で、見事な“プロの仕事”ではあります。

こんなのでも、「防災意識を高める」という美名を冠すれば、なんでもアリなのでしょうか。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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