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2015年7月 7日 (火)

【シリーズUDL09】水編7・UDLで水を長持ちさせるために+水編まとめ(#1025)

Water_supply_2
保存水を長持ちさせるためには何が必要か?(画像は自衛隊の給水支援)

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが提唱する被災生活の概念です。

今回は水編の最終回として、『水の保存』を考え、最後にまとめをします。


【基本は冷暗所】
水を長期保存する場合の基本は、なるべく光が当たらず、温度変化が少ない場所にするのが基本です。ペットボトルの水は、段ボール箱に入れたままが良いでしょう。

川の水や雨水など雑用水の場合でも、光が当たると中に含まれる藻類などが光合成して繁殖しやすくなり、水が早く濁ります。

実用的にはともかく、あまり気持ちの良いものではありませんから、半透明のポリタンクに保存する場合でも、毛布などをかけて光を遮断しておきましょう。

ベランダなどに備蓄する場合は、光を通さないコンテナ類に入れておくと良いでしょう(下画像は一例)
Container_2


【紫外線消毒はできる?】
強い紫外線には、殺菌効果があります。もし電気が使えて殺菌灯があれば、その光を一定時間当てることで、細菌、ウイルスや微生物を死滅させることができます。

殺菌灯は、紫外線の中でも最も殺菌効果が高い波長を、強く発するようになっています。

では、日光の紫外線による殺菌消毒は可能でしょうか。夏場の強い日差しを当てれば、殺菌できるような気もします。

しかしその答えは、「効果はあるものの不完全」です。

日光程度の紫外線では、実用レベルの完全な殺菌はできません。殺菌灯が発する、殺菌効果が最も高い波長は、日光の中にはほとんど含まれていませんし、光の強さも完全殺菌には不足です。

現実に、いつも直射日光が当たっている場所にも、細菌は確実に存在しています。

海外のミネラルウォーターの一部は、きれいな自然水を日光による紫外線消毒のみで瓶詰めにしたものもありますが(日本国内では販売されていません)、飲んだ人が下痢や感染症を起こすことも起きています。

このようなことから、殺菌効果を考えて、水を日光に晒すことはあまり意味がありません。むしろ、温度が上がって細菌などが繁殖しやすくなることもあります。

空の水容器などを強い日光に当てれば、ある程度の殺菌はできますが完全ではなく、それよりもフタを開けておくことで空気中のゴミや細菌が内部に付着する危険の方が大きいと言えるでしょう。

水容器の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を使うのが効果的です。


【水でなければ積極的に】
水の場合は「滅菌」というレベルでの殺菌が必要なので、日光の紫外線では不十分です。一方で、衣類、寝具や飲食に関係ない道具類は、積極的に日光に当てるべきです。

UDLでは空調もなく湿気がこもりやすく、トイレの環境は悪く、洗濯もできず、こまめに手を洗えないので、家の中で雑菌類が繁殖しやすい環境になります。日光の紫外線は、そのような菌類を減らし、なるべく繁殖を押さえるためには確実に効果があります。

衣類や寝具などの湿気を取るだけでも、効果は大きいのです。


【水使用時には細心の注意を】
密閉して冷暗所に保存した浄水は、放っておいてもそれほど問題はありません。不安がある場合でも、これまで紹介した方法で消毒することができます。

最も気をつけなければならないのは、水の使用時です。一旦容器を開ければホコリ(もちろん細菌がついています)が含まれる外気に晒され、細菌(場合によってはウイルスも)ついた手で容器にさわることになります。それが水に入らないとは限りません。

水の中に手や容器を入れて汲み出したりすれば、100%細菌類が混入します。ですから、そんな水容器はUDLの飲み水用としては使いモノにならないのです。売ってるけど。

保存容器からのラッパ飲みも100%アウト。口の中は雑菌だらけなのです。その場合は、短時間で飲みきらなければなりません。


給水を受けた直後や開封した時に安全だった水も、特にUDLでは加速度的に危険になる可能性が高いので、一旦外気に晒されたり何かに触れたりした水は、ある程度時間が経った後は、これまで述べたような方法で安全を確保しましょう。

水の使用時には容器の注ぎ口にはさわらず、細菌やウイルスの付着を防ぎます。もし不安があれば、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムの希釈液でふき取るかスプレーしておきましょう。

少量で容器をふき取るくらいならば原液でもかまいませんが、次亜塩素酸ナトリウムは布地の色を落としたり、ぼろぼろにしてしまいますし、原液が皮膚ついたら炎症などを起こします。

早い話が、『塩素系漂白剤』の成分とほぼ一緒ですから、ふき取る場合は手につかないようにして、紙類を使いましょう。安全と無駄無く使うことを考えれば、基本的には希釈液がお勧めです。

なお、ウイルス消毒の場合はアルコールでは効果が無いことも多いので、次亜塩素酸ナトリウムの方が確実です。


【気にし過ぎなのか?】
そんなに気を使わなくても大丈夫じゃないか、と思われた方もあるかもしれません。

普段の生活ならばそうでしょう。しかし、UDLは“非日常”であり、しかも長期間続きます。1週間で普通の生活に戻れるくらいならば、それほど気にすることも無いでしょうが。

UDLでは衛生状態が悪く、栄養も十分ではないか偏りがあり、精神ストレスも多く、ひいては免疫力が低下しがちになります。その中で自分とご家族の健康と安全を守るためには、これくらいの気遣いが必要と考えるべきです。


これで水編を終了します。最後に、水編のまとめを。


【水編まとめ】
まず、発災直後の混乱期のために、ペットボトルなどの浄水を家族の3日分は備蓄したいもの。

そして、その後のUDLで飲料水を浄化するための手段は3種類。それぞれに必要な装備と効果は以下の通り。

■煮沸
・カセットコンロと予備ガスボンベ
・細菌、微生物、ウイルス、寄生虫卵を死滅させられる。濁り(不純物)は除去できない 

■濾過
・自作浄水器+中空糸膜フィルター(スーパーデリオスなど)
・自作浄水器で除去できるのは濁り(不純物)のみ。中空糸膜フィルターは濁り(不純物)、細菌、微生物、寄生虫卵を除去。ウイルスは除去できない

■薬品
・次亜塩素酸ナトリウム液(ケンミックス4、ピューラックスなど)
・細菌、微生物、ウイルスを除去。濁り(不純物)と寄生虫卵は除去できない
・保存水に添加することで、消毒効果を長続きさせられる

以上3種類の方法を、状況や水の状態に合わせてハイブリッドして使うことで、安全な水を作ることができます。


■水の保存と運搬のために便利な装備
・飲料水用蛇口付き水タンク
・雑用水用大型タンク(灯油用ポリタンクなど)
・小分け用小型水タンク
・台車、カート、背負子など運搬と運び上げ器具

これらをすべて新しく揃えたとしても、2万円以内に収めることもできますし、UDLだけでなく、平時でも他の用途へ流用できるものも多いのです。その効果を考えたら、決して高い買い物ではありません。 なにより、イザとなったらこれある、という安心感は絶大なのです。

水は生命の根幹です。自分と家族の健康と安全のために、まずはここから備えてはいかがでしょうか。

相変わらず、『防災の専門家』は水そのものを備蓄せよとしか言いませんけどね。


次回からは、栄養編を始めます。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

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