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2015年5月 6日 (水)

ネパール地震の地殻変動が明らかに~管理人の想像通り~(#981)

4月30日、国土地理院から地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)による、4月25日に発生したネパール地震震源域の調査結果が発表されました。発表された内容は、「だいち2号」に搭載されたLバンド合成開口レーダーPALSAR-2を使用した調査による地殻変動の詳細です。

なお、当記事に掲載の図及び引用テキストは、すべて国土地理院ウェブサイトの記事『2015年4月25日ネパールの地震に伴う地殻変動』から引用・転載させていただきました。


【管理人の予想】
管理人は、4月28日アップの【支援先リンクつき】ネパール地震は巨大被害に(#977)記事内で、この地震のタイプを下記のように考え、記しました。

かなり広い範囲の断層が連鎖的に破壊されたと思われ、そのため強い揺れの持続時間がかなり長かった。 現時点では想像だが、当初の震源から東方向、カトマンズやエベレスト方面に向かって断層の破壊が進んだ可能性がある。

管理人がそのように考えた理由は、下記の通りです。

■揺れている最中のカトマンズ市内の映像からは、震動周期1秒程度の非常に強く速い揺れが見られ、阪神・淡路大震災のような直下型地震の揺れに近いと判断した。つまり、カトマンズに強い揺れをもたらした震源は、カトマンズ北西方約80kmの本震震源よりも、かなりカトマンズに近い場所だと考えた。

■当初の震源から東方へ200km以上離れたエベレスト山中で大規模な岩屑崩落が複数発生しているが、これは山体に大きな破壊力をもたらす強い極短周期~短周期地震動が発生していたためと考えられる。しかしカトマンズ北西方約80kmの本震震源付近の地震ならば、そのような揺れがエベレスト付近まで到達するとは思えない。地震は、一般に震源からの距離が離れるほど、震動周期が長くなる傾向がある。

■揺れている時間がかなり長かったという各地の証言から、かなり広い範囲に渡って連鎖的な断層破壊が発生したと思われた。

以上の要素から、管理人は本震震源から東方、カトマンズやエベレスト方面へ断層破壊が連鎖したと考えました。カトマンズで強い短周期地震動が発生していること、本震震源から遠いエベレストで岩屑崩落が発生していることから、主な震源域はずっと東方であると考えたのです。


【だいち2号による観測結果】
下図は、だいち2号による電波観測結果から作成された、地殻変動の方向と距離を示したものです。
Nepal01
色の濃さは断層のすべり量、矢印は移動の水平方向と距離を表しています。

この図からわかることは、下記の通りです。

■当初の断層破壊はカトマンズ北西方約80km(赤い星印)から始まったが、そこから東方に向かって南北の幅約120km、東西の長さ役約160kmに渡って断層のズレが連鎖的に発生した。

■最も大きな地殻変動、すなわち断層のズレは、カトマンズ北東方20~30km付近で発生している。つまり、この地震は事実上カトマンズ直下型地震と呼べるものである。


加えて、国土地理院ウェブサイトの当該記事に掲載のテキストも一部引用させていただきます。

(以下引用)-------------
【地殻変動の特徴】
・地震に伴い10cm以上の地殻変動が見られる領域は、カトマンズ北方を中心として、東西160km程度、南北120km程度の範囲に広がっています。変動域の南部は隆起、北部は沈降しています。

・カトマンズの北方から約30km東方にかけての領域が最も地殻変動が大きく、最大で1.2m以上変位したことがわかりました。地震に伴い大きく隆起したと考えられます。

・観測された地殻変動の特徴から、北北東傾斜の断層による逆断層滑りが生じたとみられます。

【断層モデルの推定結果】
・カトマンズの北東20-30kmの領域の直下に、最大4m超の滑りが推定されました。
・やや右横ずれ成分を含む逆断層滑りが推定されました。この結果は、地震波の分析とも整合しています。
(引用終了)-------------


【管理人の考えは正しかった】
まとめますと、今回のネパール地震は

■南北に圧力軸を持つ、北向きの圧力による逆断層型地震である。断層線の南部が北部に乗り上げるように隆起し、対して北部が沈降している。

■カトマンズ北西方約80kmの地点から断層のズレが始まり、東方に向かって約160kmに渡って連鎖した。最大のズレはカトマンズ北東方20~30kmで発生し、4mを超えるズレが発生した。このため、カトマンズはほぼ直下型地震と言える短周期の強い揺れに襲われ、建物被害が甚大となった。

■エベレスト山腹から西方約100kmと、本震震源までの約半分の地点で最大のエネルギーが放出されたため、エベレスト付近にも比較的短周期の揺れが到達して、岩屑崩落が発生した。

以上のように考られます。このことから、4月28日付けの記事で管理人が記した内容は、ほぼ完全に正当であることが証明されたかと思います。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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