ニューギニア付近でM7.1の地震(#978)
日本時間の5月1日午後5時6分頃、ニューギニアのグレートブリテン島付近を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。
この地震により津波が発生する可能性がありましたが、幸いに発生はしていないようです。
【ニューギニア付近も地震の巣】
ニューギニア付近は、北側の太平洋プレートに対して南側からオーストラリアプレートが圧縮しており、両プレートは境界面で押し合うか、もしくはオーストラリアプレートが太平洋プレートの下に潜り込む形になっています。このため、世界有数の“地震の巣”となっており、過去にも大規模地震が数多く発生しています。
2004年12月にスマトラ島沖で発生して巨大津波を引き起こしたマグニチュード9.1の巨大地震は、オーストラリアプレートがユーラシアプレートを北向きに圧縮している場所で発生しましたので、ニューギニア付近の地震とはメカニズムが異なります。
周辺の地殻プレートの位置関係と移動方向と、東日本大震災、スマトラ沖地震と4月25日のネパール地震の震央も含めて図にまとめました。
これらの地震は、基本的には地殻プレートの境界域で発生しているプレート境界型地震です。
【やはり活動期か】
世界各地の地殻プレート境界を中心に、このところ大規模地震が頻発する傾向が見られています。その理由は不明ながら、全地球的規模で地震の活動期に入っているという説があります。
20世紀において、マグニチュード9以上のプレート境界型地震は4回発生していますが、その全てが1952年から1964年の12年間に集中しています。100年のうちの12年間ですから偶然とは考えられず、その期間が前回の活動期と言われています。
そして20世紀最後のM9クラス、1964年のアラスカ地震から40年間の比較的平穏な時期を経て、2004年にスマトラ沖でマグニチュード9.1が発生、それから7年後の2011年にマグニチュード9.0の東日本大震災が発生しました。
その後マグニチュード9クラスは発生していないものの、マグニチュード7~8クラスは明らかに多発しています。このことから、2004年のスマトラ沖地震を期に、地震の活動期に入ったという説が唱えられています。
この説が正しいかどうかはともかく、大規模地震が頻発していることは事実です。それが日本列島付近で起きないとは、誰にも言えません。
日本列島付近の地殻プレート境界域は、東日本大震災や想定される南海トラフ地震の例を挙げるまでもなく、間違いなく“地震の巣”なのです。
なお全く余談ながら、今回の震源にごく近いニューブリテン島は、太平洋戦争時に旧日本海軍の拠点のひとつだった、ラバウル基地があった島です。
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