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2016年2月 2日 (火)

THEこの程度~お笑い大寒波対策~(#1124)

Kanpa
1月下旬、西日本に強力な寒波襲来。その対策アドバイスは・・・「お笑い」だった


1月下旬にかけて、西日本を中心に「40年ぶり」とも言われる寒波に襲われ、九州、山陰地方を中心に、広い範囲で雪による交通障害や、長時間に渡る断水などの被害が出ました。

その、直前の話です。


【“メディアでおなじみの”トリビア大会】

西日本では不慣れな寒波への対策が、あちこちのメディアで流されました。その中で管理人の目についたのが、あるネット記事。

記事の監修は、『防災アドバイザーで危機管理コンサルタント』のT.T氏という人物で、なんでも「テレビなどメディア出演多数で、わかりやすい解説に定評がある」そうです。知らなかったけど。

『備える.jp』とかいうサイトやってるらしいです(特定w)


さておき、まず記事自体が変。いよいよ明日には寒波が来るという日、その中で入学試験なども行われるので、リード文には「外に出る際に注意するポイントなどを求めている保護者も多いのでは」とあります。

そこで登場したT氏、寒波で想定される被害として、3つを挙げました。
・水道管凍結による断水
・電線への着雪、断線による停電
・公共交通機関の停止と流通マヒ

あれ?外出関係の優先順位が下がってますね。それが筆頭の記事じゃないの?まあ、これは記事をまとめたライターの能力や打ち合わせの問題ですけど。


【なんだそれ?】
さて本文。「原則としては、外出しなくて済むように食料品や生活用品を、数日分買い足し」をしておけと。だから外出するんだってばw

しかし、本文はなだれを打つように備蓄の話へ傾きます。基本は、停電、断水下に備えて「調理しなくても食べられるもの」や「ペットボトルの水」を備えよと。まあ、その通りではあります。

その次が凄い。「パンや果物、お茶などは、凍結しないように箱に入れて毛布をかぶせるか、冷蔵庫に入れて」おけと。

おい、どこの寒冷地の話だよ。家の中マイナス10度かよw食べ物が凍る以前に、人間が低体温症でやられるww

冷蔵庫の中の方が凍りにくいというのは、マイナス20度とかになる北海道の寒冷地などの話だし、今回は停電に備えての話だから、冷蔵庫の機能も当然止まっているわけです。

それでもしばらく保冷庫にはなるけれど、凍らせないために入れておけというのは、どこかで拾った寒冷地の話をなんの検証もなく、現実にアジャストもせず、当然本人の経験もなく、ただ垂れ流しているだけ。そうでなければ、ただの阿呆ですね。

これでカネもらえるんだから、『防災のプロ』はオイシイ、って話です。でも、まだ続くんですよ。


【死語の世界も】
寒波対策で用意するものとして(襲来前日の記事ですが)、「カセットコンロとガス、上にものが置けるタイプのストーブなど、停電時に使える調理器具を用意」しろと。

現実には、調理関係はカセットコンロと十分なガスだけで大丈夫なんですけどね。でも、「上にものが置けるストーブ」って、あの円筒形の奴とかかな。それ用意しろって。そんなもの、停電下の暖房用に欲しいと、子供でも思ってます。それでも“プロ”が言うと、立派な“アドバイス”になるんだからやりきれない。

で、そんなストーブを「調理器具」と言う辺り、実際にやった経験など皆無というか、ただの思いつきに過ぎないわけですよ。あんなの、お湯沸かすだけで、どれだけ時間かかると思ってるんだ。 日々の食事は、お汁粉作るのとは違うんだよ。

現実には、暖房はエアコン、床暖房、灯油やガスのファンヒーターとかが主流ですから、停電したら多くの家で全滅なわけです。電気を使わない暖房器具は、調理以前に暖房のためだろう。なんたって、野菜が凍る寒波を予想しているんだろあんたはwww

調理云々以前に、暖房が途切れた家の中をどれだけ暖められるか、という方がずっと重要なのは、言うまでもありません。まあ、防寒服着てろってことなのでしょうwそこに、お年寄りや子供を気遣う視点は全くありませんね。


そしてついに、死語の類まで登場。お湯を沸かしたら、「魔法瓶につめておけ」と。魔法瓶て、若い人はわからないかもw

しかも、「魔法瓶を毛布などで巻いておけ」と。だからどこの寒冷地なんだってば。これも、どこかで拾った寒冷地のトリビアを垂れ流しているだけ。本人はやったどころか、今まで考えたこともないでしょうね。

それ以前に、現代の「魔法瓶」は、大抵は電動で注ぐタイプですよね。停電したら、上ふたを開けなければ使えない。開け閉めすれば当然、冷めやすい。毛布で保温とかの話じゃない。

しかも、直接注ぐようには全くデザインされていない電動ポットから、熱湯を注いで使えと?そんな危険なことを、『防災アドバイザー・危機管理コンサルタント』様がやれと?

これなど、考えたこともやったこともないネタを、記事要請があったから、どこかで拾って垂れ流している象徴的なものですね。

調理とかの話にしても、実際に調理する人の視点は皆無なわけです。こういう話、当ブログ記事で何度も指摘していますが、防災の世界は、有り体に言えば『男性の理屈』が主なわけですよ。

自分でやったことも無い、机上の空論やトリビアだけで仕事できるから、まあそうなります。でも、女性の『防災の専門家』でも、「あんた実際にやったことないだろう」系の、おかしなこと言う人いますけどねw


【本格的なトリビア登場】

まだ続くんですよ。皆様、『モーリアンヒートパック』ってご存じでしたか?管理人、名前は初めて知りました勉強になりましたありがとうございますw

要は、一部のお弁当とかの容器に入っている、ひもを引っ張ると強烈に発熱して、短時間で食品を加熱できる奴です。原理的には、水と鉄粉などを化学反応させて発熱する、使い捨てカイロと同じようなものです。

なにしろ、ヒートパックの発熱量は凄くて、容器を手に持っていると確実にヤケドするくらい。でもそのおかげで、どこでもアツアツの食事をすることができるわけです。

さておき、T氏はそれを見つけたら買っておけと。ちなみに、1個200円くらいしますし、店舗には専門的な防災ショップくらいにしか無いでしょう。ホームセンターでは、ヒートパック単体で売っているのは見たことありません。ネット販売がほとんどかと。

とはいえ、そこじゃないのです。寒冷対策として、そんなものを用意する必要は、機能的にもコスト的にも無い、ということなのです。これなど、「いざとなったらこんな便利なものがありますよ」的な、文字数稼ぎ的なトリビアに過ぎません。

これまでの内容は、カセットコンロと十分な数のガスボンベがあれば、それだけでほとんど解決できることであり、それが現実的なアドバイスです。まあ、こういうネタがあった方が、記事としてはウケるのでしょうけど。


【まあこの程度】

その後、水道管の凍結・破裂対策とか車の運転とかいろいろ書いてますけど、まあこんなものは誰でも書けます。ネットでいくらでも拾えるネタですし。ちなみに、北海道で冬道運転を鍛えた管理人は、個人的には「こいつ本格的な雪道運転経験ないな」というニュアンスを感じました。

そう言えば、この記事は外出時の情報でした。それに関しては、「公共交通機関の多くが止まる可能性があるので、どうしても外出が必要な場合は複数のルートを検討しておく必要があります」だけでした!

それにしても、複数のルートを選択できるのは都市部だけだし、大雪でも降ればそれもみんな止まるし。

豪雪対策においては、雪の影響が及ばない複数のルートなんてほとんど無理です。できるのは、地下鉄がある場所くらいで。現実には、公共交通機関もしくは自家用車かタクシーと言う選択肢しかありません。それがヤバそうなら、雪になる前に目的地に移動しておくしか方法は無いのです。

こんな風に、現実的にはできないことでも、基本的に間違いじゃなければ、垂れ流しておけばOKの世界。商業ベースの『防災の専門家』の情報など、まあこの程度のものばかりです。

こんなのが、カネもらってるプロの仕事なんですよ。本とか出してるって?本出してようが講演してようが、中身はこんなのばかりだしな。

もうひとつ付け加えましょう。

「停電しても明かりにろうそくは使うな」
と。もちろん火災防止のためですが、T氏は「積雪がひどいと消防車が出動できない恐れがあるため」だって。

思わず「そこか!」とツッコミ入れたくなりますなwこれも、どこの豪雪地だという話。しかし豪雪地でも、積雪のせいで逃げ遅れたり、消火活動を支障したことはあっても、消防が出場できなかったことはありません。

万全の体制で待機している消防が聞いたら怒るぞ、という話です。

おかげさまで、この程度の連中が当ブログのネタと存在価値を補強し続けてくれますw異論反論ご意見は大歓迎します。まだ言いたいことあるけど、さすがに長くなったのでこの辺で。

そういえばこの御仁、お台場の放送局御用達みたいな。なるほどなw


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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コメント

公的なマニュアルとしては、東京都発行の「東京防災」が素晴らしいです。専門家なら一読していると思いたいのですが、、、
市役所で公開されている地域の揺れ易さ&液状化マップと火災の被害想定マップと避難所マップを組み合わせると、不都合な真実が浮かびますね。家よりも避難所の方が危険らしいので自宅の防災対策を練り直さないと

>かが様

コメントありがとうございます。

商業ベースの『防災の専門家』は、例え実効性が無いようなことでも、表面的な知識を言うことだけで、商売として成立しているわけです。

それは、ただ詳しい人が少ないから、ちょっと詳しいだけで需要がある、というだけのことです。トリビアを並べただけのような記事でも、それが表だって批判されるようなこともありませんから。

私はそういう状況に一石を投じたくて、このブログをやっているわけです。こうやってネチネチ突っ込んでいるのは、私くらいなものじゃないですかねw

もっと正当な批判がされるべきですよこの世界は。命がかかっているのですから。

東京防災ですが、埼玉県民の私も入手しました。有用な情報も多く、間違いなく意義はあるものと思います。

ただあの企画、内容には言いたいことは山ほどあるので、Twitterの方で予告したのですが、いずれシリーズ記事にします。


私も過去記事で触れていますが、おっしゃるように危険な避難所は山ほどあります。それをデータや状況から自分で判断できる人には良いのですが、そうでない層には本当の危険は常に包み隠されていて、あの本にしても、トリビアに偏り過ぎだなと思うのです。

かなりぶった切るつもりですので、記事にご期待ください。東京防災、企画したのは電通だそうですねw

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