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2015年6月13日 (土)

【ヲタ目線地震教室11】真っ赤な夕焼けを見たら・・・(#1009)

当シリーズ前回記事では、いきなり大きく脱線して人工地震について述べました。脱線ついでに、今回は『真っ赤な夕焼けは地震の前兆か?』ということについて考えてみます。


【阪神・淡路大震災前の夕焼け】
一般に真っ赤な夕焼けが大地震の前兆ではないかと言われるようになったのは、1995年の阪神・淡路大震災後からと言って良いでしょう。

地震の前日、1995年1月16日に神戸付近から見えた夕焼けが、不気味なくらい真っ赤だったというのは事実です。管理人が個人的に伺った話によると、1月15日の夕焼けもかなり赤かったそうです。

1月16日の夕焼けは、震災後これも『地震雲』ブームのきっかけともなった、一見竜巻状に見える雲の写真と共に、地元新聞(神戸新聞)にカラーで掲載されました(下画像)
Akashi
シルエットは、当時建設中だった明石海峡大橋です。真っ赤な夕焼けの中に見える一見竜巻状の雲については、当ブログ過去記事で解説していますので(下記リンク)、ここでは触れません。

地震雲ってなに?【6】
地震雲ってなに?【7】

早い話が、地震雲なんてものは誤認と思い込みと勝手な解釈の結果に過ぎません。では、真っ赤な夕焼けは。


【理由ははっきりしている】
夕焼けが真っ赤に見える理由は、はっきりしています。

まず、夕焼けの光は太陽光であるということ(これ、とても重要なことです)。それが赤く見えるのは、太陽光のスペクトル(いわゆる虹の七色)のうち、紫から青に近い成分が拡散され、観測者の目に届きにくくなっているということです。

それが朝や夕方に多いのは、太陽の高度が低いために、光が観測者に届くまでにより厚い大気層を抜けてくるからです。その大気層に、青色系の光を拡散するものがたくさんあればあるほど、青色系光が遮られて赤く見えるわけです。

では、青色系光を拡散するものは何かというと、大気中の水蒸気、チリ、火山灰、黄砂などの、いわゆるエアロゾルと総称されるものです。


青色系の光は赤色系に比べて波長が短く、空気中の障害物にぶつかると拡散されやすい性質を持っているのです。このため、大気中にエアロゾルが多いほど、夕焼けが赤く見えるわけです。このメカニズム自体は、エアロゾルの正体がなんであろうと変わりません。

他の例では、高度の低い月が赤く見えることがあるというのも、同じ理由です。高度の低い月の光(太陽光の反射です)は、観測者の目に入るまでに、より厚い大気層を通るからです。

さらに、空が青いのも同じ理由。昔は宇宙の色が透けて見えるから、なんて話が子供向け科学雑誌に載るなんてこともありましたが、実は太陽光が大気層を通る時に拡散されて、空全体が青く見えるというわけです。

逆に、宇宙から見た地球が青いのも同じこと。地球が見えるのは、太陽光が地表面で反射しているからであり、そのうち青色系の光が大気層を通る時に拡散されて、青く見えているということです。空や地球の場合、青色光を拡散する主なエアロゾルは、大気中の水蒸気です。


【では、地震との関係は?】
あくまでほとんど裏付けの無い、仮説とも言えないレベルなのですが、地震の直前に大きなストレスがかかった岩盤が小さく割れ始め、そこから電磁波が空中に放出されて大気をイオン化(マイナス電荷)する。そこにプラス電荷を持ったエアロゾルが引き寄せられてクラスター(固まり)となり、青色系光を拡散する。そのため、地震前の夕焼けが赤く見えるというような主張があります。

一見科学的ですし、高い圧力がかかった岩盤に電荷が発生し、電磁波が放出されることがあるというのも事実です。ただし、実際に発生する電磁波の強さ、到達範囲や持続時間、地震が起きた断層と夕焼けが赤く見えた場所などとの整合性は全く無く、あくまで素人考えレベルの、トンデモ科学の話です。

仮に、真っ赤な夕焼けが地震と何らかの関係があるのだとしても、そのような理由では無いことは間違いありません。

なによりも、真っ赤な夕焼け自体は比較的日常的な現象です。でも、真っ赤な夕焼けが出たからといって、周辺で地震が起きているわけではない、何も起きないことが『ほぼ全て』であるという事実だけでも、夕焼けと地震の間には、基本的には関係が無いということの証明でしょう。


【多数の証言は何を意味するか】
阪神・淡路大震災の前日、神戸付近で見えた真っ赤な夕焼けに対しては、「あんなの初めて見た」、「血のような色だった」、「不気味だった」というような、いかにもそれっぽい話が多くあります。

但し、このケースに限らず注意しなければならないのは、実際に大事件が起きた後にピックアップされた“その前”の情報は、大事件と関連付けやすいものがフィルタリングされているということです。

「何も感じなかった」という情報より、「あれは前兆だったのか?」という情報の方がピックアップされやすく、しかも印象に残りやすいわけです。


さらには、情報の出し手にも、大事件後には自分の見たものを大事件と関連付けようとする、無意識のバイアスがかかります。「あれはきっと○○の前兆だったんじゃないか」という、もしかしたら自分は“特ダネ”に触れたんじゃないかという意識が、事実に尾ヒレをつけることがあるだけでなく、情報を創作してしまうことも普通に起こります。

もちろんそれは悪意ではなく、ごくありがちな人間心理の働きに過ぎません。例えば、大事件の目撃情報の場合は、その事件が怒りを買うものであるほど、大げさになるのです。自分の情報を役に立てたい、犯人検挙に結び付けたいという意識が、無意識のうちに見てもいないディティールを創作してしまうことも少なくありません。


詳細には触れませんが、最近またちょっと話題になっているあの酒鬼薔薇事件で、現場付近にある荒物屋に南京錠を買いに来た『中年男』についてのやたら鮮明な目撃証言、覚えていますか?誰が聞いてもそいつが真犯人というような情報でしたが、事実は全く違いました。

あれなど、事件に怒り心頭の方々が、自分の見た情報にそれまでの報道による想像を加味した“犯人像”を重ねて、無意識に創作してしまった部分が大きいのでしょう。そういうことも、珍しくないのです。

あるベテラン捜査官の言葉に、『目撃証言の8割は信用できない』というものもあります。もちろん完全な間違いばかりではなく、何らかの誇張や創作が紛れ込みやすいという意味なのでしょうが。なにしろ、それが現場の偽らざる感覚ということです。

というわけで、巨大地震も大事件であって、その前の情報、特に発生後にまとめられた情報には、集め方にも内容にも、ものすごいバイアスがかかっているというわけです。ですから、『みんなが言うのだから本当だ』とは全く言えないのです。


【結局、夕焼けはどうなんだ】
という話ですね。阪神・淡路大震災の場合で確かなことは、地震の前日の(おそらくその前々日も)夕焼けが、普段あまり見られないほど赤かった、というだけです。

その時の気象条件、エアロゾルの量などもわからずに、しかも他の大地震の場合との比較対照もせずに、それだけで関連ありと判断するのは、ナンセンス以外の何物でもありません。

では、管理人は地震と夕焼けは全く無関係と考えるのか。

普通ならばそうです。実際に、ほとんどそう考えています。統計的には、無関係と言って良いかと思います。しかし、そうとは言い切れないこともあります。


ここでは、夕焼けや朝焼け、月の光など、太陽光で起こる現象について述べました。しかし、『太陽光以外の現象』も存在するとしたら。

もっとも、それが夕焼けを赤くする理由だとは考えませんが、多少の関連はあるかもしれません。なにしろ、起こったことは事実であり、詳細な記録もあるのですが、その理由は現代科学では説明がつかないのです。


【続きは次回に】
実は、今回記事はまたもや次回への壮大なフリだったのですw

地震前に起きた、事実だけど説明がつかない、現代科学が未知の領域なのかもしれない現象とは。

それが確認されたのは、昭和40年(1965年)の、日本です。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


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