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2015年7月28日 (火)

【ヲタ目線地震教室19】理屈すらないうろこ雲(#1039)

Uroko
「うろこ雲」での画像検索結果の一部。これが地震の前兆だそうですよw


今回は、『地震雲』と言われるもののひとつ、いわゆる「うろこ雲」(ひつじ雲も含む)について考えてみます。


【うろご雲が一体なぜ?】
うろこ雲がなぜ『地震雲』になってしまったのか、正直なところ良くわかりません。おそらく、『地震雲』信者にも説明できないのではないでしょうか。

想像するに、古くから言われている「波状の雲」や「放射状の雲」と似ていて、空の大部分を覆うような“迫力”から、いつのまにか同類にされてしまったように思えます。最近流行りの“(恣意的な)解釈の変更”という奴です。

なお、「波状の雲」(もしくは連続する筋状の雲)は大気重力波や山岳波というごく普通の気象現象の結果であり、「放射状の雲」に至っては、あくまで見かけ上だけであり、それ自体が存在しないということを、当ブログの過去シリーズ【地震雲ってなに?】(カテゴリ:エセ科学オカルト排除)の中で明らかにしています。

もうひとつ、うろこ雲は目にする機会が比較的多いので、『地震雲』信者に発見や発信の喜びwを与える機会も多いのでしょう。だからネット上の情報量も多く、いつの間にか”そういうこと”になってしまったようです。


【うろこ雲とは何か】
では、うろこ雲はどうやってできるのか。ある意味で不思議な形状とも言えますから、自然の力ではできるはずがない→何か別の力が働いている→地震の前兆に違いないという、エセ科学やオカルトにありがちな論理(ですらない)の飛躍を誘発しているようです。 知らないってことは、ある意味で自由ですww

さらに、前述のように空の大部分を覆うことが多いので、普通ならば美しい自然のショーなのですが、一部の人にはその“迫力”が不安をかき立ててしまう。

しかし言うまでもなく、科学的に解明されているごく普通の気象現象です。だから、うろこ雲が出ても地震なんか起きやしない。でも、なんとなく近くで起きた小さな地震や、下手をすると海外の大規模地震まで引き込んで、「あの地震の前兆だったんだ」ということにしてしまう。これは『地震雲』の検証とされるもの全般に言えることですが。

本来、『地震雲』とは震源域近くで発生して、『震源の場所や方向を示す』とされるものじゃなかったっけ?空全面に出るうろこ雲も仲間とは、もうそんなことどうでも良くなっちゃったんだなw


【うろこ雲のメカニズム】
これは、実に単純です。まず、空の高い部分に、薄い雲ができます。その雲自体は、温暖前線の接近、つまり暖かく湿った気団が、比較的冷たい空気の上層に押し上げられる(暖かい空気は軽いのです)ことよってできる場合が多いので、うろこ雲が出ると、天気が下り坂になると言われる所以でもあります。

次に、高層にできた雲の上面が、放射冷却によって冷やされます。すると、冷やされて重くなった上面の空気が沈み込み、下面の暖かく軽い空気が上昇します。雲の中で対流が起こるのです。

しかし雲が薄いので対流は大きな渦にはならず、雲の中で小さな対流渦が無数に発生します。そのため、平たく広がっていた雲が細かく分かれて、うろこ状になるわけです。雲が厚めだと対流渦が少し大きくなるので、雲の固まりが大きめの、あたかも羊の群れのような「ひつじ雲」となります。

簡単に言えば、細かく分かれた雲の固まりひとつひとつの中で、空気が上下に渦を巻いているということです。


【秋は地震が多い?】
このようなメカニズムですから、うろこ雲やひつじ雲は「秋の風物詩」とされているわけです。秋になると、高層で放射冷却が起きやすくなるからです。

冬になってしまうと、放射冷却は起きやすいのですが、上空と地表近くの気団の温度差が小さくなり、含まれる水分量も減るので、高層の雲自体ができづらくなります。

もちろん、条件が揃えばほかの季節でも出ることがありますが、気象条件からして秋に出ることが多いのです。

ならば、秋は地震が増えていなければいけませんよねwしかし、そんなことはない。


【言い訳封じ】
となると、『地震雲』信者がこう言うのはわかっています。

「普通のうろこ雲と『地震雲』は違う」と。

じゃあどう違うのかというと、それを説明できる人はいませんというか、いろいろ見ても、まともな説明はありません。まあ、当然でしょう。思いこみなんですから。

基本的に、見た目の印象なんですよね。大規模に出て迫力があったり、逆に空の一部ですぱっと切れていたりすると、不思議→不気味→地震ということになってしまう。

この“すぱっと切れている雲”というのも、『地震雲』のニューカマーのひとつで、『断層雲』というらしいwそれについても、後記事でやりますが。


【やってみてください】
前の記事でも掲載したのですが、『地震雲』で画像検索してみてください。そこに出てくる画像の多くに、共通するものが見えて来ます。

それはこの三つ。
■不思議な形の雲である
■空の大部分を覆う迫力ある雲である
■夕暮れ時が多い
いかがでしょうか。

同じ雲でも、夕暮れ時の迫力は凄いですよね。うろこ雲ならば、空全体が紅とグレーのまだらに染まって、ある意味で不気味と言えなくもない。美しいんだけどなぁw

そんな大量の画像から、『地震雲』信者の心理が見えてきませんか。不思議で不気味な雲は、とりあえず『地震雲』だということにしてしまう。


その一方で不思議なのが、一時は『地震雲』の主流だった「竜巻状の雲」や「放射状の雲」の画像が、最近はすごく少なくなったということ。

その辺りは、管理人だけでなくあちこちで否定されてますし、要は“旬が過ぎた”ということなのでしょう。当ブログがその一助になれていれば幸いなのですが。

そして最近、その他の雲が増えて来たのは、より見られる確率が高い、すなわち“発見の快感”を得られる機会の多い雲に、主流がシフトしてきたのではないかと。


その過程で、電磁波がどうのとか震源の方向を示すとか、地震のメカニズムと一見関連付けたような話がどんどん薄まって来ていますね。最近は、あくまで“見た目の不気味さ”が主流のようです。

まあ、『地震雲』なんてものは人間の不安心理の産物ですから、それもある意味で必然なのでしょうが。

あ、そうだ。最後にとても面白い話をひとつ。実は、

『地震雲とか騒いでいるのは、日本だけ』

なんですよw


次回は、『断層雲』(と、いわれるもの)です。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

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