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2016年3月24日 (木)

村井地震予知の“インチキ”を考える【3】(#1160)

今回の本題に入る前に、ひとつニュースがあります。


国土地理院に期待


村井氏は、国土地理院が設置したGPSによる電子基準点の変動データを元に、地震を『予知』するという手法です。

ところが、これまで述べて来た通り、GPS機器や電波の性質上頻発する、ノイズによるデータ誤差をほとんど勘案せず、目立つデータ変動の大半を実際の地殻変動として採用し、地震の前兆だと主張しています。

これに対し国土地理院では、公式ウェブサイトにおいて、生データには多くの誤差が含まれるので、データ誤差を除去せずに使用するなと警告しています。

それはすなわち、生データをそのまま使っているユーザーへ対しての警告でもあるわけですが、“一部のユーザー”は警告を無視して恣意的なスクリーニング、つまり採用したいデータは誤差であっても採用する方法を続けています。

おそらく、そのことへの対策なのでしょう。現在はデータ誤差の発生原因として『電子基準点付近での樹木の繁茂』(その程度で誤差が出るのです)だけを実例として挙げているのに加え、今後は気象条件、積雪、電源ノイズ、メンテナンスの影響など、データ誤差が発生する他の理由も公開して行く、との発表がありました。

これはすなわち、データを正しく使っていないユーザーに対しての、さらに強い警告ということです。

Pdf
上画像は、国土地理院が発表している、電子基準点への樹木の影響を評価する資料からお借りしたものです。電子基準点上空に、これだけ枝がかかるだけでも(画像左側)GPS電波受信に影響があり、異常データが検出されたという実例です。この程度で影響が出るほど、精密な測定を行っているわけです。

今回の国土地理院の発表は、莫大な税金を使って整備された電子基準点データが、国が設置したものだから正確だというイメージだけを利用されて、実は好き勝手な解釈をされて商売に利用されているのを、立場的にも制度的にも看過できない状況になった、ということなのでしょう。

ここまで“インチキ”が広まってしまって、遅きに失した感もありますが、国土地理院の英断と、今後の展開に期待したいと思います。


思考停止していませんか?


その商売の話ですが、村井氏の有料メルマガ購読者は5万人とも6万人と言われています。料金は月額216円。計算してみてください。月額ですよ。さらに、法人契約なども諸々あるわけです。やはり、“震源にはカネが埋まって”います。

それだけ収入があって、各方面から「地震予知の権威」だの「救世主」だの持ち上げられたら、今更「私の理論は間違いでした」と、あなたなら言えますか?wでも、間違いは間違いです。恥を忍んででもそれをやるのが正しい科学者ですが、そうでない科学者もいくらでもいる、ということです。


こんな状況になったのは、情報を受け取る方にも問題が無いとは言えません。

「国が設置した電子基準点データを元に」、「測量学の世界的権威」である「東京大学名誉教授」が主張する地震予知法というだけで、きっと正しいはずだという思考停止をしていませんか?しかも、「テレビや週刊誌で『的中連発』と言っている」し。

そこまで大仕掛けの、壮大な“インチキ”もあるということは、覚えておくべきかと思います。それは、村井氏だけではありません。 いずれ当ブログでも触れますが。

どの研究も、当初は学術的興味や使命感から始まったのかもしれません。でも今は、かりそめの権威と収入を維持するために、ウソの上塗りを続けているようにしか見えませんけど。

こうなって来ると、もう測量学や地震学だのでは無く、社会学、心理学や文化人類学の問題ですねw


実際はこうです


ここで、村井氏の“データ誤用”の実際をひとつ挙げましょう。

挙げる例はひとつですが、これが村井理論の“基本”だということです。そのようなデータの誤用がなければ、村井理論は成立しません。

以下の内容は、村井氏の“インチキ”を検証して告発されている理学修士先生のブログから引用させていただくものです。元データは、国土地理院発表のものです。

引用元は、管理人のブログなんか読まなくても、インチキ地震予知に関してはそちらだけ読まれれば十分というくらいの優れたブログですのでw、リンクさせていただきます。

横浜地球物理学研究所

それではまず、ある期間の電子基準点変動データをご覧ください。下グラフは、ブログ『横浜地球物理学研究所』様(URLは上記)から転載させていただきました。

Plot
突出した点(赤矢印)がひとつ見られますが、これがまさにノイズ。たった1日で地面が4センチくらい盛り上がり、翌日には元に戻るという、あり得ない動きを示しています。

その時に、その電子基準点周辺での地震は、無感地震も含めて無し。それだけでも、異常なデータということがわかります。

ところがこのデータ、実際に村井氏が「異常な変動が起きた」として、その地域での『地震予知』の根拠としたデータそのものなのです。

すごくないですか?『測量学の世界的権威』が、地震ひとつ伴わないこんな激動を、実際に起きたとしているのです。長年測量に関わって来た人が、こういうことが起こると平然と主張する。地面はそんなにサクサク動くものなのですか?

しかし、これが村井理論の基本というか、ほぼ全てと言っても良いものではないでしょうか。

言い換えれば、電子基準点の特性によって不可避の異常データが無ければ、村井氏の『地震予知』は成立しないのです。もし誤差を完全に除去したデータを元にすれば、村井理論においては、数ヶ月以内に日本列島に大規模地震が起きる危険性はゼロ、ということになるのです。

もっとも、異常データを根拠に『予知』された地震、もちろんひとつも起きていませんけどね。 その程度の理屈(とメディアのアオり)で、これだけ“信者”を獲得してカネを集めているという現実、空恐ろしくなりませんか?

次回は、データ誤差が元の根拠が無い『予知』なのに“的中”とされる理由や、実は全然当たっていない現実などを、さらに掘り下げます。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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