2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« 【シリーズUDL11】栄養編1・偏りまくるUDL食生活(#1035) | トップページ | 【調布墜落事故】おかしな専門家が現れた(#1037) »

2015年7月26日 (日)

東京・調布で小型機が住宅街に墜落(#1036)

7月26日の午前11時過ぎ、東京都の調布飛行場を離陸した小型機が、500mほど離れた住宅街に墜落しました。地上の方も巻き添えになり、3名の犠牲者が出てしまったようです。

亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、心身に傷を負われた方にお見舞い申し上げます。


【捉えられていた映像】
このような離陸直後の墜落事故の場合、その原因のほとんどがエンジントラブルと言っても良いのですが、飛行場から500mという墜落現場のあまりの近さに、第一報当初から何かとてつもない異常さを感じました。

近隣で撮影された事故機の離陸時の映像がyoutubeにアップされ、その後ニュースでも引用公開されています。下画像は、ニュース画面からのキャプチャです。
Chofu

その映像は、航空機を見慣れた方ならば、誰もが同じ感想を持つものでしょう。


『遅い、低い、ふらついている』


もちろん管理人もそうでした。音にしても、離陸上昇時の、ほぼ全開となるエンジン音ではありません。

事故当時の調布飛行場付近は、ほぼ無風もしくは東よりの微風が若干あったようですが、ほぼ真南向きに離陸した機体は、その直後から進路の左側、東側にコースを逸れて、そのままほぼ直線で墜落現場まで飛行しています。

これには、ふたつの理由が考えられます。

ひとつは、離陸速度が遅かったために東寄りの微風の影響が大きく、流されないように風上に機首を立てようとして、方向舵を左に切ったため、通常より大きく左へ偏針したこと。

もうひとつは、離陸したもののパイロットはエンジン不調を覚知しており、滑走路の反対側に回って緊急着陸をしようと、離陸直後から左上昇旋回に入れていたこと。

しかし離陸上昇中の低速時、ましてやエンジン不調によって速度、高度が通常より低い状態での旋回は自殺行為であることは、パイロットならば知らないわけがありません。

低速で旋回すると、空気抵抗が増えて一気に速度と高度を失いますから、相応の速度と高度、そしてエンジン出力が必要なのです。

ただし、映像を良く見ると、離陸後すぐに左(東向き)に変針しているものの、通常の旋回の操作はされてないようです。あくまで、エンジントラブルよって飛行を継続できなくなったように見えます。


【どうすべきだったか】
事故の詳しい原因は、今後の調査によって明らかになるでしょう。

ただ、現時点で確実に言えることは、どう考えても

『飛んではいけなかった』

ということです。エンジン不調で、十分な離陸速度に達しないまま離陸してしまったということは、ほぼ間違いありません。滑走中に、離陸中止を決断すべきだったのです。

しかし、何故飛んでしまったのかについては、現時点では判断できません。パイロットの判断ミスや、例えばエンジン不調に加えて速度計の故障で正確な速度が把握できていなかったなどの、いくつかの原因が考えられます。

いずれにしろ、あの状態で『上がってしまった』段階で、運命はほぼ決まってしまっていたということです。


航空機事故は滅多に起こりませんが、一旦起こると致命的な大事故になりやすい。そして、飛行場周辺に住むことは、ある程度のリスクを負担することであるという現実を、改めて突きつける事故でした。

都心上空を飛ぶ、羽田空港への新ルートに関する議論にも影響を与えそうではあります。


■7月27日0:40追記
この事故の原因かどうかは現時点では全くわかりませんが、過去に起きた似たような事故の例を挙げておきます。

過去には、『燃料系統の切り替えミス』で同様の事故が起きたことがあります。航空機の燃料タンクはひとつではなく、いくつかに分かれていることが多いのです。

それらのタンクからエンジンに燃料を送る系統の切り替えミスにより、離陸直後にエンジンへの燃料供給が途絶えてエンジン停止、墜落に至ったという事故が実際にありました。

なお、事故機のパイパー・マリブ・ミラージュの場合は、少なくとも両翼内に分かれたふたつの燃料タンクを持っていますので、その可能性も捨て切れません。

■■追記■■
その後、事故機の燃料はほぼ満載状態だったことがわかりました。このため、燃料系統の切り替えミスによるエンジン異常の可能性は、ほぼなくなりました。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

« 【シリーズUDL11】栄養編1・偏りまくるUDL食生活(#1035) | トップページ | 【調布墜落事故】おかしな専門家が現れた(#1037) »

日記・コラム」カテゴリの記事

コメント

事故当日、母親に「なんで落ちたのかね?」
と訊かれたので、「積みすぎでしょ。」と答えました。結果論ですが、やっぱりそうでした。
自家用の単発機(特にピストン機)は、経済性が最優先ですので、とにかくパワーに余裕が無いです。
報道を見て感じたのは、マスコミ業界は、とにかく人災方向に誘したいこと、
航空業界は、(免許の希少性からか)パイロットという人種は選ばれた優勝な人材である、と言いたいこと。
亡くなったパイロットがどんなかただったのか知る由はありませんが、
パワが足りないならそれなりに方法はあるはず、
しかし、地上でランナップを省略するとか、不幸の影というのは、そういうところを見逃してくれないものです。

>ms14ca様

コメントありがとうございます。
この事故の原因は「積み過ぎ」ではありません。それも含めて、マスコミが人災方向に誘導しようとしていることです。

制限一杯まで人と燃料を積んでいたのは確かですが、それですぐに飛べなくなるような航空機は存在しません。別に、何らかのトラブルがあったのは間違いないと言えます。

貴殿もお感じのようですが、メディアに登場する一部の「元パイロット」などの航空評論家は、どうしてああも高飛車なんですかね。パイロットは、高度な訓練を受けた能力の高い人々ではありますが、そのプライドのせいで判断を誤っていることもあるのは、過去記事でも指摘しています。

もっとも、「評論家」はどんなヨタ言っても責任を取る必要はありませんけどね。でも、パイロットはそういう人は一部ですよ。どの世界でも、腕の良い人ほど謙虚なものです。やたらパイロット自慢をするような人は、評論家としても大したことありませんて。

さておき調布事故は、現時点ではパイロットになんらかのミスがあったことも否定できませんが、それだけでは起きない事故なのです。

別記事のコメント欄で、パイロットの方と管理人が検証を続けていますので、是非そちらもご覧ください。ただ、かなり専門的な内容や用語が飛び交っておりますので、ご質問などありましたらコメント欄でどうぞ。

下記リンク記事のコメント欄です。

http://hurry911.cocolog-nifty.com/survive/2015/07/1037-e405.html

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543100/61962639

この記事へのトラックバック一覧です: 東京・調布で小型機が住宅街に墜落(#1036):

« 【シリーズUDL11】栄養編1・偏りまくるUDL食生活(#1035) | トップページ | 【調布墜落事故】おかしな専門家が現れた(#1037) »