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2015年9月29日 (火)

【シリーズUDL17】栄養編6・栄養より大切なこともある(#1062)

■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。当ブログが提唱する、被災生活の概念です。

今回は、栄養編のまとめです。栄養編の基本テーマは、生鮮品が欠乏して、炭水化物に大きく偏るUDLの食生活の中で、いかに各栄養素をバランス良く摂って健康を保つか、そのためにはどのような食品が適しているか、ということです。


【必要な栄養素とは】
ここで改めて、必要な栄養素についてまとめます。カッコ内は、記事で紹介したUDL向けの食品の例です。セレクトした理由は、常温で長期保存可能、比較的安価、どこでも入手しやすい、普段の生活でも利用できるという点です。なお、あくまでUDLを想定したものなので、ここでは各栄養素についての細かい分類は無視します。

・炭水化物(米、麺類、パンなど)

・タンパク質(高野豆腐)

・脂質(オリーブ油)

・食物繊維(乾物類、ドライフルーツ)

・ビタミン類(マルチビタミンサプリメント)

乾パンやアルファ米など非常用食品の備蓄だけしていたり、炊き出しや支援物資だけに頼っていると、炭水化物以外の栄養素が極端に不足することになります。

そこで、上記のような常温保存可能で、わずかな手数で食べられる食品を備蓄しておくことで、過酷なUDLにおいても、バランスの良い食事をすることができるわけです。その効果はUDLが長くなるほど、大きな差になって現れます。

栄養素のバランスを考慮した食事は満足感を高めるだけでなく、身体のバランスを良好に維持することで、過酷なUDLで精神のバランスも良好に保つことにもつながります。

大変な状況を乗り切るには、まず気力。そのためには、食の充実が基本です。特に、家族の食を預かっているあなた、ひどい目に遭っても、落ち込んでいる暇などありませんよ。


記事では、それぞれの栄養価に優れ、安価で手に入りやすく、常温で長期保存でき、平常時の食事や生活でも利用できる食品という考え方でセレクトしましたが、もちろんこれだけではありません。皆様の工夫で、さらに良い備蓄ができるはずです。

他に良いアイデアなどありましたら、是非管理人にも教えてください。


【優れているけど未登場のアレ】
ところで、備蓄用食品の定番でありながら、記事には出てきていないものがあります。缶詰です。

缶詰にはさまざまな種類の食品があり、常温で長期保存でき、火や水が使えなくても調理済みの食品がすぐに食べられるという点において、優れた非常用食品です。

その一方で、内容量の割に重量と体積がかさみ、コスト的にも割高になりやすいので、大量に備蓄しずらいという問題もあります。

それでも、いつでも手軽に食べられる缶詰を無視するのは忍びない。そこで、手に入りやすく安価な上に、栄養価に優れているという視点から、当ブログとしてお勧めの缶詰をピックアップしてみましょう。

なお、記事で紹介している食品類は、すべて管理人自身も備蓄しているものです。


【とりあえずこれから】
当ブログとしてのお勧めは、いわゆるツナ缶(商品名シーチキンなど)です。
Tuna

もちろんノンオイルではなく、オイル漬けのタイプを。せっかく、タンパク質に加えて脂質もたっぷり補給できるのですから。UDLでは、ヘルシーよりカロリーです。これを暖かいご飯にのせてちょっと醤油をたらすだけで、UDLフードとしてはご馳走の類だと、個人的には思います。 常温保存しておけるならば、マヨネーズがあればさらにおいしくいただけますね。

ちなみに、ツナ缶に残ったオイルに綿の紐や紙の小よりなど芯になるものを漬けて火をつけると、代用ろうそくになるという裏技もあります。


なにしろ、タンパク質と脂質の栄養価もカロリー値も高く、応用範囲が広く、何個かパックされて特売されていることも多いツナ缶は、当ブログとしてイチ押しの缶詰です。

ちなみに管理人は最低でも3個パックを3つ、計9缶を常備し、2缶くらい使った時点で3個パックを補充して、先入れ先出しでローテーションするようにしています。もちろん、特売以外では買いませんw


缶詰の備蓄はその他にもいろいろ考えられますし、手軽に食事や料理のバリエーションを増やせるので、是非ともある程度は備蓄しておきたいもの。備蓄用の缶詰を選ぶポイントとしては、やはり普段の生活でも利用できるものにすべきです。

良く、年に一度は備蓄食品の入れ替えのためも含めて、非常食だけの“災害ディナー”を食べて防災意識を高めましょう、などと言われたりもしますが、あれも机上の空論ですよ。

年に1~2回程度の食事で消費しきれるような量の備蓄では、現実のUDLではほとんど意味を持たないのです。ここでは支援物資がある程度入手できることを前提に、1ヶ月程度のインフラ停止と食品補充不能を想定していますし、そうでなくても備蓄はある程度の量がまとまってこそ、初めてその効力を発揮するのです。家族の食事1回分の備蓄など、ほとんど自己満足に過ぎません。無いよりはマシですが。

それに、年何回かの“災害ディナー”など、家族の誰か、主に食を預かるママさんの防災意識がかなり高くなければ、まずやりません。あなた、もしくはご家族にそういう方はいますか?いなければ、きっとやっていませんよね。あれも、メディアが造りだした幻想もしくは仕込みネタがほとんどじゃないですか?


非常食を年に一度食べるくらいでは、被災者の不自由に思いを馳せるくらいなもの。それも無意味ではありませんが、まあ『防災の日』のような一過性のイベントに過ぎません。

本当に有用な家庭の備蓄とは、防災用などと肩肘張らず、普段使っているものがイザとという時にもあれが使える、これも使えるというように、生活にとけ込んでいることが理想です。

それが限られたスペースを有効に生かし、収納場所を把握でき、コスト的にも無駄が少なく、普段使うからこそ消費期限や残量が把握できて、補充も忘れないなどにつながります。防災意識は特別なものではなく、生活の一部でなければならないのです。

あなたの家の防災用備蓄、最後に中身を見たのはいつですか?


【カロリーのこと】
ところで、このシリーズでは主にUDLの食事における栄養素のことを考え、カロリーのことは触れていません。

一般に、成人の場合は一日当たり1800~2200kcalが必要とされていますので、UDLでもとりあえずはその辺りを目指したいもの。でも現実にはなかなか難しいですし、いちいちカロリー計算をして、足りないからとため息をついているようでは、精神面にも悪影響を及ぼしかねません。ですからそこはあまり厳密に考えずに、適当に流すことも必要です。それよりもっと大切なことは、後述します。


余談ながら、過去記事でも突っ込んだのですが、ある週刊誌の記事でどこかの女子大の栄養学の女性教授が、災害対策に詳しいと自称しつつ「成人でも1日400kcal摂れば大丈夫なので、1日分の備蓄はカロリーメイト1箱(ちょうど400kcal)で足りる」とか、バカ丸出しのことを言っておりました。

それは実験室レベルの机上の空論であり、まず自分でやったことは無いでしょう。その空腹感は相当なもの。それに被災直後は避難所に寝転んでいるわけではない。避難行動が一段落しても、家の後片付けをして、負傷者の救護や不明者の捜索もして、食料や水の確保に走り、罹災証明を提出したりと、かなり動き回らなければならないのです。

しかもインフラ停止で暑さ寒さがコントロールしづらく、地震ならば余震や不慣れな環境で良く寝付けず疲労がたまる。そんな被災直後のストレスフルな状況下で、栄養学の教授が「400kcalで足りる」と公式に発言して、それがありがたがってメディアが無批判に拡散する。『専門家』によるこういう低レベルなことがまかり通り、それが批判も排除もされないのが、災害大国日本の現状なのです。どれだけ肩書・メディア信奉者が多いんだ。

しかも、災害対策にちょっと詳しくて、本業がそっちに多少関係のあることならば、「危機管理アドバイザー」とかの肩書を勝手に名乗っている輩、結構多いですね。別に公的資格があるわけじゃなし。そうしておけば、メディアからの取材が入って本業の宣伝と小遣い稼ぎができるからでしょう。東日本大震災以降、“副業”でそんな風に名乗る輩、かなり増えましたね。

テレビで流れたり全国版の有名週刊誌に載るような記事でも、当ブログのように内容に突っ込んでいる例、他にありますか?内容はロクでもないことだらけなのに。他に管理人のようなことをやっている方がいましたら、是非教えてください。別に、自慢したいのではありません。昔から災害大国なのに、1000年に一度レベルの超巨大災害にも遭ったのに、こんなに低レベルでウソだらけのことがまかり通るのが、腹立たしくて情けなくて。


【当ブログのテーマはThink yourself】
また脱線してしまいました。さておき、UDLの食事において大切なことは、栄養よりもまず満足感。できるだけ満腹感が味わえ、飽きが来づらいバリエーションがあり、腹持ちが良いことが必要です。栄養価を考えるのは、その次と言っても良いでしょう。

しかしそれをUDLで実現するのは、当然ながら困難です。でも、理にかなった備蓄と工夫で、何もしていない人よりもはるかに豊かな食が実現することは間違いありません。当ブログで紹介している食品は、満足感の大きさという面も考慮してセレクトしています。

生きるための根幹である食に関しては、たとえUDLだろうと、最初から仕方が無いと諦めずに、できる限り“攻め”の姿勢で行きましょう。そのためには、出来合いの非常食品をちょこっと買って安心している場合ではありません。

あなた自身が考え、普段の生活に災害対策を組み込むこと。それが最良の道です。多少手間がかかっても、その備えと行動が、実際に被災したときに、あなたと家族をずっと“楽に”してくれるのです。

これで、栄養編を終わります。次回からは、衛生編です。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

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コメント

こんにちは。
うちで常備してるもので
paradise herbs protein and greensという商品があります。
要は青汁プロテインです。
まあ、プロテイン自体常備している家は少数でしょうし青汁プロテインなんてコストが掛かるので更に少ないでしょうけど。
美味しいもんでもないですし

あとはシリアル食品は流行っていたので常備している人も多いと思います。
日常でストックできるのでいいかと思いますね

パックされた切り餅+きなことかもいいと思いますね

>whokiさん

調べてみました。なんともマニアックなwこれはサプリメントの範疇に入るものですかね。UDLで不足する栄養素の補給用として、優れていますね。確かにお値段は結構しますけど。

シリアル食品も栄養バランスが優れていて良いと思いますが、貧乏性でひたすら安く上げることに拘る私の感覚では、ちょっと高コストだなと。UDLではシリアルにぴったりの牛乳の入手や保存が困難なのも残念。UDL用じゃないのですが、我が家にも大抵はひと箱くらいはあったりします。

真空パックの切り餅も保存食として優秀ですから、実は我が家も2kgくらい備蓄しています。保存性もカロリー値も腹持ちも良いのですが、炭水化物なので当シリーズからは除外しました。

あくまで、炭水化物以外をどう補給するかというのがテーマですので。

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