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2015年3月26日 (木)

アルプスで旅客機が不可解な墜落(#957)

German
上画像は事故機と同型のジャーマンウイングス航空A320型機


一体、最近の空では何が起きているのでしょうか。


【またもや不可解な事故】
3月24日、ドイツのジャーマンウイングス航空のエアバスA320型機が、フランスのアルプス山中に墜落しました。それも、またもや全く不可解な状況で。

事故機は高度1万1600mの巡航高度まで上昇した直後、8分間で9000mという異常な降下をして、そのまま山腹に激突したようです。本来、高度や針路の変更時には必ず管制の許可を受けなければなりませんが、事故発生まで一切の無線交信も非常信号の発信もなく、針路を一定に保ったまま山に突っ込んでしまいました。

中でも最も不可解なのが、急降下中にも降下率と速度がほぼ一定に保たれ、安定した降下をしている点です。まるでパイロットが意図的に行ったような、制御された降下だったのです。

2名のパイロットが正常な状態ならば、一切の無線交信も無いままにこのような降下をする理由は、全く考えられません。機体の飛行制御システムの異常という可能性が浮かび上がってきてはいますが、合理的な説明はまだありません。

この事故については、事故原因の解析を待って、また記事にしたいと思います。


【空で何が起きているのか】
2014年3月、マレーシア航空370便が、一切の交信も無いままに針路を大きく外れ、はるか洋上で消息を経ちました。

2014年12月には、インドネシアのエアアジア8501便が、積乱雲を避けるために上昇のリクエストをした後、その後何の交信も無いままに、洋上に墜落しました。

両事故の原因は、未だ特定されていません。そして両事故とも、過去の航空事故と照合しても専門家の解析によっても、合理的な説明が全くできないのです。

そしてまた、同じようにミステリアスな事故が起きてしまいました。専門家がお手上げの事故を素人があれこれ詮索することはしませんが、過去に例の無い事故が連続しているということを、偶然と切り捨てることはできません。そこには,
なんらかの理由が存在するはずです。


【専門家もいろいろ】
こういう事故があると、メディアには専門家が登場してコメントします。大抵は元パイロットなど十分な知識と経験を持つ方々で、そこらの『自称・防災の専門家』などとは比べ物にならないレベルではあります。

それでも、ろくでもないコメントもあるという一例を挙げましょう。3月25日のNHKニュースに出演していたのは、元日本航空のパイロット氏でした。元パイロットという肩書きならばまだしも、一応航空の専門家という肩書きでの出演です。

氏は、機体に穴があくなどして発生する機内の急減圧(rapid decompression)時に行う緊急降下(emergency desent)よりは、事故機の降下率が低いという理由だけで、急減圧は起きていないと断言しました。

パイロットや機体のシステムが正常だったか、全くわからない段階で断言できることでは無いはずですが。今言えることは、急減圧による通常の緊急降下とは違う、ということだけです。

高度を変更する際に管制へのリクエストが無かったことについては、パイロットは針路・高度の変更時には必ず管制の許可を受ける義務があると言う原則論を言い、交信が無かったのだからパイロットが意図した飛行ではない、つまりメカニカルトラブルもしくは外部的要素による事故と決め付けるようなニュアンスでした。

ならば一切の交信も無く針路を外れた、つい一年前に起きたマレーシア航空370便の事実はどう説明するのか。

キャスターの「機体のハイテクシステムにパイロットが対応できなかった可能性は?」という質問に対しては、パイロットは十分な訓練を受けているので、その可能性は無いと。

ならば、1994年に名古屋空港で発生した中華航空140便事故はどう説明するのか。あの事故は、機体が着陸復行(go around)モードに入って自動上昇しようとしている時に手動で降下を強行し、さらに着陸復行モードも解除できなかった(レバーひとつ引くだけなのに)ために、機体が急上昇して失速、墜落したのです。その機体は、エアバスの第一世代ハイテク機とも言える、A300-600R型でした。

さらに、今年の2月にも、台湾のトランスアジア航空のパイロットが、トラブルを起こしたエンジンではなく、正常なエンジンの出力を下げるという、考えられないミスによって墜落しました。

どちらも『訓練されたパイロット』によるヒューマンエラーなのです。人もメカも、想定通りに動いていれば事故は起きません。そこに何らかの破綻が生じるからこそ、事故となるのです。元パイロット氏のような原則論は、『地震に注意しましょう』と同レベルの、役に立たない情報に過ぎません。


【知っていること、知らないこと】
“専門家”がなぜそんな発言をしたのか、大体の理由はわかります。専門家と言っても、なんでも知っているわけでもなし。氏は『航空の専門家』としての第三者的な視点ではなく、あくまで『元パイロット』でした。

航空事故が起こると、メディアや関係者はまずパイロットのミスを疑います。機械は大抵正しい、しかし人間はミスをするという前提です。さらに心情的にも、機械より人間のせいにして断罪したいという意識が働くからです。

そのために、事故機のパイロットや関係者がいかに理不尽な扱いをされるかは、航空評論家としても著名な柳田邦男氏の著作などに記されています。

しかし、残念ながらヒューマンエラーが起きているのも事実です。“専門家”ならば、情報の蓄積に裏付けられた公平な評価をしなければなりません。でも、氏の発言には現段階でパイロットのせいにはできない、パイロットは並の人間じゃないんだという、パイロットを擁護する心情やプライドが先走っているように見えました。

それからもうひとつ。

氏は元日本航空のパイロットです。日本航空には、エアバス社製の機体はありません(かつては旧JAS機が存在したが、現在は全機退役)当然、事故機であるA320型機のような、エアバス社式デジタルフライバイワイヤ(コンピュータを介した電気信号による操縦装置)を採用した機体は無いのです。

つまり事故機と同様のハイテクシステムを持つ機体の操縦経験は無いので、機体システムについては決して最良の“専門家”ではなく、トラブルや対処方法については、詳しいコメントはできなかったはずです。早い話が、事故機のことは基本的なこと以外良くわからなかったはずです。

このため、勢いパイロットを擁護するような、心情的で原則的な発言に終始したものと思われます。

ついでに付け加えておくと、大事故になるほどメディアが“専門家”のコメントを取りたがるので、人気のある専門家は引っ張りだこです。しかし契約などの関係もあって、必ずしも人気のある人のコメントを取れるわけでもありません。でも絶対に必要なネタなので、「どうなの?」というレベルの人にマイクが向くこともあるわけです。

地震のコメントなどで、あまり聞いたことのない大学の、大して実績も無いような教授のコメントが散見されるのと同じようなことですね。しかも大抵、そういうのは内容が過激ww


【ツッコみどころ満載】
管理人は航空機ヲタで、しかも航空機事故関係に拘りを持つので、テレビを見ながらツッコみまくりでした。これは専門家というレベルじゃない、あくまで操縦経験が豊富な人に過ぎないと。

それでも、管理人のような変態ヲタでなければ、“専門家”の発言として、正しいものとして聞いてしまいますよね。

当ブログでは、いつも『自称・防災の専門家』のろくでもない発言にツッコんでいますが、それと同じことです。専門家を名乗るには、責任が伴うのです。

もっとも、航空の専門家が話す事故原因が間違っていても、我々の生命にはあまり関わりません。でも、防災の専門家の話が間違っていたら、我々の生命財産を失うことに直結してしまうのです。


【一体何が?】
と、ここまで書いたところで、衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。

コクピットボイスレコーダの解析によると、2人いるパイロットの一人がコクピットから閉め出されて、最後はひとりだけで操縦していたらしいと。

一体、空で何が起きているのでしょうか。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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コメント

専門家()といえば、先日YouTubeを徘徊していたところ、何の関連か分かりませんが武田邦彦が火山について述べてました。何の気なしにクリックしてみると、彼はホントいろんなこと言ってますね~。ヒステリックに煽るのがマスコミ的にウケるのでしょうかね?

最後の「パイロットが締め出された」というのはどういう展開なんでしょうか?操縦してたパイロットに追い出されたのか、それともハイジャック犯的な何者かに追い出されたのか。原因が分からないままの大事故ってのは気味が悪いですね・・・。

>tntさん

あの御仁は、注目集めたのを良いことに専門外のことまで言いたい放題ですよ。でも、それは震災前からなんですね。何故かあの人の本を持っているのですが、地球温暖化関係ですからね。まあ、過激な言辞でメディア受けするのは確かですが、言っていることがあまりにも無茶苦茶なので、まともなメディアはもう相手にしないでしょう。ただ、かなり「信者」がいますから、ちょっと使うと数字にはなるんですよね。

震災後など、ブログでウソばかり流して、ネット上で間違いを指摘されるとこっそり書き直したり記事削除したりして、まあ人間性の問題なんでしょうな。全く科学者ではないですよ。

事故については、その後の報道によると機長が閉め出されて、副操縦士が操縦していたそうです。フライト中はパイロットも客室のトイレを使いますから、巡航高度まで上昇して自動操縦に切り替えた段階で、機長はおそらくトイレに立ったのでしょう。

現在、コクピットのドアはハイジャック対策のためにオートロックされて外からは開かず、ハンパな道具では開けられなくなっているのです。鍵は拳銃弾にも耐えるそうで。
閉め出されたら、打つ手は無いのです。

酷い話ですが、これは「自殺飛行」の可能性が非常に高くなってきました。少なくとも、現時点での情報はすべてそれを裏付ける方向になっています。

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