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2015年6月18日 (木)

【ヲタ目線地震教室13】地震前の赤い光とは?(#1013)

古くから、大地震の直前に地面近くや空が光ったという話がたくさんあります。

当シリーズ前回記事で触れた真っ赤な夕焼けは、あくまで“夕焼けが出るべき時間と場所”に見られたに過ぎませんが、発光現象は地震発生の直前~数日前くらいの間に、時間を問わずに観測されています。

もっとも、人の目に見えるのは暗い時間に限られますから、目撃報告は夜間がほとんどです。


【光の無い場所が光る】
前述の通り、真っ赤な夕焼けは出るべき時間に、出るべき場所に出ているだけです。

しかし、不思議な発光現象が見られるのは夜間の空だったり、人家の無い山の中だったりします。しかも、その持続時間は数十秒~数分程度が多く、明らかに太陽光によるものではありません。


昭和21年(1946年)に発生した昭和南海地震の直前には、四国の太平洋沿岸部各地で、沖の海上に不思議な発光現象が見られたという証言が数多く記録されています。

その多くは、夜明け前から出漁していた漁師からもたらされたもので、地元の海を日常的に見ているプロからの報告ですから、その信憑性は非常に高いのです。

光が見られたのは、まだ夜が明け始める前で真っ暗な時間であり、方角も太陽が上る方向、つまり朝焼けが出る方向ではありませんでした。しかも短時間で光は消え、再び暗くなっているのです。

目撃談に共通するのは、沖合の空の一部が、朝焼けより濃い、光というより絵の具や口紅の色のようにべったりと濃い桃色や紅色に染まって見えたというものです。

そこで何か異常な発光があったことは間違い無いと言えるのですが、現時点ではその原因やメカニズムを科学的に説明することができないために、公式には誤認もしくは誇張、有り体に言えば「無かったこと」にされています。

その他にも、地震前に不思議な光を現象を見たという証言や記録はかなりあります。しかし、ほとんどが「そういう話もある」というレベルの扱いです。


【公式記録に残る事実】
そのように、下手をするとエセ科学扱いの発光現象ですが、決定的な記録が公式に残され、それが公開されていることをご存じでしょうか。

昭和40年(1965年)、長野県の松代地方を群発地震が襲いました。『松代群発地震』と呼ばれます。強い地震が狭い範囲で集中的に発生し、かなりの被害も出ました。

その際、不思議な発光現象が何度も目撃されているのです。そして翌1966年、群発地震の継続中に、ついに地震研究者が光の撮影に成功しました。それが下画像です(気象庁松代地震観測所ウェブサイトから転載させていただきました)
Matsuhiro1
1966年2月12日 午前4時17分頃

Matsuhiro2
1966年9月26日 午前3時25分頃

二枚の画像は、それぞれ別の時に撮影されたものです。研究者による観測ですから、時間はもとより見えた方位角、気象条件、月齢なども同時に詳細に記録されています。それによれば、夜明け前の真っ暗な時間でもあり、他の自然光を誤認した可能性は無く、もちろん人工光でもありません。

それに、これらの光は30~90秒程度で消えてしまったのです。

記録では、観測された諸条件から光の正体について様々な科学的考察が行われており、いくつかの仮説が提示されていますが、どれも実際にそれが発生することを説明できません。現代科学の範疇では、「あり得ないこと」なのです。しかし、発光があったことは事実です。

何より、この記録は気象庁の出先機関である『松代地震観測所』が、公式記録として公開しているものなのです。


【赤い光の謎】
ここで、もう一度上の画像を良く見てください。空がまるで夕焼けか朝焼けのように、赤っぽく光っています。 下画像の白っぽい光の中にも、赤く見える部分があります。

ここで、上の画像について観測者がまとめた記録を、一部引用をさせていただきます(下記太字部分)

4時17分地震直後松代町西方妻女山付近が仰角5°ぐらいまでかなり広い範囲(数km幅)に夕焼けのごとき色を示し、夕焼けの中でももっとも複雑などすぐろい色に見えた。継続時間は35秒
(管理人註:文中に「地震後」とあるが、群発地震の最中であり直前の地震と発光との個別の関連が考えられる状況ではない)

『複雑などすぐろい色に見えた』という部分に注目です。これは上記の昭和南海地震前に多くの人が見たという、「絵の具や口紅のような紅色」に近いものではないでしょうか。

なお、写真は、一眼レフカメラによるスローシャッターまたは30秒程度の長時間露光で撮影されていますので、実際の見え方よりは明るく写っているものと思われます。


次に、下の画像の記録からの抜粋(下記太字部分)

3時25分、(中略)ノロシ山一帯が96秒間白色蛍光灯のごとく山に沿って光った。光帯の仰角は5~15°、光帯中心部は(中略)白色半球状に見え、付近のちぎれ雲はかすみに帯赤色に着色しており、最輝時の40秒間は満月の明るさの3倍ぐらいだったと思う。腕時計の秒針がはっきりと読めた

こちらは「白色蛍光灯」のような光でしたが、その中でも雲が赤く見えたということです。

どちらの発光も午前3時から4時過ぎという、まだ真っ暗な時間に観測されているというだけでも、太陽や月の光の誤認ではないことがわかります。


【発光は起きている】
地震と関係がありそうな発光現象がここまで詳細に記録されているのは、管理人が知る限り我が国では唯一のものかと思います。

ただし、大きな地震の前に必ず発光現象が起きるわけでもなく、ごくまれに起きるレベルのようですから、恒常的に地震予知に使えるものでもありません。何より、夜間でなければ目視での観測はまず不可能でしょう。

でも、もしこんな不思議な光を見てしまったら、その直後から数日くらいの間は、大きな地震が来るという前提で行動すべきでしょう。

気をつけなければならないのは、夕焼けや朝焼け、雷、人工光などと誤認することです。


【なぜ光るのか】
前述のように、なぜ発光現象が起きるのかは、現代科学では説明できません。しかし、発光が観測された時の条件には、興味深い共通点があるのです。

次回は、それについて考えてみたいと思います。

■引用元リンク
気象庁 松代地震観測所トップページ
松代群発地震資料
※下のページで、画像も含めた松代群発地震についての詳細記録がご覧いただけます。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

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