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2015年12月11日 (金)

【ヲタ目線地震教室26】さあやってみよう震源推定(#1098)

3dchart
震源の距離、深さ、規模を揺れ方から見抜くには
(画像は防災科学技術研究所Hi-netの資料より)


今回は、震源の方角と距離の他に、震源推定に必要な要素を、できるだけ単純化してまとめます。 でも、単純化とは記事が短いということではありませんw


【まずは揺れかた】
ある程度の大きさ以上の地震ならば、最初にP波のたて揺れを感じます。

最初はたて揺れの感じで、大まかに2種類に分けます

■1■
下から突き上げるような、ドン!またはドドド!と感じる揺れならば、震源がかなり近い、中規模以上の地震。

そのような揺れを感じたら、震源推定などしないで、すぐに避難行動に移る。ごく短時間で、激しいよこ揺れが始まる来る可能性大。

■2■
ガタガタ、ビリビリと感じるたて揺れは、震源が比較的離れていることが多い。

しかしたて揺れを感じる時点で中規模以上の地震であり、はっきりとしたガタガタ、ビリビリが何十秒も続くようならば、距離が遠くてもかなりの大規模地震と判断すべき。


最初にドン!やドドド!を感じたらすぐ避難、ガタガタ、ビリビリの場合は、とりあえずS波のよこ揺れが来るまでの秒数をカウントしてみましょう。

そして、S波のよこ揺れが到達します。多くの場合、S波のよこ揺れは、到達直後が一番大きな揺れになります。ですから、最初の大きなよこ揺れが危険なほどでなければ、避難するほどではないと判断することもできます。

ただし、東日本大震災(東北地方太平洋地震)がそうだったように、複数や広範囲の震源が連鎖したり、さらに大きな地震波が遅れて到達したような場合には、よこ揺れの途中から、揺れがより大きくなることもあります。

そのような巨大地震の場合には、たて揺れの段階から普段の中小規模地震とは違う強い揺れを感じますから、これは大きそうだと思ったら、速やかに避難体制を取ってください。

では、よこ揺れの種類による判断とは。


【遠い・深いでゆるやかに】
一般に、S波のよこ揺れの周期は、観測点から震源が遠いほど、または震源が地下深いほど、震動周期が長めの“ゆさゆさとした”揺れになる傾向があります。

これは、地震波が地中を伝わって来る途中で反射や屈折した地震波や、速度の違う地震波が合成されたりして、震動周期が長くなって行くためです。

静かな水面に石を投げ込んで波紋を立てると、中心から距離が離れるに従って、ゆるやかな波になって広がって行く、それと同じことが、地中でも起きているわけです。

なお、長周期の揺れは地盤構造の影響でも発生することがあります。


【遠い・深いと後を引く】
観測点から遠かったり、震源が深い地震の傾向は、もうひとつあります。揺れている時間が、長くなるのです。

これは、地震波が地中を伝わって来る時間が長いために、その途中で反射や屈折をする“遅い地震波”が発生しやすく、それがしばらく地表の観測点に到達し続けるために、揺れている時間が長くなるのです。

大きな揺れが収まってからも、「あれ?まだ揺れている」と感じるような地震は、ほとんどの場合、遠いか深いかのどちらかです。

これに対し、震源が近い、深さが浅い地震ほど、強い揺れがぐわっと来て、すっと収束するような揺れ方になりやすいわけです。


【たて揺れを感じない場合】
実際には、P波のたて揺れを感じずに、いきなりよこ揺れが始まるように感じる場合も多くあります。

それは、地震の規模が比較的小規模だったり、震源がかなり遠いか、非常に深い場合です。S波よりエネルギーの小さなP波が、観測点に到達するまでの間に減衰してしまい、身体に感じない程度の揺れにまで弱まっているわけです。

そのような地震で、被害が出るような危険はまずありませんが、その場合でも、上記のようにS波の揺れ方を感じることで、震源までの距離や深さを、ある程度は判断できるわけです。

ただ、非常に特殊な例ですが、今年の5月30日に起きた、小笠原諸島西方沖、震源深さ682km、マグニチュード8,1の巨大深発地震のように、P波のたて揺れをほとんど感じずに、最大震度5強にまで達するような地震もあります。

あの地震は震源までの距離が非常に遠く、また非常に深かったために、日本列島の広い範囲で周期の長いゆさゆさとした大きな揺れが長時間続きました。しかし、長周期の揺れは建物などに対する破壊力が比較的小さいために、被害らしい被害は出ませんでした。

あの地震はマグニチュード8.1という巨大規模だったために、あれだけの揺れが陸地まで届いたものであり、非常にレアケースと言えるでしょう。


【揺れ方の特徴をまとめてみる】

上記の要素を総合的に判断すると、その地震の“正体”が、かなり見えて来ます。

・P波を感じずにS波を感じたら、小規模、遠い、深い地震のどれか。危険は小さい。P波を感じずに、いきなり激しいS波が来ることはまず無い

・P波がドン!やドドド!だったら、かなり近くて浅い、中規模以上の地震。危険度大

・P波とS波の到達時間差が長いほど、震源が遠い地震

・S波の揺れがゆさゆさと周期が長めに感じたら、震源が比較的遠いか、深めの地震

・揺れがすぐに収まらずにしばらく続いていたら、震源が比較的遠いか、深めの地震

・・・以上のように順番に判断して行くと、揺れ方だけでその地震の”正体”が、かなりわかって来るわけです。

それに加えて、前記事で触れたようにP波とS波の時間差カウントから大まかな震源距離をはじき出し、揺れの方向から震源の方角を観測点から二方向に絞り込めば、地震発生の地域をかなり絞り込めます。

さらに、その地域の地震の“クセ”、すなわち多発する震源域と震源深さ、揺れ方の特徴などのデータや経験則が加えられれば、ほとんどピンポイントで、例えば、

「茨城県南部、埼玉寄り、震源深さ70kmくらい、マグニチュード5前後」というような判断もできるのです。

ここで、マグニチュード値を判断した要素は、過去の同様の地震で地表はこの程度揺れたという経験則のみからなので、その地域に長く住んで、体感的データを蓄積している必要があります。


【ゲームでもあり、実利のためでもある】
管理人は、このような方法で実際に地震の“正体”を揺れが収まった直後に判断し、気象庁の発表とほぼピッタリということが、普通にあります。

かつての勤め人時代は、地震が来るたびに周囲から尊敬、いや好奇の目で見られておりましたw。それでも、仕事中に地震が起きると「いまのどこ?」と、内線電話がかかって来たものです。そこで、我ながら異常な精度で震源を当て、さらに地震変態として見られていましたw

もっとも、このシリーズ冒頭で述べた通り、震源推定など自己満足のためのゲームにすぎません。それ自体に、実利は無いのです。


しかし、地震を感じた瞬間に神経を研ぎ澄ませて揺れを感じ取り「どこだ?どのくらいだ?」と判断しようとする習慣は、それがもし危険な地震だった場合には、避難行動へ移る時間を確実に短くし、不意を突かれてパニックに陥る可能性も減らすのです。

そんなわけで皆様も是非、地震の揺れを感じたら、これはどんな地震なのか?という意識をしていただければと思います。

秒数のカウントなどできなくても、揺れ方を感じて「近い?遠い?浅い?深い?」と考えるのを習慣にするだけでも、その効果は絶大なのです。

最後に、繰り返しますが、最も危険なのは“近くて浅い”直下型地震です。

P波がドン!やドドド!だったり、短時間で大きなS波を感じた場合は、何よりまず、身を守る行動に移ってください。そこで稼ぎ出せた1秒があなたを救うことが、確実にあるのです。

■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


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