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2016年4月 8日 (金)

村井地震予知の“インチキ”を考える【12】(#1171)

当シリーズでは、村井氏が「震度5弱以上の地震をすべて的中させた」と言われるのが、果たして合理的なのかどうかを検証していますが、それに関しては、あと2回で終わりにしようと思います。

ここまでご覧いただいたいて、全てが“下手な鉄砲の乱射とメディアによるコジつけ”で出来ている、というのがおわかりいただけると思います。

今回は、2013年の三宅島です。


“山麓”で起きた地震


2013年4月17日、東京都の三宅島西方約10kmの、深さ20kmを震源とするマグニチュード6.2の地震が発生し、三宅島で最大震度5強を観測しました。

この地震は、海底からそびえる火山である、三宅島・雄山の西側“山麓”直下で発生したものですが、その後の調査で、火山活動との直接的な関連は無かったとされています。

いずれにしろ、三宅島を含む伊豆諸島、小笠原諸島は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界である、伊豆小笠原海溝に沿った火山帯であり、我が国における“地震の巣”のひとつでもあります。

中でも、三宅島近海は火山性も含めて地震の発生が非常に多い場所で、北西側の神津島、新島、利島周辺も含めて、飛び抜けた多発地帯なのです。

下図は、気象庁の報道発表資料からお借りした図表ですが、灰色の点は1998年から2012年までの14年間に発生した、地震の震央です。
Miyake1
このように、周辺地域に隙間が全く無くなるほど、集中して多くの地震が発生している地域であり、『いつ起きてもおかしくない』場所のひとつと言えます。

一方、上図の上辺中央部に見える大きめの島は、伊豆大島です。伊豆大島周辺では、地震の発生がかなり少ないことがわかります。島の西側に少し集中している地域がありますが、これは主に三原山の火山活動に関連する、火山性地震が主と言えます。

地震の発生数にこれだけ大きな差があるのですから、三宅島付近と伊豆大島付近では、地下の状態が大きく異なっていることは明らかです。つまり、地震発生に関する構造は“繋がって”いない。

なお、三宅島と伊豆大島は、約60km離れています。


さて村井氏の登場です


翌2014年発行の『週間P』の記事には、この地震についてさらっと数行だけ、こう書かれています。引用させていただきます(太字部分)

その(管理人註:4月11日の淡路島震度6弱のこと)直後の4月17日に三宅島で発生した震度5強の地震も、3週間前のメルマガで60キロ離れた伊豆大島の地震を予測していた。

記載内容が少ないのは、詳しく書くとボロが出るからでしょうかw何しろ、4月11日の淡路島と17日の三宅島、“連続的中”という印象操作ですね。

『週刊P』は、茨城南部の地震を北関東の地震と強弁(#1168号記事に詳細)するくらいですから。後に村井氏、『週刊P』記事の中で、「私は震源の場所ではなく、揺れが強い場所を予測している」と、訳の分からないこともおっしゃっておりますし。

電子基準点の『異常変動』は、震源近くではなく、揺れが強い場所に出るということでよろしいでしょうかw


軽いまとめとツッコミ


というわけで、伊豆大島で『異常変動』をみつけて警戒せよと言っていたら、たまたま3週間後に三宅島で大きな地震が起きた。同じ伊豆諸島だし、詳細には触れずに“的中”としておけ、という感じですかね。

でも、前に述べたように、伊豆大島周辺での地震はかなり少なく、三宅島周辺は多発地帯です。地震の発生に関しては、全く性格が異なる地域です。

地震が起きそうも無いところを警戒指定していたら、良く起きる場所の方で起きてしまった、ハズレたのは残念だけど、結構近くだから、アタリと言っておけば注目される。どうせ、地震の詳しいことなんて誰もわかりゃしないのだからと、誰かが言ったとか言わなかったとかw

三宅島も伊豆大島も、島という概念で見れば海上のごく小さな陸地ですが、その実体は海底からそびえる火山であり、その山頂部が、島として海上に顔を出しているわけです。

そう考えると、村井氏や『週刊P』による、ある火山(三宅島・雄山)の山麓で起きた地震の前兆が、約60kmも離れた隣の火山(伊豆大島・三原山)の山頂付近の『異常変動』となって現れたという説が、いかに酷いコジつけなのかがわかります。

さらに、もし警戒せよと言った期間内に伊豆諸島での大きな地震が一切起きなかったら、伊豆大島を『警戒ゾーン』に指定したことさえ、すっかり無かったことにされてしまったはず。そんな例は枚挙に暇が無い、というか、村井氏の『警戒ゾーン』の大部分が、そういう扱いになっています。

最後にその、いやもっと凄い実例をひとつ。


2013年4月17日の真実


実は、この日は確率的に特筆すべき日だったのです。

まず、午後5時57分頃、三宅島で震度5強の地震が発生しました。その後、午後9時3分頃、宮城県沖の深さ50kmを震源とするマグニチュード5.8の地震が発生し、最大震度5弱を観測しています。

一日のうちに震度5クラスが連続するという、震災後の地震多発期としても、かなり珍しい日だったのです。

この地震では、宮城県内で負傷者が出るなどの、被害が発生しています。 日本気象協会のサイトtenki.jpからお借りした図をご覧ださい。
Miyagioki

しかし、村井氏関係の記事などに、この地震に関する記述は見られません。

何故なら、東北から関東の太平洋岸は、当時は村井氏の『警戒ゾーン』では無かったからです(現在は、いつの間にか『警戒ゾーン』に組み込まれています)

当シリーズでこれまで挙げた例の通り、『警戒ゾーン』の近くで起きた地震は、単純に震央との水平距離だけを拠り所に(それでも無理だらけだけど)、地盤構造や地震のタイプなど一切無視して、“的中”とする。

その一方で、『警戒ゾーン』以外で起きた地震は、被害が出るレベルであっても、一切無かったことにする。

村井氏とその御用メディアは、このような手法で、見せかけの”的中率”を稼いでいるということです。そして、『震度5弱以上の的中率100%』という言葉だけが独り歩きしている、これが現実です。


さて、次回は『週間P』ネタの最後、村井氏を一気に『地震予知ヒーロー』に押し上げた、あの地震についてです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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