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2016年4月 7日 (木)

村井地震予知の“インチキ”を考える【11】(#1170)

村井氏は、ご自身のtwitterアカウントで、こんなつぶやきをされてたそうです。

「(前略)当たらなかったらインチキだ、デタラメだと非難するのを待ち受ける人がいるからです」


他人のせいにしない


勘違いしないでいただきたい。管理人も含め、村井氏の『予知』(予測と言い換えても中身は一緒)を理論的に批判する人々は、的中率などを問題にしているのではありません。

貴殿が根拠としている電子基準点の『異常変動』はノイズであり、実際の変動ではない。すなわち、それを根拠としての地震予知など元来不可能であり、実際に、貴殿が『予知』した地震の的中率は、子細に見れば当てずっぽうと変わらないか、それ以下の確率でしかない。

しかし、地震多発地帯を広範囲に、しかも長期間『警戒ゾーン』指定する、すなわち誰にでもある程度の“的中率”が出せる、『下手な鉄砲数撃ちゃ当たる』的な方法を行い、見かけ上の“的中”を粉飾している。

そのような“不良情報”をメディア上で大々的に喧伝し、根拠の無い不安をばら撒いていることを批判しているのです。

決して結果を問題にしているのではなく、科学的態度を問題にしているということです。


さらに、情報を有料で配信しているのですから、もし貴殿が、ご自分の理論の瑕疵、つまり「当たらない」ことに既にお気づきで、その上で有料配信を続けているのならば、詐欺罪の成立要件を満たす行為となります。告発する人がいれば、ですが。

ご自分が有名になったのは、メディアが勝手にアオったからだと今更おっしゃりますまい。貴殿はそれを拒否されていないし、むしろ利用されている。その結果、理由はともかく、既にかなりの社会的影響力をお持ちなのです。

それとも、あくまで地震雲だ体感だ占いだとかいうエセ科学やオカルトと同類の、信じるも信じないもあなた次第、という立場を取られるのですか?

そうではなく、公共の福祉のために有用な防災情報として発信されているのならば、誤りは誤りと認め、外部からの合理的な指摘や質問には真摯に回答し、過去の研究や配信内容を公表し、外部の検証を受けるなどの対応をしていただきたい。

ここまで“有名”になられたのなら、その責任があります。

このままでは、味方だったメディアが手のひらを返す日が、確実にやってきますよ。それに、これだけ“アンチ村井”が盛り上がって来たら、それをネタにアオるメディアも出て来きますよきっと。

その後のことは、我々は知ったこっちゃありませんが。


お手紙書いちゃったw


と、なんだか勢いで村井氏への私信みたいなものを書いてしまいました。

前にも書きましたが、別に村井氏個人を攻撃しているわけではなく、氏が儲かろうが損しようが、そんなことはどうでも良い。


誰もが、「大地震が来たらどうしよう」という不安を持っているわけで、そこへ“的中連発”とされる『予知』情報があれば、誰もが知りたい。

でも、それは根拠が無い大ざっぱな情報で、実際の対策には役立たない。しかも、細かく見てみれば全然当たっていない。

そんなものでカネ取っているのなら、カネ取っていなくてもメディア上で公開しているのなら、文句言われても知らん顔して「自分は正しい」と突っ張っていないで、きちんと説明してください、と言いたいだけです。

まあ、それをしたら“砂上の楼閣”が崩壊しますから、かなり勇気がいると思いますけどね。


とまあ、今回はこんな内容になってしまいましたが、ネタが尽きたわけではありません。

次回は、三宅島の地震についてです。
Miyake
人工衛星から見た三宅島。言うまでもなく、火山島です


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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エセ科学・オカルト排除」カテゴリの記事

コメント

科学的に正しいか否かは別にして、
村井氏がビジネスでやられていることに
対して徹底して批判されていることに
違和感を覚えます。

特に、有料サービス加入者でも何でもない
貴殿が詐欺だと言う理由は何でしょうか。

また、村井氏側から何らかのアクションを
起こされるリスクに対してはどのような
お考えを持たれているでしょうか。

>生田様

コメントありがとうございます。

あれはビジネスなのでしょうか。つまり、利潤を上げることを目的したサービスであるならば、批判する必要はありません。村井氏がそう宣言されるのならば、私の批判は取り下げます。

村井氏の今までの発言などから、これはビジネスではない、公共の福祉のためであり、利潤が目的ではないと考えればこそ、批判しているのです。

それに、カネ絡みの問題以前に、地震予知という注目度の高い情報を公的に発信するに当たり、その理論や裏づけが非常に曖昧で、結果に関しても針小棒大に公表しているように思います。これは、主にメディアの扱いの問題かもしれませんが、それは科学者としての態度ではないということを、最も強く指摘しています。

詐欺云々に関しては、あくまで仮定の話として書いています。もし、情報提供者が自ら誤った情報だと知った上で、それを正しいものとして有料で提供していたのならば、詐欺罪の成立要件を満たす、ということです。

村井氏がご自身の理論や情報をどう認識されているのかはわかりませんが、これだけ周囲から合理的に瑕疵を指摘されても、自説に瑕疵は無いと強弁されていることに、強い違和感を覚えます。

なお、私は一旦メルマガ登録をして情報を見て、これは信用するに値しないと考えて、登録を解除しました。ですから、いくばくかのお金は支払っております。しかし、個人的に「詐欺だ」とは言っていませんし、そのつもりもありません。

自分に対しては、これだけやれば名誉毀損などで告訴されることもあるかもしれません。しかし、ならば黙っていよう、自分には関係無いとは思えませんので。

私も防災に関わる人間であり、その現場は様々な不良情報に惑わされています。そのような負の経験からも、社会的影響力の大きさを鑑みても無視するわけにはいかないと考えて、このようなことをやっております。

世間では、様々な場面で「訴えるぞ」と脅すようなことが起こります。それだけで萎縮するくらいならば、最初から黙っていれば良いかと。

繰り返しますが、もし村井氏がビジネスで、利潤を目的で情報配信されているのならば、私の批判の対象ではないと明言した上で、関連記事を削除いたします。その点に関して、何かエビデンスでもありましたら、ぜひご教示いただければと存じます。

蛇足ながら、ブログ文中で時々ふざけたような表現をしているのは、文章の演出とご理解いただければ幸いです。

ご意見、ありがとうございました。

ご丁寧な回答をして頂き、ありがと
うございました。

電子基準点とかの信ぴょう性を持ち出さなくても、ほぼ全国のエリアで地震が起こると予想している時点でアウトだと気づくと思います。しかも、長期に渡って言っていれば、いつか地震が起きるだろうし。もはや予測でも何でもないペテン。

電子基準点での予測が無理なことを証明するのは、悪魔の証明ですね。でも、警戒ゾーンと言いながら実際には起こらなかった事例を月ごとにでも数えてハズレ確率を出したら、誰も相手にしなくなるような予測法と言うか、ペテンだと思います。
超能力ブームと同じで、マスコミが真実を隠して煽りすぎ。

>基準点様

コメントありがとうございます。

ずいぶんと前から、世界中であらゆる地震の前兆現象が主張されてきましたが、結局のところ、普遍的に現れる前兆は未だ発見されていません。

その中には「場合によってはあり得る」と考えられるものもありますが、いずれにしろ実効的な地震予知に使えるものは、何一つないのが現実ではあります。

しかし、予知したいという需要がある限り、どんなクソネタでも商業メディアに乗って、それなりの話題となってしまいます。

村井の電子基準点ネタに関しては、悪魔の証明とすら言えないものではないですかね。大前提として、村井が「異常変動」と主張する変化は、科学的にその発生メカニズムが明らかな「ノイズ」なのですから。最初から、完全にペテンなんですよ。

それでも、メディアの力や肩書きの権威で粉飾されると、ある一定の人々を信じさせてオイシい商売になるわけで、まあ今後もいろいろ出てくるのでしょう。過去記事にも書きましたけど、「恐怖はカネになる」のです。

そういう流れを断ち切るには、権威のある人や組織が「根拠なし」として、公式に大々的に否定するのが最良なのでしょうが、真っ当な科学者はそんなの仕事じゃないし、そんなバカバカしいことにエネルギーを使わない。しかも、そっちは商売にならないからメディアも食いつかない。でも、そろそろ何か行動して欲しいなと。

インチキを見抜く人は、確実に増えているはずです。でも、まだまだ巨大なマスが「信じたい」んですよね。

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