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2015年6月17日 (水)

鉄ヲタと防災ヲタがまとめて怒った話(#1012)

自称『乗り物ヲタ』で、もちろん鉄道も大好きな管理人が以前から気になっていたことがあるのですが、またありました。


【日本は全部東京じゃない】
東京近郊で暮らしていると、東京の話が全国で通用するような錯覚に陥ることがあります。

管理人は群馬県出身で東京暮らしも長く、それから転勤で全国をあちこちへ行きました。地方都市で暮らして感じたことは、メディアには東京発信の情報が多すぎやしないか、ということです。

全国展開するコンテンツの多くが東京で制作されていますから、ある意味で致し方ないのかもしれません。東京はネタにも事欠きませんし。

しかしエンタメならともかく、全国が対象ならば、それでは済まないこともあります。


【東京を制する者は商売を制す】
小見出しは、以前記事内で皮肉として使ったフレーズです。商業ベースの『防災の専門家』は、やたらと東京を含む関東の危険をアオります。

東京直下型地震、東京湾大津波、立川断層地震、富士山噴火の火山灰被害等々。東京を含む巨大都市圏の危険をアオるのが、いちばん『数字』取れますからね。

そんなバイアスがかかっているのに加えて、恐らくは不勉強もいいところという実例がまたありました。


【不勉強とやっつけ仕事】
facebookページの方でも久々にちょっと書いたのですけど、有名週刊誌『G』(何故かこちらではイニシャルw)の防災記事で、大地震における地下鉄の危険をテーマにしたものがありました。

その内容はさておき、例によって地下鉄の危険について『防災の専門家』がコメントしています。当ブログ記事でも良くネタにさせていただく、お馴染みの面々です。


地下鉄の防災ネタになると、必ず登場するのが『第三軌条』という話。線路の脇に高圧電流が流れている3本目のレール(第三軌条)があり、そこから集電して電車を走らせる方式です。

そんな路線では、災害や事故が起こった時、乗務員の誘導がないうちに線路に下りたりすると、第三軌条に触れて直流600~750Vで1000A以上の大電流を食らい、一発で感電死の危険があるわけです。

そういう話の例として登場するのは、ほぼすべて東京メトロの銀座線と丸の内線です。過去の地下鉄防災系記事でも、これ以外が例に出たのを、管理人は見たことありありません。ほとんど枕詞のように、第三軌条と言えば銀座線と丸の内線を「挙げておけばいい」という感じです。

今回の週刊『G』記事のコメントでもそうでした。でも、あれは全国誌ですよね。


【他の地域は無視、関東さえも】
実は、第三軌条方式の鉄道は、東京以外にもあちこちにあります。

まず、ゴムタイヤ方式で有名な札幌地下鉄の南北線。名古屋地下鉄の東山線・名城線・名港線。大阪地下鉄の御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線。そして、大阪地下鉄に乗り入れる近鉄けいはんな線と北大阪急行南北線。

これだけあるのに、全国誌の記事で東京メトロだけ挙げとけばいいという発想、どうでしょうか。他の都市の住民は知らんということですね。

とりあえず関東中心の記事だと言い訳されたとしても、実は関東にもまだありますよ。横浜地下鉄ブルーラインが。大地震のリスクは東京と変わらない、大都市横浜の利用者も蚊帳の外ですよ。代表的な東京だけ挙げとけば格好がつくという、やっつけ仕事がアリアリですな。


【他にも危険はある】
第三軌条云々という話ではありません。この手の話の重点は、鉄道で『勝手に線路に下りたら危険』ということです。ならば、他にも怖いものがある。

いわゆる新交通システムに多く採用されている、『側方接触式・三線剛体架線方式』という方式です。主な例では、東京の「ゆりかもめ」、大阪の「ニュートラム」、神戸の「ポートライナー」、埼玉の「ニューシャトル」など。

この方式も、走行路盤の脇に三相交流き電用レールがむき出しになっています(下画像)
Yurikamome1
車体の右下に見える3本のレールがき電用レール

Yurikamome2
三相交流き電レールのアップ(ジョイント部)

このように、地下鉄だけでなく新交通システムも勝手に車外に出ると大変なことになります。知っているんですかね?『防災の専門家』さんたちは。


【この声を聞け】
ところで、ここでは敢えて電気車両に電力を供給する意味の専門用語である、『き電』という言葉を使っています。漢字で書くと『饋電』ですが、当用漢字ではないので、『き電』と表記されます。

なぜわざわざこんな書き方をしたかというと、電車に乗っていて車外避難が必要になった時のことを考えています。

第三軌条方式などの鉄道や交通システムで乗客を車外に誘導する時は、原則として『き電停止』状態にしなければなりません。該当区間への送電を止めるのです。

それを確認してから、避難誘導が始まります。その際に、「き電停止!」という発声による確認がされるはずですので、それを聞くことができれば感電の心配は無いということです。

もちろん、そんなことは知らなくてもいいのです。でも、「キデンってなんだ?」と思うより、知っているとちょっと安心できる、どうでもいいトリビアとして紹介しましたw

大切なことは、特に第三軌条方式など側方集電方式の場合、『き電停止』が確認されるまでは、車外に出るのは非常に危険である、ということです。

もし、一刻を争うような緊急事態に陥り、自分の判断で車外避難をする場合にも、上記のような知識があるのと無いのでは、安全度が大きく違って来るわけです。


【上にあれば大丈夫という話でもない】
念のため付け加えますが、地面近くにある第三軌条だけが危険なわけではありません。高い場所に張ってある架線(正式には架空電車線)の場合でも、事故や災害で切れて垂れ下がっていたりすることもあります。

そうでなくても、ホームでも無い場所で車外に出て電車の床下機器に触れてしまうと、感電ややけどをすることも普通にあります。電車の床下機器は、高圧電流と高熱だらけなのです。

ですから、鉄道などで移動中に事故や災害に遭った場合、一刻を争う緊急事態で無い限り、避難誘導が始まるのを待つのが賢明と言えます。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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