2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

« 大分県佐伯市で震度5強(#1030) | トップページ | 台風11号接近(#1032) »

2015年7月14日 (火)

【シリーズUDL10】キミは震災ディナーを知っているか?(#1031)

Stake
カセットコンロで豪華な肉野菜料理。UDLと何の関係が?

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが 提唱する被災生活の概念です。


人が生きるために必要なのは、まず水。その次に、身体機能を維持し、行動するための栄養を補給しなければなりません。

今回から、過酷なUDLで健康を維持するために必要な、UDLの栄養学を考えて行きます。

当シリーズ当初に述べた通り、大災害における被災地からの報道は“いちばん大変な”人たちのことに偏ります。勢い、家を失って公的な避難所にいる人々のことばかりになるのです。

しかし、特に災害下の都市部で数的に最も多いのは、インフラ停止下の自宅や自主避難所のような場所で過ごしている人々です。

そんな人々は、過去の災害ではどのようなUDLを過ごしたのでしょうか。


【最初の晩餐?】
小見出しは、誤植ではありません。記事タイトルとも併せて、もうお気づきの方もあるかと思います。

これはちょっと考えればわかることですが、意外にも知られていない事実です。

大地震などの災害に遭遇し、インフラがすべて止まった。しかし、とりあえず自宅にいられる状態だった。落ち着いたら、お腹がすいてきた。さあ、そこであなたなら何を食べますか?一応、非常食料の備蓄もあるにはあります。

ご家族の食を預かる方なら、いやそうでなくても、そこで最初に考えるのは、「冷蔵庫のナマ物を食べてしまおう」ということでしょう。

肉類、野菜類、瓶詰め食品、冷凍食品、乳製品類などがどんどん傷んで行きます。ならば、それから食べようとなりますよね。

過去の大災害では、発災直後にやたらと豪華な“最初の晩餐”を食べた人、意外に多いのです。


【満腹“震災ディナー”】
例えば、カセットコンロなどの火力でバターたっぷりのステーキにありったけの付け合わせ、生野菜サラダ、チーズに牛乳、そしてデザートには少し溶けたアイスクリームとか。卵料理ならば、肉類などよりもう少し先まで食べられます。

とにかく「傷む前に食べてしまえ」ということですから、量もたっぷりになります。肉類など、冷蔵庫無しでは1日と持ちません。捨てるくらいなら、少し無理しても食べてしまおうと。

しかも、その先しばらく食料の供給が滞るのは目に見えているのです。できるだけ栄養を摂っておこうとも考えます。

阪神・淡路大震災のある被災者は、そんな豪華な食事を、周りの状況とのあまりにも大きな隔たりへの皮肉もこめて“震災ディナー”と呼びました。

中には、無理に食べ過ぎてお腹をこわしたというような、笑えない話もあります。UDLはトイレ環境が劣悪ですから、お腹をこわしては大変です。


【内緒の晩餐?】
そのような話が、あまり表に出てこないのには理由があります。

ご近所だけでも、家が大きく損傷した人、食材のストックが無かったり少なかった人などと、大きな“格差”が生まれたのです。

さらに、家を失って命からがら避難所に逃げた人、家族が傷ついたり行方不明の人もいます。そんな中で、仕方無しとは言いながら、豪華な食事を腹いっぱい食べるのは気がひける。

ですから、家の中で懐中電灯やろうそくの灯りの下、ひっそりと“内緒の晩餐”となることが多かったのです。

もちろん、食べ物が無い人に食事を分けてあげるなどの助け合いもありました。

それでも、食うや食わずの人々の事を考えれば、基本的には『内緒』だったために、あまり知られていない話というわけです。


これから起こる大災害でも、とりあえず家が無事ならば、このようなことになるでしょう。 しかし“震災ディナー”も、発災後せいぜい1~2日だけの話です。さて、それからどうするか。


【乾パン信仰は卒業しよう】
高いおカネを出して『防災セット』を買っても、食品は乾パンだけみたいなのも多いのが現実。

しかし乾パンのメリットは保存性くらいで、食の満足感、食べやすさ、栄養を考えたら、極論すれば「あんなものいらない」のです。

20年も前の阪神・淡路大震災の時から、乾パンは水無しでは大して食べられないという被災者の声がありましたし、東日本大震災でも、その声は繰り返されました。それに、いくら食べても摂取できるカロリーは大したことありません。

なのに、未だに『まず乾パン』が多すぎる。

乾パンは伝統的な保存・非常食ではありますが、現代は優秀な食品がいろいろ手に入るのです。おカネは、もっと別のものにかけましょう。


基本的な考え方は、できるだけ食べやすく、満足感が大きく、必要な栄養を摂れる食品です。

それは専用の保存食だけでなく日常の食品にも、ちょっとした工夫で非常時に転用できる、優秀なものも少なくありません。それも、専用食品よりはるかに安価で。

当シリーズでは、1ヶ月に渡るインフラ停止のUDLを想定していますから、安価であることはとても重要です。


それでは、次回から本編です。とても優秀な、しかし意外な食品も登場しますよ。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

« 大分県佐伯市で震度5強(#1030) | トップページ | 台風11号接近(#1032) »

シリーズUDL」カテゴリの記事

コメント

うちは被災地ではありませんが、物流が滞り、買い物パニックが起きて近所のスーパーに長蛇の列ができたので、一週間買い物に行きませんでした。冷凍庫にしまい込まれていたオマール海老のパスタが最初の晩餐でした。備蓄大事。

>月耳兎さん

いやほんと、備蓄は大切です。それでも、普段の食事がいきなり乾パンに変わることの恐怖、リアルに考えていない人もまだまだ多いなと。

「食えない」ことがイメージの前提で、そこで乾パンでもあればなんとかなるという感じでしょうか。発災害初期ならばそれもありがたいのですが、数回食べればもううんざりだし、何しろ健康を維持できない。

足りない栄養素は身体が強烈に要求して来ますが、それがどれだけ苦しいものかということを、経験できなくても、もっと現実問題として考えなければなりませんね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【シリーズUDL10】キミは震災ディナーを知っているか?(#1031):

« 大分県佐伯市で震度5強(#1030) | トップページ | 台風11号接近(#1032) »