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2015年7月 9日 (木)

報道されない真実を知れ~最前線からの報告~(#1026)

Uh60
被災地で救助活動中の陸自ヘリコプター(画像はイメージです。この画像の解説を文末に付記します)


過日、現職の陸上自衛隊員氏からお話を聞く機会がありました。

詳しい所属は明かせませんが、某基地の航空科でヘリコプターに乗っている方で、東日本大震災や御嶽山噴火などの災害派遣及び海外のPKOにも出動されています。

伺ったお話の内容は今後の記事に反映させますが、ここでも少し記事にさせていただきます。

その方は、東日本大震災では福島と宮城へ災害派遣で出動されたとのこと。その最前線で見聞されたお話は、震災2ヶ月後から被災地へ入った管理人が、現地で聞いた話を追認するものでした。


【秩序の裏側で】
被災地からの報道では、被災者は皆助け合い、秩序立った行動をしていたというものがほとんどです。それは多くの場合で事実であり、我が国の誇りとも言って良いものです。

しかし、やはりというか、そうではない現実もあったのです。それも、断片的な報道をはるかに超える現実が。

その方は、こう言われました。

「大災害後には、特に女性は自分の身を守ることを考えてください」

阪神・淡路大震災や東日本大震災でも、噂レベルではありましたが、やはり現実なのです。


【自衛隊員が襲われた?】
これは陸自の話ではありませんが、災害派遣の海上自衛隊員が、夜間に沖の大型船から小型ボートで被災地の浜に上陸した時のこと。浜は、真っ暗です。

すると突然、棒などの武器を持った男たちに囲まれ、殴りかかられたそうです。

すぐに身分を明かして事なきを得たそうですが、その男たちは暴漢ではなく、地元の「自警団」だったそうです。被災地で、なぜ「自警団」が結成されていたのか。

阪神でも東日本でも、被災地に外部からの「火事場泥棒」が想像以上に入り込んでいたのは、隠しようの無い事実です。そのような報道は断片的ながらありますし、「自警団」が警備していたという話は聞きます。

しかしそれだけではなく、特に女性に対する身体的危害も少なからず発生しているのです。

海自隊員を襲った「自警団」は、実際に起きた女性に対する危害により、結成されたものだったそうです。

そのような事件は、メディアの取材陣が多い場所では起きません。そして起きてしまっても、被害者を慮って周囲の人は口を閉ざします。だから報道に乗ることはありませんし、仮にメディア側が知っても、“自主規制”してしまうのです。

しかし、現実に起きている。それもあちこちで。上記は一例に過ぎず、実際に最前線で活動した自衛隊員が、女性に対して「まず身を守れ」と言いたくなるような状況が、現実にあったということです。


【海外だけではない】
海外で大災害が起きると、被災者による暴動や集団略奪が起きたというような報道が見られることがあります。

では、我が国では?

滅多に起きません。しかし、起きています。陸自氏の言葉を借りれば、

「主に、日本人ではない人たち」

によるものだと。誤解なきように付け加えますが、このことを記すのは、外国人に対する偏見や差別によるものではありません。あくまでひとつの現実であり、大災害下で我々が直面する可能性のある危険だという認識をする必要があるからです。

さらに、管理人が知るところを付け加えれば、「外国人だけとは限らない」のです。世の中には、様々な人がいます。

「火事場泥棒」だけでなく、開いている商店が狙われ、モノが手に入らないと腹いせに破壊して行くというようなことも、少なからず起きています。


【報道されない真実】
繰り返しますが、外国人が危険だと言いたいのではありませんし、多くの在日外国人は、大災害下でも秩序を守ったのです。

ただ、習慣や考え方の違いもあって、一般的な日本人とは異なる行動も起きているという現実は知っておくべきです。そしてそれは、外国人に限らないということも。

女性に対する危害に至っては、国籍や民族がどうのという話ではありません。危険は、どこに潜んでいるかわからないのです。

報道されることだけが、真実ではない。それに対するセルフディフェンスも、考えておかなければなりません。


もっとも、暴動や略奪に対して、素人ができることはありません。現実には、逃げるだけです。

一方、女性に限りませんが、身体的危害や侵入盗、いわゆる「火事場泥棒」に対しては、人目の無い場所では一人にならない、集団で警備をするなどの対策をしなければならないこともある、ということです。

こういう現実をメディアが流すと、過激に過ぎる自警活動や、外国人に対する偏見や排斥に繋がると危惧されるのでしょう。ごく一部を除き、報道はされないのです。


【“防災”とは?】
災害対策は、どうしてもインフラ停止による耐乏生活対策に目が行きますし、多くの場合それが主眼でもあります。

しかし、つまるところ防災とは何か。

それは、まず『自分の身を守ること』なのです。


災害で失われるものは、人命や財産だけではありません。秩序、そして心も失われることも少なく無いという現実を、忘れてはなりません。


災害下で起こり得る危険を知り、そこから身を守る方法を知り、対策を考え、必要な装備を整え、訓練をして“その時”に備えること。

そのために必要な情報を得て、意識をしておくために、敢えてこの記事を記します。


■掲載画像について■
この画像は宮城県の南三陸町の病院で救助活動をする、陸上自衛隊のUH-60型ヘリコプターです。テレビからのキャプチャですが、実はこの画像、航空関係者やマニアの間でとても有名なになったものです。

一見、病院の屋上に普通に着陸しているように見えますが、そうではありません。

建物の幅は機体幅の3倍もなく、しかも高さ2メートルくらいのフェンスに囲まれています。高速回転しているので見えませんが、ローター(回転翼)はフェンスからはみ出しているのです。もし下降時や上昇時に機体が傾いてローターがフェンスに触れれば、墜落は確実です。

普段からこんな場所に下ろす訓練などしていませんが、常に厳しいケースを想定して精確に操縦するという訓練の積み重ねが可能にした、神業に近い技術です。

狭いだけでなく、このような普通のビルは大型ヘリの重量に耐えるほどの強度がありません。ですからこれは着陸しているのではなく、屋上に着陸装置のタイヤをつけた状態で、半分浮いているのです。

もし普通に着陸してしまったら、着陸装置が屋上にめり込み、安定を失って転覆するでしょう。それを避けるために半分浮きながら、しかし病人などが乗りやすいように、ぴたりと機体を安定させているのです。

パワーをかけて浮いているため、普通の着陸状態ならあまり気にならないローターからの下降気流が凄まじく、ヘリに近づこうとする避難者が、強烈な風に耐えているのがわかります。普通の台風以上の、凄まじい風です。

それでも、この病院から救出するには屋上に下ろすしかないという判断で、訓練でもやらないようなことを一発勝負で決めている瞬間だということを、航空機に詳しくない方にも知っていただきたく、敢えてこの画像を択びました。

なお、この画像はお話を伺った陸自隊員氏とは無関係です。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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コメント

某備蓄コミュで、備蓄の必要性を隣近所に啓蒙するか、というスレッドがたった事があったのですが、意見の中に「しない。物流が止まった時に、隣近所に襲撃されるのが怖いから」というものがあり、うなってしまいました。そこでは大前提として、数ヵ月にわたり物流が滞り、政府の支援が間に合わない、という大変厳しい環境を想定していたわけですが、その時までは、仲良くしているご近所さんに襲われるという認識が全くなかったもので、結構なショックを受けました。今回の内容とは状況も意味合いも違いますが、なかなか自分が襲われるという発想は、普通の生活の中では出てこないものなんですよね。

>ぼたもちさん

阪神の時から、そういう現実もあるわけです。周囲の治安状態にもよりますが、例えば高級住宅街は「何かあるに違いない」と、外から侵入者を呼び寄せることもあります。

食品や水などの輸送中に強奪されたりすることもあります。

災害下の窮乏生活では、人間のエゴがむき出しになって当たり前なのです。そういう事件が非常に少ないのが我が国の美徳ではありますが、起きていないわけではないので、それなりの覚悟と対策が必要です。

特に都市部は、その危険が大きいでしょう。治安状態も住人も、20年前の阪神とは全然違っていますから余計です。

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