2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

« 話題の『地震予知』は本当に当たっているのか?(#1152) | トップページ | 村井地震予知の“インチキ”を考える【1】(#1154) »

2016年3月 7日 (月)

【シリーズUDL36】心理編8・言葉が、心をほぐす(#1153)

Hole
UDLで心の安定を保つために、時にはこういうことも(童話『王様の耳はロバの耳』より)


■UDLとはUnder Disaster Lifeの頭文字。被災生活の概念です。

『先が見えない』UDLにおいて、いかにして前向きな気持ちを作り出して行くか。それは、想像以上に困難なことなのです。

人が動くためには、心にも身体にもエネルギーが必要です。しかし過酷なUDLの状況は、特に心のエネルギーを蝕み、食い潰して行きます。


【補給する方法はない】
身体のエネルギーならば、食事をすればとりあえず補給できますが、心のエネルギーは、補給できません。あくまで、今自分の中にある、疲れきってズタズタになった心のヒビを修理しながら、だましだまし動かして行くしかないのです。

その修理の方法も、外からつぎはぎをするようなことはできません。

唯一の方法は、自分の心の中から沸き出す修復剤で、ひとつひとつヒビを埋めて行くだけです。そのために、3つの方法が効果的だという、UDLからの声があります。


【声は心の解毒薬】
まずひとつめは、自分自身でやる方法。これは、いろいろな場面で良く語られる方法でもありますが、とにかく『声を出して話すこと』。

これまでに見聞したことでも、ついさっきあったことでも、心の中にふと浮かんだことでもいい。そして、誰かが聴いてくれなくてもいい。とにかく、なんでも言葉にしてみるのです。

そこに感情があっても無くてもかまいません。ただ起きたこと、思ったことをなんでも言葉にすることに効果があるのです。 一度言葉のきっかけができれば、あとは自然に出て来るものです。

それを誰かが聴いてくれれば、より話しやすいかもしれません。でも、ひとりの方が良いこともある。独り言を言っている自分を、おかしいなんて思わないでください。ひとりでも言葉が出て来るということは、あなたの中で処理しきれない現実を、あなた自身が噛み砕き、現実と整合して行こうとする、意思そのものなのです。

ですから、それを無理に抑えないでください。

ひとりで話していても、必ず聴いている人がいます。それは、あなた自身。自分の声を自分で聴くことで、第三者的な立場から自分の状態を俯瞰する効果もあり、それがまた、心の安定に繋がるのです。


でも、一見簡単な『話すこと』ですが、実際のUDLでは、そう簡単ではありません。

まず、周りにいるのは自分と同様、もしくは自分よりひどい目に遭った人か、外部から来た人など、状況を実感としてわかっていない人。なかなか「話したい」と思えるような人には出会えないかもしれませんし、誰にでも話せるほど図々しくもなり切れない。

さらに、これはみなさん似たような経験があると思いますが、心が痛めば痛むほど、言葉にしずらくなるのです。ですから、UDLにおいては、話をしたくなくても、ちょっと無理をしてでも話すことを習慣にするくらいでなければなりません。

心がガチガチに固まってしまう前に、少しずつ言葉にして行けば、それだけ心がほぐれやすくなるのです。

時には、童話『王様の耳はロバの耳』のように、ひとりで穴の中に向かって叫んでも良いのです。とにかく思いを言葉にすることが、過酷な状況下で心を修復し、せめてもの安定を得るための、最良の方法なのです。

【自分でできなくなってしまったら】
体験や思いを言葉にする行為を、自分だけでできるうちは、まだ良いと言えるでしょう。

過酷なUDLでは、何事も言葉にする元気も失われてしまうことも、少なくありません。 そんな場合には、周りの助けが必要です。それが、ふたつめの方法です。

それは、『寄り添う』こと。

これは、身体的な距離はもちろんですが、心を寄り添わせる、ということでもあります。では、具体的にはどういうことなのでしょうか。


東日本大震災後、この『寄り添う』という言葉や概念が、かなり多く語られましたが、その多くは、ありがちな失敗例を伴ったものでした。ある人が被災者に『寄り添おう』として、結果的に心を閉ざさせてしまったり、却ってストレスの原因となってしまったことも、少なくなかったのです。

最大の失敗は、励まし。心に元気が残っている人は、つい「がんばれ」、「前を向け」、「ひとりじゃない」、「みんながついている」などという、次に繋がるような言葉を投げかけてしまい、それに対する前向きなリアクションを、無意識に期待してしまいがちです。

でも、現実にはそういうことをイヤというほど考えようとして、その上で全然『先が見えない』状況に打ちひしがれている人には、逆効果どころかストレスそのものでしかありません。それでも、励ましてくれる気持ちはありがたいので、文句も言わずにじっと聴いている人も少なくありません。

現実のUDLでは、特に外部から来た人からの、ある意味で無遠慮とも言える励ましに対して、感情的なトラブルに発展したケースも少なく無いのです。


では、実際に『寄り沿う』とは、どういうことなのでしょうか。そのことと、3つ目の方法は、次回お送りします。


■当記事は、カテゴリ【シリーズUDL】です。


« 話題の『地震予知』は本当に当たっているのか?(#1152) | トップページ | 村井地震予知の“インチキ”を考える【1】(#1154) »

シリーズUDL」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543100/63312125

この記事へのトラックバック一覧です: 【シリーズUDL36】心理編8・言葉が、心をほぐす(#1153):

« 話題の『地震予知』は本当に当たっているのか?(#1152) | トップページ | 村井地震予知の“インチキ”を考える【1】(#1154) »