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2016年2月 2日 (火)

プロドライバーの実際【3】(#1123)

Lisence
管理人の運転免許証の一部です。中型8t限定の解除がしたいw


これまでの話だと、プロの資格無し、というような不良ドライバーがいくらでもいるような印象を受けられるかもしれません。

もちろん、そんなことはありません。大半のプロドライバーは、十分な意識と技術を持っています。

ただ、これはドライバーに限らない世の常ですが、ごく一部に不適格者がいるのも事実です。本来ならば、そういうドライバーは淘汰されなければならないのですが


【旅客自動車業界の現状】

観光バスとタクシー業界は、政府の規制緩和によって大きく変わりました。 どちらも、それまでの規制を緩め、自由競争を促すことによってサービスの向上を図るというのが、その目的でした。

しかしその結果、観光バス業界は参入業者が急増して価格競争が激しくなり、薄利多売の傾向が強まって利益が減り、運転手などへの報酬も目減りました。

その一方で、薄利多売と運転手不足のために乗務数が増え、さらに重大事故の発生によって乗務時間や運転距離が制限されたりしたため、運転手不足より深刻になるという悪循環になっています。

しかも、軽井沢事故のバス会社のように、「人の命を預かる」という意識に欠けた、不十分な意識と体制で参入する業者も少なくありません。

あの会社、国交省の監査の結果、バス事業許可が取り消しとなりましたが、それ以前にバス事業に関しては廃業を発表しています。しかし、業界の事情に詳しい人は、こう言います。

「また違う会社作って始めるだけだ」と。


一方タクシー業界は、規制緩和されても料金は一定に保たれたものの(同一地域同一運賃)、車両数の制限が事実上無くなり、車両数が急増しました。

体力のあるタクシー会社は、増車によってその地域の主導権を握ろうとしたのです。これも、自由競争の一環ではあります。

しかし無制限に増車された結果、車両当たりの乗客数が減り、ほぼ歩合制である運転手の収入が目減りしたため、ドライバーの流出や就業者の減少、ひいてはサービスの低下を招きました。

そして、運転手確保のために、質が良いとは言えないドライバーの採用も増えたのです。稼ぎにくい業界には、なかなか人は集まりません。

その後、過当競争を緩和するために、車両数に関しては再度、ある程度の規制が行われ、状況は多少改善はしています。

ここでひとつ注釈を入れておきますと、タクシードライバーは全然稼げない仕事ではない、ということです。大都市圏の場合、同じ時間乗務しても、ドライバーによってその収入には実に3倍近くの開きがあります。

ただ、稼ぐためには細かい営業努力が必要であり、その能力によって収入に大きな開きが生じます。もしタクシー業界に全然魅力が無いのなら、管理人も二種免許なんか取っていませんよw


【性善説と性悪説】
自由競争を促すために『護送船団方式』をやめて規制緩和をすれば、サービスの質を向上させる効果よりも、価格競争の激化によるサービスの質や安全性の低下を招くのは、ある意味で自明です。

我が国の場合、基本的に性善説、すなわち競争しながらも皆がルールを守り、不正や手抜きは滅多に起きないという前提で、監視や罰則の体制が組まれています。 たまに検査をして、その日程も事前に知らせて、主に書類をチェックして終わりのような。そこに隠蔽工作は存在しなような前提で。

しかし、軽井沢バス事故でも明らかになりましたが、まず業界を監視する人手が非常に少なく、不正や不備を見逃しやすい。さらに、不正や不備が見つかって行政指導や罰則を受けても、大して改善せずに業務が続けられているののが現実です。


これに対し、基本的に『護送船団方式』が少なく、自由競争が当たり前の欧米、特に米国のシステムでは、“自由にやらせれば不正や不備があって当たり前”という、ある意味で性悪説に基づいた、監視や罰則の体制があります。

監視体制がかなり充実していて、その判断も早く、罰則も厳しいのです。また、自由競争とは言いながら、不正や不備によって危険が予想される部分には、非常に厳しい規制が行われます。

また、社会の慣習として、事故や不正などの裁判では『懲罰的賠償』が命じられることも少なくありません。実際の損害額よりはるかに多額の賠償を命じられれば、大抵の会社は事業の存続どころか、破産することも珍しくないので、それも大きな抑止力になっています。


米国のシステムを一方的に礼賛するわけではありませんし、もちろん問題もあります。ただ、自由競争の裏には不正、不備がセットになっているから、しっかり監視しなければならないという、性悪説を前提としたシステムは、特にトラブルが起きたら人命に関わる業界には必要なのです。

廃棄食品を横流しして販売した、産廃業者や食品卸業者も然り。見ていなくても、末端まできちんとやっているとは限らない、むしろ、やっていない奴がいて当然くらいの体制がないと、致命的な事故や不正はなかなか無くならないでしょう。


【ユーザーはどうすれば?】
大局的な話はともかく、そのような現状に対し、我々ユーザーは、どうしたら良いのでしょうか。

まず大前提として、自由競争では質の低いサービスは淘汰されなければならない、ということです。

そのためには、ユーザーが良質のサービスを選択するための行動をしなければなりません。幸いなことに、最近はネット上での口コミなども手軽に見られます。もっとも、すべて正しいとも限らないので、なるべく多くの情報を得ることが必要ですが。

価格が高いサービスが必ずしも安全、良質であるとは限らないのですが、確率的にその可能性は上がります。一方で、低価格重視で選ぶ場合は、サービスの質が落ちる、場合によってはリスクも高まるという意識を、我々も持つ必要があります。

低価格は、基本的には営業努力の結果です。しかしそれは、どこかに無理がかかっていたり、場合によっては不正や不備の結果かもしれない、という意識を持たなければなりません。


料金が統一されているタクシーの場合は、管理人は車を選べる時はタクシー会社で選びますし、そのための情報は出先でも調べています。

会社を選べないことも多いですが、やれるときにやるだけでも、事故リスクやイヤな思いをさせられる確率を下げているのです。

余談ながら、関東では個人タクシーの質が良いというのが一般的ですが、西の方の某都市では個人タクシーの方が質が悪く、服装は適当で、不案内な観光客と見れば遠回りして、運転は荒く、愛想もろくに無いドライバーばかり、というようなこともあります。

そう言った情報を事前にネットなどで仕入れておくことで、多少ながらもセルフディフェンスできるのです。


しかし残念なことに、公共交通機関をユーザーが完全に選びきることはできません。しかし少しの手間で、リスクを減らせる部分はあります。そして、そういう自助努力がこの先もっと必要になる、そういう時代なのです。

別に、社会全体に覚醒を促そうwなどと言う大それたことは考えていません。ただ、あなたとあなたの大切な人のリスクを下げる方法があるならば、たとえ不完全でも是非やって欲しい。

管理人は、そう願っています。


■当記事は、カテゴリ【交通の安全】です。

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