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2016年1月14日 (木)

【シリーズUDL30】心理編2・わからなければ動けない(#1110)

Kitakukonnan
情報不足は大きな心理的ストレスと行動の停滞を生む(画像は東日本大震災直後の新宿駅前)


■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。被災生活の概念です。

今回は、当シリーズ前回記事で触れたふたつのストレスのうちのひとつ、主に被災直後の心理的ストレスについて考えます。


【何が起こっている?】
あなたは、大災害に遭遇してしまいました。自宅や職場、もしくは出先かもしれません。でも、幸いなことにあなたも周りの人も、身体的には被害を受けませんでした。

しかし電気、ガス、水道、通信などのインフラも交通機関も、すべて止まってしまいました。

仮に、今の居場所に目に見える危険はなくても、もしかしたら、そこに二次的な危険が迫っているかもしれません。

その危険とは、地震ならば強い余震による建物の崩壊や土砂崩れ、津波、土石流、ガスもれ、火災、化学物質による汚染などです。場所によっては、群集のパニックに巻き込まれるかもしれません。

とりあえずの安全は確保できているようでも、まだ状況は流動的です。さらにこれが夜間ならば、真っ暗闇で周囲の状況はよくわからず、その中を無闇に移動すれば、また別の危険も生じます。


いわゆる防災の話ではあまり取り沙汰されませんが、特に大都市圏においては、『人的な危険』も考えなければなりません。

被災直後には、人々はある種異様な興奮、そして困窮状態にあります。その中で、自分に必要なものを、他人から得ようとする人がいてもおかしくありません。

さらに、平静な社会秩序が崩壊した状況では、それだけで自分本位の非道徳、非合法行為に走る人が出てくるのは、ある意味で当然と考えるべきなのです。

世の中には、一般的な社会通念が通用しない層が間違いなく存在しますし、そのような層による他に危害を与える行為は、現実の大災害下では確実に起きているのです。ただ、報道にほとんど乗らないだけの話です。

本題とは少し離れますが、過去記事で触れた内容をもういちど書いておきます。東日本大震災の救援活動に従事した自衛隊員氏から、管理人が直接聞いたことです。

その方は、被災後に必要なことの筆頭として、こう言われました。

(特に女性は)「まず、自分の身を守ることを考えてください」

繰り返しますが、被災後の、災害による直接的な危険が去った後の話です。

巨大災害の現場を目の当たりにした人がこう言うことの意味を、十分に考えてください。少し語弊がある言い方になりますが、東北地方の中小都市でも、それが必要だったのです。

これが、さらに大都市圏ならばどうなるか。状況がより悪くなることしか考えられません。

そういう状況になることに対する心理的ストレスも、決して無視できないのです。

さらに、あなたの家族や知人などの安否がわからないということも、強烈なストレスとなります。


【わからない、わからない】
大災害直後の被災地は、このように“非日常”のオンパレードです。そして、当初の危険から逃れた後の最大の心理的ストレスは、『わからない』ということに尽きます。

今何が起きているのかわからない、これから何が起こるかわからない、どうして良いかわからない、どこへ逃げれば良いかわからない、みんなが無事かわからない。わからない、わからない。

当ブログ過去シリーズ【防災の心理】でも触れましたが、人間をある意味で“効率良く”不安に陥れ、パニックを誘う方法としてとても効果的なのが『情報の遮断』であり、被災直後には、それがあなたの身に起こるのです。

さらに、そこへデマ、誤報や誇張された情報が飛び交い(これは必ず起こります)、さらに混乱し、不安が助長される。


【それでも、動かねば】
そんな中でも、あなたは身の安全を確保するために、生きるための物資を手に入れるために、家族などの安否を確かめるために、動かなければなりません。

でもそこで、あなたが自分で見ることができる範囲以上の情報が一切なく、不確実な“情報らしきもの”だけが飛び交っていたとしたら、そのストレスは想像を絶します。

それでは、そんな状況に陥ったあなたの心を救うのは、どんな行動と、どんなグッズなのでしょうか。

もちろん、欲しい情報がすべて手に入ることはありません。何をやっても、得られるのはほんの一部の情報でしょうし、ストレスから完全に解放されることも無いでしょう。

それでも、少しの備えとグッズがあれば、ずっと楽になるのです。

次回は、その具体的な方法を考えます。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。

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