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2015年8月

2015年8月26日 (水)

台風が来ると地震が起こる?(♯1051)

8月26日午前7時51分頃、宮崎県の日向灘、深さ約30kmを震源とするマグニチュード5.2の地震が発生し、宮崎県川南町などで最大震度4を観測しました。

その地震に関連する、ちょっと気になる話です。


【台風との関係は?】
九州地方は、8月25日に台風15号が上陸、通過しました。その翌日に、上記の地震が起きたわけです。

日向灘を震源とする地震は、比較的頻繁に起きています。つまり、地震を発生させるメカニズムと、それなりのエネルギーが蓄積されている場所ということです。しかしそのほとんどは、地上で震度1~2程度の小規模地震です。

ここで、2004年まで遡って、日向灘で起きた震度4以上の地震を振り返ってみましょう。

・2014/8/29 M6.1 震度4
・2012/1/20 M4.8 震度4
・2009/8/5 M5.0 震度4
・2009/4/5 M5.6 震度4
・2006/3/27 M5.5 震度5弱

たったこれだけであり、震度4以上はかなり珍しい地域です。2006年の震度5弱は、おそらく震源が陸地に近かったせいで揺れが大きくなったのでしょう。規模的にはM5.5と、それほど大きいわけではありません。

そんな場所で、強い台風が通過した翌日、約1年ぶりに震度4の地震が発生しました。


【個人的に注目していました】
実は管理人、8月23日に当ブログのtwitter公式アカウント『生き残れ。Annex公式@ikinokore_annex』で、こんなツイートをしていました。
Twitter

というわけで、何かちょっと見えてきた気もします。

以前から、強い低気圧による地面への気圧変化が地震発生のトリガーになることがあるのでは?という仮説があります。

1気圧では、地面1平方メートルの面積に、約10tに相当する荷重がかかっています。それが、強い低気圧が来る、今回は960hpaくらいですから、その荷重が短時間でざっと9600kgくらいに減り、再び短時間で10t程度に戻ったわけです。

それが何十平方キロメートルという広い範囲で発生するのですから、強い低気圧の通過によって、地面には非常に大きな荷重変化があるのは事実です。

そのような気圧による急激な荷重変化が地面をわずかに押し引きして、その周辺に歪エネルギーが溜まった断層があった場合、地殻のわずかな動きが断層の破壊、すなわち地震を発生させるトリガーになることがあるのではないか?という仮説です。

今回の地震の震源深さは約30km。その仮説がもし正しいとしても、そんな深さまで影響が及ぶものなのでしょうか。


【よくわからない】
この仮説に関しては、学術的調査が行われたことがあります。

その結果、確かに強い低気圧の通過時、またはその直後に地震が発生することがあり、調査例だけからは、低気圧と地震は相関ありと見ることができる結果でした。

しかし、サンプル例が少なかったこと、起きた地震が断層のスロースリップ(ゆっくりすべり)によるものであり、一般的な地震とは異なっていたことなどから、その仮説の正当性を証明するには至っていません。

あくまで、『その可能性がある』という段階です。ただ、スロースリップがかなり深い断層で起きていることから、もし影響があるとすれば、決して浅い断層に対してだけではない、ということも見えてきます。

その一方で、各地の漁師の間で「嵐(=強い低気圧)が来ると地震が起こる」と言われることも少なくありません。長年の経験則による伝承ですから、迷信だと無碍に否定はできません。


【最後のひと押し】
もっとも、低気圧が地震を起こすわけではありません。あくまで、急激な気圧変化による地面のわずかな動きが、歪エネルギーが溜まって壊れそうな断層の破壊を促す『最後のひと押し』になることがあるかもしれない、ということです。

そして、その『最後のひと押し』が比較的急激に、かなり大きな力でかかる可能性が高いので、断層破壊をより大きくする、すなわち地震の規模を大きくすることもあるかもしれない、ということでもあります。

しかし、地震のトリガーは他の理由もいろいろ考えられますから、気圧変化にだけ注目すべきでもありません。ただ、その中でもかなり大きく影響する可能性がある事象だとは言えるでしょう。


今回の例は、かなり強い台風が通過した翌日に、地震が比較的多い場所で、普段あまり起きない規模の地震が起きたということです。

これだけで、台風が地震のトリガーとなったと言うことは全くできません。それはエセ科学の考え方です。ただ、起きる可能性があると考えられたことが、実際に起きた。ならば、その可能性は否定できない、と考えられるわけです。


【災害対策に活かすために】
地震の発生と低気圧は、関係あるかもしれない。しかし、我々がその正否を検証する必要はありません。

実際に、毎年いくつかの台風が日本に上陸しますが、その後に目立った地震が起きている、というわけでもありません。管理人は毎日の地震をモニターしており、その経験則からも、関係する可能性が高いとは言えません。

ただ、今回は台風がかなり強かったので、もしやという気持ちもあって、上記のようなツイートをしたまでです。予知でもなんでもありません。

我々としては、『もしかしたらそういうこともあるかもしれない』くらいに考えて、台風などの強い低気圧などが通過する時から2~3日間は、多少“身構えて”おくのも良いでしょう。

もっとも、身構えるだけではほとんど無意味です。起きてしまった時の行動計画や備蓄が揃ってこそ、実際の被害を減らすことにつながります。

身構えることの最大の意味は、『その時』の反応を素早くする、最も危険な地震の第一撃をかわす、『命の1秒』を稼ぎ出すためなのです。


なお、当ブログのtwitter公式アカウント『生き残れ。annex公式@ikinokore_annex』では、ブログ記事にするまでもない、このようなツイートも結構頻繁にやっています。是非フォローしてご覧ください【宣伝w】


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年8月25日 (火)

【シリーズUDL15】栄養編4・UDL最強のスーパーフード(#1050)

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが提唱する被災生活の概念です。


今回は、UDLにおけるタンパク質の補給を考えます。タンパク質は、普段は主に肉の赤身や魚介類から摂取することが多いのですが、UDLではそのような食材が最も手に入りづらくなるわけです。

しかし、炭水化物だらけの食事で1ヶ月も過ごすわけにはいきません。それに、タンパク質が不足すると、身体が猛烈に欲するのです。肉や魚がやたらと食べたくなり、それがかなわないストレスで、メンタルのバランスも崩しかねません。なんとかして補給が必要です。


【動物性はあきらめよう】
しかしUDLにおいては、肉や魚介類の料理はそれなりの装備が整った団体による炊き出し支援くらいしか期待できません。もちろん、それが無いことも考えられます。可能な限り、家庭レベルで補給しなければなりません。

そうなると、動物性タンパク質はどうしても期待薄。まさか、干し肉や干物類を大量に備蓄するわけにもいきません。そこで登場するが、豆類です。

『畑の肉』とも呼ばれる大豆をはじめ、豆類には豊富な植物性タンパク質が含まれますし、常温で長期間保存できます。ならば、豆類を十分に備蓄すれば良いかというと、そうでもない。


【水が足らない!】
一部の例外を除き、豆類を生や乾物のまま食べるわけにはいかず、調理が必要です。基本的にはゆでるわけですが、その前処理も含め、水をたっぷり使わなければなりません。

しかしUDLで水は貴重品。豆をふやかしたりゆでたりするのにたっぷりの浄水を使うなんて、ぞっとします。

それに豆類は、そのままでは決して消化が良い食材ではありません。過酷なUDLでは身体に余計な負担をかけず、おなかの調子を整えることも重要なファクターです。

ならばどうしましょうか。

実は、少ない水で調理できて、様々な料理に使えて、そのまま食べることもできて、消化が良く、常温で長期間保存できて、値段が安く、それでいてタンパク質をたっぷりと補給できる夢のような食品、あります。


【スーパーUDLフード登場!】
それは高野豆腐(凍み豆腐)
Kouya

一般に、重量のなんと約50%がタンパク質(アミノ酸)です。100gのうち約50gも含まれているんですよ!

それだけではありません。なんと約30%が脂質(脂肪酸) なのです。それも、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がバランス良く含まれます。

まだあります。カルシウム、鉄、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム、亜鉛といったミネラル類も、しっかりと含まれています。特にカルシウム、リン、ナトリウムが豊富。

ビタミン類は少ないのですが、毛細血管の血行を良くして、UDLで問題となりがちなロングフライト血栓症(肺血栓症・エコノミークラス症候群)防止に効果があるビタミンEだけは、100g中に30mg以上とたっぷり含まれています。

まだ終わらない。UDLでは圧倒的に不足する食物繊維も、100g中約2gとたっぷりです。おなかの調子を整えるのにも絶好。

カロリーも100gで約530kcalと、結構あるんです。さらに、炭水化物まで約6%含まれています。

調理すればあらゆる味が染み込んで、応用範囲は実に広い。固形でも良し、砕いて粉にすれば、さらに幅広く使えます(粉末も販売されています)

炊き出しの豚汁にこっそり浮かせたりw、粉末をカレーに混ぜたりすれば、栄養価がぐっと上がる上に、ボリュームも増えて腹持ちも良くなります。

あとはあなたのアイデア次第。


【そのままでもいけます】
高野豆腐は水分を良く吸い込むので、少量の水で柔らかくなりますし、水無しでかじっても、唾液を吸って柔らかくなります。まあ、素の味は決しておいしいとは言えませんが、命をつなぐ非常食としては十分でしょう。

例えば、脂質が豊富なオリーブオイル漬けにして、塩や砂糖をかけるだけでもかなりいけますし、栄養価もぐっと上がります。ジャムやチョコレートクリームなどをつけたら、UDLのおやつ代わりにもなります。

なにしろ高野豆腐は、しばらくはこれだけあれば大丈夫というくらいの高機能食品なのです。

それでもあなたは、まだ乾パンですか?


【普段から使おう】
もちろんUDL専用ではなく、ある程度の量を備蓄しておき、普段の料理にも是非使いたいもの。非日常対策を、日常に組み込むのです。

こんなスーパーフード、どうせなら業務用をひとつ、箱買いしておきましょう。2kgで2500円くらいと実にリーズナブルです。 乾パンより全然安いのですがw管理人は、業務用食品店でどっさりまとめ買いします。上画像のような板状より、角砂糖くらいのキューブ状の奴が使いやすいかと。あれ、割るの結構大変なんです。


【シンプルな利用法】
高野豆腐が優れているのはわかっても、ご自分で料理をされない方には、ちょっとピンと来なかったかもしれません。

そこで、管理人もやっている実にシンプルな食べ方を紹介します。これです。
Kouya2
カップ麺に入れちゃうんです。カップに高野豆腐を入れてから、お湯を注ぐだけ。スープを吸っておいしく食べられますし、なにより食べでがあって腹持ちがぐっと良くなるのが最大の魅力。やはり、こってり系のスープの方がおいしく食べられるようです。

普段でも、ぜひ一度試してみてください。管理人、必ずやります。なんと言っても、炭水化物と脂質が多いカップラーメンを食べて、タンパク質もたっぷり補給できるのだから凄い。もちろん、UDLでカップ麺を食べる時は、これがあるか無いかで、栄養も腹持ちもとても大きな差になりますよ。


【しつこいのですが】
高野豆腐を非常食品のマストとしてピックアップした当記事のような内容は、過去にはほとんど無かったと思います。

当シリーズ前記事のオリーブ油に続き、これも非常にトリビア的でパクられやすい題材ですので、今後どこかで同様の記事、指導、講演などがありましたら、是非管理人に教えてください。

例によってアイデア自体に著作権は主張できませんし、是非多くの方に採り入れていただきたいのですが、素人のネタをパクって商売に使うような『専門家』の行為は許容しがたいので。

ご協力をお願いいたします。


本題からは離れますが、もうひとこと付け加えておきましょう。

管理人はNPO法人日本防災士機構認証(公的資格ではありません)の防災士であり、公的資格の防火管理者資格もありますが、『防災の専門家』は名乗りません。あくまで、“ちょっと詳しい素人”です。

防災士研修や防火管理者研修で得られる程度の知識では、『防災の専門家』は名乗れないと考えており、防災士資格だけで防災のプロ、専門家などを名乗ることを一切否定します。公式にそのように名乗ることは、能力を過大に誇張する、詐称に近いものだと考えます。

防災士とは、元来『防災の専門家』を養成するものではなく、地域、コミュニティ、職場などで防災リーダーとなるための、それもボランティアとして行うための、あくまでごく基礎的な知識が得られる資格なのです。元来、商売に利用するためのものではありません。

決して、『専門家』を名乗れる資格ではないのです。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

2015年8月22日 (土)

Twitter公式アカウント始めました(#1049)

Smc
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このたび、当ブログの公式Twitterアカウントを開設いたしました。

アカウント名は『生き残れ。Annex公式@ikinokore_annex』です。

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なお、個人アカウントは今後プライベート使用に特化し、ブログ関連情報や防災情報はすべて公式アカウントに移行しますので、ご迷惑とならないよう、個人アカウントはフォローを外していただければと存じます。


Twitter『生き残れ。Annex公式』アカウントを、どうぞよろしくお願い申し上げます。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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■公式Twitter始めました!(2015/8/22)
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諏訪之瀬島が噴火(#1048)

Suwanose
諏訪瀬島全景(資料)


昨日8月21日午後10時22分頃、鹿児島県、トカラ列島の諏訪之瀬島(すわのせじま)御岳が噴火したとの観測情報が入りました。

噴煙が約1200メートル上空まで上がっているのが確認されているそうです。

【非常に活発な火山島】
諏訪瀬島は、鹿児島県の屋久島南西から奄美大島北方まで続く、トカラ(吐喝喇)列島の中程にある火山島です。

桜島や口永良部島の噴火報道に隠れてほとんど注目されていませんが、有史以来何回も爆発的噴火を繰り返している非常に活発な火山島で、現在でも桜島と同様に、日常的に噴火を繰り返しています。

1813年には溶岩流が海岸まで到達する大噴火を起こしており、その際に全島民が島外避難して、その後しばらく無人島になっていました。現在は25世帯ほどが居住しています。

8月21日の噴火は7月30、31日の噴火に続くもので、噴煙が上空1200mほどに達したとのことです。しかし噴火の規模がそれほど大きくないこと、居住人口が少ないことから、噴火後も噴火警戒レベル2(火口周辺規制)のまま据え置かれています。


【火山帯が活発化か】
諏訪瀬島は、九州の霧島連山、桜島、口永良部島などに連なる、いわゆる『霧島火山帯』と呼ばれる火山フロントの中にあります。

2011年1月に噴火した霧島の新燃岳、震災前から活動が活発化していて、現在大規模噴火が危惧される状況の桜島、2015年5月に中規模噴火を起こして全島避難となっている口永良部島に続いて、諏訪瀬島の活動も少し活発化しているように見えます。


『霧島火山帯』は、その南側のユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界線である琉球海溝に沿って火山が並んでいる、火山フロントです。

東日本大震災前から『霧島火山帯』の活動が活発する傾向が見られていましたが、それに加えて、震災による地殻変動の影響も受けている可能性があるので、近隣の他の火山も含めて、当面は活動状況を注視する必要があるでしょう。

霧島・新燃岳、桜島、口永良部島そして諏訪瀬島と並ぶ一連の火山活動が活発化していることは、決して偶然とは考えられません。


■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。

2015年8月20日 (木)

【シリーズUDL14】栄養編3・ダイエットの敵を味方に(#1047)

Olive
イタリアンだけじゃない(画像はイメージです)

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが提唱する被災生活の概念です。


UDLでの支援食品では栄養素が炭水化物に偏ります。前回はビタミン類の補給を考えましたが、今回は脂質。

インフラ停止下では、肉類や魚介類が最も手にはいりづらく、保存もろくにできません。肉好きの方には、とても辛い状況です。

それでも、せめて栄養素だけは、なんとか補給しなければなりません。


【どこの家にもあるよ】
脂質が豊富な代表的な食材は、肉の脂身。UDLでは、豚バラ肉とかの夢を見そうですwそれもあって、炊き出しメニューに豚汁が多くなるということもありそうです。

でも、手に入らない。魚介類に至ってはさらに傷みやすいので、食中毒を防ぐことからも、炊き出しにもほとんど登場しません。

そんな中、家庭レベルでは何ができるかと考えると、どこの家にもあるじゃないですか。常温で保存できて、脂質たっぷりのものが。

油です。


【モノは使いよう】
脂質を豊富に含む油類は、ダイエットの大敵。それが、UDLでは強い味方に変わるのです。

火が使えて、根菜類など比較的保存が効く食材が手に入るのならば、油をたっぷり使った炒め物なども良いでしょう。でも、UDLではそれも期待薄です。

もし、脂質を摂ることだけを考えれば、最悪の場合はサラダ油などをそのまま飲んでしまっても良いのです。

でも、生命を左右する状況ならともかく、いくらUDLでもそんなことはできません。

では、どうしましょうか。


【強い味方がいるじゃないか】
食材が極端に不足している中、油から脂質を補給したい。でも、油だけでは口に入れられない。

選択肢はふたつ。油を口に入れやすい状態にするか、飲める油を見つけるか。

でも、サラダ油などは食材と合わせて火を入れ、調味料もないと、おいしく食べられません。UDLでは火が使えないことも普通ですから、なかなか難しい。

となれば、飲める油。管理人はイタリア料理が大好きで、自分でも良く作ります。と言えば、もうおわかりですね。オリーブ油です。


【たっぷり飲もうw】
オリーブ油は、パスタの仕上げやカルパッチョにかけたり、アイスクリームにかけちゃったりもしますが、実はそのまま飲んでも結構おいしいのです。パンにつけるだけでも、かなりいけます。

他の植物油は植物の種子から絞ったものなのに対して、オリーブオイルは唯一、オリーブの果実から絞った油ですから、とてもフルーティで口当たりが良いわけです。

オリーブ油ならば、火がなくても何かの食材にかけるだけで、おいしく脂質が補給できます。乾パンにかければ、ぐっと食べやすくなる上に、炭水化物と脂質が一緒に摂れます。お好みで調味料を加えれば、バリエーションもいろいろできますし。

「乾パンのオリーブオイル漬け砂糖がけ」など、疲れた時のおやつに最適ですよ。


【UDLを日常に組み込む】
オリーブ油を日常的に使う管理人は、ピュアの1.8リットルボトルと、エクストラバージンの600ccボトルを常備して使い分けています。

でも、イタリア料理なんて作らないよという方も多いでしょう。でもご安心を。オリーブ油を使ったからと言って、なんでもイタリア風になるわけではありません。普通に調理用油として使えます。

オリーブの産地である香川県の小豆島では、どんな料理にもオリーブ油しか使わない家庭も多いとか。天ぷらも、オリーブ油でおいしく揚げられるのです。

そこまで行かなくても、とりあえず1本常備しておけば、普段から料理のバリエーションが広がりますし、UDLではほとんど唯一の、手軽に効率良く脂質を摂れる食品になるわけです。

UDL対策のためにも、日常をちょっと変えてみてはいかがでしょうか。


【オリーブ油プチ教室】
火を通さずに使う場合は、よりフルーティで口当たりが良いエキストラバージンオイルをお勧めします。でも、比較的安価なピュアオイルでも、それなりにいけます。

日常では、火を通す場合にはピュアオイルを使い、仕上げや生食用にエキストラバージンオイルを使うと良いでしょう。どちらか1本備えるならば、エキストラバージンオイルです。

なお、両者の違いは、いわゆる『一番絞り』と『二番絞り』のようなものです。

オリーブ油の栄養学的な特徴は、血中の悪玉コレステロールのみを取り除いてくれるオレイン酸が、なんと70%以上も含まれていることです。普段からたっぷり使うことで、動脈硬化、心臓病、高血圧などを改善する効果も期待できます。

その他には、必須脂肪酸であるリノール酸もバランス良く含まれています。ビタミン類はA/D/K/Eが含まれ、特に
ビタミンEが豊富なのが特徴です。 ビタミンEは毛細血管の血流を良くする効果がありますから、頭痛、肩こり、冷え性の改善に効果が期待できます。

血行を良くすることで、UDLで問題となりがちな『ロングフライト血栓症』(肺塞栓症。以前のエコノミークラス症候群と呼ばれたもの)を防ぐ効果も見込めます。


オリーブオイルは、日光に当てたり空気に触れたりすると、他の油に比べて劣化や酸化が比較的早いので、なるべく小さな容器に密閉して、暗い場所に保管しましょう。劣化しても風味が落ちるくらいで、使えなくなるほど変質することはまずありませんが、おいしくいただくためには、なるべく早く使い切ることをお勧めします。

とはいえ、何年も保管するのでなければ、神経質になるほどでもありません。特に、主要成分であるオレイン酸は、非常に酸化しづらい安定した成分です。

こんなに使いでがあってUDLにも役立つ食品、備えない手はありませんよ。 というわけで、当ブログとしては、UDLにおける脂質補給のマストとして、オリーブ油をお薦めします。


【ついでに一言】
UDLにおける脂質補給用にオリーブ油を特にお薦めする話は、おそらく当ブログがほとんど初めてかと思います非常用備蓄にオリーブオイルを含む指導は過去からありますが、特別にピックアップしたものはほとんど無いかと。これは管理人が普段の生活とUDLでの必要性を考えた上で導き出した考え方です。

もちろんすべての資料などを見たわけではありませんけど、少なくともマスメディアに乗るような類似の情報は無かったと思います。

今後もし、テレビや雑誌などマスメディア上や講演、個人発信以外のネット情報などで同様の情報がありましたら、ぜひ管理人に教えてください。『専門家』を名乗る手合いにパクられている可能性が高いので。

このアイデア自体に著作権などは主張できないものの、『専門家』を名乗りながら素人のアイデアをパクる輩がいるのは事実ですので、それは是非知りたいと思っています。

とてもトリビア的で、パクられやすい話ですので、是非ご協力をお願いします。なお、今後もこういうネタがいくつか出てきます。是非ご期待ください。

■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。


2015年8月18日 (火)

【シリーズUDL13】栄養編2・UDLだからこそ必要な栄養素(#1046)

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。管理人が提唱する被災生活の概念です。


UDLの食生活では、これまで述べた通り、摂取できる栄養素がかなり炭水化物に偏ります。発災後2~3日ならともかく、それ以降になると、健康を維持するためには他の栄養素も摂取する必要があります。

摂取すべき栄養素は、ざっと考えて以下の通り。
・炭水化物
・タンパク質
・脂質
・ビタミン類
・食物繊維

【不足しても気にならないけど】
上記の各栄養素のうち、まずはビタミン類から考えましょう。ビタミン類は、ほとんど生鮮食品からしか摂ることができませんから、インフラ停止下のUDLで食べられる食品では確実に不足し、それはボディブローのようにじわじわと、身体のバランスを崩して行きます。

UDLでは、ただでさえ不足しがちな他の各栄養素をできるだけ効率良くエネルギー化するためにも、ビタミン類を無視するわけにはいきません。

しかし、ビタミン類が不足していても身体は直接的に欲しませんし、不足による自覚症状も当初はほとんど無いので、つい意識しなくなりがちです。

非常用食品にはビタミン類を強化したものも少なくありませんが、それだけを食べているわけにも行きませんし、比較的高価なものが多いのです。そのような食品は、現実的には発災後数日を凌ぐためと考えるべき。問題は、その後なのです。


【簡単・唯一の方法】
ひと口にビタミン類と言っても、様々な種類があります。細かいことを言ったらキリがありません。そこで、過酷なUDLではとりあえず主要なものを、できるだけ摂取できれば良しという割り切りも必要です。

でも、生鮮品はなかなか手に入りません。UDLでそれを解決するほとんど唯一の方法は、あれしかないでしょう。サプリメントです。

でも、必要なビタミンごとにサプリメントを備蓄して、それをいくつも飲むのも現実的ではありません。そこで、主要なビタミン類を配合した『マルチビタミン』サプリメントをひとつ、家族の1ヶ月分を目安に備蓄しておくと良いでしょう。

Vitamine
画像は、当ブログで推奨する成分を配合した商品の一例です


【ビタミンの効果】
マルチビタミンサプリメントは、各社から様々な種類が発売されています。大抵は10~12種類程度のビタミン類が配合されており、加えてミネラル類などが添加されているものもあります。

とりあえず、どれを選んでも通常必要とされる種類はカバーされていますから、あまり神経質になる必要もないでしょう。日常生活で使うならともかく、ここではビタミン類が極端に不足するUDLで、1ヶ月程度を凌ぐ備蓄用として考えています。


最も必要と考えられるのは、ビタミンB1。炭水化物のエネルギー化を促し、疲労回復にも効果があります。他のビタミンB群も各栄養素のエネルギー化を促し、疲労回復にも効果的ですから、UDLのマストと言えるでしょう。

なお、ビタミンB群は摂取しても体内に貯蔵されずに排出されますから、毎日摂取すべきものです。


ビタミンAは、体内でビタミンAに変換されるベータカロテンという形で配合されています。主に胃腸や気管支などの粘膜を正常に保ちます。風邪などに対する抵抗力もつけますから、これもUDLで欲しいもの。暗い場所での視力も向上させると言いますから、停電下では役立つかもw


ビタミンCは、身体を構成するコラーゲンの生成に主要な役割を果たしますから、皮膚、血管、骨、歯ぐきなどを健康に保ち、鉄分の吸収も促します。ウイルスや細菌に対する免疫力もアップさせると言いますが、近年の研究ではそのような効果はあまり無いというものもあります。でも、「これを摂っていれば大丈夫」と思うことで実際の効能を発揮する『プラセボ効果』も大きいはず。長年言われてきましたからねw


ビタミンEは、強力な抗酸化作用、すなわち有害な過酸化物質の生成を抑える効果があります。毛細血管の血行も良くしますので、頭痛、肩こり、冷え性などの改善にも効果があります。どれも、特にUDLでは苦しめられたくないですね。

ビタミンEも、体内には短時間しか貯蔵されませんので、比較的頻繁に摂取すべきものです。

なお、市販のマルチビタミンサプリメントには、ビタミンDが配合されているものが多くあります。もちろん摂れるにこしたことはありませんが、管理人としては、UDLでの優先順位はあまり高くないと考えています。ビタミンDは、皮膚を日光の紫外線に当てれば体内で生成されますし。


【とりあえず1本】
とりあえず、ざっとこんなものでしょう。こだわり出したらキリが無いのですが、生鮮品が極端に不足するUDLの食生活では、ほとんど摂取が期待できないものばかりですから、これだけ摂れるだけでも天地の差なのです。

細かい効能などは覚えなくても、ほとんどのマルチビタミンサプリメントには、必要なビタミン類が配合されていますから、まずはとりあえず1本、非常用に備蓄してみてはいかがでしょうか。

言うまでもなく、ビタミン類も含めた各栄養素は、サプリメントに頼らず普段の食生活の中で摂取すべきものです。サプリメントは、それができなくなった時のバックアップ用と考えましょう。


■Amazonマルチビタミンサプリメント販売ページへのリンク
マルチビタミン
様々な種類がありますので、お好みでどうぞ


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

2015年8月17日 (月)

炎暑のスタジアムで楽することを考える(#1045)

Ecopa
今回のライブ会場空撮映像。丘の上で日当たりが良い上に、周囲にほとんど日陰ができないのがわかります

管理人が大箱ライブに行くと書く、なんとなくシリーズ化している『○○のスタジアムで××を考える』、今回は静岡県のエコパスタジアム、しかも2デイズに参戦してきました。

いいかげん誰のライブか書けって話ですが、本題と関係無いので書きませんwわかる方はニヤリ、もしくはドン引いてくださいww


【逃げ場が無い!】
2日間とも天気は晴れ、気温は35℃を優に超えるような状態。47000人の観客が入ったスタジアムは、スタンドに屋根はあるものの、日射は強烈です。

ライブ自体は夕方からですが、スタジアム周辺で朝から関連イベントが続くので、管理人は2日間とも朝9時には会場入りして、ライブ終了は午後7時半。2日間、炎暑の屋外に出っぱなしです。

イベントが行われるスタジアム周辺は公園のように整備されていますが、場内に大きな木立は少なく、日陰はあまりありません。ナメてかかると、簡単に熱中症はもちろん、日焼けを通り越してやけど症状になるくらい。郊外だから日射もとても強くて。

ライブ運営側からは、盛んに熱中症注意のアナウンスが流されていましたが、やはり開始前に重症者が出てしまったようで、救急車来てましたね。


【楽しいライブじゃなければ・・・】
今回は、楽しいライブイベントです。でもこれ、別の見方もできます。

この状態は、まさに『真夏の広域避難所』じゃないかと。

今回はイベントですから、集まる人は飲み物や塩キャンディー、帽子などいろいろ準備している人が多いですし、大行列とは言え自販機や売店もあれば、水道やトイレも使えます。

しかし大災害時には、そういうものを全部取っ払って、身体ひとつで同じような状況に放り込まれるかもしれないのです。

そして、炎暑の後には激しい夕立が来るかもしれません。そうなったら、吹きさらしの屋外では傘はほとんど役に立たないでしょう。

管理人は早く会場入りしたおかげでなんとか木陰に陣取れたものの、大半の人は強烈な日差しや、来たかもしれない豪雨から逃げ場がありません。

そんな状態を災害下になぞらえたのは、集まった47000人のうちでも管理人くらいだったでしょうねw

でも、運が悪かったらそれが現実になるのです。

炎暑で日陰、雨宿り場所なし、水、トイレなしの吹きさらしの広場。そんな場所へ避難しなければならないとして、何かモノを持って行けるとしたら、何が必要でしょうか。

それは、皆様がそれぞれお考えになってみてください。そして、それを非常持ち出しに加えておいてください。


【それはさておき】
今回、炎暑の会場で気になったことを記しておきます。

まず、夏場の必須アイテムであるタオル。ファングッズでもありますが、それを首にかけていたり、巻いている人がかなりいました。

一見、当たり前のスタイルですし、首の後ろを直射から遮る効果もあります。しかし、熱中症対策としては、かなり問題なのです。

首の後ろは、動脈が皮膚のすぐ下を通っているので、氷などがあったら真っ先に当てたくなる場所ですね。熱が出た時もそこを冷やしますが、それは頭へ行く血液を冷やすためなわけです。

ということは、血液の熱が外部に放出されやすい場所でもあるということ。“人体のラジエーター”のひとつなのです。

そこをタオルなどで巻いてしまうと、直射を遮って血液温度の上昇を防ぐ一方で、血液からの放熱を妨げてしまい、熱中症に一歩近づくことにもなりかねません。

ですから、暑い中で首に直接タオルをかけたり巻いたりするのは、できれば避けるべきです。

理想的なのは、後ろにも広いつばがある帽子をかぶったり、帽子から日除け用の布を垂らすこと。首の後ろへの直射を防ぎつつ、風通しを確保して血液の冷却を促すべきです。

熱帯地方では、そのような帽子をかぶっている姿が見られますが、それが効果的だからやっているわけです。今や我が国も、下手をすれば東南アジアより暑いと言われるくらいですから、そこはマネをすべきでしょう。

ちなみに管理人、夏の屋外では迷彩模様のジャングルハットを愛用しています。その名の通り高温多湿のジャングル用に開発された帽子ですから、日除け効果も通気性も抜群です。でも、ライブ会場だとそのままではちょっと寂しいので、カンバッジが10個くらいついていますがw


【グッズも兼用しよう】
屋外ライブに限らず、アウトドアでは椅子に座れないのが当たり前。

なのに、グラウンドシートを持ってきていない人、多かったですね。これが都市部のスタジアムならば、周辺はほどんと舗装です。でも今回は、芝生や土の地面が多い場所。折りたたみ椅子を持参している人もいましたが、結構な荷物になります。徒歩移動では、できるだけ荷物は減らしたいもの。

これがキャンプやピクニックならばグラウンドシートは必須アイテムなのですが、屋外ライブという、ちょっと“街”を引きずった状況では、対策がちょっと甘くなっている感じはありましたね。街中そのままのスタイルの人が多くて。

スタジアムにすぐ入れるならともかく、それまでの長時間は、完全なアウトドアなのです。屋外のスタンディングライブならばなおさら。

そんな時、ナイロンのポンチョがひとつあれば、雨具とグラウンドシートに兼用できて荷物を減らせます。しかも、さしかけて紐を縛る場所があれば、日除け雨避けの簡易テントにもなります。

薄いビニール製だと、地面の凹凸ですぐに痛んでしまいますから、使い捨てのつもりでなければ、ナイロン性がお薦め。

それに、夏場のアウトドアはどこへ行ってもゲリラ豪雨(既に死語か?)に遭遇する可能性がありますし、屋外で待ちぼうけを食う可能性もいつでもあります。だから、どこでも座れて日除け雨避けにもなって、もちろん雨具にもなるナイロンポンチョはレジャーでも防災でも、さらにEDCグッズとしても、管理人的には必須アイテムだと考えてお勧めしています。

このような装備も、炎暑や突然の雨の中、そして行き帰りにいかに『楽ができるか』と考えた結果であり、それはそのまま災害対策に応用できる考え方でもあります。


【大丈夫な人もいるけど】
実際に炎暑のアウトドアに長時間いて、特に対策をしなくても、別に問題なかったという人も多いかと思います。

でもそれは恐らく、おおくの場合であなたが若いから。ざっくり言って20代前半くらいまでの方なら、環境への適応力はかなりありますから、なんとかなってしまったりもします。

しかし、若い方ほど限界を超えた途端に一気にガクンと来るわけです。管理人、アウトドアでそういう若い方を結構見ています。

共通するのは、環境の過酷さや身体が発する危険信号を甘く見ているか、知識が無いということ。例えば、炎暑の中で頭痛を感じたら、脱水症になりかけているのに、それでもまだビールだけ飲んでいるとか。

若くて体力がある方ならば、熱中症で生命に危険が及ぶことは、あまりありません。でも、あるレベルを超えると水を飲んでも吸収されず、点滴で水分補給をしなければならなくなります。

そんなことになったら、楽しいアウトドアレジャーが台無しですし、周りにも大迷惑ですね。


【無茶な時代でした】
管理人は、スポーツの最中に水を飲むなと言われた世代です。今にして思えば、あれでよく誰も倒れなかったと思います。実に非科学的な精神論です。

今、水分を採りながら運動するのが当たり前の時代、誰もバテてなんかいないしw

でも、そういうことが結果的に暑さへの耐性をつけていたのも確かですし、今より確実に気温は低かったのです。そしてエアコンもまだあまりなく、普段から“暑さ慣れ”していた部分もあります。

しかし良くも悪くも、あの当時とは環境が全く変わってしまったのです。 そして、この先さらに過酷な炎暑が普通になって行き、それに合わせた対策が必須となって行くことは疑いありません。まだ、ボーダー上というかモラトリアムなのでしょうが、近いうちに、もっとはっきりと”亜熱帯化”して行くでしょう。

それは、インフラが止まる夏場の災害下を、さらに過酷にして行くのです。ライブ前の炎暑の中で、そんなことを考えていた管理人ではありました。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年8月15日 (土)

レア現象とヨタ情報(#1044)

お盆時期のちょっと前、管理人は関西・中部方面を車で移動していました。

道中ではスマホでネットニュースを見るくらいで、ヘッドラインに乗るようなニュース以外は、世間の動きには少し疎くなっていました。

それでも、あるところからお馴染みのバカ話が聞こえてきました。『8月11日に大地震が起こる』とかいう。またかという話で、取り立てて気にする話ではありません。


【そんな日にこれだw】
ちなみに管理人、8月11日は関西から移動して岐阜県大垣市におりました。すると、昼前の太陽が凄いことになっていたのですw
Img_0978
知識のある人ならば、レアな現象に歓声を上げるでしょう。管理人もそうでした。一方、科学や現実などどうでもいい人は「何か起きなければ良いのですが」とか考える。

それが、大地震が来るとかいう8月11日に起こったのですから、大垣市周辺などこの現象が見られた地域では「きっと来る!」とこじつけた方も多いのでしょうね。管理人、そういうTwitterとか見るとイライラするので、追いかけてはいませんけど。

この現象は、当ブログでも何度も登場している『環水平アーク』です。簡単に言えば、太陽の周りに丸い虹が出ている状態。太陽光が薄い雲を通り抜けるときに、雲の中の氷の粒が光を回折させることで起こります。

環水平アークも、虹と同様に二重になっています。
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画像右側に、雲が虹色に染まった部分があります。一見すると彩雲と間違えやすいのですが、これは環水平アークの外輪が雲に投影されているもので、彩雲とは別ものです。


【こんなのも見られました】
ジェット気流に沿った高層で発生する壮大な気象現象である、シーラスストリークトランスバースラインについては、『断層雲』とか言われるものを否定する過去記事で触れました。

それらも、その見かけからどうやら地震雲の仲間にされているようだとも。そうしたら、8月11日の大垣市上空で、見事に出ていたんですよ。
Img_0993
画面右下を斜めに延びているのがシーラスストリークで、それに直交するように出ている細い雲の列がトランスバースラインです。

シーラスストリークは、ジェット気流の低緯度側に沿って発生しますから、この画像で言えば画面右下奥にジェット気流の経路があることがわかるわけです。ジェット気流の中には雲はできませんから、このような雲が出なければ、肉眼で経路を知ることはできないのです。それがこんな風に見えるのですから、正しい目で見れば、壮大な気象ショーにワクワクしそうなものですが。

こんなレアな現象が、大垣市上空ではまとめて起きていましたよ。もちろん、大垣市周辺は平和でしたww

シーラスストリークとトランスバースラインについては、1042号記事で解説していますので、併せてどうぞ。


【言うまでもありませんが】
デマ対策の基本として、『日付・時間入り地震予測情報はすべてデマ』です。そのような話を信じてしまうようならば、災害対策などしないで、とっとと安全な場所に逃げてしまばいい。

そういう方は、つまるところ『怖がっている自分』が好きなんですよね。そういう方には、いくら正しい情報を与えても「でも、もしかしたら・・・」と、自ら否定してしまう。

いかなる災害対策をしても、オカルトやエセ科学を信じることから生じる恐怖をやわらげることは、全くできません。

有り得ること、有り得ないこと、出来ること、出来ないことを合理的に考えるという姿勢こそが、あらゆる災害対策の根幹なのです。

それが正しく怖れるということであり、そこから『本当に役に立つ』災害対策が生まれるのです。


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桜島に大規模噴火のおそれ(#1043)

Live
8月15日午前10時50分時点の桜島ライブ映像(鹿児島大学ライブカメラ映像からキャプチャさせていただきました)

桜島(鹿児島県)の火山活動が、急激に活発化しています。8月15日午前10時15分、気象庁は桜島の噴火警戒レベルを、レベル3からレベル4(避難準備)に引き上げました。


【地震と山体膨張を観測】
桜島は、本日8月15日の午前7時頃から、桜島南岳地下を震源とする火山性地震が急増しています。また、島内に設置した傾斜計や伸縮計の計測によると、急激な山体膨張が発生しており、今後さらに変動の規模が大きくなることが予想されます。

これは、桜島の地下でマグマの圧力が上昇中で、その圧力で周囲の岩盤が割れて発生する火山性地震や、山全体を膨らませるような山体膨張が起きている状態であり、大規模噴火の兆候と考えられます。

今後、地下深くのマグマ溜まりからマグマが上昇してくると、火山性微動や低周波地震が観測される可能性がありますが、急激な大規模噴火に繋がる可能性も高くなっています。


【速やかな避難を】
現時点では、噴火警戒レベル4(避難準備)ですが、実際に大規模噴火が発生すると、高速の火砕流が短時間で山麓まで到達したり、大量に降灰して避難が困難になる可能性もありますから、影響を受ける地域の方は、現時点から避難を開始することが望ましいでしょう。

なお、地元の方はある程度対応や装備が整っていると思われますが、お盆時期で現地にいる観光客や帰省客など、噴火に慣れておらず、装備も不十分な方々は、すぐに避難を開始すべきです。

噴火が始まると、周辺の空港はもとより、鉄道も甚大な影響を受ける可能性があり、身動きできなくなるかもしれません。自動車も、降灰による道路の閉鎖や視界不良により、移動が困難になる可能性があります。


【様子見の段階ではない】
いかなる場合も、火山近隣に留まって「様子を見る」ような状況ではありません。短時間で急激な噴火の兆候が見られているので、実際に大規模噴火が発生するものと考えるべき状況で、可能な限り速やかに安全な場所に移動すべきです。


■当記事は、カテゴリ【火山災害】です。


2015年8月 6日 (木)

【ヲタ目線地震教室20】すぱっと切れれば断層雲(#1042)

震災前の話なのですが、気象衛星画像を見ていた管理人は、不思議な雲を見つけました。

それは朝鮮半島上空から西日本上空まで続く、かなり太い一本の雲の帯でした。天気図を見ても、そこに前線や気圧の谷はありません。

もちろん『地震雲』だとは思わなかったのですが、これを『信者』が見たら、きっと大規模な『地震雲』だと大騒ぎするだろうなと思ったのです。


【そう思いたい人々】
管理人は、その不思議な雲の画像を、mixiのコミュニティにアップしました。雲に詳しい方がいたら解説していただきたいと。

すると、別の方で詳しい方wがコメントをつけました。
「すごい『断層雲』ですね!プレート境界の真上じゃないですか!」と。

管理人、内心「やっぱり来たかw」と思いつつ、お返事は遠慮させていただきましたw

前述のように、朝鮮半島から西日本上空にかけて、ほぼ東西に延びる雲です。どこが“プレート境界の真上”なんだか。

でも、大規模な『地震雲』がプレート境界上、すなわち巨大断層上に出るという、根拠の無い“知識”を持つ方々は、それっぽいものがあれば、「プレート境界上に違いない」という思い込みでテンション上がっちゃうんですね。

これなど、まさに典型的なエセ科学の論法です。「そうに違いない」と思ったら、現実の違いなどすっとばして「そういうこと」にしてしまう。

そこで、「本当にそうなのだろうか?」という科学的視点でプレート境界図を重ねたら、“夢の世界”はあっと言う間に崩壊してしまいます。だから、やらない。

もし違いがわかってしまっても、「ならばあれは『地震雲』ではない」とはならず、「プレート境界上でなくても同じような現象が起こることがあるに“違いない”」などと、新たな”理論”を構築しちゃうんですね。

エセ科学とは、まず『○○ありき』で始まり、それを正当化するためには、事実などいかようにもねじ曲げて行くのです。

そんなことの繰り返しで、我が国は世界で唯一の『地震雲大国』になってしまったw前記事でも書きましたが、『地震雲』とか騒いでいるのは、日本だけなのです。


【その雲の正体は?】
その後、気象予報士さんからご教示をいただけました。

その雲はシーラスストリークと呼ばれる巻雲の筋で、高層を流れるジェット気流の低緯度側に並行して現れる、特に珍しくもない雲だそうです。ただ、管理人がアップした画像の場合は、かなりはっきりときれいに出ていて、それは結構珍しいとのことでした。

ちなみに、ジェット気流に並行する巻雲の筋がシーラスストリーク、これに対して、ジェット気流に沿ってほぼ直角に現れる巻雲の筋を、トランスバースラインと呼ぶそうです。

下画像は、当時のものではありませんが、シーラスストリークとトランスバースラインの実例です。
Ss
水色の線がジェット気流のルート、赤色の線で示したのがシーラスストリーク、黄色の点線の中に見られる、ジェット気流に直交するような縞状の雲がトランスバースラインです。

なんとまあ『地震雲』信者が食いつきそうな形状でしょうかw


【断層雲の“定義”とは】
ここまでの話だと、『断層雲』とは断層上空に出る雲ということになりそうです。ところが、実際はそうではないんですね。

『断層雲』で検索ヒットした画像群をご覧ください。
Dansouun

ご覧のように、巨大な雲がすぱっと切れた、あたかも“断層のように見える雲”ということなのです。 ちなみに、画像群の真ん中より少し下に、薄い筋状の雲と直交するような縞状の雲の画像がありますが、これがシーラスストリークとトランスバースラインを地上から見た画像です。ね、やっぱり『断層雲』の仲間にされてるw

なにしろ、あくまでイメージの問題。雲が断層みたいな形で、地震は断層で起きるから、きっと関係あるに“違いない”という、言葉遊びみたいな話です。

そこに後付けで、例えば東京西部に出たら「立川断層上空だ」とか、大阪市内に出たら「上町断層帯上空だ」とか、無理矢理こじつけられるわけで。太平洋上に出ていれば、日本海溝や南海トラフ沿いだと大騒ぎできる。

もちろん、雲の切れ目が断層にぴたりと沿っていることなど無いのですが(時々偶然も起きますが)、最初に登場した『信者』のように、そうだと思えば事実なんかどうでも良いのです。たとえ断層と直交していようとも、“その辺り”に出ていれば“当たり”ということで。

そんな『断層雲』、震災後にかなり“人気”を上げてきました。これもうろこ雲などと同じく、目にする機会がかなり多いので、ネタには事欠かないというのが最大の理由でしょう。画像をネットにアップして「『断層雲』が出ていました。何か起きなければ良いのですが」と、不安がれる機会が多いということですw


【断層雲の正体とは?】
一応触れておきますが、これはもう、うろこ雲などよりタチが悪い。画像群を見ればおわかりの通り、『雲がすぱっと切れている』というだけで、雲の種類はなんでも良いわけです。

高層でも低層でも、空の大部分を覆うような雲でも大きな筋雲の一部でも、とにかくすぱっと切れていれば『断層雲』の仲間。だから、できるメカニズムもいろいろ。

なぜそうなるかと言えば、上空に雲ができる条件がある部分と無い部分ができている、としか言えません。それは気象条件であり、大気重力波などの気象現象でもあり、高層ならばジェット気流の影響もあります。

さらには、低層ならば地表面の状態でも影響があります。例えば、低層に層状に広がった雲が大きな川の上空ですぱっと切れるようなことも、結構あります。風の流れや地表面の温度差が、上空の雲に影響することもあるのです。

『断層雲』の類ではありませんが、東京で一時話題となった『環7雲』もその一種。都心を取り巻く環状7号線道路の上空に沿って積雲が発生する現象で、これは車が出す熱の上昇気流と、風が通りやすい広い道路という条件によって、独特の雲が発生するものです。


【そして最大の理由は】
これもうろこ雲などと一緒。見かけが不思議で不気味だからということに尽きますね。

不気味な雲は、とりあえず『地震雲』。中でも、形が地震の巣である断層をイメージさせるから、特別に『断層雲』という“新ジャンル”が生まれたということです。

昔の『地震雲』は電磁波とか地磁気の影響で震源の方向を示すとか、もうちょっと“科学的”だったんだけどなぁw


次に何をネタにするか考え中ですが、『地震雲』はもういいかな?w


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

2015年8月 5日 (水)

ただ電車が止まっただけでなく(#1041)

Keihin
空調が止まり、非常灯のみとなった京浜東北線車内。ちなみにこれは空いている方面。満員の電車もあった

8月4日の晩、東京を経由して埼玉と神奈川を結ぶJR京浜東北線が、長時間に渡って止まりました。

折しも、午後7時過ぎのラッシュ帯だったことに加え、途中の横浜では花火大会が開催されていたため、帰宅の足を奪われた人が非常に多くなりました。


【プチ帰宅困難】
原因は、電車に送電する架線が何らかの理由で切断されたこと。このため広い範囲で送電が止まり、駅間で立ち往生する電車もかなり出ました。

熱帯夜の中、立ち往生した電車では照明非常灯のみとなってクーラーも換気も止まり、暗闇の蒸し風呂です。最近の車両は開く窓が少ないため、効果的な換気もできません。気分が悪くなる人が続出しました。

電源が入っていた車両でも、いつ動くかわからない満員の車内に、長時間に閉じこめられる状態となりました。

こうなると、もう”都市型災害”というレベルです。


【セルフディフェンスできるか?】
当ブログの読者様にも、巻き込まれた方がいらっしゃるかもしれませんが、そこでは何が欲しかったでしょうか。

車内は満員で真っ暗。しかも立ちっぱなしで温度は30℃以上になり、動く見込みもない。一部の乗客は、自分の判断で非常コックを開けてドアを開き、線路を歩き始めたそうです。そのような行為は、基本的にはやってはいけません。近くの線路に電車が走っている場合はもちろん危険ですし、その後復旧した場合、線路内に完全に人が残っていないかを確認しなければ、再び電車を走らせることができなくなるからでもあります。

但し、いかなる場合も絶対ダメという考えもすべきではありません。鉄道側の対応が無かったり、火災が発生していたり、その場所に津波や山崩れなどの危険がある場合もあります。車内にいたら生命に危険が及ぶと判断したら、迷わず行動すべきではあります。

さておき今回立ち往生した電車では、満員の乗客は係員の誘導で車外へ出て、線路を歩いて駅まで移動しました。でも、誘導が始まるまでに早くても1時半以上かかっています。真っ暗で蒸し風呂となった車内での待機は、過酷なものだったでしょう。

外に出ても、高架上の線路は多少の街明かりがあっても足下は真っ暗。線路はいろいろな機器や突起物が多く、砂利も敷いてあります。これが周りも停電している状態ならば、真っ暗闇です。

駅に着いても、すぐに代わりの路線に乗れた人はラッキーであり、また長時間立ちっぱなしで待たされます。でも、他の交通も止まっていたら、そこで進退窮まります。

売店や自動販売機には列ができていて、やっと飲み物を買えると思ったら売り切れだらけ。最近は夏場のカフェイン飲料の危険が浸透してきているので、水、スポーツドリンク、麦茶など、ジュース類、緑茶・紅茶、コーラ、コーヒー類の順番で売り切れて行きます。

とりあえず喉を潤すだけならともかく、もしその後も水が補給できない、すなわち停電や断水が続くような状況ならば、カフェイン飲料はほんの一口にしておき、一度にたくさん飲むべきではありません。

電車が止まっただけならば、駅のトイレにでも行けば水は飲めます。その後の行動を考えれば、キモチ悪いなんて言っている場合ではありません。

言うまでもなく、これが地震で広い範囲で交通が止まり、停電、断水している状態だったらどうなるか、イメージを膨らませてみてください。

そんな状況に突然放り込まれるのが、都市型災害なのです。それに備えることはできるのでしょうか。


【ひとつの例として】
では、管理人がそこにいたら何ができたか。過去記事では、管理人のEDCグッズを紹介していますが、もちろんいつも持ち歩いています。

まず26ルーメン(明るさの単位)のLEDライト。暗闇の車内でも線路歩きでも十分。車内で天井に向けて照らせば、かなり広い範囲を腕時計が読める程度に明るくできます。昨日の場合は非常灯が点灯していますが、バッテリーが切れたり、機器に損傷があれば真っ暗闇です。

携帯やスマホのライトは、手元を照らすには良いのですが、歩く時に十分とは言えません。それに、こういう場合は通信・情報機器のバッテリーはできるだけ温存すべき。暇だからとスマホで音楽聴いている場合でもありませんし、Twitterに投稿したりネット閲覧しまくっている場合でもありませんよ。

管理人は、主にスマホ用に5000mAhのモバイルバッテリーもEDCしています。iphone5なら充電約2回分、iphone6でも約1.5回分の容量です。

そして水。夏場の外出時は、常時水のペットボトルをバッグに入れています。そのために、外部ポケットのついたバッグを使っていますが、普通はなかなかそうも行かない。

でも、夏場の外出時は常時飲み物を手元に持っている、という意識が必要です。暑い中で移動しながらも水分補給したいですし、常にペットボトル半分、250ccくらいは残っている状態にしておきたいもの。もし災害に遭遇したら、それだけでも天地の差ですよ。でも、何も毎回買う必要はありません。ペットボトルが空になったら、水道水を補給すれば良いのです。

管理人はそれに加えて、最悪の場合は川の水でも飲めるようにできる「浄水ストロー+消毒剤」もバックアップに携帯しています。

さて、駅に着いても電車が動いておらず、何時間待たされるかわからない。歩いても帰れない。ならばポンチョを取り出して、床に敷いて座り込みます。横にだってなれるし、仮にちょっと寒くなっても大丈夫。

それ以前に、電車から脱出する時点で雨が降っていないとは限りません。不安定な線路の上を傘さして歩くのは大変だし、荷物も水濡れから守れません。バッグにパソコンやタブレットとか入っていませんか?外は豪雨かもしれませんよ。

なんとか歩いて帰れるようならば、歩き出す前に絆創膏を足の裏などマメができやすい場所に貼ります。これだけで、マメの痛みに苦しむことがほとんどなくなります。

おながかすいたなと思ったら、カロリーメイトをちびちびかじります。


という感じで、昨晩のような状況ではEDCグッズが大活躍というわけです。基本的には地震などの大災害を想定してEDCしているわけですが、その他の都市型災害でも有効なものであり、むしろそちらの方が、遭遇する機会が確実に多いわけです。

小難しいことを考える必要はありません。いつもあるものが無くなった時、いかに『楽ができるか』、そう考えたらこうなった、それを、いかに軽量コンパクトにまとめるかというセレクトなのです。

ぜひご参考にされてみてください。


【改めてツッコみましょう】
あの状況で、モバイル機器と予備バッテリーが何より必要だと思われた方、いらっしゃいますか?そんなもの、あなたの通信と情報欲を満たしてくれるだけで、あなたの身体や財産をなにひとつ守ってくれませんよ。

モバイル機器だけあれば良かった、と思われる方がいたとしたら、それは『その程度』で済んだ幸運に過ぎないのです。

しかも「本番」では、その通信がほぼ確実にダウンするのですから。

でも、そういうヨタ言う(しかも上から目線だw)手合いが「防災のエキスパート」だの「危機管理のプロ」だの名乗るの、許せますか?

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2015年8月 4日 (火)

【シリーズUDL12】感謝と我慢の豚汁物語(#1040)

Tonjiru
炊き出しの暖かい食事はとにかくありがたい・・・はずだけど(画像はイメージです)

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが提唱する被災生活の概念です。


今回は、過酷なUDLでのひとつの現実をつまびらかにしましょう。

この話は、あまり語られることはありません。しかし、大災害被災者の多くが感じたことでもあります。


【感謝とウンザリの狭間で】
阪神・淡路大震災や東日本大震災を始め、大規模災害の被災地には各地から炊き出し支援のボランティアが集まり、そのような支援によって、多くの被災者が救われています。

しかし、発災からしばらく経ってUDLが“新たな日常”になって来ると、ただ食えればいいという状況でもなくなって来るのです。

食べ物が無い時に食事を供給してもらうことに対しては、誰もが深い感謝の気持ちを抱いています。でも、口に出せないウンザリも、また積み重なって行くのです。


【“アレ”はもうたくさんだ!】
炊き出し支援のマストは、白米のおにぎり。そしておかずの定番と言うと、そうです豚汁。

肉と野菜がバランス良く摂れ、料理に慣れていない人でも大量に作るのが簡単。肉以外の食材は、常温でも比較的持ちが良いのもポイント。何より、パンやコンビニのおにぎりなど冷たい支援食品がほとんどの中では、何より暖かい食事は喜ばれます。

そんなわけで、炊き出しボランティアが作るメニューが、かなり豚汁に偏るのです。

問題は、炊き出し支援はいろいろな団体が、ある時期までは“自由に”行っていること。しかも、炊き出しを行う上での絶対条件の一つが、「全員に行き渡らなければならない」ということなので、皆が量に余裕を持って作ります。

そして、例えばある街や避難所で支援を行うグループは、ひとつではないこともあります。特に、発災からあまり時間が経たないうちは、様々なグループが相互間の調整もほとんど無いままに活動します。

すると、食事が余る。でも捨てるわけにもいかないから、さかんに周りに配る。もらった人は、おなかいっぱいでも好意を無駄にしたくないから、ちょっと無理しても食べる。

実際には、炊き出しの食事がおいしいとは限らない。でも、感謝の気持ちで残さず平らげる。そしてある支援グループが去り、次が来ると「また豚汁だ」と。

そんなことの繰り返しで、口に出せないウンザリを抱えている人が少なくなかったのも現実です。さすがに、表立って文句を言う人はいなかった・・・かというと、実はそういう人もいたりしますけど、そんなことも含めて、報道されない現実の一つでもあります。

中には、もらった食事を律儀に全部平らげて、UDLなのに太った、という話もあるほど。

で、たまには違うものも食べたいなと思っていると、次に来るのは大抵「カレーライス」というわけです。

こちらも、慣れない人でも大量に作りやすい、肉以外の食材の持ちが比較的良い、嫌いな人が少ない、量の調整がしやすいなどを考えて選ばれやすいわけで、このように被災地でできる支援メニューはかなり限られます。

このような“豚汁・カレー偏重”は、この先どこかで大災害が起きた時も、また繰り返されるでしょう。

なんだか、支援する方も「被災地では豚汁」みたいな思いこみもあるような気がしますが、そう考えるのは、あなたのグループだけじゃない、ということです。

その結果、被災地には豚汁の香りがあちこちで漂うことになる。


【そこが腕の見せ所】
UDLで、生きるための食事を支援してもらえるのは、とてもありがたい。でも、贅沢な悩みだとは思っていても、何か別のものも食べたくなる。

ご家族の食を預かるあなたならば、どうしますか?

嗜好品に近い食材を備蓄しておくのも、ひとつの方法ですけど、普段から備えておける食材で、少なくともおやつ代わりに乾パンをかじるよりマシなこと、結構できますよ。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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