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2015年6月25日 (木)

【シリーズUDL05】水編3・本当に作れる?自作ろ過装置(#1017)

Muddy
もしこんな水を飲まなければならなくなったら?

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが提唱する被災生活の概念です。


安全な水を作るということは、主に水の濁り(不純物)、細菌、ウイルス、微生物を取り除くということです。特にUDLでは、水の味や臭いを無視してでも、とにかく安全でなければなりません。

そのためにはいろいろな方法がありますが、複数の方法を併用する、すなわちハイブリッド化することで、より安全性が高められるわけです。


【水の濁りを取るには】
まず最初に、濁りを取ります。しかしこの状況はかなりシビアであり、実際のUDLでもあまりお目にかからないでしょう。

見かけ上濁っている水を飲用にしなければならないのは、かなり長い間浄水の補給が受けられない中で、川の水や雑用水などを飲まなければならない状況だからです。

そこで我々ができることは、2つあります。市販の濾過装置を使うことと、自分で濾過装置を作ることです。

ここでは、まず濾過装置を作ることを考えましょう。そこでネット検索してみると、災害時にも応用できるとして、濾過装置の作り方はたくさんヒットしますね。でも、実際のUDLではほとんど使えない。

なぜなら、大半がアウトドアの方法を流用しているに過ぎないからです。まあ、アウトドアレジャーでも川の水を濾過して飲む人も滅多にいないでしょうから、実際には机上の空論に近いものです。


【濾過資材はどうする?】
良く見るのは、ペットボトルの底を切って中に濾過資材を入れる方法。

目の細かいものからだんだん荒いものへと積み重ねて、大きなゴミから細かい不純物まで濾過するわけです。

問題は濾過資材。良くあるのが小石、砂などを積み重ねた中に、木炭の層も作るスタイル。特に木炭は分子レベルの不純物も吸着するので、水の臭いや味を改善するとか、いかにものトリビアが添えられていたりもします。

でも、もうおわかりですね。そんなもの、災害下の街中でどうやって調達するのでしょうか?まさかホームセンターで売っているとは言いますまいw

それ以前に、小石や砂をまず大量の水で洗わなければ、いつまで経っても泥水しか出てきません。浄水が無いというのに。


【アリものを使い倒す!】
しかし濁った水しか手に入らず、なんとか濾過したい。家にあるものでなんとかならないでしょうか。


・・・なんとかなります。アウトドアの知識など必要ありません。

まず容器。やはりペットボトルの底を切ったものが便利です。2リットルサイズがいいですね。

なお、ペットボトルの切り口はかなり鋭くささくれ立ちますので、怪我防止のためにビニールテープやガムテープなどを貼っておくと良いでしょう。衛生状態が悪いUDLでは、小さな怪我ひとつでも防ぐよう気を遣うべきです。

そして、底に近い部分にふたつ穴を開け、そこへ紐や針金を通して吊れるようにします。


さて、そこに何を入れましょうか。

当ブログがおすすめするのは、上から
・タオル
・洗濯ネット
・コーヒーフィルター

これだけで良いのです。大抵のご家庭にありますよね。コーヒーを飲まないお宅では、防災備品として業務用の安いフィルター100枚とか備えておきましょう。大して場所も取りませんし、UDLでは何かと使い道があります。

本題から外れますが、コーヒーフィルターはいろいろ濾過するだけでなく、濡れても溶けない、毛羽立たない、破れにくいという性質から、いろいろなものを拭いたり、さらに怪我の清拭や圧迫止血パッド代わりにもなります。

使用直前までパックされていて衛生的ですから、水気の無い食品を包んだり、小分けするなどにも使えます。

ビニール袋にまとめて入れれば、応急簡易トイレにもなります。吸収力もかなりありますから。

上記の3つを下からペットボトルの半分くらいまできっちりと詰め込めば、実に簡単に濾過装置ができるわけです。

コーヒーフィルター層は、水の汚れ具合で調整してください。厚すぎると、水がなかなか落ちてきません。基本的には、3~4枚重なるくらいで良いでしょう。フィルターを通らない水が落ちないように、ペットボトルに密着させて、しっかりと敷いてください。

そして、ナイロンの洗濯ネット。これが実に良いのです。くしゃっと丸めてある程度の厚さにきつく詰め込めば、泥などはかなり濾過できます。

素材がナイロンですから濾過した汚れもしみこまず、少量の水で洗うだけで再使用できるのもありがたい。

最上層のタオルはフタ代わりのようなもので、大きなゴミが入っていたりしなければ、無くてもかまわないでしょう。


【まだある裏技】
でも、この方法では水の濁りはかなり取り除けるものの、味や臭いは全く改善されません。しかし木炭など家には無い。ならば。

冷蔵庫の消臭剤など、臭いを取る製品の中には、『椰子殻活性炭』が入っています。最近は竹炭を使っているものもありますが、早い話が木炭の一種です。

もしそれがあれば、中身の黒い顆粒を取り出して、コーヒーフィルターの上に1cm以上の層を作りましょう。本当は最後の濾過層にしたいのですが、ペットボトルの口からこぼれてしまいます。ペットボトルの口にティッシュを詰め込むやり方もありますが、水の通りが極端に悪くなります。

水を通す不織布などでパックされているものならば、最後の濾過層にすることができます。

これで、水の味と臭いが多少は改善されるでしょう。


【これは第1段階】
では、こうやって濾過した水が安全に飲めるかというと、当然ながらまだです。

濁りがひどい水だったら、きっとまだ完全に透き通ってもいないでしょう。

その場合は、コーヒーフィルターのみを厚めに敷いた装置で濾過を繰り返せば、かなり改善されます。

でも、さすがに代用資材ではここまでです。水の濁りを取り除いただけで、殺菌もしていません。

ここからは、専用の装備が必要です。その装備があるかないかで、UDLでは天地の差となるでしょう。


実際のUDLでほとんどの被災者がやったこともない、トリビア的な自作濾過装置の話から入ったのは、実はここから先の『本当に必要なこと』への前フリなのです。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

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