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2015年4月26日 (日)

【ヲタ目線地震教室06】押し込まれると逆断層(#976)

今回は逆断層についてです。


【逆断層には2つのパターン】
逆断層とは、正断層とは逆に、水平方向に圧縮力がかかった岩盤の境目やヒビに沿って、一方が他方へ乗り上げるようにズレる断層です。

逆断層には、大きく分けて2つのパターンがあります。

まずひとつは、圧縮力がかかった岩盤ならばどこにでも存在する可能性がある、一般的とも言えるタイプです。
1
上図のように、圧縮力によって一方が他方に乗り上げるようにせり上がります。この模式図は地表面で起きているようなイメージですが、その多くは地下で発生するものです。


逆断層型地震の典型は、東日本大震災後に多発するようになったスラブ内地震です。

スラブとは岩盤のことで、この場合はプレート境界面や地表面に近い断層ではなく、岩盤内の比較的深い場所(深さ40~90km程度)で起きる地震を指しています。

スラブ内地震は、海洋プレートが大陸プレート下に潜り込む圧縮力によって、地下の岩盤が圧縮されて逆断層を形成することで発生します。(下図の3)
Photo
東日本大震災ではプレート境界面が大きく破壊されたため、“つっかえ棒”を失った太平洋プレートの動きが速まりました。そのため地下により大きな圧縮力がかかることで、多発するようになっています。

宮城県から福島県の沿岸部で、震源深さ40~70kmで発生している地震のほとんどが、逆断層型のスラブ内地震であると考えて良いでしょう。

この地震は、プレート境界型地震ほど巨大化することはありませんが、時々地上の揺れが震度5弱程度、まれに5強程度になる規模で発生しています。

その他の地震でも、日本列島の内陸部や沿岸部の海底で起きる震源深さ20~90km程度の地震の多くは、逆断層型と考えて良いでしょう。


【日本付近のプレート境界も逆断層】
もうひとつの逆断層は、圧縮力がかかっている地殻プレート境界域です。下図のような断層(構造線)も、一方が他方に乗り上げるようにズレるので逆断層の一種です。
Photo_2
上図では、右側の海洋プレートが、左側の大陸プレートの下に潜り込んでいます。日本列島の太平洋岸にあるプレート境界(構造線)も、このような構造です。

そんな場所では大陸プレートの先端部が海洋プレートと一緒に引きずり込まれて行き、強い圧縮力によって曲げられて、ひずみエネルギーが溜まって行きます。

そして、大陸プレート岩盤が変形できる限界(弾性限界)を超えると、大陸プレートの先端部が跳ね上がるようにズレて(上図の点線)プレート境界型の大規模地震を引き起こすわけです。

東日本大震災では、大陸プレート(北アメリカプレート)の先端が跳ね上がって海側に動いた距離が最大で20~30mに達したらしく、それが巨大地震と巨大津波を引き起こしました。陸上でも、宮城県の金華山付近では約5mも海側に動いたのです。

逆断層の話がプレート境界域の話になりつつありますがw、このまま行きます。ヲタ目線ですから。


【プレート岩盤どうしが強く貼りついている】
岩盤の弾性限界に加えて、大陸プレートが跳ね上がる限界を決めるもうひとつの要素は、ふたつのプレートが貼り付いている力の強さです。

ふたつのプレート境界面は、普通は強い力で貼り付いていて、その部分は固着域(アスペリティ)と呼ばれます。固着域の貼り付きが強いほど、大陸プレート先端部は大きく曲げられて行きます。

蓄積されるひずみエネルギーも大きくなり、固着域が大きくはがれて跳ね上がった時には、より大きなエネルギーが解放される、すなわち大規模地震となります。

東日本大震災では、地下深くから上昇して固着域に浸透した水によって固着域が滑りやすくなったことが、巨大地震を誘発した理由のひとつだという説もあります。


【スロースリップの功罪】
一方で、固着域(アスペリティ)の貼り付きが弱い部分では、スロースリップ(ゆっくり滑り)という現象が起きることがあります。

これは、プレート境界面の固着域が一気にはがれるのではなく、ゆっくりはがれてズルズルと滑る現象です。このため、『ずるずる滑り』と呼ばれることもあります。

この場合は、大陸プレートにあまり大きなひずみエネルギーが溜まらないうちに滑り出してエネルギーを解放するので、その場所で巨大地震が起きる可能性が小さくなります。

しかし、良いことばかりではありません。ゆっくり滑りが起きた場所の近くに強い固着域があったら、大陸プレート岩盤の動きにムラが出て横方向(プレート境界線と平行)の引っ張りや曲げ応力が加わることになり、別の断層の動きを誘発する可能性が高まります。


【千葉沖を危険視する専門家も】
2014年1月初旬には、房総半島沖でスロースリップが観測されています。その動きも含めた総合的な判断によって、房総半島沖付近でマグニチュード6.5程度の地震が「1年程度」の間に起きる可能性があるという、専門家の指摘がありました。

それから1年と3ヶ月ほど経ちましたが、まだ起きていませんね。でもこの先起きないということでも、その見解が間違いだったということでもありません。あくまで、可能性は存在するのです。


次回は、横ずれ断層です。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


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