2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

« 【詳細追記あり】埼玉県北部地震で震度5弱を観測(#992) | トップページ | 【緊急情報】口永良部島が大規模噴火(#994) »

2015年5月28日 (木)

【ヲタ目線地震教室08】震度が通用するのは日本だけ?(#993)

Shindo
気象庁震度階級の概要(気象庁ウェブサイトから転載させていただきました)
細かすぎてご覧になれない場合や、さらに詳細な内容をご覧になりたい場合はこちらをどうぞ
気象庁震度階級関連解説表


さて、地震の話と切っても切れないのが、震度とマグニチュードという単位です。これも、詰めて行くとモーメントマグニチュードだの気象庁マグニチュードだのいろいろ出てくるのですが、管理人は専門家じゃありませんので、あくまでヲタ目線で行きます。


【震度とマグニチュードは別物です】
まずは震度について。当ブログ読者の方には混同している方はあまりいらっしゃらないと思いますが、震度とマグニチュードは全く別物です。

でも、マグニチュード4~5くらいの地震で震度4とか5弱とか、なんとなく数値が近くなることが結構あったりするものですから、なんか良くわからんという方もあるかと思います。

その辺りを、ヲタ目線で見ていきましょう。


【震度とはなんだろう】
まず大前提として、我々が言う震度という単位が通用するのは我が国だけです。これは正しくは気象庁震度階級と呼ばれ、気象庁が制定した地震の揺れの大きさを表す日本独自の基準です。

震度とは地震計に記録された揺れの大きさや被害などの状況による基準であり、地震で放出されたエネルギー量を表すマグニチュードと違って絶対的な数値ではありませんから、例えば気象庁が震度4と発表しても、あれは5弱行ってたろなんてことも、その逆もあり得ます。

揺れ方は地震のタイプや震源からの距離によっても変わりますし、地盤の状態によっても変わります。あくまで気象庁など(他に地方公共団体、防災科学技術研究所)が設置した地震計がある場所で計測された揺れの大きさから算出した数値というわけです。

揺れの大きさは建物の構造や状態によっても変わりますが、震度はあくまでも地面の揺れの大きさを表すものです。

2014年11月の長野県神城断層地震では、震度5強と発表された白馬村の建物被害が、この地震の最大震度6弱と発表された地域よりはるかに大きくなりました。

これは白馬村で震度計が設置されていた場所の揺れと、同じ白馬村内でも断層直上付近の揺れの大きさが大きく違っていたためです。被害状況からは、断層直上付近に当たる白馬村神城の震度は6強以上に達していたと思われます。

また、2013年2月に箱根町のごく狭い範囲で起きた震度5強クラスの火山性地震が、震源から約8km離れた気象庁の震度計では有感地震として計測されなかったために、地震が起きたことも記録されていない、などということも起こります。


【震度は被害程度の基準でもない】
一方、同じ震度でも、それだけでは被害の大きさを計ることもできません。

阪神・淡路大震災と東日本大震災では、発表された最大震度は同じ震度7でした。しかし阪神・淡路大震災では10万棟以上の建物が倒壊し、ビルの倒壊や大規模な損傷が多発したのに対して、東日本大震災では、揺れによる建物被害は比べものにならないくらい少なかったのです。

気象庁震度階級は、気象庁が設置した地震計に記録された加速度と周波数(揺れの周期)などの数値から、自動的に算出された計測震度です。しかし、それだけでは建造物や地物に対する破壊力の大きさは計れません。特に、揺れの周期によって破壊力は大きく変わるのです。

余談ながら、阪神・淡路大震災では当初発表された震度は6でした(当時は0~7の8段階区分)。しかし被害の状況から明らかに震度7に達していると判断されて、後に訂正されました。この時が気象庁震度制定後初となる震度7で、東日本大震災は2回目です。

ちなみに、旧い8段階時代の震度7(激震)の基準のひとつとして、「30%以上の建物が倒壊する」というものがありました。これは耐震性が低い木造家屋中心の市街を想定した、昔からの基準です。その基準からしても、神戸市の一部はどう見ても震度7だったわけです。

どうでも良い私事ですが、旧震度基準時代に震度の感覚が身についてしまった管理人は、現在の10段階震度には未だに違和感を感じています。

昔の基準では、震度4で「座りの悪い花瓶などが倒れる」、震度5になると「壁にヒビが入る」とかでしたから。そこで言う壁とは、主に旧い木造家屋の土壁などを想定したものなんですけどね。

現在の10段階震度では、昔の震度4が震度5弱、震度5が震度5強から6弱という感じでしょうか。現実的に、震度5弱ではほとんど被害らしい被害は発生していません。

なお、2015年5月現在の10段階震度は阪神・淡路大震災の翌年、1996年4月に運用が開始され、2009年3月に改訂されたものです。


【さらにどうでもよい余談】
非常にバカバカしい余談ですが、東日本大震災で震度7を観測した宮城県栗原市や、その他6強の地域でも建物被害が神戸に比べて非常に少なかったために、一部の良くわからない方々が
『政府は震度を過大に発表している』 とか主張していたりもしますね。

そうなったのは言うまでもなく、浅い断層が動いた内陸直下型地震だった阪神・淡路大震災と、200km以上離れた海底が震源のプレート境界型地震だった東日本大震災の揺れ方の違い、主に震動周期の違いによるものです。

地震は、一般に震源からの距離が遠くなるほど到達する揺れの周期が長くなる性質があり、それで建物への直接的な破壊力が小さくなったという、当たり前のことが起きただけの話。

しかし、そんな主張の先には米国と結託した陰謀だの人工地震だのというお話が出てくるわけです。でも、いくらヲタ目線でもそっちに絡んだりはいたしません。否定するのもエネルギーの無駄遣いですから。

ゆめゆめ、そんなものを真に受けたりされませんように。


【今回のポイント】
やたらと余談が多かったので、今回はポイントをまとめましょう。

■震度とマグニチュードは全く別のもの。震度は気象庁が制定した揺れの大きさを表す日本独自の基準である。

■現在の震度は、気象庁が設置した地震計で計測された揺れの加速度と周波数(揺れの周期)から自動的に算出される計測震度である。

■同じ震度でも地震のタイプや地盤の条件などにより、建物や地物に対する影響は大きく異なる。

■狭い範囲でも、特に直下型地震の場合は場所によって震度が大きく異なることもある。発表されるのは、あくまで気象庁などが設置した地震計がある場所で計測された震度である。

■かつては0~7の8段階だったが、現在は震度5と6が強弱の2段階に分けられた10段階である。なお、震度0とは地震計では計測されるが人間には揺れが体感できない規模の『無感地震』のこと。震度1以上は『有感地震』である。


【次回はマグニチュードです】
というわけで、次回はマグニチュードをヲタ目線で見てみたいと思います。

これがまた実にわかりづらいというか掴みづらい話で、管理人も良く理解しているかと言われれば決してそうじゃないのですけど、がんばってみますw


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


« 【詳細追記あり】埼玉県北部地震で震度5弱を観測(#992) | トップページ | 【緊急情報】口永良部島が大規模噴火(#994) »

地震関連」カテゴリの記事

コメント

タイムリーなことに昨日息子に震度とマグニチュードの意味について聞かれました。震度は「揺れ方の強さ」、マグニチュードは「揺らす力の強さ」ということで、

「家の壁を全力で押しても中の人は何も感じないけど、同じ力で椅子を押したらその上に立ってる人は吹っ飛ぶでしょ?押す力の強さがマグニチュード、揺らされる強さがマグニチュード」

と答えましたが合ってるでしょうか?

>tntさん

私も専門家では無いのでアレですが、私の認識としてはその通りでよろしいかと。

マグニチュードは家や椅子を揺らす腕力、そして椅子の揺れの大きさが震度ということで。

次回、マグニチュードの記事では、エネルギーの大きさを爆薬の爆発に例えていますが、要は同じことですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543100/61659161

この記事へのトラックバック一覧です: 【ヲタ目線地震教室08】震度が通用するのは日本だけ?(#993):

« 【詳細追記あり】埼玉県北部地震で震度5弱を観測(#992) | トップページ | 【緊急情報】口永良部島が大規模噴火(#994) »