岩手県盛岡市で震度5弱+余談(#1027)
7月10日の午前3時32分頃、岩手県沿岸北部、深さ88kmを震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、岩手県盛岡市で最大震度5弱を観測しました。
気象庁の発表によると、この地震は『西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型』とのことです。西向きに移動して陸側の北アメリカプレート下に潜り込む、太平洋プレート内部の比較的深い場所で起きた、圧縮力による『スラブ内地震』と思われます。
東日本大震災以降、東北地方の沿岸部ではこのタイプの地震が頻発するようになりましたが、岩手県北部は震災の震源域より若干北側に当たり、このタイプの地震はあまり多くはありません。
震災震源域に沿った岩手県南部、宮城県、福島県沿岸部よりは、太平洋プレートの移動による圧縮力の影響が小さいためと思われます。
しかし確実に影響を受けている場所ですので、比較的長い間にじわじわと岩盤に溜まったストレスが解放された地震と考えられます。
岩手県北部沿岸においては、今後もこのタイプが頻発するようにはならないと思われますが、発震する場合は比較的大きめになるかもしれません。
ただし、震災後の東北地方沿岸部におけるこのタイプ、『スラブ内地震』の履歴によれば、最大でも震度5強レベルです。メカニズム的にも、大被害をもたらすような規模にはならないと思われます。
【無関係の小ネタ】
全く余談ではありますが、同日の午前1時15分頃に、管理人在住の埼玉県南部で、震度3の揺れを感じました。
ぐわっと大きく揺れてすっと収まるような地震でしたが、揺れが収まった直後、管理人は「茨城県南部の埼玉寄り、深さ50~70km、マグニチュード4.3から4.5」と判断しました。
さらに、主要動の立ち上がりが強く、揺れの持続時間が短かったことから、おそらく浅めの50km程度だとも考えました。
初期微動と主要動の時間、揺れの感じと方向、震度3以上で発報するケーブルテレビの緊急地震速報のタイミング、そして何より、震災以降の経験値の蓄積からの判断です。
結果、この地震は『茨城県南部(埼玉・栃木県境近く)、震源深さ50km、マグニチュード4.4』でした。
普段から意識していると、居場所の周辺で起きた地震については、こういう判断もできるようになります。もっとも、揺れの後から判断できても防災的には何の役にも立たない、単なるヲタ趣味なのですが。
そんな判断の方法については、現在連載中のシリーズ記事、【ヲタ目線地震教室】で、後ほど解説したいと思います(宣伝w)
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