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2015年7月24日 (金)

【シリーズUDL11】栄養編1・偏りまくるUDL食生活(#1035)

Meal
炊き出し支援はUDLの命綱。でもそれだけでは・・・

■UDLとはUnder Disaster lifeの頭文字。当ブログが提唱する被災生活の概念です。


不幸なことに大災害に遭遇してしまい、UDLが始まりました。まず冷蔵庫のナマ物を食べ切ってしまった後は、米、缶詰、乾物など、保存が効く食材がいくらか残っています。備蓄した非常食料もあります。

しかし、商店からは食品類があっと言うまに消え、この先当分の間は食品の補給ができそうにありません。支援物資や炊き出しに頼ることになります。

しかし、公的避難所ならまだしも、自主避難所や自宅待機者への支援は、なかなか届きません。特に大都市圏の場合、何週間も支援が受けられないということもあり得ます。

そんなUDLに備えて、普段から何を備えておけば良いのでしょうか。必要なのは、非常食料の備蓄だけではありません。

非常食料は、あくまで発災直後の混乱期に役立つものにすぎず、そこから長く続くUDLには、別の対策が必要です。

まずは基本的な考え方から。


【大災害=炭水化物】
一見、意味不明の小見出しですが、これが現実です。

現実には、非常食料として乾パンやビスケット類を備蓄している方も多いでしょう。そして、特に発災後初期の支援食品はパン、おにぎり(白米)、カップ麺などがほとんどになります。

自宅のストックを使う場合も、ご飯を炊いて、それに缶詰や乾物のおかずが少々、というようなが多くなるでしょう。

このように、UDL初期での食事は『炭水化物だらけ』になるのです。

炭水化物は腹持ちが良く、活動するためのエネルギー化しやすいので、UDL初期の栄養素としては適していますが、いつまでもそれだけでは健康を害します。

しかし、UDLではその他の栄養素を摂ることが、とても難しくなります。


【必要な栄養素とは】
ここでは不自由なUDLであることが前提ですから、細かいことは省きます。それでも、以下の栄養素をできるだけバランス良く摂らなければなりません。

・炭水化物
・タンパク質
・脂質
・ビタミン類
・食物繊維

ここでの食物繊維は、健康がどうのという話ではありません。最大の目的は、整腸効果。トイレ事情が過酷なUDLでは、おなかの調子を整えておくことが、大きな意味を持ってくるのです。

しかしこれらの栄養素を補給するための生鮮食材は、特に都市部ではほとんど手に入らなくなりますし、あっても冷蔵庫なしでは保存できません。UDLで炭水化物以外を摂るのがいかに困難か、現実の問題として考えてみてください。

最近は、各栄養素を配合した食品もいろいろありますし、それらを非常食料として備蓄することはお勧めできます。しかし、それもせいぜい3日分でしょう。

本当の過酷さは、その後にやってくるのです。


【食えれば良いわけじゃない】
では、仮に完全栄養の非常食があったとして、それを毎日食べていれば済むかというと、そうでもない。

食には、『満足感』が必要なのです。

精神的にも肉体的にも過酷なUDLで、食事は大きな楽しみとなります。でも、いくら乾パンや乾物を食べても、満足感にはほど遠い。

ただでさえ身体は不足する栄養素を要求し、それがやたらと食べたくなります。肉が食べたい、魚が食べたい、野菜が食べたい。しかし、無い。

UDLでは、そのストレスが非常に大きくなるのです。そのストレスをいかに小さくして行くかも、UDLの食生活ではとても大切です。

なのに、まだ乾パンだけですか?


【日常生活にUDLを組み込む】
日常生活とUDLを別々に考えると、面倒なことになります。あたかも長い旅行に出るように、日常と全く別の装備を整えるのは、骨が折れますね。

しかし自宅にいる以上、非日常であるUDLも“新たな日常”と考えなければなりません。

そこで、日常生活の中にUDLでも役に立つモノや考え方を組み込んでおいて、イザとなったらそれを転用することができれば、負担は大きく減らせます。

モノで言えば、カセットコンロなどその最たるものです。普段はテーブルでの鍋物用。それがUDLでは暖かい食事を作り、飲み水やほ乳瓶を煮沸し、暖房もできる唯一のモノとなります。

UDL対策としては、ガスボンベを十分に用意しておくことだけ。災害対策としてキャンプ用のガスコンロなど用意する前に、まずそこからです。

食品においても、必要な栄養素をできるだけ摂り、できるだけ満足感を得るために、そのような『転用』ができるものがあります。

それを普段の食生活に組み込んでおくことも、立派な災害対策なのです。それができるのは、家族の食を預かる、あなたです。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。


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コメント

こんにちは。

悩ましい問題ですよね。
備えは出来ますがコストも結構掛りますし。
それほどコストを掛けないのであれば乾燥野菜、ドライフルーツやサプリメントで解決する。
あとは玄米の糒(ほしい)は栄養価的にも優れて、家庭で作れるので経済的かも。


▼ネタです(ヤフーニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150725-00000531-yamagata-l06

>whokiさん

専用の非常食品があるに越したことはありませんが、コストもあってそれほど量は備えられません。ならば、日常の食生活にも使え、いざとなったら非常食にもなり、しかも安価なものを揃えておこうという発想です。

ちょっとネタバレしてしまえば、ビタミン類は、現実的にはサプリしか無いと思うんですよ。

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