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2015年5月 5日 (火)

箱根山の活動が活発化(#980)

箱根山の火山活動が、若干活発化しているようです。


【5月3日時点より活発化】
本日5月5日の午後3時までに火山性地震が98回発生し、午前6時台には震度1の有感地震が2回(M2.2と2.6)発生しています。今後、マグニチュード2以上、震度1以上の有感地震が増加した場合、箱根山の噴火警戒レベルが現時点のレベル1(平常)から、より高度に変更される可能性があります。

気象庁の発表では、箱根山で有感地震を観測したのは2011年3月、すなわち東日本大震災直後以来だとしていますが、実際には前記事の通り、2013年2月10日に震度5強程度の強い地震が大涌谷周辺のごく狭い範囲で発生しています。

この地震は非常に局地的であり、大涌谷から約8km離れた箱根町役場に設置された気象庁の震度計では、震度1以上の有感地震を観測していません。このため、地震としては『無かったこと』にされているのです。しかし現地は確かに強い揺れに襲われ、箱根山ロープウェーが停止したり、一部の建物に被害が出たりしたことは事実です。

公式記録に残されていないからと言って、あれだけ大きな地震を『無かったこと』にしてしまう気象庁も、それを平然と報道してしまうメディアにも大きな不信感を感じざるを得ません。過去のことはともかく、同様のことがまた起こる可能性は十分にあるのです。

いずれにしろ、今後の推移をより注意深く監視する必要があります。


【箱根山が噴いたら何が起こるか】
今回箱根山で見られている兆候が、現時点では大規模な噴火に結びつきそうだという訳ではありませんが、もし仮にある程度の規模で噴火したとしたら、地理的条件などから何が起こるかを考えてみます。


箱根山周辺は、我が国有数の観光地です。そして、箱根山の北側山麓に東名高速道路が、東側山麓と海の間の狭い範囲に、東海道新幹線、東海道本線、国道1号線が集まっていて、東西日本を繋ぐ交通のチョークポイントとも言うことができます。

箱根山は、東京都心から西南西方向約76kmに位置します。そしてこれから夏に向けて、南寄りの風が多くなる季節です。

非常に大雑把ですが、箱根山周辺の状況は以上のようになっています。


まず、言うまでも無く観光業へのダメージは甚大です。しかし、それは当ブログのテーマではありませんので、ここでは触れません。

次に、交通への影響が考えられます。仮に、多量の噴煙が上がるような規模の噴火となった場合、噴煙が北側に流れれば東名高速道路に、南側に流れれば東海道新幹線、東海道本線、国道1号線に火山灰が降り、通行や運行を支障する可能性があります。

そうなると東西日本の物流が影響を受け、しばらくは経済的混乱があるかもしれません。特にこれからの季節は南寄りの風が増えるため、北側を通る東名高速道路が降灰の影響を受ける可能性が高くなります。

噴煙がさらに大量に上がれば、これからの季節の南寄りの風に乗って、火山灰が関東地方にまで到達することもあるでしょう。東京都心から南関東、北関東の一部くらいの範囲で、ある程度の降灰は予想できます。

しかし、関東地方では交通や生活を大きく支障するレベルにはならないでしょうから(そうなったら大噴火です)、主に健康面への対策を考えておくと良いでしょう。

 
【火山災害対策の基本とは】
ここで、箱根山に限らない火山災害対策の基本を考えておきましょう。

溶岩流や火砕流などの直接的被害を受ける範囲以外では、火山灰対策が主眼となります。火山灰は灰と呼ばれているものの、その実体は『マグマの粉』です。

主成分はマグマが急冷されて固まったガラス質で、顕微鏡で見ると表面はギザギザになっています。下画像は顕微鏡画像の一例です。
Volcano_ash
このような性状のため、目に入ると角膜を傷つけたり炎症を起こしたりします。また、呼気と共に吸い込んでしまうと、気管支炎などの呼吸器障害を引き起こします。

コンピューターなどの電子機器に吸い込まれると、静電気で内部に付着して誤作動を起こします。

このようなことから、一般的な対策の主眼は吸い込まない、目に入れない、家に入れないということになります。

そこで、まず用意しておくべきは呼吸器を守るマスクです。しかし一般のマスクでは粉塵の濾過能力はあまり高くなく、周りに隙間もできやすいので、下画像のような粉塵用のマスクがお薦めです。
Photo
とりあえず、画像いちばん左の紙繊維製カップ型マスクならば安価で機能的にも十分ですし、濡れなければはたいて繰り返し使うこともできます。


次に、目を守ること。火山灰が降っていたり舞い上がっている環境では、コンタクトレンズの使用は厳禁です。コンタクトレンズ使用中に火山灰が目に入ると激しい痛みや炎症を引き起こしますし、角膜も傷つきます。かならずメガネを使用してください。

さらにそのような環境では、目を守るグッズも欲しくなります。目の周りを覆うようなスポーツサングラスでも、火山灰が直接目に入らないようにする効果がかなり見込めますし、スキー・スノボ用ゴーグルならば、さらに高い効果があります。
Survive_019

水泳用ゴーグルも、代用品としてとても優秀です。代用品とはいえ、密閉性ではこれを超えるものはありません。ビジュアル的に気にならなければwお薦めです。度入りレンズもありますので、目が悪い人でもある程度対応できます。
Gogle

もちろん工場作業用などの防塵ゴーグルも良いのですが、見かけや通気性、曇り止め性能などを考えると、スポーツ用などを流用する方が現実的ではないかと思います。

曇り止めと言えば、小型電動ファンで強制通気させて曇りを止めるゴーグルもありますが、これは粉塵などを積極的に吸い込んでしまいますから、火山灰対策としては不可です。


火山灰は、家の中にも入って来ます。そして前記のようにコンピューターや他の電子機器を故障させる以前に、とにかく不快です。降っている最中や積もった灰が舞い上がるような状況では、家の中への侵入をできるだけ防がなければなりません。

そのために大活躍するのが、養生テープ。
Annex_021
ガムテープでは粘着力が強すぎ、キレイに剥がせないこともあります。他にガムテープの上に重ねて貼れない、塗れた場所には貼りつかないという問題もありますが、養生テープならばすべて問題ありません。

養生テープで家のドアや窓周り、換気扇の開口部、通気口などを目止めすることで、隙間からの火山灰の侵入を防ぎます。

火山灰が積もったり付着するのを避けたい場所や物を覆ったり、ドアの開閉に伴う家の中への火山灰の侵入を防ぐためなどには、ブルーシートがあると便利です。
Annex_001


【火山灰対策専用品はない】
ここで挙げたグッズは火山灰対策として有効なものですが、何も火山灰専用ではありません。当ブログ読者の方ならご存知かと思いますが、すべて過去記事で登場しているものばかりです。

ゴーグルは災害後の粉塵対策、マスクは同じく粉塵と放射線環境対策、養生テープとブルーシートは汎用性が非常に高いので災害対策グッズの基本でもありますが、当ブログでは過去に放射線環境対策用として紹介しています。火山灰でも放射性塵でも、家の中への侵入を防ぐためにやることは一緒です

■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。


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