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2015年8月26日 (水)

台風が来ると地震が起こる?(♯1051)

8月26日午前7時51分頃、宮崎県の日向灘、深さ約30kmを震源とするマグニチュード5.2の地震が発生し、宮崎県川南町などで最大震度4を観測しました。

その地震に関連する、ちょっと気になる話です。


【台風との関係は?】
九州地方は、8月25日に台風15号が上陸、通過しました。その翌日に、上記の地震が起きたわけです。

日向灘を震源とする地震は、比較的頻繁に起きています。つまり、地震を発生させるメカニズムと、それなりのエネルギーが蓄積されている場所ということです。しかしそのほとんどは、地上で震度1~2程度の小規模地震です。

ここで、2004年まで遡って、日向灘で起きた震度4以上の地震を振り返ってみましょう。

・2014/8/29 M6.1 震度4
・2012/1/20 M4.8 震度4
・2009/8/5 M5.0 震度4
・2009/4/5 M5.6 震度4
・2006/3/27 M5.5 震度5弱

たったこれだけであり、震度4以上はかなり珍しい地域です。2006年の震度5弱は、おそらく震源が陸地に近かったせいで揺れが大きくなったのでしょう。規模的にはM5.5と、それほど大きいわけではありません。

そんな場所で、強い台風が通過した翌日、約1年ぶりに震度4の地震が発生しました。


【個人的に注目していました】
実は管理人、8月23日に当ブログのtwitter公式アカウント『生き残れ。Annex公式@ikinokore_annex』で、こんなツイートをしていました。
Twitter

というわけで、何かちょっと見えてきた気もします。

以前から、強い低気圧による地面への気圧変化が地震発生のトリガーになることがあるのでは?という仮説があります。

1気圧では、地面1平方メートルの面積に、約10tに相当する荷重がかかっています。それが、強い低気圧が来る、今回は960hpaくらいですから、その荷重が短時間でざっと9600kgくらいに減り、再び短時間で10t程度に戻ったわけです。

それが何十平方キロメートルという広い範囲で発生するのですから、強い低気圧の通過によって、地面には非常に大きな荷重変化があるのは事実です。

そのような気圧による急激な荷重変化が地面をわずかに押し引きして、その周辺に歪エネルギーが溜まった断層があった場合、地殻のわずかな動きが断層の破壊、すなわち地震を発生させるトリガーになることがあるのではないか?という仮説です。

今回の地震の震源深さは約30km。その仮説がもし正しいとしても、そんな深さまで影響が及ぶものなのでしょうか。


【よくわからない】
この仮説に関しては、学術的調査が行われたことがあります。

その結果、確かに強い低気圧の通過時、またはその直後に地震が発生することがあり、調査例だけからは、低気圧と地震は相関ありと見ることができる結果でした。

しかし、サンプル例が少なかったこと、起きた地震が断層のスロースリップ(ゆっくりすべり)によるものであり、一般的な地震とは異なっていたことなどから、その仮説の正当性を証明するには至っていません。

あくまで、『その可能性がある』という段階です。ただ、スロースリップがかなり深い断層で起きていることから、もし影響があるとすれば、決して浅い断層に対してだけではない、ということも見えてきます。

その一方で、各地の漁師の間で「嵐(=強い低気圧)が来ると地震が起こる」と言われることも少なくありません。長年の経験則による伝承ですから、迷信だと無碍に否定はできません。


【最後のひと押し】
もっとも、低気圧が地震を起こすわけではありません。あくまで、急激な気圧変化による地面のわずかな動きが、歪エネルギーが溜まって壊れそうな断層の破壊を促す『最後のひと押し』になることがあるかもしれない、ということです。

そして、その『最後のひと押し』が比較的急激に、かなり大きな力でかかる可能性が高いので、断層破壊をより大きくする、すなわち地震の規模を大きくすることもあるかもしれない、ということでもあります。

しかし、地震のトリガーは他の理由もいろいろ考えられますから、気圧変化にだけ注目すべきでもありません。ただ、その中でもかなり大きく影響する可能性がある事象だとは言えるでしょう。


今回の例は、かなり強い台風が通過した翌日に、地震が比較的多い場所で、普段あまり起きない規模の地震が起きたということです。

これだけで、台風が地震のトリガーとなったと言うことは全くできません。それはエセ科学の考え方です。ただ、起きる可能性があると考えられたことが、実際に起きた。ならば、その可能性は否定できない、と考えられるわけです。


【災害対策に活かすために】
地震の発生と低気圧は、関係あるかもしれない。しかし、我々がその正否を検証する必要はありません。

実際に、毎年いくつかの台風が日本に上陸しますが、その後に目立った地震が起きている、というわけでもありません。管理人は毎日の地震をモニターしており、その経験則からも、関係する可能性が高いとは言えません。

ただ、今回は台風がかなり強かったので、もしやという気持ちもあって、上記のようなツイートをしたまでです。予知でもなんでもありません。

我々としては、『もしかしたらそういうこともあるかもしれない』くらいに考えて、台風などの強い低気圧などが通過する時から2~3日間は、多少“身構えて”おくのも良いでしょう。

もっとも、身構えるだけではほとんど無意味です。起きてしまった時の行動計画や備蓄が揃ってこそ、実際の被害を減らすことにつながります。

身構えることの最大の意味は、『その時』の反応を素早くする、最も危険な地震の第一撃をかわす、『命の1秒』を稼ぎ出すためなのです。


なお、当ブログのtwitter公式アカウント『生き残れ。annex公式@ikinokore_annex』では、ブログ記事にするまでもない、このようなツイートも結構頻繁にやっています。是非フォローしてご覧ください【宣伝w】


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

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コメント

全く門外漢ですが、1点の誤りと、やや否定的な推論を述べさせていただきます。

まず、地表面1㎡が受けている大気の重量は約1tではなく約10tです。
大気圧1atm=水銀柱760mmですので、1㎡水銀の体積は0.76m^3、比重が13.59なので質量は、0.76×13.59×10^3=1.03284×10^4kg=10.3284tです。

仰る通り、強力な低気圧の目が直上を通過する事を仮定すれば、10t/㎡あった荷重が短時間で9t/㎡程度に下がる可能性はあると思います。

しかし、これが地震のトリガーになるとは到底思えない理由があります。

地表が大気の加重を受けているのと同様に、地中深くではその上に存在する地殻の加重を受けていると思われます。
仮に震源を浅く10kmと見積もって、その付近が受けている荷重は、地表近くの平均的な鉱物の密度を3g/cm^3(3t/m^3)とすると、1㎡当たり3万tということになります。

既にご理解いただけるかと思いますが、上記の数値に大気の重量を併せて考えると、台風の通過に伴って30010tであった加重が30009tに変化したとしても、0.003%の変化にしかならず、仮にこれが地震を引き起こすトリガーになりうるのであれば、当然ながら潮汐力はこれを遥かに上回る影響があると思われます。

・地震発生における地球潮汐の影響数値シミュレーションによるアプローチ(公益社団法人 東京地学協会)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/111/2/111_2_256/_article/-char/ja/

>えぐ様

詳細なご指摘及びご意見、ありがとうございまず。

まず、大気圧が地面などに及ぼす荷重については、たいへん恥ずかしいことに、浅学にて完全に取り違えてしまいました。約10tが正当であり、本文もそれに合わせて訂正させていただきました。

さて、その上での地震のトリガーとしての可能性なのですが、おっしゃるように地殻の重量が大気とは比較にならないほど大きく、数値的な比較では直接的な影響を及ぼすとは、ほとんど考えられません。

さらに、膨大な海水を短時間で動かし、さらには地殻自体も少し変形させるという潮汐力の方が、地殻に与える影響は遙かに大きいと考えられます。

しかしその潮汐力とて、長年に渡って地震トリガー説の筆頭とも言われながら、未だにその確証は得られていません。

これらのことから、強い低気圧による短時間で大きな気圧変化が地震トリガーの主因となり得るとは言えません。本文では触れてはいませんが、現実のトリガーとなるのはひとつの事象はなく、諸々の条件が複合したものでしょう。

他には、月と地球の位置関係の変化、地球の地軸の傾きの変化、自転速度の変化なども考えられます。

一般的に考えれば、トリガーとして働く力があるとすれば、地殻に対して最も大きな力を及ぼす潮汐力の影響が最も卓越するでしょうし、それよりはるかに小さな、気圧のような力の影響は確率的に無視できる、あるいは無視すべきとは思います。

ただ、現実的には強い低気圧が通過してから、その経路付近で比較的大きな地震が起きるということが散見されます。

統計的に有意であると言えるほどサンプルが多いわけではなく、印象に残りやすい事象のみが言い伝えられた、バイアスがかかった見方ということもできますが、それでも「最後のひと押し」の可能性を完全否定することはできないのかな、という印象を、個人的には持っております。

現実に、そのような経験則から、学術的調査も行われたわけです。

気圧変化だけではトリガーとならなくても、他の理由が何らかの条件下で複合する場合や、地殻に対する単純な荷重変化だけではない、未知の影響が生じている可能性も現時点では否定しきれません。

そんな考えもあって軽い気持ちでツイートしたら、タイミングぴったりで、ちょっと大きな地震が珍しい場所で起きたというわけで、こういう見方もあるよという意味も込めて、この記事をアップした次第です。

できることなら、世界における過去の大地震前後の月齢と天気図を比較対照したいところですし、その気になれば不可能ではないかもしれせんが、私としてはちょっと手がつけられませんw

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