2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »

2015年5月

2015年5月31日 (日)

5/30巨大深発地震に関する考察(#996)

昨日5月30日に小笠原諸島西方沖で発生した深発地震は、その後の精査によってマグニチュードは8.1に、震源深さ682kmに訂正されました。

規模はかなり小さくなったものの、深発地震としては過去に例の無いマグニチュード8超で、震源深さはこれも観測史上初もしくはほとんど例の無い深さだったことがわかりました。記録的な巨大深発地震だったことには変わりありません。

地上の震度にしても、昔から地震のモニターを続けて来た管理人にも深発地震で地上の揺れが震度5強にまで達したことは記憶にありません。それも、深さ100~200km程度ならともかく、ほとんど上層マントル内の682kmという深さなのです。

地球の表面を覆う地殻の厚さが最大でも60㎞程度であることを考えると、682㎞というのがいかに深い場所かということがわかります。


【広い意味で震災の影響か】
深発地震は、震災後も特に増えることもなく、ほぼ一定のペースで散発的に発生しています。発生する場所もプレート境界域に限らず様々な場所に散らばっており、目立って集中するような場所もありません。

下図は、東日本大震災から約3ヶ月後、2011年6月1日から一週間に発生した地震の震央図です。東大ハーベスト震源マップから転載させていただきました。

図中、濃い青の点が震源深さ300~700kmの深発地震を表しています。
110601w
ご覧のように、青い点は浅い地震とは全く無関係かのように、あちこちに平均的に散らばっています。震災直後の余震超多発期でさえ特に増えるわけでもなく、どこかに集中するわけでもなかったのです。

また、どの青い点もひとつしか無いことにも注目です。このような深発地震は1回発生して終わりであり、普通は余震が起こることも無いのです。ですから、今回の地震後に行われた気象庁の発表でも、『経験的に余震が起こる可能性は低い』と発表されたわけです。


深発地震が発生する場所の中でも、太平洋プレートと北アメリカプレートの境界付近である小笠原諸島近海の海底は比較的発生が多い場所ではありましたが、浅い地震の発生とはほとんど関連が見られず、あくまで散発的に、最大でもマグニチュード7クラスが時々起こる程度だったのです。

深発地震は揺れの周期が長くなるので地物への破壊力はそれほど大きくなく、過去には最大でも震度4程度でしたから、過去には被害が発生するようなことも無かったはずです。 深発地震で被害が発生したのも、我が国の地震観測史上でも初めてのことではないかと思われます。


しかし、被害云々以上に注目すべきは、そのような深い場所でも巨大地震が発生するエネルギーが蓄積されていた、すなわち岩盤に巨大なストレスが加わっていたということです。

過去に例のないような巨大深発地震が発生した裏には、やはり東日本大震災後の巨大地殻変動の影響があったと見るべきでしょう。

しかし、それがどのようなメカニズムなのか、再び発生することがあるのか、他の現象を誘発することがあるのかなどは、現代の科学では解明できません。


【“あの程度”でも大混乱】
せめてもの幸運は発生が土曜日の夜だったことで、これが平日の通勤時間帯などだったらば、停電、交通機関の混乱、エレベーターの停止などで、さらに大規模な混乱となり、二次被害も多発したでしょう。

最大手のエレベーター管理会社だけでも7000件もの停止報が入ったとのことで、その他も含めれば、何万という数のエレベーターが停まったはずです。最近は自動管制のエレベーターが多いのですが、係員が点検しないと運転再開できないことも多いのです。 果たして、現実的な時間内に対応し切れるのでしょうか。残念ながら、ほとんど無理でしょう。

“あの程度”の地震でもこのような状況ですから、さらに大きな地震だったらどうなるか。そして、そこにあなたがいたらどうなるか。我が事として考えなければなりません。


【これからのこと】
今後も、深発地震自体を脅威と考える必要は無いでしょう。今回のような巨大深発地震自体も、滅多に発生しないはずです。

しかし、過去に起きなかったことが今回起きた、そしてそれが震災の影響を最も受けているはずの、太平洋プレートと北アメリカプレートの境界域で起きたということが重要なのです。

深い場所に大きなストレスが加わっているのならば、浅い場所にも同様のストレスが加わっていると考えなければなりません。メカニズム的にも整合性があることです。

そして、その範囲には過去に巨大地震が起きたものの、その後数百年も沈黙している震源域も存在します。

それだけなく、現実に日本列島各地で火山活動の活発化や地震の多発が見られているのです。この状況を危機と考えない理由は、何ひとつありません。


今回の深発地震は、直接の被害はそれほど大きくありませんでした。しかし、我が国だけでなく世界の地震史上に残る程の大事件でした。 それが何を意味するか、真剣に考えなければなりません。

でも、地震のメカニズムなどどうでも良いのです。

ただ、そろそろ何か起きるかもしれない。起きる前に、できる対策をしておかなければならない。それに尽きるのです。

それは、出来合いの防災セットを買うことだけではありません。その前に、やるべきことはいくらでもあります。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年5月30日 (土)

小笠原諸島で深発地震・最大震度5強(#995)

590
震央及び震度図(気象庁ウェブサイトから転載させていただきました)

5月30日午後8時24分頃、小笠原諸島西方沖の深さ590kmを震源とするマグニチュード8.5の地震が発生し、小笠原諸島の母島と神奈川県二宮町で最大震度5強を観測しました。

管理人在住の埼玉県南部は震度4との発表でしたが、揺れ自体は過去の震度4とは全く異なる、確実に5弱レベルでした。管理人宅はマンションの2階ですが、震災直後以来約4年ぶりに玄関に備えてあるヘルメットをかぶって、ドアを開けて避難待機に移行しました。

揺れはかなり大きく、電柱や電線がグラグラと大きく揺れていました。震度4よりはるかに大きく、やはり震度は狭い範囲でもかなり異なることを実感しました。震源が遠く深い地震特有の長周期の揺れが2分近く続きましたが、特に被害などはありませんでした。

この地震は、震源深さ590kmということで深発地震に分類されるものです。発生メカニズムは通常の地震とは異なるもので、東日本大震災の余震ではありません。深発地震は非常に広い範囲で揺れを感じるのが特徴のひとつであり、今回は特に震源深さ約590kmと非常に深かったために、北海道から南西諸島まで、日本列島全域で揺れています。

小笠原諸島付近は大規模地震の発生が懸念されている地域のひとつではあるものの、この地震は懸念される地震とはメカニズム的に別物で、直接の関係は無いものと考えられます。小笠原諸島付近で発生したのは、あくまで偶然と考えて良いかと思われます。ただ、元来プレート境界域ですから、地震の発生自体は多い場所ではあります。

なお、震源からかなり離れた関東地方で最大震度5強を観測したのは、深発地震に特有の異常震域と呼ばれる現象で、震源直近付近よりも遠方の揺れが大きくなることがあります。

ただ、今回の地震はマグニチュード8.5と非常に大規模だったため、震源直上付近の揺れが最も大きくなったようです。深発地震でマグニチュード8超える規模となるのは、かなり珍しいことです。震災後でも、深さ100kmより深い深発地震としては最大ではないかと思われます。

地震の規模は大きかったものの、震源が非常に深いために海底の変形は伴わず、津波は発生していません。もしこの規模の地震が深さ30kmより浅い海底で起きたら、大津波が発生するレベルです。

この地震は前記の通り通常のプレート境界型地震や内陸直下型地震とは発生メカニズムが異なります。基本的には地殻プレート岩盤内で発生したスラブ内地震と思われるものですが、浅い地震との直接の関係は無く、余震が発生する可能性もあまり無いのですが、今回は規模が非常に大きかったために、浅い地震を誘発するような可能性も無いとは言えません。

しばらくの間は小笠原諸島、東日本の太平洋沿岸、東海地方の太平洋沿岸付近では警戒レベルを上げる必要があるかと思います。


なお、この地震では管理人居住地でも震度5弱でしたが、テレビや携帯電話などの緊急地震速報は発報されていません。深発地震という特殊なタイプだっため、システム的に地上の揺れの大きさの予想ができかなったものと思われます。

しかし、震度3以上で発報するケーブルテレビの緊急地震速報は揺れが到達する1分半以上前から震度5弱を予告しましたので、管理人は余裕を持って避難準備態勢を取ることができました。
Mini
ケーブルテレビの緊急地震速報受信機。音声で予想震度と主要動(横揺れ)到達時間までカウントダウンをする

このケーブルテレビの緊急地震速報は過去記事でも紹介していますが、非常に有効なシステムなので、改めて別記事で紹介したいと思います。ケーブルテレビに加入していれば、わずかな経費で導入できます。


■5月30日23:50追記
この地震について気象庁からの報道発表がありましたので追記します。

この地震は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界部分に近い、太平洋プレート岩盤内の非常に深い部分で発生した、東西方向に張力軸を持つ型(管理人註:正断層型のスラブ内地震)とのことです。

通常、陸側プレートの下に潜り込む海側プレートの岩盤内では、圧縮力による逆断層型地震が発生しやすいのですが、深さ590kmという非常に深い部分では、また違ったメカニズムで張力による正断層型地震が発生したようです。

下図は気象庁の報道発表資料から転載させていただきました。
Jma
小笠原諸島周辺で発生した、深発地震を中心とした比較的大規模な地震の履歴です。

小笠原諸島付近は比較的地震が多く、深発地震も時々発生していますが、やはり今回は震災後の深発地震では最大でした。何より、100kmより深い深発地震でマグニチュード8クラスは非常に珍しいようです。

この地震は東日本大震災の余震ではありませんが、非常に広い意味では、震災による地殻変動の影響によって大規模化したという可能性はあります。


以下は管理人の感想ですが、日本列島の地下では、震災の影響も含めて今までとは何か違う動きがある、そう感じさせるものがあります。それがどのような形で表面化するのか。火山噴火なのか大規模地震なのかはわかりませんが、そろそろかなと考える時のような気がします。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年5月29日 (金)

【緊急情報】口永良部島が大規模噴火(#994)

5月29日午前10時07分、鹿児島県の口永良部島に噴火警報が発表されました。

噴火警戒レベルは最高度の5、大規模噴火の危険が切迫しています。

速やかに避難し、安全の確保が必要です。


続報。口永良部噴火の第一報が入りました。

続報。火砕流が海岸まで到達。

続報。口永良部島全島に島外避難指示発表。口永良部島の居住者は130人ほど。

続報。口永良部島新岳の噴火は午前9時59分頃、噴火警戒レベル3から5への変更は、噴火後の午前10時07分。

続報。午前10時15分現在、居住者に被害情報なし。引き続き確認中。

続報。火砕流は火口から南西と北西方面に流れる。居住地には到達せず。気象庁は午前10時28分【噴火は継続中】と発表。居住者の大半は火口西側の避難場所で島外避難待機中。


以上で速報追記を終了します。

なお、ここしばらく口永良部島も含めた九州南部から南西諸島周辺での火山、地震活動が活発化しています。周辺部では引き続き火山、地震災害への警戒を厳にする必要があります。

■午後12時40分追記
正午時点で、全住民の無事を確認。

■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。

2015年5月28日 (木)

【ヲタ目線地震教室08】震度が通用するのは日本だけ?(#993)

Shindo
気象庁震度階級の概要(気象庁ウェブサイトから転載させていただきました)
細かすぎてご覧になれない場合や、さらに詳細な内容をご覧になりたい場合はこちらをどうぞ
気象庁震度階級関連解説表


さて、地震の話と切っても切れないのが、震度とマグニチュードという単位です。これも、詰めて行くとモーメントマグニチュードだの気象庁マグニチュードだのいろいろ出てくるのですが、管理人は専門家じゃありませんので、あくまでヲタ目線で行きます。


【震度とマグニチュードは別物です】
まずは震度について。当ブログ読者の方には混同している方はあまりいらっしゃらないと思いますが、震度とマグニチュードは全く別物です。

でも、マグニチュード4~5くらいの地震で震度4とか5弱とか、なんとなく数値が近くなることが結構あったりするものですから、なんか良くわからんという方もあるかと思います。

その辺りを、ヲタ目線で見ていきましょう。


【震度とはなんだろう】
まず大前提として、我々が言う震度という単位が通用するのは我が国だけです。これは正しくは気象庁震度階級と呼ばれ、気象庁が制定した地震の揺れの大きさを表す日本独自の基準です。

震度とは地震計に記録された揺れの大きさや被害などの状況による基準であり、地震で放出されたエネルギー量を表すマグニチュードと違って絶対的な数値ではありませんから、例えば気象庁が震度4と発表しても、あれは5弱行ってたろなんてことも、その逆もあり得ます。

揺れ方は地震のタイプや震源からの距離によっても変わりますし、地盤の状態によっても変わります。あくまで気象庁など(他に地方公共団体、防災科学技術研究所)が設置した地震計がある場所で計測された揺れの大きさから算出した数値というわけです。

揺れの大きさは建物の構造や状態によっても変わりますが、震度はあくまでも地面の揺れの大きさを表すものです。

2014年11月の長野県神城断層地震では、震度5強と発表された白馬村の建物被害が、この地震の最大震度6弱と発表された地域よりはるかに大きくなりました。

これは白馬村で震度計が設置されていた場所の揺れと、同じ白馬村内でも断層直上付近の揺れの大きさが大きく違っていたためです。被害状況からは、断層直上付近に当たる白馬村神城の震度は6強以上に達していたと思われます。

また、2013年2月に箱根町のごく狭い範囲で起きた震度5強クラスの火山性地震が、震源から約8km離れた気象庁の震度計では有感地震として計測されなかったために、地震が起きたことも記録されていない、などということも起こります。


【震度は被害程度の基準でもない】
一方、同じ震度でも、それだけでは被害の大きさを計ることもできません。

阪神・淡路大震災と東日本大震災では、発表された最大震度は同じ震度7でした。しかし阪神・淡路大震災では10万棟以上の建物が倒壊し、ビルの倒壊や大規模な損傷が多発したのに対して、東日本大震災では、揺れによる建物被害は比べものにならないくらい少なかったのです。

気象庁震度階級は、気象庁が設置した地震計に記録された加速度と周波数(揺れの周期)などの数値から、自動的に算出された計測震度です。しかし、それだけでは建造物や地物に対する破壊力の大きさは計れません。特に、揺れの周期によって破壊力は大きく変わるのです。

余談ながら、阪神・淡路大震災では当初発表された震度は6でした(当時は0~7の8段階区分)。しかし被害の状況から明らかに震度7に達していると判断されて、後に訂正されました。この時が気象庁震度制定後初となる震度7で、東日本大震災は2回目です。

ちなみに、旧い8段階時代の震度7(激震)の基準のひとつとして、「30%以上の建物が倒壊する」というものがありました。これは耐震性が低い木造家屋中心の市街を想定した、昔からの基準です。その基準からしても、神戸市の一部はどう見ても震度7だったわけです。

どうでも良い私事ですが、旧震度基準時代に震度の感覚が身についてしまった管理人は、現在の10段階震度には未だに違和感を感じています。

昔の基準では、震度4で「座りの悪い花瓶などが倒れる」、震度5になると「壁にヒビが入る」とかでしたから。そこで言う壁とは、主に旧い木造家屋の土壁などを想定したものなんですけどね。

現在の10段階震度では、昔の震度4が震度5弱、震度5が震度5強から6弱という感じでしょうか。現実的に、震度5弱ではほとんど被害らしい被害は発生していません。

なお、2015年5月現在の10段階震度は阪神・淡路大震災の翌年、1996年4月に運用が開始され、2009年3月に改訂されたものです。


【さらにどうでもよい余談】
非常にバカバカしい余談ですが、東日本大震災で震度7を観測した宮城県栗原市や、その他6強の地域でも建物被害が神戸に比べて非常に少なかったために、一部の良くわからない方々が
『政府は震度を過大に発表している』 とか主張していたりもしますね。

そうなったのは言うまでもなく、浅い断層が動いた内陸直下型地震だった阪神・淡路大震災と、200km以上離れた海底が震源のプレート境界型地震だった東日本大震災の揺れ方の違い、主に震動周期の違いによるものです。

地震は、一般に震源からの距離が遠くなるほど到達する揺れの周期が長くなる性質があり、それで建物への直接的な破壊力が小さくなったという、当たり前のことが起きただけの話。

しかし、そんな主張の先には米国と結託した陰謀だの人工地震だのというお話が出てくるわけです。でも、いくらヲタ目線でもそっちに絡んだりはいたしません。否定するのもエネルギーの無駄遣いですから。

ゆめゆめ、そんなものを真に受けたりされませんように。


【今回のポイント】
やたらと余談が多かったので、今回はポイントをまとめましょう。

■震度とマグニチュードは全く別のもの。震度は気象庁が制定した揺れの大きさを表す日本独自の基準である。

■現在の震度は、気象庁が設置した地震計で計測された揺れの加速度と周波数(揺れの周期)から自動的に算出される計測震度である。

■同じ震度でも地震のタイプや地盤の条件などにより、建物や地物に対する影響は大きく異なる。

■狭い範囲でも、特に直下型地震の場合は場所によって震度が大きく異なることもある。発表されるのは、あくまで気象庁などが設置した地震計がある場所で計測された震度である。

■かつては0~7の8段階だったが、現在は震度5と6が強弱の2段階に分けられた10段階である。なお、震度0とは地震計では計測されるが人間には揺れが体感できない規模の『無感地震』のこと。震度1以上は『有感地震』である。


【次回はマグニチュードです】
というわけで、次回はマグニチュードをヲタ目線で見てみたいと思います。

これがまた実にわかりづらいというか掴みづらい話で、管理人も良く理解しているかと言われれば決してそうじゃないのですけど、がんばってみますw


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


2015年5月25日 (月)

【詳細追記あり】埼玉県北部地震で震度5弱を観測(#992)

本日5月25日午後2時28分頃、埼玉県北部の深さ56kmを震源とするマグニチュード5.5の地震が発生し、茨城県土浦市で最大震度5弱を観測した他、関東地方の広い範囲で震度4を観測しています。

震源から比較的離れた茨城県土浦市常名のみで震度5弱を記録したのは、地盤の影響かもしれません。調べたところ土浦市常名は霞ヶ浦の北西に隣接する川沿いの田園地帯で、地盤はかなり軟弱と思われます。

管理人は地震発生時には埼玉県南部の震度4観測地域にいましたが、ビリビリとした細かいたて揺れ、初期微動をはっきりと感じ、それが3~4秒続いた後、大きな横揺れを感じました。管理人がいる地点と震央は50kmも離れていません。

揺れが途中で大きくなるようなことはなく、複数震源が連鎖したようなことは無さそうです。


【非常に珍しいタイプの地震】
この地震の震源深さは約50kmとされていますが、埼玉県北部でこのような地震が起きることはかなり稀です。埼玉県北部で地震が起きること自体がごく少なない上、起きた場合も震源深さ10~20km程度の浅い地震か深さ100kmより深い深発地震がほとんどです。

埼玉県北部で似たタイプの地震が最後に起きたのは2012年9月30日で、震源深さは70kmでした。今回はそれより20km程度も浅いので、同じタイプではないかもしれません。その前には2011年12月11日に深さ60kmで発生していますが、今回の震央より少し南側です。(5/25 16:55追記 上記の地震は小規模のだったため、下に追加掲載した気象庁発表の図表には掲載されていません)

埼玉県北部で有感地震が起きるのは、東日本大震災後の超多発期を経たにも関わらず今回が11回目で、震源深さ50kmとされるのは震災後初めてです。震災の余震とは言えません。


今回の地震のメカニズムとして考えられるのは、陸側の北アメリカプレート内部で発生したスラブ内地震です。今回の震央付近ではプレート境界はもっと深い場所にあると思われるので、陸側プレート岩盤内の地震と管理人は考えています。詳しくは気象庁の発表を待ちたいと思います。


【やはり何かが違う】
ここ数ヶ月、日本列島全体で地震の発生回数が増える傾向が見られますし、ひとつ前の記事にも書いた通り、火山噴火やその兆候も多発しています。

今回の珍しいタイプの地震もそうですが、やはり今までと何かが変わって来ている、そう考えるべきなのかもしれません。


■5/25 16:55追記
この地震について、気象庁から発表がありました。

マグニチュード値と震源深さが速報から修正されていますので、上記本文も修正しています。

地震の規模:マグニチュード5.5
震源の深さ:56km
発震機構:東北東-西南西に張力軸を持つ型
(管理人註:張力による地震のため、正断層型と思われます)

以下に掲載の図表は、気象庁の報道発表資料から転載させていただきました。
150525history2_2
今回の地震と震央と震源深さがごく近い地震は2000年まで遡っても2回しかなく、規模もはるかに小さいものでした。

150525history_2
埼玉県北部全体でも地震の発生は非常に少なく、東日本大震災後も全く増えていません。1930年まで遡っても、埼玉県北部で起きた目立つ地震はこれしかないのです。

そんな場所が、今回大きめに動きました。この地震は、メカニズム的に東日本大震災のような巨大地震の前兆である可能性はほぼありません。しかし、この場所に限らず、ほとんど動きが無かったような場所が突然動くということも、今後増えて行く可能性も考えられます。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

日本列島の地下で何が?(#991)

現在、神奈川県の箱根山で小規模噴火の兆候が見られていますが、その他でも日本列島のあちこちで、気になる動きが続いています。


【奄美大島付近で震度5弱】
過日5月22日、鹿児島県の奄美大島近海、深さ21kmを震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、奄美市で最大震度5弱を観測しました。

気象庁の発表によると『北北東-南南西に張力軸を持つ型』となっていますので、正断層型地震と思われます。

この付近は大陸側のユーラシアプレート内で、東側のフィリピン海プレートとの境界に沿って、台湾付近まで続く列島線、南西諸島を形成しています。

東日本大震災による地殻変動では南西諸島周辺でも数cm以上の変位を観測しており、その後地震の発生回数が増えています。震災の影響はここまで確実に及んでいるのです。

ここ3ヶ月程の間、台湾付近から沖縄本島付近付近での地震発生回数が増える傾向が見られていましたが、かなり静かだった奄美大島付近で比較的大規模な地震が発生しました。

このような傾向からして、南西諸島付近はこの先もしばらく警戒が必要な地域と言えます。


【口永良部島で噴火の恐れ】
縄文杉で有名な屋久島の西12kmに位置する鹿児島県の口永良部(くちのえらぶ)島では、噴火の恐れが高まっています。

口永良部島は昨年(2014年)8月に噴火していますが、この5月23日には島の地下、ごく浅い場所を震源とするマグニチュード2.6、最大震度3の地震を観測するなど、火山性地震が多い状態が続いています。

さらに、火口周辺からの噴気や地温上昇も観測されています。

気象庁によると、今後『爆発力の強い噴火や規模の大きな噴火が起きる可能性がある』として、これまでの噴火警戒レベル3(入山規制)を維持して警戒しています。

大量の噴石、火山灰の放出や、火砕流などが発生するレベルの噴火が起こる可能性があるということです。

なお、噴火警戒レベル3は『居住地の近くまで重大な影響を及ぼす(この範囲に入った場合には生命に危険が及ぶ)』レベルの噴火が起こる可能性があるとされる状態です。


【桜島の活動が活発化】
2015年に入ってから、桜島の活動が特に活発化しています。日常的に噴火を繰り返している櫻島ですが、5月21日にはかなり大規模な噴火を起こし、噴煙は上空4300mにまで達しました。

現在、桜島の地下ではマグマだまりの蓄積量が増え、その圧力によって山体膨張が観測されています。このため今後も活発な活動が続くことが予想されており、近い将来にさらに大規模な噴火が起こるかもしれないとする説もあります。

なお、現在の桜島は噴火警戒レベル3(入山規制)となっています。


【西之島がさらに拡大】
西日本だけではありません。

2013年11月から大規模な噴火を続ける小笠原諸島の西之島は、現在も活発な活動を続けています(画像)
Nisinojima
5月20日の西之島(撮影:海上保安庁)

火口では1分間に2~3回以上という激しい噴火が続いており、流出した大量の溶岩が海に流れ込んで、島の面積が拡大し続けています。5月20日の時点で、東京ドーム55個分の面積になっているとのこと。今後も、当分は活発な活動が続くと思われます。

西之島はたまたま小さな無人島ではありますが、日本列島に連なる火山のひとつであり、我々と決して無関係では無いのです。


【浅間山で火山性地震が増加】
群馬・長野県境の浅間山では4月下旬から火山性地震が増加しており、5月21日には1日当たり50回超と、4年ぶりとなる高いレベルに達しています。

浅間山は、近年では2009年ごく小規模の噴火をしています。1973年には小規模とされる噴火をしていますが、この時は火砕流が発生し、関東地方の広い範囲でかなりの降灰が観測されました。噴火のタイプは噴石や火山灰を激しく噴出するブルカノ式で、噴火の規模が大きくなると、火砕流の発生も懸念されます。

現時点の観測では山体膨張などすぐに噴火に繋がる兆候は見られていませんが、突発的に噴火する可能性が無いとは言えず、しばらくは警戒が必要です。現時点の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)です。

なお、噴火警戒レベル1は、以前は『平常』と表記されていましたが、木曽御嶽山が警戒レベル1で噴火したことを受けて、『活火山であることに留意』という表記に変更されています。特に水蒸気爆発の場合、突発的な噴火も有り得るということです。


【全体的に活発化している】
ここでは、最近の主だった動きのみをピックアップしました。日本列島各地で様々な動きが集中的に起きていると言って良いでしょう。そして、この他にも噴火の兆候が見られる火山はたくさんあります。

さらにここ数ヶ月、日本列島全体で地震の発生回数が増える傾向が確実に見られています。

地震と火山噴火には密接な関係がありますから、これらの動きが無関係とは言えません。

日本列島の地下で、何か大きな動きが起きつつあると考えるべでしょう。そしてその動きが、地震や火山噴火という形で突発的に現れる可能性が高まっているのです。

世界的な大規模地震の多発も、決して無関係では無いはずです。

このような最近の状況は、感覚的には「そろそろ何かありそうだ」と警戒を強めるレベルにあるのではないでしょうか。警戒とはもちろん意識だけではなく、具体的な行動と備蓄によって、初めて意味を持ちます。

“次”がどこなのか、何が起きるのか。現代の科学では解明仕切れないということだけは確かです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年5月18日 (月)

【新シリーズ予告】ジレンマとその対策(#990)

いよいよ1000号記事まであと10本となりました。2012年1月のブログスタート以来、我ながらずいぶん書いて来たものだなと思います。過去記事のうち100本かそこらは再掲載なのですが、その場合も必ず内容の見直し及びアップデートを行っています。


ここまでエネルギーを注入してきた管理人のモチベーションは、ひとえに世間にはびこる役に立たない防災情報へのアンチテーゼです。そしてそれは今でも何ら変わっていませんし、変われるような状況でもありません。

自称専門家だのプロだの名乗る手合いやメディアが災害の恐怖をアオリまくり、商売のネタとする。そして示される災害対策には机上の空論、間違い、ピント外れ、さらにはエセ科学からオカルトまでなんでもあり。当ブログの存在が、そんな状況を少しでも変えられたのでしょうか。管理人には良くわかりません。


【違いをよく見てください】
Serch
この画像は、当ブログのPC版画面に表示される検索ワードランキングです。

ご覧のように、ここ半年くらいは防災グッズannexというワードが、ほぼ常時トップになってます。当ブログの防災グッズ関連記事を検索していただける方が多いのかなと理解しています。

ところが実際に検索エンジンにこのワードを入れてみると、当ブログの記事の前にいわゆる防災セット販売のサイトがずらりと表示されます。なんだか当ブログがそういうものの販売に協力してしまっているようにも見えて、どうにも落ち着きません。

もちろん、管理人はそんなものを買うなとは申しません。あれば確実に何らかの役には立つでしょう。

ただ、当ブログの記事を探していただいている皆様に是非お願いしたいことがあります。そのような市販のセット内容と当ブログが提唱する本当に必要な防災グッズ家に備える防災グッズの内容がかなり異なっていることを、よくご覧いただきたいのです。

市販の防災セットを考える前にやるべきこと、備えるべきものがあります。ご自分でちょっと手間をかければ、もっと有効な、本当に役に立つ防災グッズを手に入れることができるのです。それも、ずっと安価に。半額以下だって夢じゃありません。


【アドセンス対策です】
ちなみに当ブログは有料サービスを使っており、広告が表示されません。

ネットにはアドセンスという機能があり、閲覧者が興味があるジャンルを自動的に判断して関連広告が表示されます。当然、当ブログの場合は防災グッズなどの広告が優先して表示されてしまうわけです。

管理人が有料サービスを使って広告をブロックするのは、お薦めできない商品の広告が表示されるのを嫌う、ただその一点に尽きます。それが、多くの市販セットに対する管理人の考えだとご理解ください。

お薦めできるものがあれば、記事にします。


【ジレンマを感じます】
おかげさまで、当ブログは間もなく100万PVに到達するほど、この手のブログとしては非常に多くのアクセスをいただいています。エセ科学やオカルト系にはPV数では足元にも及びませんけど。

そして、管理人の本意ではないのですが、やはり防災グッズ関連の記事を多くご覧いただいています。

そういう記事が検索されるたびに、市販防災セット販売の役に立ってしまっているのかなということに、ジレンマを感じざるを得ません。

別に、他人の商売の邪魔をするつもりはありませんし、管理人は商売どころか持ち出しでやっています。

ただ、本当に必要なものは何か、何から備えていくべきかを是非皆様ご自身でお考えいただきたい防災セット買ったらそれで安心ではない、そのことををお伝えしたいのです。

【新テーマを始めます】
間もなく迎える1000号記事を機に、現実的で詳細な防災情報を求める方のために、新シリーズを始めることにしました。

ひとことで言えば、本当に必要なことをより突き詰めて行く内容で、決して一般ウケするものでは無いでしょう。ただ、是非知っておいて欲しい、知っていればあなたと大切な人が、過酷な災害下でより安全に、より健康に過ごすことができる知識です。つまり、生き残ってから役に立つ情報です。

当ブログでは、その概念をUDLと名づけることにしました。どんな意味かは、新シリーズ開始時にお知らせすることにします。簡単なことですけど。

新シリーズをご覧いただければ、市販の防災セットだけでは決して安心できなくなるはずです。

もちろん、現在やっている【ヲタ目線地震教室】も並行して掲載して行きます。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2015年5月16日 (土)

【被害妄想解消w】気象庁に電凸しました(#989)

ひとつ前の記事(#988)で、管理人は5月13日の宮城県沖地震(M6.8、最大震度5強)はプレート境界型地震だという気象庁の見解に疑問を呈しました。

そこで、自分の見解との齟齬を埋めるべく、気象庁に電話で問い合わせをしました(一部ネット界で言うところの電凸であります)

まずは、お忙しい中で管理人の質問に丁寧にお答いただいた担当者様に、この場で改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

その結果、管理人の疑問(と被害妄想w)は、完全に解消したのです。


【間違いではないが、正しいとも言えない】
この見出しが、管理人自身の見解に対する結論です。以下、その理由です。


電凸の結果、5月13日の宮城県沖地震は東北地方太平洋地震(東日本大震災)の余震に当たるプレート境界型地震ということで間違いないということが理解できました。

では、管理人の『スラブ内地震である』という判断は誤りかというと、素人レベルでは判断しようのない部分だったのです。


【深いプレート境界型地震だった】
担当者様の説明によると、今回の地震は海側の太平洋プレートと陸側の北アメリカプレートの境界部分の深い場所(震源深さ約46km)で発生した地震ということでした。

震災本震のような一般的なプレート境界型地震は、両プレートが接して固着している部分で発生するので、震源深さは20~30km程度となります。しかし、その先もプレート境界は地下深くまで続いているわけで、深さ40~70km程度でもプレート境界型地震は発生するというわけです。

ここで、いつもの模式図を掲載します。
Mini
図中の3番が、管理人が『スラブ内地震』と分類する地震ですが、奇しくもというか、この図でもプレート境界の深い部分で起きているようになっています。

ちなみにこの図は、某地震学者氏が監修したものを管理人がアレンジしてオリジナル製作したもので、内容的にはきちんと裏付けがあるものです。

管理人は上図3番のような地震も、周囲の岩盤内で起きる地震もまとめてスラブ内地震と分類していました。このような見方も、某地震学者氏からの、ある意味で受け売りです。

実際には、管理人がスラブ内地震と分類するプレート境界域(固着域)より陸地側の深さ40~70km程度で発生する地震の場合でも、海側及び陸地側の両プレート岩盤内(スラブ内)で発生する場合と、プレート境界の深い部分で発生する場合の2種類があるということです。

そのような地震が発生する理由は、どちらも海側プレートの移動による圧縮力によるものですから、震災震源域付近においては、ほぼすべてが東西方向に圧力軸を持つ逆断層型地震となります。ですから、発生メカニズムによる分類は不可能です。

では、厳密な意味でのスラブ内地震と深いプレート境界型地震の違いとは。


【素人には判断不能】
と、いうことなのです。違いの最たるものは、その地震波形だそうです。さらに地震動の伝播状況などの違いによる総合的な判断ということでした。

スラブ内地震と深いプレート境界型地震は震央も震源深さもほぼ同じ、発生メカニズムも同じだけど、地震波形など素人が見られない、理解できない次元の要素が異なるというわけです。

ですから、残念ながら素人である管理人には、両者の分類は不可能なのです。


【と、いうことで】
とりあえず当ブログとしては、今後もプレート境界域(固着域)より陸地側の深さ40~70km程度で発生する地震は、すべてスラブ内地震と判断することにしますというか、そうせざるを得ません。

それに、深いプレート境界型地震をスラブ内地震の一種と考えることも、決して誤りではありませんし。ただし、その中にプレート境界で発生する地震も含まれるということも、常に念頭に置いておくことにします。

実際、どちらの地震でも体感的に揺れ方が大きく違うということはありませんので、発生メカニズムなど専門家とヲタ以外にはどうでも良いことかもしれませんが。


なお、一般に岩盤の中で発生するスラブ内地震よりも、プレート境界型地震の方が大規模化しやすいという傾向があります。地上の揺れが震度5弱以上になると気象庁から報道発表が行われますので、特にそのクラスになったらプレート境界型の可能性を考えつつ、発生メカニズムの発表を注視することにします。

もし疑問があったら、また電凸させていただくかもしれません。その際は、またよろしくお願いいたします。気象庁の皆様。改めまして、その節はありがとうございました。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2015年5月13日 (水)

管理人の被害妄想におつきあいくださいw(#988)

1000号記事を間近にして、こんなくだらない記事を上げるのはもったいないというかバカバカしいのですが、どうも気になることがありまして。

きっとこれは、管理人の被害妄想に違いありません。


【ネパール地震は長周期?】
NHKニュースで気になったこと。ネパール地震の被災地に日本の建築学専門家チームが入って、建物の被災状況を調査したというニュースがありました。

その中でアナウンサーが、『長周期地震動で破壊された建物の調査を行いました』と言っていたんですよ。

当ブログ記事
【支援先リンクつき】ネパール地震は巨大被害に(#977)
で、管理人はネパール地震では短周期地震動が強く発生したと言い切っています。これは、揺れている最中の映像と建物の破壊状況からそう判断したものです。

鉄筋コンクリートの柱が崩折れるように挫屈している状況は、阪神・淡路大震災でも多く見られた、強い短周期地震動による破壊だと考えたのです。

日本の測地衛星の観測でも、断層の最大のズレはカトマンズ北東方20~30km付近で発生したことがわかりました。すなわち事実上のカトマンズ直下型地震に近いものであり、浅い直下型地震に特有の短周期地震動が強く発生したことはほぼ疑いありません。何しろ、映像でもそんな揺れがはっきり捉えられていますし。

一方で、管理人は長周期地震動が発生していないとは一言も書いておらず、あくまで『短周期地震動が強く発生した』と書いています。最初の震源はカトマンズから約80km離れており、カトマンズ付近に長周期地震動が到達していても全くおかしくありません。

それでも、建物の破壊状況からはどう見ても短周期地震動が卓越していたように見えますが。

震源域が広い地震は、様々な揺れが混ざるのが普通です。東日本大震災でも、例えば関東地方では短周期からかなりの長周期まで、様々な揺れが到達しています。

なのに、わざわざ『長周期地震動で破壊された建物』と言うことに、何か意図があったのでしょうか?ちなみに、映像はグズグズに挫屈した鉄筋コンクリート+煉瓦積みの建物でしたが。

識者の皆様の見解を是非頂戴したいのですが、いかがなものでしょう。まあ、素人のブログなど誰も相手にしないか。でも、あんたのとこ間違い、って公に言われたようなものですから。

続いてもうひとつ。


【宮城県沖地震はプレート境界型?】
本日5月13日の午前6時13分頃、宮城県沖の深さ約46kmの海底を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、岩手県花巻市で最大震度5強を観測しました。

この地震に関する気象庁発表の報道では、この地震は『プレート境界型地震』だと言っていました。残念ながら管理人は気象庁会見のすべてを見ておらず、気象庁の担当官がプレート境界型と言ったのかは確認していません。(言ったのでしょうけど)

管理人は、このタイプの地震をずっと『スラブ内地震』と表記し、プレート境界型地震とは別物としています。しかも、このタイプの地震後の気象庁会見で、過去にプレート境界型地震という表現をしたことは無いのではないかと思っています。

会見映像をすべて観ているわけではないのでなんとも言えませんが、いつも『東北地方太平洋地震の余震』という表現しか無かったような。


【それでもやはりスラブ内】
当ブログにおける東日本大震災後の余震の分類は、下図の通りです。
Mini

図には表記していませんが、プレート境界型地震とは図中で両プレートが接する赤線の部分で起きる地震であり、東日本大震災震源域では、震源深さは20~30km程度となります。震災本震の震源深さは、約24kmでした。


これに対して当ブログで言うスラブ内地震とは上図中の3番で、プレート境界域より陸地側のさらに深い部分(深さ40~70km程度。震災後は40~50kmが最多)で起きる地震を指しています。今回の地震も、震災後に東北地方沿岸で日常的に起きているスラブ内地震と同じく、上図の3に当たる、プレート境界より陸地側の深さ約46kmで起きてます。

図では陸地の地下になっていますが、そこは模式図ですのでご勘弁を。陸地に近い海底か、沿岸部の地下で発生するとご理解ください。

なお、当ブログでの分類は管理人の独断ではなく、学術的な裏付けに基づいています。というか、素人の管理人は某地震学者氏の分類をそのまま引用させていただいているのです。

スラブ内地震とは、本来は『岩盤内地震』という意味ですから、その名称がこの場合に適当では無いということはあるかもしれません。当ブログで言うスラブ内地震の概念は、当初からある断層のズレで起きるのではなく、地下深い場所の岩盤内にかかる圧力によって弱い部分が割れる、すなわち岩盤内で断層が形成されることで発生する地震ということです。そのような意味からしても、いわゆるプレート境界型地震とは別物なのです。

上図でもわかる通り、確かにスラブ内地震もプレート境界(の深い部分)で起きる地震ですから、プレート境界型と言えるのかもしれませんが、一般的な分類とは明らかに異なります。なにより、今までこのタイプをプレート境界型とは言っていなかったはずなのですから。

こちらも、あくまでスラブ内地震と言い張る管理人が、気象庁の専門家に「素人は黙っていろ」と言われたのに等しいような。すごい被害妄想ですねw


【異論反論ご意見を乞う】
これ、管理人への嫌がらせじゃないですよね。素人が偉そうに吹いてるから潰そうとか(すいませんごめんなさい妄想ですw)まあ、潰しかけられるくらい影響力あるようになりたいですなww

冗談はともかく、ここに挙げた二件については、管理人は全く納得できない内容です。公式に「あんた違うわよ」って言われたも同然ですから。

できれば当事者や識者の方からご意見を頂戴したいのですが、まあ有り得ないでしょう。

でも、どなたからでも何らかの異論反論ご意見があればうれしいなと。間違いなら間違い、概念が変わったのならそうと、はっきりさせたいものです。何せメディアも専門家も、絶大な影響力があるのですから。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

岩手県花巻市で震度5強(#987)

本日5月13日午前6時13分頃、宮城県沖の深さ約46kmを震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、岩手県花巻市で最大震度5強を観測しました。

規模はかなり大きかったものの震源が深いために海底の変形は伴わず、津波は発生していません。


【広義の余震が最大級で発震】
この地震は、東日本大震災による地殻変動によって誘発されている、広い意味における余震です。当ブログではスラブ内地震と表記しているタイプです。

気象庁からも『東西に圧力軸を持つ逆断層型地震』と発表されていますので、発生メカニズムからも裏付けられます。

このタイプのスラブ内地震としては、今回の地震は震災後最大クラスでした。

このタイプの地震発生メカニズムは、現在連載中のシリーズ記事
【ヲタ目線地震教室06】押し込まれると逆断層(#976)
で、典型的な逆断層型地震のひとつとして図入りで解説していますので、是非そちらもご覧ください。


【まだまだ当分続く】
このタイプの地震は震災後半年くらいから発生が目立つようになってきましたが、時間の経過と共に発生頻度は少しずつ下がって来ました。

それでも、まだこのような規模で発生することもあるわけです。そして、震災による地殻変動の影響はこの先数十年は続きます。

活動自体は次第に穏やかになって行きますが、主に東日本
で今後も様々な誘発現象が起きます。

今回のようなスラブ内地震、津波が起きやすいアウターライズ地震、内陸部の浅い地震などです。

さらに、巨大な地殻変動そのものが他の震源域にどんな影響を与えているのかは未知数であり、他の大きな動きが誘発される可能性が高まっているのも、また間違いの無い事実です。

震災後、南西諸島も含めて全国的に地震の発生回数が何倍にも増えていることが、何よりの証明なのです。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


2015年5月12日 (火)

【関連記事リンクつき】台風6号は温帯低気圧へ(#986)

Nrl150512
米海軍調査機関Naval Research Laboratory発表の台風6号及び温帯低気圧の予想進路(5月12日)

台風6号は5月12日午後1時現在、沖縄本島付近を北東へ進んでいます。

中心気圧は990ヘクトパスカルと、かなり勢力が弱まりましたが、現時点では狭いながらも暴風域を伴っています。

今後温帯低気圧へと弱まりながら北上が予想されていますが、本州南海上で温帯低気圧に変化した後に、再び発達することが予想されています。

しかし、台風でなくなるからと安心はできません。いわゆる爆弾低気圧と同じような性質になるのです。


【これは幸運ではない】
台風6号が弱まったのは、東シナ海付近の水温が平年よりも高いながらも、まだそれほど高温になっていなかったためでしょう。 『猛烈な』勢力を維持するほどの水蒸気が供給されなかったのです。

しかし、だからこれからも大丈夫ということではありません。夏に向かって海水温が高まるのは確実なので、夏場以降になれば強い勢力を保ったまま北上することになります。

それ以前に、赤道付近からフィリピン付近まで、この季節に『猛烈な』台風が北上して来たということ自体が、すでに大きな気候変動が起きていることの証左なのです。

さらに、後から台風7号が6号と同じようなコースで追いかけて来ています。7号がどこまで発達するかわかりませんが、5月中旬までに7つの台風が発生したことも、日本の台風観測史上初めてのことです。

変化は、確実に進んでいます。


【これからどうなるか】
大きな気候変動はさておき、台風6号の今後について。

本州から見れば、台風ではなくなるようでひと安心です。しかしそれは暴風被害の可能性が小さくなるというだけのことで、また別の危険が迫っています。

強い低気圧が本州南岸を北上するのは、前記の通り爆弾低気圧の発生と同じような状況です。

現時点では、大陸方面の空気は夏場よりはるかに冷たく、乾いています。そこへ強い低気圧が本州南岸に近づくことで、日本列島上空へ大陸の冷たく乾いた空気を引き込みます。風は、気圧の高い場所から低い場所へ向かって吹くからです。

そして、台風崩れの低気圧が南方から引っ張ってきた暖かく湿った空気とぶつかります。すると高層の空気が冷たく乾いていて、一方低層の空気が暖かく湿っているという、大気が不安定な状態になります。

冷たい空気は密度が高く重いので低層に、暖かい空気は密度が低く軽いので高層にあるのが本来の姿『安定した』状態です。それが逆転するから、不安定となるわけです。

大気が不安定な状態になると、低層の暖かく湿った空気は高層の冷たく乾いた空気層の中で強い上昇気流を起こし、含まれた水蒸気が急激に雲となって発達します。

局地的に豪雨、落雷、雹、突風、竜巻をもらたす強い積乱雲の発生です。

局地的とは言っても、低気圧の移動に伴って積乱雲は連続的に発生しますので、被害をもたらす強さの積乱雲がどこに発生するかはわかりません。山際など地形的に強い上昇気流が発生しやすい場所では、その可能性が高くなります。

南方海上からやってきた台風崩れの低気圧は、一般に通常の低気圧より含まれる水蒸気量が多いので、より強い積乱雲を発生させることが考えられます。


【備えるべきこと】
雷がゴロゴロ鳴って、強いにわか雨に慌てて雨宿りできる場所を探すなどというのは、ある意味で風流な夏の風物詩です。

しかし、もうそんなのんきなことを言っていられない時代なのかもしれません。まだ5月の今から、激しい雷雨に対して具体的に備えなければならないのです。

強い積乱雲の発生で想定される被害は以下の通り。
■短時間の記録的豪雨による土砂崩れ、山間部の鉄砲水、土石流、市街地の内水氾濫
■竜巻や局地的な突風(マイクロバーストなど)による被害
■落雷による人的被害や停電、火災
■降雹による建物、車や農産物への被害

この中で、特に致命的な被害に発展しやすいのが土砂災害、竜巻、落雷です。

屋外に出ている方はもちろん、土砂災害の危険地帯や低地にお住まいの方は、台風崩れだからもう大丈夫などと言う間違った認識は絶対にせず、新たな危険に対して具体的に備えてください。

特に、土砂災害への備えとは、早い段階での安全な場所への避難、事実上これしかありません。

それ以前に、傘が役に立たない程の豪雨と強風に見舞われる可能性がどこでもあるのです。まずはその対策からでしょうか。


【過去記事リンク】
土砂災害、竜巻、落雷の危険を避ける方法に触れた過去記事をリンクします。実は、既に竜巻関係の過去記事へのアクセスが急増しています。既に備えを始められている方が多いということかと。当ブログがお役に立てれば幸いです。なお、過去記事にはブログランキングへのリンクが設置されていますが、既に参加しておりませんので、クリックしないでください。

【緊急特集】豪雨から生き残れ!【3】

竜巻から生き残れ【1】
竜巻から生き残れ【2】
竜巻から生き残れ【3】
竜巻から生き残れ【4】
竜巻から生き残れ【5】

雷から生き残れ!【1】
雷から生き残れ!【2】
雷から生き残れ!【3】
雷から生き残れ!【4】

■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2015年5月11日 (月)

『猛烈な』台風6号本州接近コースへ(#985)

5月11日の午後9時時点で915ヘクトパスカルという『猛烈な』勢力を保っている台風6号が、先島諸島及び南西諸島を直撃し、その後本州の太平洋沿岸に接近するコースを取りそうです。上陸する可能性も出てきました。


【季節外れの勢力とコース?】
近年、日本列島付近に接近する台風が大型化する傾向が明らかです。これはフィリピン沖付近から南西諸島付近へかけての海水温上昇が顕著で、台風に供給される水蒸気量が増えているためです。

さらに、台風のコースも随分変わってきました。今回の台風6号のようにフィリピン沖で東向きに針路を変え、日本列島に沿うように北上するコースは、かつてならば8月後半から9月くらいの、いわゆる『台風シーズン』に良く見られるものでした。

その前、8月前半ごろには、太平洋高気圧の影響で「夏台風は迷走しやすい」などと言われ、実際にジグザグに迷走するような台風も珍しくありませんでした。

さらに前の6月~7月前半くらいまでは、台風は日本列島のはるか南方沖で東寄りに針路を変えて、日本に接近することは滅多になかったのです。

しかし近年、そのような過去の『常識』は全く通用しなくなりました。まだ5月前半だというのに、かつては海水温が上がる8月以降にしか見られなかったような強力な台風が、本州直撃に近いコースに乗っているのです。海水温が、既にかつての8月以降のようなレベルに達しており、さらに台風の進路に影響する偏西風も、まるで夏のような吹きかたに変わってしまったようです。

これはもう『季節外れ』と驚く状況ではなく、これからはこれが当たり前となるでしょう。台風の勢力はさらに強くなり、早い時期からの日本列島接近が増えて行くはずです。その原因が、悪化する一方の地球高温化(当ブログでは、温暖化ではなく高温化と表記しています)の影響であることは疑いありません。


【地震や火山ばかり気にしている場合じゃない】
その原因はともかく、我々にとっては被害を受ける可能性が高まることに他なりません。もはや台風対策は、5月から10月くらいに渡って半年間も考えなければならない時代です。

台風対策というと、イメージ的には防風対策がメインになりそうですが、実際には付帯的に記録的豪雨を伴うことが増えていますので、むしろ豪雨に伴う洪水や土砂災害対策に重点を置くべきでしょう。

さらに、台風の接近時に竜巻が発生することも確実に増えています。竜巻への対応も考えておかなければなりません。

加えて、台風の季節が長くなるということは、そこで他の災害との複合災害が起きる可能性も高まっているということです。暴風雨や豪雨の中で火山噴火や大規模地震が起きないとは、誰にも断言できません。

全く、難儀な時代になりつつあります。しかしそれを嘆いても始まりません。考えすぎだと笑い飛ばすことは自由ですが、何もしないで泣きを見たくなければ、自らの力で備えなければならないのです。それは言うまでもなく、出来合いの防災セットを買うとかで完結するものではありません。


【台風6号の予想進路】
さておき、5月としては異例の勢力とコースで迫りつつある台風6号の予想進路を掲載します。最初に米海軍の調査機関Naval Research Laboratory(NRL)発表のもの、次に日本の気象庁発表の予想進路を転載させていただきます。

Nrl150511

Jma150511

先島諸島から南西諸島はほぼ直撃、その後本州の太平洋岸に沿って北上が予想されており、上陸しなくても各地に大きな影響を及ぼしそうです。

現時点より勢力は弱まるでしょうが、かなり強力なまま北上しそうですので、厳重な警戒が必要です。では厳重な警戒とは何かということですが、継続的な情報収集を行い、危険と判断したら早い段階で安全な場所に避難する、現実的にはそれが最優先事項です。

そして、その時に必要なものを最短時間で準備できるように、事前に備えておくことが必要です。

気象情報を見ながら厳重な警戒をしているつもりでいても、普段と同じ行動では、何の意味もありません。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。


2015年5月 9日 (土)

【ヲタ目線地震教室07】水平にズレる横ずれ断層(#984)

今回は横ずれ断層です。いつも断層の話からどんどん脱線していますが、なにとぞご容赦を。ヲタ目線ですから。


【横ずれ断層は2種類】
実は、2種類と言う意味にも2種類あります。

まず、横ずれ断層の形状による分類。右横ずれ断層と左横ずれ断層の2種類です。でも、これは観測点から見た断層がずれる方向、すなわち力がかかっている方向による分類ですから、ここでは無視させていただきます。

もうひとつは、横ずれ断層が形成されるメカニズムによる分類です。

【水平方向に横向きの力がかかる】
典型的な横ずれ断層は、一部の地殻プレート境界域で見られます。地殻プレートが水平方向に動いている場所です。
1
ある地殻プレートが、接している他の地殻プレートに対して横向きに動いている場所では、その境界は横ずれ断層となります。

アメリカ西海岸にあるサンアンドレアス断層は、横向きにズレている地殻プレート境界が地表面に現れている、非常にわかりやすい場所です(下画像)
San_andreas_fault
断層線に沿って連なっている小さな丘は、強い力でこすり合わされている断層面にかかる横向きの力によって、岩盤表面にシワが寄るように形成されているわけです。

この力はもちろん地下にも作用していて、横ずれ断層面に直交するような形で多数の逆断層が形成されています。このため、サンアンドレアス断層があるアメリカ西海岸地域は、地震の多発地帯になっています。

阪神・淡路大震災のちょうど1年前、1994年1月17日にはこの地域で『ノースリッジ地震』が発生し、サンフランシスコを中心に大きな被害が出ました。

この先も、サンフランシスコやロスアンジェルスなどアメリカ西海岸の大都市が、巨大地震に襲われることが危惧されています。


【岩盤がX型に割れる】
横ずれ断層が形成されるもうひとつのメカニズムは、どこでも起きる可能性があります。

岩盤に水平方向の圧縮力がかかった時、岩盤が圧縮力に対して斜め方向もしくはX型に割れることで、逆断層ではなく横ずれ断層が形成されることがあります。
2
上図では簡易的に一方向のみの横ずれ断層を表しましたが、同時に赤い点線のようにもヒビが入り、横方向にズレることがあります。


【日本には少ない?】
日本列島で確認されている断層は正断層と逆断層が多く、横ずれ断層は比較的少なくなっています。

しかし絶対数が非常に少ないかというとそうでもなく、研究機関のデータベースには、かなり多くの横ずれ断層が掲載されています。 ただ、横ずれ断層が動いて大きな地震が起きた例が少ないために、我が国では珍しいタイプの断層だと認識されていることもあるようです。

過去の地震発生記録によれば、少なくとも日本列島付近においては、大規模地震が発生する危険はあまり大きくないタイプの断層だと言って良いかもしれません。ただしそれは確率論であって、横ずれ断層で絶対に大規模地震が起きないとは言い切れませんが。


【日本の横ずれ断層の例】
宮城県亘理郡から福島県いわき市の海岸線に沿って伸びている双葉断層は、横ずれ断層(左横ずれ)です。なお、横ずれと同時に断層の西側(内陸側)が隆起するという、逆断層的な性質も併せ持っています。

2013年2月25日に栃木県北部の群馬県境近くで発生し、日光市などに被害をもたらした最大震度5強の地震は、横ずれ断層によるものでした。この断層帯は、2014年9月3日にも最大震度5弱の地震を起こしています。

埼玉県入間郡名栗村から東京都青梅市、立川市を通って府中市に至る立川断層帯も、基本的には断層線の北側が隆起している逆断層ですが、北西部の埼玉県下では横ずれ(左横ずれ)も伴っているとのことです。

この辺りが、最近の我が国での横ずれ断層関連情報として目立ったところでしょう。


【特別に危険ではないけれど】
我が国においては、横ずれ断層による大規模地震の例はほとんどなく、横ずれ断層だからと言って、特徴的な地震が起きるわけでもありません。

ただ、横ずれ断層は地下の浅い部分に形成されることが多いようなので、そこが動けば浅い震源の直下型地震となって、震源直上周辺では特に強い揺れに襲われることになります。

ですから特に意識する必要は無いでしょうが、内陸直下型地震が起きる可能性がある場所のひとつとして考えておくべきでしょう。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年5月 7日 (木)

ニューギニア付近でM7クラス地震が連続発生(#983)

このところレギュラー記事を書く暇もないほど、あちこちで大きな災害や注目すべき事象が起きてます。

今度は、ニューギニア島付近で大規模地震が連続発生しました。過去に例の無いようなことが起きているのです。

【ニューギニア付近で何が?】
赤道直下のニューギニア島付近は、オーストラリアプレートと太平洋プレートが接するプレート境界域です。南側からオーストラリアプレートが北向きに移動しており、それに対して太平洋プレートが南向きに押し返すような関係です。

過去記事に掲載した模式図を再掲載します。
Plates

上図では、ニューギニア島付近で5月1日に発生したマグニチュード7.1の震央を記していますが、その後もさらに大規模な地震が連続して発生しているのです。

5月1日に続き、5月5日にはごく近い場所でマグニチュード7.5が、そして今日5月7日にはまたもやごく近い場所でマグニチュード7.2の地震が発生しました。街区があまり発達している地域ではないせいもあって被害の情報は入ってきていませんが、小規模ながら津波も発生しているようですし、なんらかの被害はあるかもしれません。

ニューギニア付近は世界のプレート境界域の中でもかなり活発な地震活動が見られる場所です。しかし1週間の間にマグニチュード7クラスが3回も連続するようなことは、過去には起きていないのではないでしょうか。

地震の規模から見ると、一連の地震は本震と余震という関係ではなく、あくまで独立した地震が連鎖的に発生しているように見えます。日本列島付近に当てはめれば、東海・東南海・南海地震が短時間のうちに連鎖発生するような状況かと思われます。


【今後も警戒が必要】
ニューギニア島付近という世界有数の“地震の巣”が、非常に活発に動いています。すべてプレート境界域で発生しているプレート境界型地震ですから、もし近隣の境界域にまだ大きなエネルギーが蓄積されていたら、高い確率で近いうちに放出される、つまりまた大規模地震が起きる可能性が高いと言えます。

あの境界域にどれくらいのエネルギーが蓄積されているのかは、素人には判断のしようがありません。しかしこの状況を考えれば、『まだかなり残っている』と考えるべきです。

それがこれからも大規模な地震に繋がるかもしれないというより、エネルギーがあるならば、近いうちに高い確率で起きるでしょう。

もしニューギニア島付近で巨大地震が発生した場合、周辺に点在する島々やフィリピン、オーストラリア、ニュージーランドなどの沿岸部で、大きな津波被害が出るでしょう。日本へも津波が到達する可能性があります。

それ以前に、このような大規模地震が局地的に連続しているということが何を意味するのか、全地球的な何らかの力の影響下にあるのか、他の地域に影響することは無いのかということなどについて、注視していかなければなりません。

昨今の全地球的な状況を見るにつけ、どこで起きた地震でも「対岸の火事」と考えるべきではないでしょう。別にどこかの御仁のように脅そうというわけではありませんが、いよいよ明日は我が身かもしれないと、真剣に考える必要がありそうです。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年5月 6日 (水)

箱根山の噴火警戒レベルが引き上げ(#982)

Hakone_3
箱根山周辺規制図(気象庁ウェブサイトから転載させていただきました)

箱根山の火山活動が活発化の傾向を見せています。5月5日には、それまでより深い地下5km付近を震源とする震度1の有感地震が発生しました。


【箱根山の活動は“次の段階”に】
これは火山活動が活発化し、次の段階に入ったためと思われます。

当初は、地下で熱せられた水及び水蒸気の供給量が増えたために、その圧力によって地表近くで火山性地震が発生したものと思われます。

このため、想定される危険は普段より強い水蒸気の噴出程度の現象でしたので、噴火警戒レベルは「平常」のレベル1のままでした。

しかし、深さ5km付近で地震が発生したということは、それまでより深い場所で水蒸気の圧力上昇、もしくはマグマの発泡が起きている可能性が出てきたのです。

マグマへの地下水の供給量が増える、もしくはマグマが上昇して新たな水脈に触れるなどして水蒸気圧力が上がっているか、マグマが上昇して加わる地圧が下がることによって、マグマ内のガスが発泡して圧力が上がっていかのどちらかの現象が起きている可能性があります。

マグマの発泡とは、炭酸飲料の栓を抜いた時に発泡するのと同じ現象で、マグマに加わる圧力が下がると、とけ込んでいた火山ガスが泡状に気化する現象です。

ただし、5月6日時点では大規模なマグマの上昇を示す低周波地震などは観測されていません。


【水蒸気爆発以外もあり得る】
いずれかの理由によって地下の圧力が上昇していることが考えられるために、噴火警戒レベルは「火口周辺規制」のレベル2に引き上げられました。

現在最も懸念されるのは、噴気が強まっている大涌谷付近での水蒸気爆発です。地下の水蒸気圧力がさらに高まれば、現在噴気が強まっている大涌谷周辺、すなわち圧力の抜け道付近の地面を吹き飛ばすような爆発が起きる可能性が出てきました。

現時点では、最大でも大涌谷周辺2km程度に噴石が到達するかもしれないという規模が想定されています。その場合でも、風向きにもよりますが、はるか遠方にまで火山灰が降ることが考えられます。

今後さらに活動が活発化した場合は、別の懸念も出てきます。

地下のマグマがさらに上昇して来た場合、前記のように火山ガスの発泡による圧力上昇によって地表から噴出したり、さらに大規模になれば、噴火にまで発展する可能性があるのです。

その場合、現在噴気が上がっている場所はもとより、それとは全く違う場所で噴気や噴火が発生する可能性も出てきます。

地下の岩盤の状況によって、現在の噴気口とは別の『圧力の抜け道』ができてしまうかもしれないわけです。

ただ、一般的には最も圧力が抜けやすい場所、すなわち現在の噴気口付近から噴出する可能性が最も高いと言うことができますが、その他の場所での噴火の可能性も想定しておかなければなりません。

いずれにしろ、今後さらに活動が活発化するのならば、現在以上に火山性地震の増加、地温上昇、圧力による山体膨張などの兆候が出るはずです。

それらは継続的に監視されていますので、当面は気象庁など関係機関からの発表に注意してください。

もし新しい火口ができる場合は、過去数万年の間に噴火したことがある火口跡付近に加えて、全く別の火口が形成される可能性もあるということも頭に入れておく必要があります。

それは多くの場合、主な火口や火口跡を取り巻く山腹か山麓(山裾)と考えて良いでしょう。


【具体的に何をすべきか】
このような段階になっていますから、噴火によって直接の被害を受ける可能性のある範囲にいる方は、速やかに危険地帯から避難する備えを始めておかなければなりません。さし当たって、火口周辺の半径2キロに及ぶ現在の立ち入り規制区域には居住者はいないようですが、想定以上の噴火規模になる可能性も考えておくべきです。

避難時に必要な備品は地震避難時に必要なものと共通ですが、重点を置くべきは、火山灰対策です。目や呼吸器、コンピューターなどの電子機器を火山灰から守らなければなりません。その基本は、前記事でも触れています。


火山噴火の場合は、危険範囲から脱出できさえすればすぐに救援が受けられますから、地震避難よりはある意味で楽ではあります。

しかし、大量の降灰や付帯的な地震による避難道路の寸断や避難車両の集中による大渋滞も想定して、できる限りオプションの避難方法も考えておかなければなりません。

また、避難が必要な状況はいつ起こるかわかりませんから、ご家族などとそれぞれの避難方法、避難場所、集合方法なども打ち合わせしておきましょう。火山災害でも『てんでんこ』は必要です。

地震に比べて通信手段が失われる可能性は低いのですが、局地的にしろそれが起きないとも言い切れません。


【希望的観測は一旦捨てよう】
管理人は、以前の記事で『富士山より箱根山系の方が・・・』などとつぶやいたこともあるのですが、現実を直視していれば、それは当然のことなのです。

何百年も噴火していない、兆候も見えない富士山に対して箱根山は活発に活動している活火山ですし、以前から若干ながらも噴火に繋がるかもしれない兆候は出ていました。

とはいえ、今回の活動活発化が大規模噴火に発展する可能性は、現時点では高くありません。それは今後の推移次第であり、このまま収束して行く可能性が高いのかもしれません。現実に、箱根山は活発化と収束を過去から何度も繰り返してきました。

しかし、ここは一旦希望的観測を捨てて、巨大噴火が起きるかもしれないという前提で、できる備えを進めておくべき状況でもあります。

『最悪の状況を想定する』ことが危機管理の鉄則であり、それに従って備えを進めておくことが、”その時”にあなたと大切な人を救うのです。


■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。


ネパール地震の地殻変動が明らかに~管理人の想像通り~(#981)

4月30日、国土地理院から地球観測衛星「だいち2号」(ALOS-2)による、4月25日に発生したネパール地震震源域の調査結果が発表されました。発表された内容は、「だいち2号」に搭載されたLバンド合成開口レーダーPALSAR-2を使用した調査による地殻変動の詳細です。

なお、当記事に掲載の図及び引用テキストは、すべて国土地理院ウェブサイトの記事『2015年4月25日ネパールの地震に伴う地殻変動』から引用・転載させていただきました。


【管理人の予想】
管理人は、4月28日アップの【支援先リンクつき】ネパール地震は巨大被害に(#977)記事内で、この地震のタイプを下記のように考え、記しました。

かなり広い範囲の断層が連鎖的に破壊されたと思われ、そのため強い揺れの持続時間がかなり長かった。 現時点では想像だが、当初の震源から東方向、カトマンズやエベレスト方面に向かって断層の破壊が進んだ可能性がある。

管理人がそのように考えた理由は、下記の通りです。

■揺れている最中のカトマンズ市内の映像からは、震動周期1秒程度の非常に強く速い揺れが見られ、阪神・淡路大震災のような直下型地震の揺れに近いと判断した。つまり、カトマンズに強い揺れをもたらした震源は、カトマンズ北西方約80kmの本震震源よりも、かなりカトマンズに近い場所だと考えた。

■当初の震源から東方へ200km以上離れたエベレスト山中で大規模な岩屑崩落が複数発生しているが、これは山体に大きな破壊力をもたらす強い極短周期~短周期地震動が発生していたためと考えられる。しかしカトマンズ北西方約80kmの本震震源付近の地震ならば、そのような揺れがエベレスト付近まで到達するとは思えない。地震は、一般に震源からの距離が離れるほど、震動周期が長くなる傾向がある。

■揺れている時間がかなり長かったという各地の証言から、かなり広い範囲に渡って連鎖的な断層破壊が発生したと思われた。

以上の要素から、管理人は本震震源から東方、カトマンズやエベレスト方面へ断層破壊が連鎖したと考えました。カトマンズで強い短周期地震動が発生していること、本震震源から遠いエベレストで岩屑崩落が発生していることから、主な震源域はずっと東方であると考えたのです。


【だいち2号による観測結果】
下図は、だいち2号による電波観測結果から作成された、地殻変動の方向と距離を示したものです。
Nepal01
色の濃さは断層のすべり量、矢印は移動の水平方向と距離を表しています。

この図からわかることは、下記の通りです。

■当初の断層破壊はカトマンズ北西方約80km(赤い星印)から始まったが、そこから東方に向かって南北の幅約120km、東西の長さ役約160kmに渡って断層のズレが連鎖的に発生した。

■最も大きな地殻変動、すなわち断層のズレは、カトマンズ北東方20~30km付近で発生している。つまり、この地震は事実上カトマンズ直下型地震と呼べるものである。


加えて、国土地理院ウェブサイトの当該記事に掲載のテキストも一部引用させていただきます。

(以下引用)-------------
【地殻変動の特徴】
・地震に伴い10cm以上の地殻変動が見られる領域は、カトマンズ北方を中心として、東西160km程度、南北120km程度の範囲に広がっています。変動域の南部は隆起、北部は沈降しています。

・カトマンズの北方から約30km東方にかけての領域が最も地殻変動が大きく、最大で1.2m以上変位したことがわかりました。地震に伴い大きく隆起したと考えられます。

・観測された地殻変動の特徴から、北北東傾斜の断層による逆断層滑りが生じたとみられます。

【断層モデルの推定結果】
・カトマンズの北東20-30kmの領域の直下に、最大4m超の滑りが推定されました。
・やや右横ずれ成分を含む逆断層滑りが推定されました。この結果は、地震波の分析とも整合しています。
(引用終了)-------------


【管理人の考えは正しかった】
まとめますと、今回のネパール地震は

■南北に圧力軸を持つ、北向きの圧力による逆断層型地震である。断層線の南部が北部に乗り上げるように隆起し、対して北部が沈降している。

■カトマンズ北西方約80kmの地点から断層のズレが始まり、東方に向かって約160kmに渡って連鎖した。最大のズレはカトマンズ北東方20~30kmで発生し、4mを超えるズレが発生した。このため、カトマンズはほぼ直下型地震と言える短周期の強い揺れに襲われ、建物被害が甚大となった。

■エベレスト山腹から西方約100kmと、本震震源までの約半分の地点で最大のエネルギーが放出されたため、エベレスト付近にも比較的短周期の揺れが到達して、岩屑崩落が発生した。

以上のように考られます。このことから、4月28日付けの記事で管理人が記した内容は、ほぼ完全に正当であることが証明されたかと思います。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年5月 5日 (火)

箱根山の活動が活発化(#980)

箱根山の火山活動が、若干活発化しているようです。


【5月3日時点より活発化】
本日5月5日の午後3時までに火山性地震が98回発生し、午前6時台には震度1の有感地震が2回(M2.2と2.6)発生しています。今後、マグニチュード2以上、震度1以上の有感地震が増加した場合、箱根山の噴火警戒レベルが現時点のレベル1(平常)から、より高度に変更される可能性があります。

気象庁の発表では、箱根山で有感地震を観測したのは2011年3月、すなわち東日本大震災直後以来だとしていますが、実際には前記事の通り、2013年2月10日に震度5強程度の強い地震が大涌谷周辺のごく狭い範囲で発生しています。

この地震は非常に局地的であり、大涌谷から約8km離れた箱根町役場に設置された気象庁の震度計では、震度1以上の有感地震を観測していません。このため、地震としては『無かったこと』にされているのです。しかし現地は確かに強い揺れに襲われ、箱根山ロープウェーが停止したり、一部の建物に被害が出たりしたことは事実です。

公式記録に残されていないからと言って、あれだけ大きな地震を『無かったこと』にしてしまう気象庁も、それを平然と報道してしまうメディアにも大きな不信感を感じざるを得ません。過去のことはともかく、同様のことがまた起こる可能性は十分にあるのです。

いずれにしろ、今後の推移をより注意深く監視する必要があります。


【箱根山が噴いたら何が起こるか】
今回箱根山で見られている兆候が、現時点では大規模な噴火に結びつきそうだという訳ではありませんが、もし仮にある程度の規模で噴火したとしたら、地理的条件などから何が起こるかを考えてみます。


箱根山周辺は、我が国有数の観光地です。そして、箱根山の北側山麓に東名高速道路が、東側山麓と海の間の狭い範囲に、東海道新幹線、東海道本線、国道1号線が集まっていて、東西日本を繋ぐ交通のチョークポイントとも言うことができます。

箱根山は、東京都心から西南西方向約76kmに位置します。そしてこれから夏に向けて、南寄りの風が多くなる季節です。

非常に大雑把ですが、箱根山周辺の状況は以上のようになっています。


まず、言うまでも無く観光業へのダメージは甚大です。しかし、それは当ブログのテーマではありませんので、ここでは触れません。

次に、交通への影響が考えられます。仮に、多量の噴煙が上がるような規模の噴火となった場合、噴煙が北側に流れれば東名高速道路に、南側に流れれば東海道新幹線、東海道本線、国道1号線に火山灰が降り、通行や運行を支障する可能性があります。

そうなると東西日本の物流が影響を受け、しばらくは経済的混乱があるかもしれません。特にこれからの季節は南寄りの風が増えるため、北側を通る東名高速道路が降灰の影響を受ける可能性が高くなります。

噴煙がさらに大量に上がれば、これからの季節の南寄りの風に乗って、火山灰が関東地方にまで到達することもあるでしょう。東京都心から南関東、北関東の一部くらいの範囲で、ある程度の降灰は予想できます。

しかし、関東地方では交通や生活を大きく支障するレベルにはならないでしょうから(そうなったら大噴火です)、主に健康面への対策を考えておくと良いでしょう。

 
【火山災害対策の基本とは】
ここで、箱根山に限らない火山災害対策の基本を考えておきましょう。

溶岩流や火砕流などの直接的被害を受ける範囲以外では、火山灰対策が主眼となります。火山灰は灰と呼ばれているものの、その実体は『マグマの粉』です。

主成分はマグマが急冷されて固まったガラス質で、顕微鏡で見ると表面はギザギザになっています。下画像は顕微鏡画像の一例です。
Volcano_ash
このような性状のため、目に入ると角膜を傷つけたり炎症を起こしたりします。また、呼気と共に吸い込んでしまうと、気管支炎などの呼吸器障害を引き起こします。

コンピューターなどの電子機器に吸い込まれると、静電気で内部に付着して誤作動を起こします。

このようなことから、一般的な対策の主眼は吸い込まない、目に入れない、家に入れないということになります。

そこで、まず用意しておくべきは呼吸器を守るマスクです。しかし一般のマスクでは粉塵の濾過能力はあまり高くなく、周りに隙間もできやすいので、下画像のような粉塵用のマスクがお薦めです。
Photo
とりあえず、画像いちばん左の紙繊維製カップ型マスクならば安価で機能的にも十分ですし、濡れなければはたいて繰り返し使うこともできます。


次に、目を守ること。火山灰が降っていたり舞い上がっている環境では、コンタクトレンズの使用は厳禁です。コンタクトレンズ使用中に火山灰が目に入ると激しい痛みや炎症を引き起こしますし、角膜も傷つきます。かならずメガネを使用してください。

さらにそのような環境では、目を守るグッズも欲しくなります。目の周りを覆うようなスポーツサングラスでも、火山灰が直接目に入らないようにする効果がかなり見込めますし、スキー・スノボ用ゴーグルならば、さらに高い効果があります。
Survive_019

水泳用ゴーグルも、代用品としてとても優秀です。代用品とはいえ、密閉性ではこれを超えるものはありません。ビジュアル的に気にならなければwお薦めです。度入りレンズもありますので、目が悪い人でもある程度対応できます。
Gogle

もちろん工場作業用などの防塵ゴーグルも良いのですが、見かけや通気性、曇り止め性能などを考えると、スポーツ用などを流用する方が現実的ではないかと思います。

曇り止めと言えば、小型電動ファンで強制通気させて曇りを止めるゴーグルもありますが、これは粉塵などを積極的に吸い込んでしまいますから、火山灰対策としては不可です。


火山灰は、家の中にも入って来ます。そして前記のようにコンピューターや他の電子機器を故障させる以前に、とにかく不快です。降っている最中や積もった灰が舞い上がるような状況では、家の中への侵入をできるだけ防がなければなりません。

そのために大活躍するのが、養生テープ。
Annex_021
ガムテープでは粘着力が強すぎ、キレイに剥がせないこともあります。他にガムテープの上に重ねて貼れない、塗れた場所には貼りつかないという問題もありますが、養生テープならばすべて問題ありません。

養生テープで家のドアや窓周り、換気扇の開口部、通気口などを目止めすることで、隙間からの火山灰の侵入を防ぎます。

火山灰が積もったり付着するのを避けたい場所や物を覆ったり、ドアの開閉に伴う家の中への火山灰の侵入を防ぐためなどには、ブルーシートがあると便利です。
Annex_001


【火山灰対策専用品はない】
ここで挙げたグッズは火山灰対策として有効なものですが、何も火山灰専用ではありません。当ブログ読者の方ならご存知かと思いますが、すべて過去記事で登場しているものばかりです。

ゴーグルは災害後の粉塵対策、マスクは同じく粉塵と放射線環境対策、養生テープとブルーシートは汎用性が非常に高いので災害対策グッズの基本でもありますが、当ブログでは過去に放射線環境対策用として紹介しています。火山灰でも放射性塵でも、家の中への侵入を防ぐためにやることは一緒です

■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。


2015年5月 4日 (月)

火山性地震の要警戒情報二題(#979)

昨日5月3日、火山に関係する事象及び発表がありました。


【鳥島近海で津波発生】
5月3日午前1時51分ごろ、本州のはるか南、八丈島から南へ約180kmの鳥島近海で、『ごく浅い』場所(地下5km程度より浅い)を震源とするマグにチュード5.9の地震が発生し、小規模ながら津波が発生しました。伊豆諸島各地で最大50cm程度の津波を観測しましたが、幸いに被害は発生していないようです。

この地震の震源付近では、通常ならば震源深さが10kmより浅い地震が起きるようなメカニズムはあまり考えられません。東日本大震災後にも、同様の地震は発生していないはずです。

気象庁がこの地震の地震波を解析したところ、通常の断層型地震ではなく、火山性地震らしいということです。気象庁の見解によれば、海底火山活動の影響によって海底が急激に隆起したために、地震と共に津波が発生したのではないかと考えられています。なお、その火山活動が噴火や噴気などに発展したかどうかは、当記事執筆時点では確認されていません。

今後、今回の震源付近で海底火山活動が継続した場合、さらに大規模な地震や津波が発生する可能性もありますから、当面は活動状況を注視する必要があります。

なお、今回の震源はフィリピン海プレート内であり、東日本大震災の直接的な影響による活動である可能性は高くないと思われます。しかし、東日本大震災による大規模地殻変動は、広い範囲に大きな影響を及ぼしているために、広い意味において影響を受けていないとは言い切れません。


続いてもう一件。

【箱根山で火山性地震が増加】
5月3日の気象庁発表によると、神奈川県箱根町の大涌谷付近の浅い場所を震源とする、火山性地震が増加しています。

4月1日以降、大涌谷付近の火山性地震は約150回発生しており、特に4月26日以降は急増しているとのこと。

このため、箱根町では遊歩道『大涌谷自然研究路』を大涌谷から300mの範囲で、周辺のハイキングコースも大涌谷から半径3kmの範囲で閉鎖しました。

気象庁によれば、5月3日時点では『直ちに噴火する兆しは見られない』として、噴火予報は『平常』(レベル1)のままとしており、規制区域以外の温泉街などには特に影響は無いとしています。


【大涌谷付近では震度5強も】
箱根町の大涌谷付近では、2013年2月10日に局地的な強い地震が発生しています。大涌谷付近のごく狭い範囲では震度5強程度に達し、建物被害も出ました。この地震も火山性地震(マグマの上昇による地震)だったと思われ、気象庁の公式記録にも地震としては記録されていません。

気象庁の震度計は大涌谷から8km程離れた箱根町役場に設置してあるものの、そこでは有感地震(震度1以上)を観測しなかったために、地震の記録としては残されていないのです。この地震は、それくらいごく局地的な地震でした。

この地震の前にも、前月の1月11日頃から約1ヶ月に渡って、火山性地震が増加していたとのことです。

今後の火山活動の状況によっては、同様の強い地震が発生するかもしれません。また、噴火に繋がる可能性も皆無ではありませんので、こちらもしばらくの間は活動状況を注視する必要があります。

箱根山系は東日本大震災前より火山活動が若干活発化しているという説もありますので、より注意深い監視が必要かと思われます。


■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。


2015年5月 2日 (土)

ニューギニア付近でM7.1の地震(#978)

日本時間の5月1日午後5時6分頃、ニューギニアのグレートブリテン島付近を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。

この地震により津波が発生する可能性がありましたが、幸いに発生はしていないようです。


【ニューギニア付近も地震の巣】
ニューギニア付近は、北側の太平洋プレートに対して南側からオーストラリアプレートが圧縮しており、両プレートは境界面で押し合うか、もしくはオーストラリアプレートが太平洋プレートの下に潜り込む形になっています。このため、世界有数の“地震の巣”となっており、過去にも大規模地震が数多く発生しています。

2004年12月にスマトラ島沖で発生して巨大津波を引き起こしたマグニチュード9.1の巨大地震は、オーストラリアプレートがユーラシアプレートを北向きに圧縮している場所で発生しましたので、ニューギニア付近の地震とはメカニズムが異なります。

周辺の地殻プレートの位置関係と移動方向と、東日本大震災、スマトラ沖地震と4月25日のネパール地震の震央も含めて図にまとめました。
Plates
これらの地震は、基本的には地殻プレートの境界域で発生しているプレート境界型地震です。


【やはり活動期か】
世界各地の地殻プレート境界を中心に、このところ大規模地震が頻発する傾向が見られています。その理由は不明ながら、全地球的規模で地震の活動期に入っているという説があります。

20世紀において、マグニチュード9以上のプレート境界型地震は4回発生していますが、その全てが1952年から1964年の12年間に集中しています。100年のうちの12年間ですから偶然とは考えられず、その期間が前回の活動期と言われています。

そして20世紀最後のM9クラス、1964年のアラスカ地震から40年間の比較的平穏な時期を経て、2004年にスマトラ沖でマグニチュード9.1が発生、それから7年後の2011年にマグニチュード9.0の東日本大震災が発生しました。

その後マグニチュード9クラスは発生していないものの、マグニチュード7~8クラスは明らかに多発しています。このことから、2004年のスマトラ沖地震を期に、地震の活動期に入ったという説が唱えられています。

この説が正しいかどうかはともかく、大規模地震が頻発していることは事実です。それが日本列島付近で起きないとは、誰にも言えません。

日本列島付近の地殻プレート境界域は、東日本大震災や想定される南海トラフ地震の例を挙げるまでもなく、間違いなく“地震の巣”なのです。


なお全く余談ながら、今回の震源にごく近いニューブリテン島は、太平洋戦争時に旧日本海軍の拠点のひとつだった、ラバウル基地があった島です。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


« 2015年4月 | トップページ | 2015年6月 »