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2015年7月28日 (火)

【調布墜落事故】当ブログとしてのまとめ(#1038)

■当記事執筆時点では、事故機に燃料が必要以上に搭載されて過荷重に近い状態だったことがわかっていませんでした。その状況を受けて、また、読者様からのご指摘もいただきましたので、内容を一部訂正いたします(2015/7/30)

東京・調布で発生した住宅街への小型機墜落事故について、状況がほぼ出揃ったようなので、当ブログとしての検証とまとめをして、この事故についての記事を一旦終わりにしたいと思います。


【エンジントラブルと判断ミスの可能性】
この事故の原因は、この二点に集約されると考えます。

まず、離陸滑走中にエンジンのトラブルが発生。トラブルの内容は、エンジン回転数が上がらず、離陸に必要なパワーが出なかったこと。

エンジン回転数が上がらなかった原因として考えられるのは二点。まず、純粋なメカトラブル。可能性として、燃料系統の異常でエンジンに十分な燃料が供給されなかったか、電気系統のトラブルでシリンダーの一部が点火されていなかったこと。

目撃者によると、エンジン音が異常で、上空で「パン」という破裂音がしていたとのことで、異常燃焼によるアフターバーン(ガソリンが排気管の中で燃焼すること)の発生が疑われる。

これらのことから、燃料系統の異常の可能性が最も大きい。いわゆるガス欠の症状。電気系統の異常で、一部のシリンダーが点火されていなかった可能性もある。その場合にも、アフターバーンは発生する。


滑走中にエンジン異常が感知されていれば、離陸中止を決断する状況。しかしパイロットは離陸決心速度(V1 それを超えると離陸中止しても滑走路内で停止できない)の時点で中止の決断をせず離陸を継続した。それが判断ミスなのか、離陸中止を決断する状況ではなかったのかは、現時点では不明。しかし、本来の離陸速度(VR)に達しないまま離陸した可能性も残る。


エンジンが正常ならば、そこからでも加速上昇に入れるか、少なくとも水平飛行で加速できるが、何らかの理由でパワーがさらに低下した。離陸直後の映像でも、高度・速度が異常に低く、エンジン音が低くバラついているようにも思え、プロペラの回転速度もかなり遅く見える。

パイロットは、離陸直後から着陸装置を出したまま緊急着陸もしくは不時着を考えた可能性がある。しかし、離陸直後の映像では引き込み脚が少し引き込み方向に作動しているのがわかるので、脚を引き込んで空気抵抗を減らし、速度を維持しようとしていたのかもしれない。

なお、本来の引き込み脚格納操作は、設定された加速上昇速度(V2)に達した後に行うので、その速度に達していない状態で行われなかったのは、ある意味では当然といえなくもない。

ちなみに、飛行場外への不時着の場合は、脚を出さずに胴体着陸をするのが基本。


離陸後わずかに左方向に変針したが、全く上昇できず、水平飛行も維持できないほどパワーが低下。異常燃焼も発生(目撃証言による)。パイロットは頭上げ操作を繰り返して高度を維持しようとしたが、速度がさらに低下して高度を失って行った。

ごく短時間のうちに急激にエンジンパワーを失っていることから、やはり燃料系統の問題が最も疑われる。

最終的にはほとんどエンジン停止状態(推力ゼロ)で失速、わずかに左バンクを取った状態から、左下方向へ横滑りを始めた。

墜落地点隣の民家の屋根でバウンドし、裏返しになって墜落、炎上。離陸直後で搭載燃料が多かったため、瞬間的に大火災となった。

このような事故だったと思われます。


【飛んではいけなかった】
事故の詳細は今後の調査の結果を待ちたいと思いますが、事故の最大の原因は、何らかの原因でエンジンパワーが低下していたのに、「飛んでしまった」ということに尽きるようです。その時点で、運命は決まってしまったのです。

但し、離陸を決断する段階で既に異常が起きていたのか、パイロットが対処不可能の段階で異常が起きたのかは、現時点では不明。

前記事でも書いたのですが、報道からだけでもこれだけの状況がわかるのに、「航空評論家」を名乗る人物が「純粋なパイロットミス」だと、それも操作ミスではなく、機体の状況を判断できなかっただけだと言う、それが東京のキー局に出演から全国ネットされるというのは、もはや異常事態としか言えないかと。

「航空評論家」本人はもちろん、そんな人物を使って明らかな誤報をたれ流す放送局の責任も重大です。

まあ、その責任を取らないために、“専門家”を使うわけですが。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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日記・コラム」カテゴリの記事

コメント

大変興味深い記事です。
ただ、貴殿は航空機に関して素人であると仰っておられますが、文面から拝察して一定の知識があるのではないかと思います。

当方は事業用操縦士免許を有し、マリブの飛行経験があります。
仰るように航空評論家S氏の論評は非常に違和感の多い物でした。

貴殿の結論である何らかのエンジン不調には、基本的に賛同するのですが、一部、懐疑的に感じる部分を指摘します。

①V1以前でのアボートについて
貴殿の推察によれば、離陸滑走開始時点からエンジン不調が発生しており、V1以前で中止しなかった判断ミスを疑っておられますが、仮に滑走開始直後からの明らかな不調ならば、いかなる操縦士でも滑走を中止できると思います。
また、ATCでも何ら不調を通信していない事から考えても、容易に通信可能な滑走開始からV1までは問題が無かったのではないかと思います。
推察でしかありませんが不運にも、V1以降もしくはVR以降に不調が発生したか、滑走開始時には知覚できない程度の異常であった可能性が高いのではないでしょうか?

②パイパーの燃料切り替えバルブについて
ご指摘の事故はおそらく平成17年のJA3816のケースだと推察しますが、これは長時間のフライトの終盤(タンクの片方が空)で発生した物であり、両タンクに燃料満載状態の今回の事案では起こりえません。
また燃料切り替えバルブがOFF位置ならありえますが、駐機場から滑走開始までエンジンが稼動していたのですから、滑走開始直前に意図的にOFFにした事になり、これもありえないと思います。
さらに同型機のエンジン不調時のプロシデュアでは、燃料切り替えバルブの操作が最優先事項であることは操縦士なら誰でも周知しており、その点からも考えにくいと思います。

原因究明はJTSBの判断を待つしかありませんが、あまりにも的外れな専門家が、報道機関の求める衆人の興味を煽るために、故人の航空人としての尊厳を傷つける様子は痛惜の念に耐えません。

>えぐ様

プロの方から詳細なご指摘をいただけまして、大変感激しております。私はあくまでただのヒコーキ好きであり、航空関係者ではありません。ただ、昔から運用と航空機事故にはかなりの拘りを持っており、知識だけはそれなりにあるものの、実地経験はありません。

素人判断にも関わらず専門的で詳細なご意見と解説をいただけまして、非常にありがたく思っております。

私は柳田邦男さんの著作を愛読しておりますが、すぐにパイロットミスに持って行きたがるメディアの風潮にも、憤りを感じております。

事故直後には、上がっても上昇できずほとんどまっすぐ墜ちてしまっているので、過去の事故例からガストロック外し忘れも考えていましたが、それはすぐに排除しました。

以下、長くなりますが、私なりの見解を述べさせていただきたいと思います。

①V1以前でのアボートについて
まず、この記事と前記事は、燃料が過積載(?)になっていたかもしれないという報道の前に書きました。乗客は多いものの、過荷重もしくはそれに近い状態ではないという前提です。

ご指摘の通り、もし当初から何かトラブルが感知されていれば、「パイロットならば当然」というレベルで回避できたと思います。ランナップからパワーセットの段階では、エンジンに異常は無かったはずです。その後、少なくともV1までは、エンジンに問題が無かったと考えるのが自然ではあります。

ただ、撮られた映像からは実際の速度はわからないものの、滑走距離が通常の倍近くなっていること、過荷重を前提としないシミュレーションでは、パワーが半分近くに落ちていたという結果が出ていること、映像では、エアボーン直後に横揺れが見られることから、VRに達する前にローテーションしてしまったのでは、という印象を受けました。

当時のRW17は無風もしくは左からの微風ということですが、軽いガストを受けたような不自然な横揺れと感じました。それは速度不足によるものではないかと考えたのです。離陸後のサッカー場からの映像でも、高度、速度とも低く、細かい横揺れもあります。

過荷重によるシミュレーションでは、エンジンが正常でもどうなるか知りたいところですが、残念ながら情報がありません。

過荷重が前提ではない記事執筆時点では、通常の倍近く滑走してVRに達しないとなると、シミュレーション結果ともあわせてV1時点でもパワー不足が感知されていた、もしくはV1到達が異常に遅かったなどがあったかと考えたのですが、その後の過荷重報道を受ければ、また判断も変わってきます。

ここまでの報道を総合すれば、えぐ様がおっしゃるように、少なくともV1までは正常、その後エアボーン直前もしくは直後に何らかの原因で出力低下と考えるのが合理的かと思います。

少なくとも、アボートしなかったことについて「確実なパイロットミス」と断言できる状況ではありませんので、記事本文を一部訂正させていただきます。


②パイパーの燃料切り替えバルブについて
まさにその事故のことであり、正鵠をついたご指摘、恐れ入ります。エンジンがフケなくなったらまず燃料系というのは、高度な訓練を受けたパイロットさんはもちろん、エンジンものに乗っている人なら直感的に考えることでもあります(私は長年のバイク乗りです)

ご指摘の通り、この場合燃料満載状態でのバルブ操作ミスの影響はありませんし、オフのままという可能性もありませんので、バルブ操作ミスの可能性は排除できるかと思います。これについても、記事本文を訂正し、解説を追加します。


エンジンが正常ならば、仮に過荷重で上昇できなくても、水平飛行で加速することはできたはずです。映像からはフラップの設定などがわかりませんが、そこにミスがあったとは考えておりません。

野球場から撮られた映像で、離陸直後とは思えない迎え角を取り、上昇できないまま頭上げ操作を繰り返している姿を見るにつけ、必死で操縦するパイロット氏の心情を思うと、ただ歯噛みするばかりです。

私もセスナ172のシミュレーター操作経験はかなりありますので、あれがどんな状態なのかは、感覚的にわかります。所詮はシミュレーターですが。


最後に、記事では目撃者の話を一応正しいものとして扱っていますが、事故を目撃した興奮から、かなりバイアスがかかっている可能性も考えております。

「エンジン音が異常だった」というのも、高度が低くて大きな音がしただけという可能性もかなりあるかと。異常を前提としたバイアスがかかりやすい状況です。

ただ、離陸直後の映像では、私としても離昇出力が出ている、「キレイに回っている」音には聞こえませんでした。

かつては二輪の方で桶川に通い、ついでにいつもヒコーキを眺め、遊覧飛行も何度か乗りました。レシプロ機の音はかなり耳についているのですが。


非常に取り留めの無い内容になってしまったことをお詫びします。今後も、航空機事故に関してはブログ主旨を無視して書くと思いますが、またご意見をいただけましたら幸いです。


てば様

立派なブログをお書きの方にお返事を頂け感謝いたします。
私は免許こそ所持していますが、既に業界から退いている身ですので、やや面倒な素人程度でしかありません。

最初に申し上げますが、本投稿は、てば様のブログに訂正を求める意思は全くありませんので、受け流していただいて結構です。

一方的に、てば様の予測の粗を探すのは卑怯かと思いますので、この度は私考えるの事故原因予測をお伝えしたいと思います。

まず事実関係ですが、私が調べた限りでは、滑走距離が倍近くになっていると言うことを事実として確認できませんでした。
確かに、一部報道が国交省もしくは運行関係者から(漠然としすぎて具体的にどこの発言かはわかりません)の情報として伝えていますが、不確かですので私はファクターから排除しました。

また、重量過多や外気温の影響に関する報道がありますが、これこそS氏の発言に基づく間違った見解だと思います。
手元にPA46-350Pのデータシートがありますので一部申し上げますと、当該機の上昇率は
①全備空虚重量3180lbs(何も積んでいない)時、2100ft/min
②最大離陸重量4340lbs(燃料も乗客も満載)時、1400ft/min
(①②は海面標準大気)
③これに気温補正(外気温50℃)として、1180ft/min

この性能は熟知されているセスナ172Sの海面上昇率730ft/minに比べ遥かに高い数値ですので、いかなる積載状態や外気温であっても十分な安全が確保されており、外気温や重量過多の影響は的外れだと考えます。

次に、重要だと思われるエンジンの稼動状況の判断ですが、現状で我々が得ることが出来る唯一の情報である、離陸直後の映像にあるエンジン音と、目視によるプロペラの回転状況について。

まずエンジン音に関しては、録画した機材の特性の影響が大きいと感じ、映像の音声からの判断は不確実だと感じますのでこれも排除します。

また、映像を目視で観察することで判断できるプロペラの回転状況ですが、印象的には回転が遅い感じはするものの、動画のfpsも不明な状況で判断材料とするのはこれも不確実だと思いますので判断しかねます。

結局、映像を分析して確実に判るのは離陸直後の対地速度と高度のみだと思われ、印象としては高度が低く、対地速度が遅いと感じますが、分析結果を待たなければ正確には判りません。

むしろ私が気になったのは、この映像を撮影したサッカー場にいた保護者の話として、当該機が空中にいる間に数回の爆発音があった後、静かになって墜落したと言う証言です。
素人の証言は往々にして偏見が入り込む余地がありますが、判断に専門性が必要なエンジン音や高度ではなく、単純な爆発音といった証言には一定の確実性があると感じました。

私はこの音がデトネーションだと判断しました。
これは自動車で言うノッキングですが、消音器のほとんどない航空機では爆発音を伴うことが多い現象です。

デトネーションが起きる要因は様々ですが、可能性が高いと思うのは、ガバナーの故障もしくは不適切なプロペラピッチ制御の結果、プロペラピッチが過大になり、エンジン負荷が増大したことでデトネーションが発生し、最終的にはコンロッドやクランクシャフトの破損もしくは機関の逆転を招き、エンジンの停止に至ったのではないかと思います。

結論、本件の事故原因は異常なプロペラピッチに起因するものと予想します。

報道や報道のみを引用した内容が殆どである中で貴殿のブログを見て敬意を表します。
私もパイパー社の単発4人乗りやマリブと同程度の出力の双発機を操縦していました。

私も事故原因の評論家の発言の報道の仕方に疑問に思っており、憤りを感じています。事故原因の主要因とその他の要因において、その他の要因を主要因のように語っていることです。例えば、

・気温:海抜の高い空港や海外の空港は日本の比ではなく、気温40度や標高1,000mクラスも多々あります。

・重量:重量オバーの可能性もありますが、映像では実際離陸しています。重心の問題や操縦性の問題もありますが、すぐに墜落はしません。解説の多くは基本的な揚力、推力、速度の原理と離陸時の最大出力の関係により飛行機がどのような状態になり、どのように操縦するのかという観点がまったくなく、飛行経験がなく座学だけの方が語っているような表現が多く見受けられます。また、機体をバルーニングという動き現象で地面から離陸することも考えられましたが、映像を見る限り、そのようなことはないと思われます。

・燃料:重量オーバーの場合は問題ありますが、小型機はタンク内の水や錆を防ぐためエアラインのように最低燃料での給油は一般的ではなく、前に乗られた方が燃料を給油していれば、燃料をわざわざ抜くという行為もあまり行っていない。重量が超過してないければ、最大重量に近い状態で飛ぶこともよくあります。

・滑走距離:800m、960mという話がありますが、短距離での離陸方法があります。滑走路いっぱいまで使用し、ブレーキをしたまま最大出力にして飛ぶ方法でフラップを20度出す場合もあり、これらを使用すれば著しく重量オーバーしてない限りは、飛行速度まで加速して通常よりも短い滑走距離で離陸することができます。上記に記載頂いているとおり、離陸すればマリブの最大出力が正常ならばC172より高い上昇率および加速することは容易です。

T新聞の7月29日の元日航機長は離陸に3,000メートル必要と報道したり、航空評論家のGさんの調布空港閉鎖のヤラセ話、M新聞の滑走路が不足して速度に達せず離陸した報道、500~600時間で事業用操縦士、多発、計器、教育証明を持っている操縦士に素人や初心者として報道することを大変遺憾に思います。

ベテランや評論家と言われる方と亡くなった機長とを単に飛行時間で判断できません。
その機体での飛行時間、離着陸回数、訓練内容、飛行の間隔を総合的に判断して熟練度がわかるもので、単に飛行時間だけで判断すれば日本の自衛隊の操縦士は、米国の数万時間飛行している10分の1程しか飛行していないひよっこということになります。例え定期の大型機を操縦していたとしても、小型機は訓練中の数十年前にわずかに300時間程1~2機種で飛んだだけの定期運送用操縦士も多く、機体の構造、特性や操縦が異なる小型機の経験が少ない評論家の方が正確な分析ができるのでしょうか。
ましてはそれを聞いた記者が事故や飛行を理解をして報道しているとは到底思えません。

事故の原因追及ではなく、事故の責任追及のための報道であり、読者がわからないような主要因以外の話を持ち上げては話題にしているような報道の姿勢に憤りを感じます。おかしな評論家があらわれた、まさにそうです。

機長は飛行前点検(ランナップ)等を怠り、重量超過、離陸時の安全な操縦を怠った可能性はあります。しかしながら、機体は離陸し、一定速度と揚力は得られていますので、その後ギアも少しは遅いかもしれませんが、影響ない程度に上げています。
出力が正常であれば、危険な操縦(失速する程の旋回や上昇)をしない限り、そのまま上昇し飛び続けられます。
それが上昇せず、加速しないということは、出力が気温以外の影響で正常でなかったことが主要因として最も考えられ、飛行中に小さな爆発音がしたというのも根拠になるのに報道や評論家の適当な内容が、これだけ世間に配信されていることを報道は反省と訂正をすべきだと思います。

>えぐ様

立派なブログなんて言っていただけるとお恥ずかしいのですが、当ブログのスタンスとしては「何が真実か」ということを最も重視しております。

素人の検証には限界もあり、本来勘案すべき要素もいろいろ抜け落ちているかと思います。そこで、プロの方のご指摘によってより合理的な線が見えて来たのならば、訂正することは厭いません。

むしろ、どんどん粗探しをしていただき、より合理的な結論に近づける方が喜ばしいのです。その中で、私も勉強させていただけます。

「滑走距離が倍近い」というのは、燃料満載がわかる前から言われていましたので、比較的軽い積載状態の機体と比較してということでしょう。あの荷重の機体としてどうなのかと考えると、確かに不確実なファクターです。

満載の同型機がどれくらいで上がるのかなど、素人の考えが及ぶ範囲ではありませんし。テレビに出るような「専門家」にはそういう情報をいただきたいものです。ま、元エアラインパイロットとかには良くわからないのでしょうね。

過荷重については、論をまちません。公称最大離陸重量に近い、もしくは少し超えた程度で上昇できなくなる機体など存在するはずもなく。おっしゃるように高地の空港やもっと暑い場所でも、制限は入るかもしれませんが、普通に飛んでいますし。

余談ながら、先日、御嶽山噴火救助にCH-47で出動された陸自のロードマスター氏にお話を伺えたのですが、公称ホバリング限界高度を超えた山頂付近のホバリングでも、パイロット氏は、かなりシビアながらも「結構余裕があった」と言われていたそうです。但し秋の比較的寒い時期だったからであり、現在行われている再捜索では気温が高くて無理だから、「ホバリングなし」という条件で飛ぶということでした。

当然ながら公称数値は余裕を持った設定なのに、ギリギリだからすぐ事故、見逃したパイロットの責任と単純化したがるメディアは言うに及ばず、諸元さえ調べず、素人以下の思いつきレベルで仲間を貶めるような「専門家」は、業界として正式に抗議した方が良いのではないですか?

エンジンですが、youtubeに興味深い動画がありました。調布のほぼ同じ場所で録音した、同型機の通常の離陸音と事故機の離陸音を比較しています。

それを聞くと、録音機器の特性、録音条件、飛行高度などの違いを差し引いても、事故機はやはり「回っていない」と感じます。離昇時の、抜けの良いブーンという高音成分がほとんど無いような。

さらに、これは当初から気になっていたのですが、サッカー場上空を通過するときのプロペラ音が重い、想像するにピッチ角がかなり大きかったのではないかという印象もありました。

あの動画では高度が低かったことと、あの条件での正当なピッチ角設定が私にはわからないことから、あくまで印象だったのですが、その印象が正しければ、えぐ様のご見解、「ピッチ角過大によるデトネーション」とも整合します。

プロペラ速度については、動画をテレビで見た時はかなり遅く感じたものの、動画を改めて良く見直すと、そうでも無いという印象になりました。映像機器の特性によるものかもしれませんが、テレビでは、ブレードが「見えて」いたように思えました。

目撃者が「爆発音がした」というのは、おっしゃるようにかなり信頼性が高いと思います。私はアフターバーンを考えたのですが、それならばエンジン破壊には繋がりませんね。デトネーションが起きたのならば、良くてもピストンヘッドが吹き抜け、瞬間的にエンジン停止に至ったのならば、さらに大きな破壊に繋がった可能性が高くなります。

回収されたエンジンを開ければ一目瞭然ですから、調査結果を待ちたいと思います。

あと、これは根拠が薄弱な想像なのですが、ミクスチャの異常の可能性は無いでしょうか。単純に、「フケない=濃すぎる」ということはありますし、異常燃焼も起きやすくなります。ただ、デトネーションは「薄すぎる」方ですが。

当初なんとなく、インテイクマニホールドのクラックによる二次空気吸入というのも頭に浮かんではいましたが、それを示す状況もなく、あまり起きることでは無いと、一旦排除していました。


今回も素人が言いたいことを言わせていただきました。よろしければ、またご見解を頂戴できれば幸いです。

>さみ様

このような素人検証にプロの方からご意見をいただけるとは思ってもいませんでしたので、本当に感激しております。ありがとうございます。

航空機事故に拘りを持つ私としては、何か言わずにはいられないというのもありますが、防災分野とも似て、一部の「専門家」があまりにも低レベルで無責任な見解を垂れ流すことに、強い憤りを感じております。

防災分野よりはるかに知識も経験も豊富な方々でしょうに、何故ああなってしまうのでしょうか。メディアでは「キレの良い」コメントが求められますから、それに乗ってしまうということなのでしょうか。

運用や操縦方法に関するご教示、素人には全く預かり知らぬことですので、大変勉強になります。ただ、細かいことはわからなくても、あの状況で離陸するまでには、それなりの合理的理由があったということはわかります。

それを、まるでアクセルとブレーキの踏み間違え事故のように無理に単純化しようとする、悪意さえ感じます。特に、元エアラインパイロットの「評論家」の言辞には、自分らの方が上というような、見下した視線も感じます。

メディアは事業資格がどうのとか、本当は慣熟飛行で無かったのではないかとか、事故の本質を離れて、なんとかパイロットを悪者にしたがる。

メディア的には、それがいちばん「数字になる」からアオりまくりますが、それを本質に引き戻すのが「専門家」のはずです。でも、メディアに魂を売ったような手合いの多いこと。

メディアの記者は、良くも悪くも付け焼き刃の知識で報道します。あらゆる分野の専門家になれるわけでもなく。だからこそ「専門家」が必要なのですけどね。

防災分野では、例えば避難所でのメディア対応についても学びます。阪神・淡路大震災でメディア対応を経験した方の言葉が象徴的です。

「言わなくてもわかるだろう」とは一切考えず、必要なことは徹底的に言葉にしろ。なぜなら、マスコミは驚くほど”無知”だから、と。

それと同じく、エンジンの中身や操作など一般人にはわかりにくいことより、数字のためにとにかく「悪者」を仕立てようと群がるメディアを御するどころか、その尻馬に乗って商売に繋げようとするような「専門家」は、他の方のコメントにも書いたのですが、業界として抗議すべきではないでしょうか。

そういう「過激」なことを言う「専門家」ほど、メディアに重宝されるという現実がありますから、これは放置すべきではないとも思います。

ただ、そうなるとメディア的にはさらにオイシイことになります。”正義”を振りかざして、「事故を起こしておいて何を言う。盗人猛々しいとはこのことだ」と、叩くネタを与えることになってしまう。

結果、濡れ衣を着せられたまま沈黙せざるを得ないパイロットやその関係者が少なくないのは、柳田邦男さんの著作で知りました。私は日航123便事故についても一家言あるつもりですが、高浜機長を始めとする操縦士・機関士ご遺族の話など、涙なくしては読めません。

もちろん、事故原因の中にヒューマンエラーが存在する可能性はあります。余談ながら、名古屋空港の中華航空機事故の時は近くにおり、炎上する機体を目の当たりにしました。そしてその原因が、「信じられないくらいお粗末なパイロット」によるものだったということに、強い衝撃を受けました。

そういう現実もあることも踏まえて、できるだけ「本当のこと」を明らかにして行きたい、ある意味で、立場上の責任を負わない「多少詳しい素人」だからこそできる方法でアプローチしているつもりです。

おっしゃるように、今回の事故は少なくともエンジンが正常ならば回避できたのは自明かと。水平飛行でも加速できない状況をパイロットミスと言うような「信じられないくらいお粗末な専門家」などには、全く微力ながらも声を上げて行きたいと思います。

当ブログは防災情報ブログですが、交通機関の事故、特に航空機事故に関しては、これからもこのようなアプローチをして参ります。

おかげさまでかなりの数の閲覧をいただいておりますし、このような記事は検索ヒット数も跳ね上がります。特に、航空機に詳しく無い方に、「本当のこと」をお伝えする一助になればと思います。

今後とも、ご意見を頂戴できれば幸いです。よろしくお願いいたします。

>てば様

様々な話題を扱うべき貴殿のブログで、一つの事柄をあまり延々と掘り下げるのは煩わしく思っておられるのではないかと危惧しておりましたが、「喜ばしい」とのご発言があり安堵しております。


>さみ様

同じ航空人の方に(私の場合は元航空人ですが…)、共感を得られたのは大変心強いです。
是非とも私の至らない部分もご指導頂ければと思います。


このブログのやり取りを基に、私の航空業界の旧友に連絡を取った結果、様々な新しい情報が得られましたので以下にご報告いたします。


①まず、てば様の求められている今回の事故機PA46-350Pの離陸距離に関するデータを提示と、これに関して行った私の抗議について

・離陸重量4340lb(燃料、乗員、ペイロード満載状態)、海面標準大気状態(飛行場高度海抜面、気圧1013hpa、気温15℃)、風速0m、ロテーション速度78kt、フラップ角度0度の時
>1260ft(384m)

・上記に調布飛行場の高度138.8ft、気温40℃の補正を加え
>1620ft(494m)←想定最悪値

・おそらく実際には乗員は5名(離陸重量4180lb)、向かい風10kt、フラップ20度のローテーション速度69ktに上記の高度・気温補正を加え
>980ft(299m)←想定最良値

したがって、調布飛行場の滑走路800mに対して、十分安全な離陸距離であった事は間違いないと思われます。

やや本題からそれますが、この事からもし実際の滑走距離がランウェイエンド近くまでに至っていたのなら、VRに達する以前に何らかの問題が起きていた可能性が考えられます。

また、上記のデータに関して私が行った抗議ですが、7月29日の東海ラジオの報道に

(以下引用)
猛暑によるエンジンのパワー低下で十分な速度が得られず、800mしかない調布の滑走路では安全な離陸ができなかった。
(中略)
事故を起こしたパイパーPA-46マリブミラージュの離陸距離は724mとなっています。
(引用終り)

とあり、明らかに間違っていると言う指摘を旧友に頂きましたので、8月3日付けで、この件に対して指摘した上、東海ラジオの見解を問い合わせております。
これに関しては返答があり次第ご報告致します。


②次に、てば様がご指摘のミクスチャーについて

通常、離陸時にはミクスチャーは「full rich」です。(厳密にはやや調整する場合もあります)
これは、地表面での運用が前提の自動車などのエンジンとは違い、非常に気圧の低い(酸素量の少ない)高空での運用も前提としている航空機のエンジンにとって、地表面近くでの運用は十分に空気が濃い状態であり、航空機のミクスチャー調整は気温などの影響による調整というより、気圧高度に対する調整が主で、自動車などのエンジンに比べてlean側への調整幅がとても大きく設定されており、(整備状況に問題が無ければ)離陸時にはfull richでもプラグのかぶりなどの問題は起きません。

また、航空機のエンジンはややrich気味な混合気を用いることでエンジンを冷却させる点も加味して設計されており、オーバーヒート防止の観点からもフルスロットル時にはミクスチャーrichが基本になっています。


③インテークマニホールドのクラックの可能性について
当該機のエンジンは過給器付きインジェクション仕様ですので、仮にインテークマニホールドにクラックがあった場合、フルスロットル状態では二次空気の流入は起きず、むしろ吸入空気が流出し、マニホールドプレッシャーが下がる事が予想されます。
当該機のエンジンの燃料制御がスロットルバルブ開度での制御なのか、流入空気量(もしくは流入空気圧)での制御なのか、はたまたその複合なのかに関しては確証が得られませんでしたが、マニホールドの破損が原因である可能性は捨てきれないと感じました。

>えぐ様

詳細なデータをご提示いただき、ありがとうございます。それにしても、事故機の状況で数値上は300m程度で上がれる機体だとは、正直驚きです。

最大離陸重量付近でも気温が高くても、パワーに必要十分な余裕があるはずとは思っていましたが、「評論家」が言うならばそれなりにギリギリという印象でした。でも、全く問題ありませんね。

こんな諸元も調べず、実機についての知識も持たない「評論家」が、動画の印象だけで「高温による出力低下を認識しなかったパイロットミス」と断定するなど、もはや犯罪的ですらあります。こちらも抗議すべきというか、「評論家」の看板を下ろさせるべきだと思うのは、私だけではないでしょう。

ただのマニアの私が言うのもなんですが、曲りなりにもプロを名乗る人間が、マニアの知ったかぶり以下の能力しかないというのを露呈しましたね。

それにしても、東海ラジオでもそんな話があったわけですか。もちろん、その裏には誤った情報を吹き込んだ「専門家」のような人物がいるのでしょう。しかしどうやったら724mという数字が出るのでしょうか。

元来、条件で変わる航空機の滑走距離を一定の数字で表すこと自体がナンセンスですが、もっとも過酷な条件での最大離陸距離としても長すぎます。

理屈以前に、RW長600mのホンダエアポートでもマリブは普通に運用されているというのに。調布で危険ならば桶川では絶対に飛べません。バカバカしいにもほどがある。最近は調布飛行場自体の存在を攻撃するような論調が出てきて、やたら滑走路が短いだと言われ始めたような影響もあるのでしょう。

ところで、ローテーションがどこだったのかという問題ですが、テレビで何度も流れている離陸時の映像では、かなりエンド近くまで行っていたのは間違い無さそうです。

カメラの場所は管制塔横の建物屋上、もしくはエプロン地区の4階建ての建物屋上かと思われ、ほぼRWの中間地点か、そこからRW17エンド方向に100mほど行った場所かと思われます。

それによれば、正面のRW中間点付近を通過した機体は、一見して違和感の無い、それなりの速度が出ているように見えます。しかしそこからは加速したようには見えないまま画面左方へ進み、かなり行ってからエアボーンします。

そしてその瞬間グラっと、ガストウインドを受けたような不自然な片揺れをします。もしかしたら、あの瞬間に何かあったということも考えられます。

カメラとの位置からすると、エアボーンまでに少なくとも600m、もしかしたら700m近く使っているようにも見えます。300m程度で上がっていないことは、ほぼ間違いありません。但し、これは映像に映っていない滑走スタート地点がRWエンドであり、インターセクションからではないという前提です。

実際にそんなに滑走距離が長かったとしたら、確かに「普通の倍近い」ということになりますが、これまでの諸々を勘案すると、やはりV1以降に何かあったと考えるのが合理的ですね。私としては、エアボーン直後の揺れが、やはり気になります。

V1以降に、プロペラピッチ過大などでエンジンが過負荷となったエンジンが不調になりはじめ、エアボーンの直後に最初のデトネーションが起きた、ということかもしれません。

ミクスチャ設定についてのご教示、ありがとうございます。陸のエンジンものにはこれが無いので、シミュレータ上の知識だけで、実感としてわかりませんでした。通常の設定がされていたのならば、特に問題になることは無さそうですね。

インテイクマニホールドのクラックなどによる二次空気吸入については、陸ものはスロットルを開け閉めしますから吸入しやすいのですが、確かに航空機の離陸時はフルスロットルを継続しますから、その最中に吸ってリーン側に偏るということは考えにくいですね。ターボ付きならばなおさら。

ただ、マニホールドプレッシャー低下による出力低下や異常燃焼という線は有り得ますね。

インジェクションならば、一般的にはスロットルバルブ開度、エアフローセンサー数値、エンジン回転数などによる複合的なプログラム制御かと思われますが、クラックなどでプレッシャーが異常に落ちると、制御に破綻をきたす可能性もありそうです。

この辺が、分野違いと机上の知識では誤解しやすい点です。ご教示いただけて大変感謝しております。

余談ながら、私は2ストロークエンジンのバイクに乗ることが多かったので、二次空気吸入=一発焼き付きという恐怖感が染み付いているのです(笑)


それにしても、最近特に「航空評論家」の質が落ちていると感じるのは、私だけでしょうか。評論家というより、ただの元パイロットというような人ばかりに見えます。柳田邦男さんが第一線に出てこられなくなったくらいから、劣化が進み始めたなと。

柳田さんは元記者ではあるものの、「航空評論家」としては間違いなくトップレベルの方でした。

調布での墜落事故を検索していて訪問しました。

みなさんの専門知識と、深い洞察に畏れ入ります。

わたしは飛行機乗りでなく自転車乗りのおっさんなので、難しいことは理解しかねますが、ブログ主様はじめ皆様の知見を皆で共有する姿勢に感謝申し上げ、訪問記念になんか書いていきます。

自転車もそうですが、飛行機というのはなかなか良く出来た機械で、ライト兄弟からもう100年以上になりますか? いわゆる”枯れた技術”のものなのでしょう。
とくに最近のは小型機であっても居住性も良く、安全面でも様々な工夫がされているようですね。

「エマージェンシー」ですが、どんな状況が発生しても、必ず対処の方法というのはあるので、「迅速に状況判断し果断に対処」ですね。

当事故でも、機体のリフトオフ時に、何が原因かは解らないにしても、「オカシイ」ことは解るわけですからね。

飛行機に乗れもしない奴が解りもせんでほざくな!と言われそうですが、
「死んでも、住宅地に墜してはいけない。」
のです。

検索しますと事故機のパイパーPA-46-350P型機のPOH(パイロット・オペレーティング・ハンドブック)が何件かヒットしますが、事故機のJA4060は、1989年2月14日製造のS/N4622011ですから(札幌飛行場での事故調報告書による)、参考になるのはこのPOHになりますか。

http://www.mmopa.com/gallery/96_Mirage%20POH%20PA-46-350P%20SN%204622001%20and%20up

エンジンも機体外寸も全く同じですが、後期型との違いは主にプロペラで、金属2ブレードのものがコンポジット3ブレードに変更され、性能が若干向上しているようです。

プロペラの交換キットも出ていますが、写真で見ると事故機は2ブレード・ペラの儘のようです。

最大離陸重量が4300ポンド(後期型は4340)で、離陸性能も後期型より数千フィート程度劣るようです。

搭乗者と燃料を除く全備空虚重量は2745ポンドですが、これは製造時の重量ですので、その後26年間のS/BやS/Lなどの改修指示や事故での修理などで、重量はおそらく増えているものと思います。(改修や修理などしますとあまり軽くなることはないようで、重くなるでしょうし。実測重量は押収された整備記録等にあるはずですが見れませんが、おそらくは3000ポンド近いのではないでしょうか?)

事故機は事故の4日前?に燃料満タン(120ガロン)にしてから40分ほど飛行していたそうですから、事故時には約100ガロン程(600ポンド)搭載していたと思われます。

大人5人搭乗ですから、各人の体重や荷物等詳細わかりませんが、離陸重量は”レッドライン”域であった可能性は容易に想像されます。

便乗者の4名は後部座席に位置していたとか聞きますが、であれば荷物なども後ろに乗せたりすれば、CG(機体重心)はアフトで移動許容範囲の147インチを超えていた可能性も容易に想像されるところです。(実重量データ不明ですので計算したわけではありませんが、ざっと見ると超えていておかしくないかと。)

離陸重量やCGなどが許容エンベローブを逸脱していたような場合には、とくに離陸時などは操縦は困難になると思われます。
先ずは離陸重量とCGに関心が向くところです。

エンジントラブルの可能性も勿論考えられますが、リフトオフしている以上エンジン計器などで異常は無く離陸速度までは達していたことになり、トラブルがあったとすればリフトオフ直後となりますので、可能性としてはそれほど高いものではないと考えられます。

原因は他にもいろいろなことが考えられますし、外部の者は想像するだけで実際のとこは解りませんし、現在警察や事故調が鋭意事故原因を究明しているとこなので、結果報告を待つほかないですね。

でわ!

自転車のおっさんです。
連続投稿になりすみません。

POHの付表みますと、事故同型機の離陸性能は、外気温34℃、標高140フィート程で4300ポンドの最大離陸重量ですと、だいたい下記のとこでしょうか。

フラップ0度の場合
離陸滑走距離2200フィート、50フィート障害超え3300フィート。

フラップ20度のショートテイクオフの場合
離陸滑走距離1800フィート、50フィート障害超え2800フィート。

後期型ですと其々1900フィートと3200フィート、1300フィートと2400フィート程度でしょうから、上記投稿で数千フィートの差と言ったのは私のサバ読みで、数百フィートの離陸性能向上ですね。

通常であれば調布飛行場(滑走路2625フィート。標高139フィート)でも問題はないのでしょう。

事故機ですが、サッカー場からの画像など見ますと、ちょっと画像が不明瞭ではありますが、主翼後縁のラインからして、使用フラップは10度程度に私には見えます。

https://www.youtube.com/watch?v=gSOarNav8Yw

何時もと音が違うのか?出力や回転数は私には解りませんが、エンジン音には少なくとも異音はこれからは聞き取れず、爆発音というのは墜落時に聞こえます。

でわ!

>おっさん様

微細に渡るコメントをありがとうございます。またもや感激しております。

しかし管理人だだいま少しバタついておりまして、しっかりとお返事できません。たいへん恐縮ですが、少しお時間を頂戴できればと。申し訳ありません。

>おっさん様

まずは、返信が大変遅くなりましたことをお詫び申し上げます。詳細なご見解、ありがとうございました。

これまでにコメントをいただいたお二方はパイロットさんですので、深い洞察は当然でありまして、そこに素人の私が絡ませていただいているだけですw貴殿のコメントでも、いろいろ勉強させていただきました。

おっさん様は飛行機乗りではないとおっしゃいますが、関係される方かとお察しします。私のような素人マニアだからこそ、素人とプロの境界線はわかります。

さておき、お盆時期に入り、桜島が危険な状態で、ウルトラライト機が墜ちたり海外ではATR機が墜ちたりで、この事故への世間の興味もすっかり失われてしまったようですが、そこはしつこくやって行きたいと思います。

調布事故関係の報道もすっかり鳴りを潜めましたが、その後判明したことは、乗客の証言として、エアボーン直後に警報が鳴ったとのこと。報道では何の警報かわからず、マリブ機の警報システムがどのようなものかわからない私には判断しかねますが、一般的には失速警報かと。

そうであれば、やはり何らかの事情で速度不足のまま上がってしまったということでしょうか。その原因がエンジントラブルだったかはまだ断定できる段階ではありませんが、燃料満載、5名搭乗で機体がかなり重かったことは確実で、さらに客席に4名搭乗でかなりテールヘビーであり、重心移動許容量を超えていたことは考えられますね。

しかし、その状態での機体の挙動がどうなるかは、素人の考えが及ぶ範囲ではありません。素人考えでは、頭上げモーメントが過大になるのかな、というくらいで。

その状態でとりあえず浮揚したものの、ほぼ水平飛行でも離昇速度まで加速することができなかったのは、エンジンパワーが十分に出ていなかったと考えて良いかと。警報は、エンジン関係だったのかもしれません。

少なくともエンジンが正常ならば、かなり困難な離陸だったものの、なんとかなったと考えています。

調布のエレベーション、RW長、当時のテンパラチャ、デューポイント、ウインドに関しては、直接的に離陸を困難にした要素は無いと考えます。

サッカー場からの映像では、速度、エンジン音やプロペラ回転数に関しては映像機器や個人的印象による影響を免れませんが、調査委では映像解析もするのでしょうね。その中で確かなことは、エアボーン直後に左に不可解な変針をして、高度が異常に低かったということです。

その後の野球場からの映像では、加速上昇どころか水平飛行も維持できず、速度をどんどん失って行ったということでしょう。映像の最後の部分の迎え角が非常に大きく、私の印象では10度以上あったように見えました。フラフラの状態だったかと。

となると、いくつかの困難、または異常な状況があったもものの、とりあえず浮揚した。しかしそこから加速できなかったということで、やはりエンジントラブルに帰結するのかなと考えています。

地上からの映像では、エンジンの異常燃焼を示すような音はわかりませんが、やはり目撃者による「空中で爆発音がした」という証言は、かなり信憑性が高いと考えます。

加えて、何らかのヒューマンエラーが介在した可能性も捨て切れません。いくつかの複合的原因と、さらに不運が重なって起きてしまった事故だと、現時点では考えています。もっとも、大抵の事故とはそういうものですが。

判明した状況からは、私としてはこれ以上の洞察は困難ですが、これからまた情報が出てくるかもしれません。最終的には、調査委の公式発表を待つだけです。ただ、単純なマニア心ではなく、「何が真実か」という目で、できる限りの検証はして行きたいと思っています。

また、ご意見など頂戴できましたら幸いです。

>おっさん様
>てば様

今更ではあるのですが、おっさん様の記述を精査した結果、私の主張に一部誤りがあり、抗議を行った東海ラジオに対しても訂正を申し入れましたので、その点について追記いたします。

航空機の離陸に必要な距離を算出する根拠としては、メーカーが公表するPOHに記載されているデータシートを用いる事になると思いますが、POHには離陸時の距離に関して2種類の数値が記載されています。

・離陸滑走距離(Takeoff Run)
一つが、Ground Roll Distance(静止状態から離陸滑走を開始し、全てのギアが地面を離れるまでに必要な距離)であり、この時の速度をLift off Speed.(VLOF)と呼び、この状態を「離陸」と呼びます。
(蛇足ですがこの状態では地面効果も含めて浮き上がっているだけなので、直ちに上昇に移れば失速の危険があり、下記のV2までは加速に努めることが推奨されています)

・離陸距離(Takeoff Distance)
もう一つが、Distance Over 50ft Obstacle(静止状態から離陸滑走を開始し、離陸して規定の高度に達するまでの距離)で、この時の速度をTakeoff Safety Speed.(V2)と呼び、この速度に達するまでに必要な水平距離を「離陸距離」と呼びます。
(蛇足ですが、当該機のようなピストン機では50ftですが、旅客機のようなタービン機では離陸速度も速く、機体重量も重いので50ftと規定すると大幅に伸びてしまうと言うことから35ftと規定されています)

したがって、当該機が離陸のために必要であったと思われる距離について論じる場合、上記2つの基準が存在し、捉え方によっては大きく数値が変わってしまう事が判りました。

ただし、どの数値を用いたにせよ3000mと言うのは誤報であることに違いないは無く、重量の超過が直接事故の原因になったとは考え難い事は変わりませんが、こちら側が主張した根拠に問題があった以上、東海ラジオに対しては抗議を取り下げる旨を申し入れました。

認識不足で混乱を招いた事をお詫びすると共に、訂正させていただきます。

>えぐ様

ご訂正記事をありがとうございます。

世間もメディアもすっかり興味を失っておりますが、言うまでもなくこの事故は終わってはいません。

事故調は、エンジン回収前から「なんらかの理由でエンジン出力が低下したと思われる」との見解を表明し、エンジン回収後もそれは変わっていません。おそらく明白なトラブルの痕跡を発見し、さらに詳細な調査を進めているのでしょう。

多少気は早いのですが、現実的にはこの時点でパイロットの重大な判断または操縦ミス、機体重量の異常、調布飛行場の根本的危険性などは、すべて公式に否定されたとも考えられます。

仮にそれらの事象や理由が副次的に存在するとしても、離陸直後の墜落という異常事態を直接的に引き起こすものではありません。

やはり「エンジントラブルあってこその事故」ということは間違いなさそうです。


ご訂正いただいた数値の違いにしても、事故原因に根本的に関わるものではありませんから、事故原因の検証という立場からは、無視しても差し支えないレベルのものかとも思います。

しかし、プロとしてあくまで正確性を追求されるご姿勢には、敬意を表させていただきます。当ブログとしても、情報の正確性には留意して参りたいと考えております。


事故調の最終発表には、まだしばらく時間がかかるかと思いますが、これからもできる限り情報を追いかけて参ります。

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